審判「両者、礼!」
『ありがとうございました!!』
俺「ありがとう、楽しかった」
みほ「こちらこそ」
俺「…次は勝つぞ!」
みほ「いつだって、受けて立ちます!」
互いに握手を交わす!
俺「…いいねぇ…笑顔で戦車道出来るってのは」
みほ「今私がこうやって笑顔なのも…皆のお陰ですから」
みほは愛おしそうに大洗の仲間たちを見る
俺「ああ、そうだな!俺も…アイツらのお陰だな」
と、振り返ったら何の感慨も無く早速女の子に話しかけに行ったので前言を撤回する
というかチョウまでナンパ組に紛れてやがる…審判の方に行きやがった。そうかお姉さん系が好みか……アイツもだいぶ染まったなぁ……
そど子「そこの不良止まりなさーい!」
不良「やっべ、面倒くさいのが来た!ずらかるぞ!」
子分・舎弟「へい!」
そど子「コラー!」
杏「今度大洗でこういう企画があるんだけど一枚噛んでみない?」
阿部「ああ…このままじゃオサマリがつかないからなぁ」
クロウ「あの八九式どうやって動かしてるんだ!?」
典子「要するに根性だ!」
クロウ「根性ってすげえな!」
各々思う所があるようでそれぞれで語り合っている
俺「おーい!このあと打ち上げだぞー!なんとあの伝説の大洗に寄港してだ!」
クロウ「何ぃ!?」
杏「歓迎しちゃうよー」
俺「とのことだ!作戦の見直しとかしながらな!…………ナンパも許可!」
そど子「な!今不純異性交友の匂いが!」
俺「き、気のせい気のせい!」
キモオタ「撮影に忙しいですな」パシャパシャ
ネクラ「歴女チームが一々それっぽいポーズ取ってくれるから嬉しい」
エルヴィン「おりょう…その手を置いてる台座みたいなのは何処から持ってきたんだ…」
おりょう「常いかなるときも携帯ぜよ」
左衛門佐「お色直し中でござーる!暫し待たれよ!」
カエサル「ノリノリだな…」
ナカジマ「ねえねえ君のⅠ号見せてよ!すっごい速いんでしょ!」
航海「え、あ、はい!良ければどうぞ……って一瞬で修理完了!?すげえ…って待って待って待って!流れるように勝手に改造やめて!うわ何そのエンジン!フランス製!?ELC!?駄目だってレギュレーション違反!」
ネクラ「まさか本当に…あの『ねこにゃー』さんに…『ももがー』さんに…『ぴよたん』さん…?なのですか?……某ゲームで無類の強さを誇るチャンピオン……」
ねこにゃー「そ、そういう貴方は『†エンドレスエイト†』殿ですか!!?ぼ、ボク光栄です!」
ネクラ「…こ、ここ、こちらこそぉ!」
チョウ「この子もM3なんでスネ」
梓「このM5もこの前まではM3って名前だったんでしたっけ?」
チョウ「そうデス。今はM5A1デスガ」
優季「なんかレベルアップって感じだねー!」
あゆみ「私達のM3もレベルアップしないのかな?」
紗希「…M12」
あゆみ「紗希が何か言ってる!」
チョウ「ええと…M12自走砲……M3の車体に露天式にして155mmカノン砲を搭載した自走砲……だそうです」
あや「レベルを上げればいずれ155mmに…!?」
梓「ならないと思う」
オネェ「あら貴方いい肌してるじゃなぁい?」
沙織「え!?あ、どうも!」
オネェ「そっちの黒髪のアナタも素敵よ」
華「あらあら、お上手ですね」
オネェ「ちょっーとメイクの練習台になってくれない?可愛くしてあげるわよ!ほらこんな感じに」
チビ「…………」
完全に女の子と化したチビであった
チビ「…なんで僕なんですかぁ!!やめて下さ」
沙織「やだもー!可愛い!男子だとは思えない!」
チビ「オネェさん、ナイスです!ぐっじょぶ」
優花里「あの激レアなSMKを直に触れられるなんて夢のようですぅぅ!!ヒャッホォォォォォウ!!」
俺「何なら乗るか?修理出来てないから動かせはしないけど」
優花里「いいんですか!!?」
俺「どうぞどうぞ。むしろSMK以外もいいぞ」
優花里「ありがとうございます!!それでは早速!!!」
各々交流を楽しんでいるようだ
みほ「そう言えばお姉ちゃんに聞いたんですけど…」
俺「うん?」
みほ「うちのお母さんと喧嘩したって本当ですか?」
俺「ブフォ!!」
予想外で吹き出す俺
俺「あ、いやいや……ええと……うん…まあ……そんなこともアッタカナー」
みほ「よく五体満足で無事に…」
俺「五体満足!!?一歩間違えたら腕の2、3本失ってたのか!!?」
みほ「いえ、それどころか跡形も無く…」
俺「ビーム!?焼却!?西住ビーム出るの!?」
みほ「ところでどうして喧嘩なんか…」
俺「聞くな!!禁止だ!もしくは家元に直接聞け!!」
みほ「え、ええー…」
俺「そ、それよりさ!ちょっと戦術的なこと教えてよ!うち奇策とか個人の技量だけで殆ど戦ってるからさ、集団での戦術とかかなり苦手なんだよね!」
みほ「なんかすごい勢いではぐらかされた気が…」
まだまだ大騒ぎは終わりそうにない
そして…
大洗と別れてその家路…
キモオタ「なんだか凄いところまで来ましたな…」
俺「ああ…本当に…数か月前までは俺たち戦車のせの字も無かったんだぜ」
ネクラ「聖グロ戦か……試合中も話したけど懐かしい気持ちになるな」
俺「………楽しいな、戦車って」
戦車道
現在ではマイナーな武芸とされているが、かつては華道・茶道と並び称されるほどの伝統的な文化であり、世界中で女子の嗜みとして受け継がれてきた。礼節のある、淑やかで慎ましく、凛々しい婦女子を育成することを目指した武芸とされる。
そんな競技に、女子の嗜みに全力を注ぐ男たちがいた。
御舞等高校、数少ない男子戦車道チームの中でも無類の強さを持つチーム。そして衰退しつつあるこの戦車道を変えるかもしれない可能性の一つ。
誰もが思っていた。男が戦車道などできる訳が無いと。あのような弱小戦車で戦えるはずが無いと。邪道が伝統に敵うはず無いと
しかし彼らは全てを覆した。この戦車道を誰よりも楽しみながら…
オネェ「帰ってこの子達の整備してあげないとね!」
航海「そうだな!ところで俺のツイッターと黒歴史ノートは一体どうなったんだ…?」
不良「危ない…あのオカッパ女……キュウリが無ければ即死だったぜ……」
チビ「なんでキュウリなんか持ってたんですか……」
チョウ「見てくだサイ!ウサギさんの子にチームのマーク書いて貰いまシタ!」
クロウ「パンダが茶碗被って死んでるマーク……」
阿部「やらないか」
俺「やらねーよ!」
俺「あーお前ら早く帰るぞ!明日早いんだから!」
キモオタ「え?何か予定ありましたっけ?」
ネクラ「思い出せないな…」
俺「決まってるだろ!朝イチで戦車直して練習だ!!大洗にリベンジするぞ!!」
810「お、そうだな」
俺「だからなんでお前が締めるんだよぉぉぉ!!!というかそれお前の語録じゃねぇぇぇぇぇ!!!」
オォン!アォン!ンアッー!
夕日に包まれて、野獣の咆哮が心地よく響き渡る
彼らはきっと、誰よりも楽しみながら戦車を続ける。そして彼らが卒業しても、その意志は受け継がれ御舞等高校はこの先もずっと、ずっと走り続けるのだ
そう誰もが思っていた
次回エピローグ。次回は今までとはかなり毛色の違った話となります。今までの雰囲気とそぐわないかも知れないと自分でもわかっています。それでも書きたかったエピソードです。人は死にません。