閣螳螂は娯楽を求める   作:白月

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死ぬ事を前提に造られた消費期限5年の人間のクローン達ですので、人間の死亡はなんの損もないのでご安心下さい。

現実と理想と想像と他人を区別出来ますよね?出来ますよね??

以上、ミラルーツでした!キラッ☆


なんだかんだザル警備?

 

撃龍槍を翼で振り回し、目に見えるロボットを潰していく。

時折人間の血が飛び散るが、その際は早々に拭き取る。

 

「ギイィィィィ!」

「ドォォォォオ!」

 

ボガバドルムと、なんとクイーンの声が聞こえる。

まぁ、そうでなければ断続的な衝撃と破壊音、空を覆う謎の音に説明がつかないが。

 

糸を放ち、矢印のある階段を降りる。

 

「捕捉、乱射。」

 

3階まで降りた所で数十機の機械に銃を向けられる。

躊躇なく撃龍槍を叩きつける――

 

機械は2機を残して飛び退いた。今までとは違い回避したという事だ。

咄嗟に笛を振り、水銀で何機かの銃を殴りつけひしゃげさせる。

 

数発の銃弾が私の体を貫通する。

慣れた痛みを感じながら笛を吹き、早々に治療する。

 

「居た!」

 

その声が聞こえた方に顔を向けると人間が機械の様な動きで走ってくる。傍には直方体の機械が浮いていた。

 

「ポッド!」

「捕捉完了。」

「いけ!」

 

ほぼノーモーションで放たれたレーザーが私の脚を穿つ。

体勢を崩した私にちまちま弱い弾丸を放ちながら近づいてきたが水銀の壁を作り無理やり押し返す。

 

そして笛を吹いたばかりである為、笛を振りながら水銀を刺すように飛ばしウイルスで脚を作り、糸で機械を纏める。

 

キュイン!キュイン!

 

しかし側転しながら白い光を放ち、異常な速度で私に近づいてくる。

機械を纏めた塊を投げつける。

 

「はっ!」

「接近。」

 

翼で潰そうとすると再び回避され、背面に動かれる。

が、ウイルスで何処にいるかは筒抜けだ……

 

うん?ウイルスでの意識を集中するとウイルスの動きが変化するな。

 

「狂竜ウイルス濃度増加。」

「何!?くっ!」

 

爆発が起きた……それと同時に爆発の元となった所のウイルスは死滅した。なるほど、この様な使い方もあるのか。

 

水銀を飛ばし、撃龍槍を投げつける。

回避される前に側転1回の所に意識を集中する。

 

「ぐあっ!」

 

敵を吹き飛ばし、壁に叩きつける。

撃龍槍を引き抜き、水銀で槌を作り振り下ろす。

 

「はぁっ!」

 

再び閃光を放ちながら回避された。

私は階段に少しずつ退く。

 

「損傷確認。」

「救援信号!」

「その必要はないぜトゥービー!」

 

私から距離をとった人間の後ろに黒い渦が発生し、そこから6つのオレンジの魔法陣を浮かせながら人間が飛び出してきた。

 

「『爆!炎お゙っ――」

 

そして馬鹿はこちらに走ってきたので視界外からの水銀を槍にして刺し殺した。いくつか何かに弾かれたがまぁ馬鹿は馬鹿だと証明されただけだな。

 

「支援者の生体反応消失。」

「くそ……っ!」

 

水銀で私を守る鎧を作る。

残りの水銀を飛ばし、奴を牽制している間に矢印に従って走る。

 

地下一階を塞ぐ扉に対し、笛を振って脚を治す旋律を奏でながら撃龍槍で扉を破る。

 

「撃てぇぇ!」

 

大砲の玉が私をかする……違う、後方での爆発が無い。純粋に私を破壊するであろう鉄塊は私に当たらなかった。

水銀を飛ばす。

 

「喰らえ!」

 

何人かの銃が青白く光る……電気か!?

大砲を使った人間を水銀で地面まで刺し、シャガルの翼で一番近い人間を握り、他の奴を巻き込んで潰す。

 

銃弾が私を貫通する痛みを感じながら笛を振り、糸で何人かの首を吊る。そしてウイルスを爆発させ、死んでもらう。

 

「目標、捕捉」

「はぁぁぁぁっ!」

 

ちっ、もう追いついたか。

振りおろされた刀を水銀を纏った鎌で抑え、水銀を飛ばす。

 

飛び退いた所にウイルスを爆破、加速された所を翼で掴む。

 

「くっ!?」

 

……感触がこいつを機械だと示す。

 

「ギィァァァァ!」

「がぁっ!」

 

箱の銃撃を無視し、壁に押しつけたまま矢印に沿って廊下を走る。

 

バキりという音と共に首が折れ、抵抗が無くなった所で撃龍槍の柄で粉々に粉砕する。

 

「護衛対象ロスト。」

 

そう言って箱は去っていった。

 

 

 

 

 

そして撃龍槍の数倍の大きさの扉が立ち塞がる。

 

【お疲れ様〜!やっと辿り着いのね!二枚組の白いカードを出してちょーだい。】

 

ミラルーツの指示に従い、ポーチからカードを出す。後は指示されなくても対応する対象を見れば分かる。

溝があった。そこにカードにある矢印通りに通せばいいのだろう。

 

【同時にだな。】

【おっ、ご明察!】

 

水銀で両側にカードをスッと通す。

 

 

ガコン!

 

ビィーッ!ビィーッ!

「予定時刻にようこそいらっしゃいました。現在レベル85の致死性ミーム、また、レベル85級の世界改変が発動していまぁぁ―ぁ、ぁぁ、貴方の時刻狂う、破滅、致死性の、規定量の量らはは、アラー、所定の定刻のメン――」

 

 

警報と謎の音声は消え、静かに扉は開いていった。

 

【よしよーし!やったぜ、変態クソトカゲ――】

【これから何をしたらいいんだ?】

 

私はミラルーツの言葉を遮り、質問する。

 

【マザコンはかなり色々と厳重で先ずは『過去同期』……えっと、ウイルスも外傷も過去を基準に直しちゃうのよ。

メンドクセー(´ε`;)、だから……チッ、ごめんなさいね、こっちにも用が出来たわ……

そうね、その大きな部屋から繋がる全ての部屋の破壊指示を座標に組み込んだわ。だからそれぞれの部屋に行ってね。そんじゃ!】

 

ミラルーツの声は消えた。

私はとりあえず開ききった部屋の中に入る。

 

 

 

 

中央には私のネセト、それの十数倍の大きさの四角形で黒色の物体が……いや、機械か。それに四方八方からチューブが繋がっている。

だが機械自体が浮かんでいるようだ。支えは見当たらない。

 

試しにチューブを一本切ると、少しの間私にヌメる水がかかったが、突然何事も無かったかのように直った。

 

再び現れた矢印を辿り、マザーコンピューターを一周する橋をウイルスを撒きながら走る。

扉を開き、暗い部屋に入る。

 

闇の中にいる獣を鎌で切り裂く。

相手はこちらを睨みつけ、探っている間に私はウイルスで捕捉しただけのこと。

ミラルーツの人間型が機械の隣に浮かぶ。

 

『この四角い機械は、座標探査妨害装置!つまり座標自体を捏造、破壊、除外をしてる訳じゃないのよ。破壊方法は簡単、壊せ!』

 

撃龍槍で殴りつける。当たる瞬間に障壁が光ったが、ミラルーツの幻影が光ると障壁は消失し、難なく振り抜けた。

壊した機械が再び元通りになる……が、幻影が四散すると機械は再び壊れた。

 

気づいていなかった圧迫感が消え、体が軽く感じる。

 

この調子で壊していければいいが。

 

 

 

 

 

 

 

その頃、空では過激な闘争が続いていた。

 

『防御ろ!アルマロス!!』

『いでよ!リヴァイアサン!!』

『現る技術!誘導型超原子ミサイル!』

 

「ギィィ、バチッ、ギギバチ!!(全体、全方位攻援重視隊列!)」

 

ある者は巨大な城を。

ある者は統水す龍を。

ある者は破滅の力を。

 

それでもクイーンランゴスタは戦線を維持し、神選者の施設突入を阻止し続けている。

 

「まずは巨大な龍を叩く!皆はついてくるな、援護しろ!」

 

己を追うミサイルを紙一重で躱し、雷を放ちながら龍に突撃する。

龍の放つ魔法を急上昇で回避、そしてミサイルを龍の頭にぶつける様に迂回する。

 

「ゴォォォォォ!!」

「怯み長すぎない?」

 

龍が呻いている間に戦闘機を親衛隊と共に三機撃墜、そのまま飛行力やブーストを制限してくる城へ接近。

水、雷、龍の三属性の巨大光線で城に取り付けられた大砲を破壊してまわる。

 

城からノズルの様な物が複数顕著し、緑色のレーザーを放って無作為に振り回す。

敵味方関係なく破壊するその力は低空のランゴスタ達にも少なくない被害を与える。

 

 

 

「よっしゃ俺が一番―――ぐはぁっ!?」

 

 

ほんの少しだけ混乱したランゴスタ達の隙をつき、地上を駆けて神選者は施設に突入しようとした。

しかし、その前にボガバドルムが立ち塞がる。

 

「……なんだお前は!?」

 

――今まで既知のモンスター、その延長線上の存在を相手にしていた神選者にとってそのモンスターは未知の存在だった。

 

「ヴォォォァァ!」

「うっ……」

 

分厚いと形容出来る咆哮により、神選者は気絶する。

 

 

ブチ

 

 

やった、また1人殺せた!

でもランゴスタさん達は凄いなぁ……あんな猛攻を受けてほとんど通さないのだから……




現在 故火の国周辺地域

白統虫クイーンランゴスタ
つよつよランゴスタ軍(約12万)
???ボガバドルム
残奏姫アトラル・カ
???アグナコトル
(ミラルーツ)

アルマロス(DOD)
リヴァイアサン(??)
神選者(15)
神製物(20+57)
クローン兵士(4000+800)
無人機(1500+400)
(神様・4)

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