永遠の美少女になって永遠の闘病生活に入った件   作:名無し野ハゲ豚

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幕間 ここまでの登場人物の紹介

ここの部分は登場人物の紹介です。読み飛ばしても本編には支障がありませんが、第2章までのおさらいとしてもう一度振り返ってみてはどうでしょうか?

裏設定等も一部ありますが、第三章以降のネタバレはありませんのでご安心下さい。

 

 

ちなみに登場人物の命名法には一個の共通点があります。某県民以外の方が気付いたら、地理(鉄道)に詳しい方とお見受けします(笑)

 

 

石山優一(いしやまゆういち)/石山優子(いしやまゆうこ)

 本作の主人公兼ヒロイン。

 両親より「一番優しい子に育って欲しい」という願いを込めて「優一」と名付けられる。

 しかし、そうした名付けに反して性格は乱暴者で、気に入らないことがあるとすぐに怒鳴りつけるなど乱暴な性格で煙たがられていた。

 本人もこの性格については嫌っており、両親の前では猫かぶりだったのも含め、多大な罪悪感を抱いていた。

 それでもやめられないことについては「麻薬みたいなもの」と評している。

 話し相手は小学校時代からの幼馴染の木ノ本桂子だけだった。ただし木ノ本桂子が学園一の美少女としても有名だったため、これは皮肉にも男子に更に嫌われる要因となっていた。

 優一時代の容姿は髪が高校生にしてはやや薄く、その代わり体毛が非常に濃く、また顔もやや悪人顔というもの。ちなみに全科目の成績も比較的良い方であった。

 

 2017年5月8日月曜日の3時間目の数学の授業中に倒れる。

 翌日には起床すると違和感を感じ、女の子になってしまった。

 TS病は若い男性のみがなる、全世界でも有史以来1300人程度しか存在しない極めて珍しい病気だが、日本人が患者の8割を占めている。

 また、この病気は明治頃まではどの国でも不吉として殺されてきたが、実は不老体となることも大きな特徴で、不慮の事故に巻き込まれたり、自殺をしない限り理論上は永遠に生きられる。

 ただし実際には精神的負担が大きく、「男に戻りたい」ともがいてしまうとほぼ確実に自殺に一直線になってしまう病気でもある。そのため、この病気で100年以上生きられる患者は極めて少ない。

 

 永原先生より「長生きしたいなら女として生きるしか無い」と言われ、また自らの性格を変えるため、「今度は始めから終わりまで優しい子でいたい」という願いを込めて「優子」と名前を変えて生きていくことを決意する。

 優子としての容姿は背も低くなり、顔は幼さの残る童顔で、学校一の美少女と言われた木ノ本桂子を凌ぐ美少女に。身体にはムダ毛の一つなく、また髪の毛は黒髪のロングストレート、胸は巨乳グラドル並かそれ以上の巨乳というもので、特に身体能力は非常に虚弱体質となった。

 また、優子としての性格も優一時代とは正反対に健気で大人しく、気弱で涙脆い。

 性別の違いや慣習の違いに戸惑いつつも、女の子らしくなるために努力する。

 

 カリキュラムでは、男っぽい態度や言動は矯正の対象となり、また3日目以降はスカートめくりのおしおきと恥じらうように教育されるようになる。

 男時代の服と本、更に生徒手帳は自分の手で処分し、女の子としての自覚を徹底的に刷り込まれた。

 ただしこれらは、女の子らしくなりたいと自らが望んで行ったため、またカリキュラムでは永原先生より「優等生」と褒められ、新しい発見も多く「楽しかった」と振り返っている。

 

 学校復学後は、女の子として扱ってもらえないことへの苦悩を示すことも多かった。

 特に、復讐心のあった男子からのいじめはひどく、本人や周囲の女子たちも「女の子として扱って」と言ってもますます逆効果になっていった。

 生理が来た時にも「この痛みを受け入れなければ優しい子になれない」「女の子になれて嬉しい」と告白、感極まって永原先生が涙し、またこのことを木ノ本桂子と田村恵美に話したことが大きなきっかけになる。

 最終的に木ノ本桂子と田村恵美の共闘宣言や大泣きした優子を女子たちが守るという宣言以降、いじめはようやく収束に向かった。

 一方で、優子は他の女子からも女子として受け入れられることになり、最上の喜びを感じた。

 その後「泣いてもいい、弱くてもいい、甘えてもいい、かっこ悪くたっていい。だって私はもう、女の子なんだから」という考えに至った。

 

 

・優子の母

 石山優子の母、永原先生よりカリキュラムの本を渡され、女の子として教育係を行う。

 やや暴走気味で、おしおきがスカートめくりになったときも、永原先生よりもいやらしいめくり方をして優子を恥ずかしがらせた。可愛い女の子になった優子を溺愛するが、料理中や外出時はスカートをめくらないなど常識は弁えている(ただし、その後スペシャルなおしおきとしてまとめている)

 「女としての矜持」は捨てておらず、女の子らしさを優子に叩き込み、また家事の指南もした。

 

 

・優子の父

 石山優子の父、休日や仕事帰りは普段書斎に閉じこもっている。しかし、家族仲は悪くなく、優一とはいろいろな話に盛り上がった。

 興味が無いものはないほどに知的好奇心旺盛である。女の子としてのカリキュラムの指導は、本人が男性ということでしていない。

 会社の同僚にも、優子のTS病について話しきれていない。

 

 

鳩原刀根之助(はつはらとねのすけ)/永原(ながはら)マキノ

 優子たちのクラス、私立小谷学園(しりつおだにがくえん)の2年2組の担任の先生。担当科目は古典。

 30歳にしては若く、美人な先生ということで生徒の人気が高い。

 

 実は地球最高齢の人間でTS病患者。生まれ年は1518年で数え年にして500歳、満年齢で499歳である(誕生日は不明のため1月1日ということになっている)、30歳は逆サバではないかと疑われていたが、実際には470歳もサバを読んでいた。

 かつては鳩原刀根之助という名前の男性で、長野県の戦国武将「真田幸隆」の元で伝令役の足軽として働いていた。

 20歳の時TS病を発症、運良く両親が既に死んでいたため殺されず、隣の村に逃走しほとぼりが冷めた時に名前を変えて元の村に戻る。

 この時、空き家になっていた刀根之助の家に戻る。この時の主君は海野平の戦いで「村上義清」に代わっていたが、無事に村娘として過ごし、また真田幸隆も主君として復帰。以降不老が発覚しかける本能寺の変の頃まで同地にとどまる。

 本能寺の変後は諸国を放浪、1600年にはたまたま関ヶ原を訪れており、戦いを見物している。

 

 大坂の陣以降は江戸に住む。男余りの江戸にいた独身の美人とあって多くの武士から求婚されたが、既に100歳前後になっていたため、不老がバレることを恐れて拒否。

 しかし、噂はすぐに広まり1653年の江戸で当時の将軍徳川家綱に拝謁。かつての主君が8歳の時まで生きていた「真田信之」がまだ生きていることを知り、面会が実現。

 120年近く行方不明になっていた「鳩原刀根之助」と同一人物であることを示すと、信之は労いの言葉を述べた。

 感激のあまり大泣きしてしまい、「上様の前で無礼だ!」と家老に叱責されるが当時13歳の家綱は「良い、泣かせてやれ」と制止したため事なきを得た。それ以降、家綱を尊敬するようになる。

 この時TS病ということがバレたが、年長者を重んじる朱子学の台頭もあり、戦乱の時代を知る者として丁重な扱いを受ける。

 本人は真田への再士官を申し出たものの、将軍家綱は江戸城への常駐を命じ、以降明治維新まで江戸城に住む。

 明治維新時は自らの記録のある書物を持ち出して再び諸国を放浪、30年前より「永原マキノ」と名乗るようになり、教師を本職としつつも、「長老」の立場として「日本性転換症候群協会」の会長も務めている。

 石山優子にカリキュラムを受けるように促し、教育係となる。復学後も日本性転換症候群協会の担当カウンセラーとして、度々優子を気にかけるが、教師との板挟みになることも。

 また、数多くのTS病患者を見てきており、「男に戻りたい」と思わせないようにしているが、それでもうまく行っていない。

 生理と向き合う優子には感激のあまり涙している。

 

 

木ノ本桂子(きのもとけいこ)

 優子たちのクラスの女の子。優一の小学校時代からの幼馴染で腐れ縁。優一時代は唯一の話し相手でもあった。「学校一の美少女」という名声を得るほどの美少女で、性格も柔らかい。

 田村恵美とそのグループの女子とは仲が悪く、喧嘩が耐えない。

 特に「女の子は男にモテてこそ」という矜持は田村恵美と対立しており、田村と彼女のグループの女子を「同性受けを狙うなんてレズのすること」と罵ったことも。

 一方で、男子からは高嶺の花であることや、狂犬の「優一」の話し相手ということで避けられても居た。

 優一自身も、男子ということで木ノ本グループの女子たちからはあらくれ運動部の多い田村グループへの用心棒としての期待もあり、また女子を標的とはしなかったためそこまでの悪感情を持たれていなかった。

 復学初日こそ、女子として扱うことに戸惑いを覚えるが、すぐに優子を女子として扱うことを決定し、他の女子も続いた。

 優子からの信用度も高く、最も早い段階でカリキュラムの詳細や永原先生の秘密も話している。また、永原先生より生理を受けての優子の思いを告げられた時には何かを感情的に訴えていた。

 田村恵美が面目を捨てでも優子に謝罪したのを見て、優子を守るためなら田村恵美とも協力することを決意。これが雪解けのきっかけになる。

 優子がいじめに耐えきれず大泣きした時も、一番に飛び出し高月章三郎を叱責している。

 

 

河瀬龍香(かわせりゅうか)

 優子のクラスメイトで木ノ本グループの女子の一人。木ノ本グループの中でも美人で桂子にも近い。木ノ本桂子とともに優子を度々気にかけてくれる。

 

 

田村恵美(たむらえみ)

 優子のクラスメイト。テニスの天才で全国でも飛び抜けた実力を持つ。

 豪胆な性格の女傑で、木ノ本桂子とグループを2分する。プライドも高く、木ノ本桂子とは何かと衝突することが多く、特に女の価値観については隔たりが大きい。

 木ノ本への対抗心から、復学初日に優子をトイレに入れようとしなかったり、また「女子とも男子とも扱わない」という手法を取る。

 優子の生理を目撃した後は考えを改め始めたものの、自身のプライドが邪魔してすぐに謝れなかった。

 しかし、永原先生が生理を受けての優子の思いを伝えると、自らも優子を追い詰めていた事実に気付き激しく後悔。罪悪感に押しつぶされそうになる。

 翌日には真っ先に優子に謝罪し、女子として扱っていくことを宣言。ただし、木ノ本グループへの対抗心から、グループごと共闘までは至れなかった。

 

 

安曇川虎姫(あどがわとらひめ)

 サッカー部所属の女子。田村グループへ所属。

 虚弱体質の優子を体育の授業で何かと気にかけてくれる。

 

高月章三郎(たかつきしょうさぶろう)

 優子たちのクラスメイトで篠原浩介の友人。父は整形外科医。彼が石山優子を「性転換手術したのではないか?」と疑ったことで、優子を男子扱いするといういじめが考案された。

 その後は篠原浩介とともに、石山優一に散々に怒鳴られていた復讐としていじめの主犯格として暗躍、「今こそ復讐するチャンス」「もう事実かどうかはどうでもいい」とまで発言。

 優子の自業自得の面が強いものの、優一呼ばわりや上履きを優一の場所に隠す、ロッカーや教科書の名前を優一に変えるなどのいじめを実行。

 復讐心から性格が歪み、木ノ本桂子の「優子ちゃんが嫌な思いしている」という批判に対してさえ、「俺は嫌な思いしてないから」と放言するに至ってしまった。

 篠原は田村恵美に一度殴られただけだが、高月は木ノ本桂子と田村恵美にそれぞれ一度殴られている。

 しかしそれでも良心は残っており、篠原が恨みを晴らしたい一心で優子を殴ろうとした時にはそれを止めている。

 

 

篠原浩介(しのはらこうすけ)

 優子たちのクラスメイトで高月章三郎の友人。

 本来の性格は穏やかで温厚で責任感が強い。そのような性格であったため、優一からは特に怒鳴られる対象となり、恐怖の日々を過ごしていた。

 優子となって復学後は、高月章三郎の提案に乗り、石山優一に散々に怒鳴られていた復讐としていじめの主犯格として暗躍、他の男子へと伝播させた。

 優子の自業自得の面が強いものの、優一呼ばわりや上履きを優一の場所に隠す、ロッカーや教科書の名前を優一に変えるなどのいじめを実行。

 復讐心から性格が歪み、いじめればいじめるほどに更にいじめたくなるという麻薬のような状況に陥る。他の女子が優子を女扱いし始め、また他の男子も静観に舵を切る中で高月章三郎以上に先鋭化。

 優子が泣いた時にも女の子を泣かせる罪悪感もなくなっていた。

 その後、田村恵美と木ノ本桂子の共闘に至り追い込まれたが、どうしても復讐をするため、優子を守っていた女子を強引に引き剥がし、優子を殴ろうとするが、周囲からの非難が殺到。

 高月章三郎からも「暴力はやめろ」と制止され、優子が泣きながら必死に許しを乞う様子を見て良心の呵責が芽生えて離した。

 田村恵美からは「その力は女子を守るために振るいなよ」と諭された。

 

 

小野先生(おのせんせい)

 学年主任で数学の先生、授業が分かりにくいと他の生徒からは不評だが、優一からは「そんなことはない」と擁護されている。

 彼の授業中に突如倒れる所で物語は始まり、「救急車を呼べ!」と生徒に指示していた。

 

蓬莱教授(ほうらいきょうじゅ)

 名前のみ登場、不老研究をしているが、優子からは信用されていない。


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