閣螳螂は娯楽を求める   作:白月

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phase:24


天廊に大規模工作
対ゼスクリオ準備終了
対ドゥレムディラ準備終了

成功確率???《100or0》

三龍のうち、紅、出現せし◼



軟禁理由

総数801の空飛ぶ船が天廊のある火山島を囲う。

最大の防護を施されたサブマザーコンピュータを保有する工作艦『フォステル』の元、700の航空戦艦からアンドロイドが飛び立つ。

 

「頭数を揃えるのだけは本当に早く、厄介だな……」

 

 

 

胸がチクチク痛む。

だが、そんな事を気にする程余裕は無い。

 

「おい、アイテム捨てるのはどれだ?」

「ツカミデス。」

「くらえ!B爆弾!」

「ソレ、スマートボムダカラ……」

 

オオナズチも人の姿となった。

ゼスクリオは保持する力の関係上、人の姿にはなるのは危険らしいが手の模型を遠隔操作してやっている。

 

私達はゲームで時間を潰していた。

中々ミラルーツが帰ってこない……その時にオオナズチがこのゲームを渡してきたのだ。

 

「それにしてもその人間強いな。」

「デモ、テカゲンシテルワネ。」

「ガチ勢の楽しいと、エンジョイ勢や新参の楽しいは両立出来ないのが当たり前ですから手加減……というか遊ぶのは当たり前っす。新参者に本気でぶちのめすのはただの自己顕示っすよ。ギニャー!」

 

画面奥からやってきた車に轢かれ、大剣を持った人間は吹っ飛んだ。

そして私が棚から牡丹餅的に勝った。

 

私の使っていた青い狐が決めポーズを決め終わり、リザルトを飛ばしてさっさとキャラクター画面に戻る。

 

「次どうしようかなぁ〜?」

 

オオナズチは人間より大きい目をギョロギョロと回して画面を見ている。

私も他のを使うか。

 

そうして水色の女性を選択しようとした時だった。

 

 

 

腹から喉をうねる感覚と共に吐き気がこみ上げてくる。

畳に突っ伏し、喉を抑える。

 

「ダイジョウブ!?」

「ウォッ……ぢか……よるな。」

 

視覚がウイルスまみれになり不自由になる。

続いて触覚が消える。

そして喉元に何かが蠢く感覚だけを感じる。

 

「オ゙エッ、ア゙ア゙ア゙ッ、ガッ!」

「うわっ。……すまん、咄嗟にひいてしまった。」

 

酸っぱい液体と共にソレを吐き出す。

黒くうねる細長い生物がか細い声を上げている。

 

「ケボッ!こいつか。」

「ちょまっ!?」

 

拳を振り上げる。

恐らく私に巣食うのはウイルスが成長した姿だろう。

とりあえず仕返しと気晴らしの為に殴り潰す。

 

「ギィッ!」

「バリバリッ!!……ペッ、美味くもない。いきなり何なんだこいつらは……ゲェッ!」

 

辛い野菜から乾いた腐肉まで食える私さえ、この酸混じりのゴア・マガラの幼体は吐き気を催す……いや吐いているのだが、とにかく気持ち悪くなる味だった。

 

一瞬、気を失いかける。

 

「ドウシタノ!?」

「キィィ……ギィ――ァァァァァ!?」

 

そして私は元の姿に戻っていた。

その事に気づいた途端、私の体のあちこちに強烈な痛みが走る。

何かが私の体を内側から食い破っているような感覚だ。

 

体が震える。

ゴアの翼が私の背中を破いて出てくる……っ!

私の血液が飛び散る。

 

「あー、ルーツの力で翼による傷が出来ないようになってたんすね〜……シュバッ!もぐもぐ……おう、このゴア・マガラ美味い!」

「ヨクタベルキニナルナァ……パクッ……ホントウダ、オイシイ。」

「もっと吐いて!」

「ァ”ァ”ァ”ァ”!?」

 

流石に苦痛の中でも怒りを感じた。

その間にも私の体のあちこちからゴア・マガラがポロポロ出てくる。

 

「おー、バルラガルじゃないけどアトラルの血も美味しい!」

「……ホントダ。ノウシュクサレタコリュウノシガイ、ダシガイイ。」

 

……どうやら脳を食われる様子は無いようだから、余りにも辛いし意識を手放すか。

再びの激痛を感じ、若干ひんやりとする私の血に横たわって眠る事にした。

 

 

 

 

雷の音と共に目が覚める。

痛みはあるが、うねったり噛まれる様な痛みはない。

 

「ギィ……」

「あら〜おはよう。この二匹は……あはは、お腹一杯で眠ったのかしら?」

 

ゆっくりと体を持ち上げる。

死ぬ程……いや、本来なら死ぬ痛みだったか、とにかく事前に通告してもらいたかった。

 

体中に張り付いた血糊と死骸を削りとる。

ゼスクリオは血糊の動きを止めて壁を作りその中で寝ていて、オオナズチは透明になり天井に張り付いて寝ていた。

 

「……」

「さぁ、翼を出して!」

「キィルルル……」

 

言われるがままにゴアの翼を出す。

すると、いつもよりずっしりとした感覚が走った。

目の前にもってくると爪の色がとても黒く、翼が白く輝いていた。

まさか……

 

「ァァ……?」

「おめでとう!君のゴア・マガラは遂にシャガルマガラに進化した!」

 

ウイルスを翼から撒く。

……ほう、感覚が違う。私に角は生えて……ないか。

恐竜結晶は様子が変わっていない。

 

とてもニコニコしたミラルーツがこっちに近づく。

 

「さて――」

『ミラルーツ、貴様ぁぁぁ!!!この終焉龍の力を持って――』

 

突然黒い空間が開き、そこから赤いレーザーが――

 

「ふふっ。消えたいのかしら。」

『アッ――』

 

ミラルーツが翼をパタリと動かす。

するとレーザーも黒い空間も消えた。

 

全くさっきと変わらない表情をこちらに向ける。

 

「さて、頭に血が上るほどウイルスを放出してみて。」

「イルルル……」

 

とりあえず言われた通り翼からウイルスを放出する。

そして翼に纏める。

 

特に何も起こらない。

まぁ頭に血が上るほどウイルスを出す方法が分からないのだが。

 

「あー……そっか、そうだね。追い詰められたらやるといいわ〜。」

 

シャガルの翼で少し飛び、人間の姿に変化する。

そして着地して顔を上げると私は天廊に戻っていた。

いつもの服……王女から貰ったフードの服だ……そして私の背中に笛がセットされている。

 

そして飢餓感が私を襲う……

 

 

「うわっ、人!?みんなー!」

 

 

ミラルーツはとんでもなく厄介な場所に出してくれたな。

まぁ、こいつをメシにしろという事だろうが。

 

ミラルーツがやったのか笛の中に水銀が入っていた。

笛から水銀を床に垂らし、そのまま通路を進んで広い所に向かう。

 

「ちょっと待って!」

「いや、もしかしてあいつはアトラル・カでは?」

「えっ……いや、笛と糸とゴアの翼ならきっと勝てる。」

 

私の情報は既に広まっている様だ。

だが中途半端な知識を信頼すると己を殺すと分かっていない奴らでもある。

 

「盾を構えながら向かうぞ。」

「そうだ――」

 

笛を強く握り、装飾品に龍の力を伝える。

水銀の柱を作り三人とも刺す。

 

「がはっ!?」

 

……鋭利な刃を生やし、肉体の中で回転させる。

肉を撒き散らしながら死んだ。

 

水銀で掻き集め、装備を取り除いて食べる。

とても美味しい……『空腹は最高のスパイス』だったか?

意図してやるのは御免だが実際美味しくなるものだな。

 

装備を集め、水銀に入れて運ぶ。

 

その間に余った水銀を操作してみる。

死ぬ前に比べて圧倒的に操作性が上がっている事に驚いた……シャガルの古龍の力が出来たからだろうか。

 

 

 

 

 

 

「ふぁぁ……おはようございます、ミラルーツ様。」

「いい夢は見られたかしら?」

「ええ、とても……」

「……」

「……ふふふふふ、この通り。血をこちらに用意してあります。」

「でかした、オオナズチ。褒めて遣わす!」

 

「ヤベーヤツ……」




「はい、はい。そういう事です。すいません、ありがとうございます。それではお願いします。はい、はーい………………デイリースポーン。d24にて暴動。至急沈静を………………あー俺だよ。どうした?えー、俺の声が聞きたい?ふっ、しょうがないなぁ………………やめて!もう家にお金ないんです!……………………そろそろ「どうもー、今日はオレンジですか…………」

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