閣螳螂は娯楽を求める   作:白月

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※残念ながら今回のは『雷』は搭載されていません。
雷の様な攻撃の為の砲台は集中攻撃によって破壊されるのがオチなので同等の存在には意味がないためです。



vs異世界

モルドムントを乗せて塔の方へ走ってきた。

 

塔の上には島が浮かび、大量の光線が塔に落ちている。

 

それがこちらに飛んでこない事を確認した後にベースキャンプを蹴飛ばしネセトを寝かせ、モルドムントを降ろして解体する。

骨はまだ硬度を保っており、手入れをすればきちんと使えそうだ。

早速食べれそうな部位と捨てる部位、骨と分ける。

 

 

本当はこんな非現実的な方へ行こうとは思っていなかったが、森のあちこちから蛇のような半固体状の何かがあちこちから現れた為に逃げてきた。

水銀も撃龍槍も余り効かなさそうだから……私はリオレウスの様なブレスが吐ける訳では無いから。

 

……空に黒い穴が空き、また巨大な白い物体が落下してくる。

どうやらベースキャンプから塔への道に落ちそうだ。

 

するとその物体に向かって塔から氷と炎が伸び、大爆発と共に粉砕した。

 

「ォォォォーーッッ!」

 

再び爆発が起きて炎を撒き散らして氷が戻っていく。

 

 

 

 

塔の頂上

 

 

そこでは黒き竜と氷と炎を纏った龍が頭上の島と今も尚落ちてくる白き杭を攻撃していた。

 

「見たかー!ふーははははっ!私にかかれば造作もない事です。」

「まだ見定めてる途中よ。あちらも同じ様ね。」

「どうしますか?やっちまうかぁ!?」

「……じゃあよろしく。」

「最善を尽くしますぜぇぇぇ!!」

 

島に向かって龍は跳ぶ。

両腕に力を溜め、炎と氷の刃をそれぞれ作り出し島に投げつける。

 

防衛機構が更に出現し、レールガンがそれぞれを打ち消す。

そして座標指定型誘導ミサイルが龍を襲う。

 

「雑魚い雑魚い!おそらくまだ手段があると見ました……」

 

その独り言に反応したかの様に大量のドローンが発進する。

一つ一つが鉄を砕く威力を持つ銃を構えている。

ドローンはジェット推進で飛び回る。

 

「熱塵解放だぁぁぁ!!」

 

急激に空気が熱され、あっという間にプラスチックが歪む温度に変わる――

しかし飛行する島もドローンを放って終わりではない。

特殊ミサイルを放ち、大量の魔法陣を形成しこれでもかと緑色の光線が放たれる。

追尾するそれは逃走しようとする龍より遥かに速い速度で飛来する。

 

「無難に防護といきましょう……」

 

龍は氷の八面体の中に閉じこもる。

光線の様な半気体状の物は防げた。

しかし、実弾を防げるかは怪しい――

 

塔へ攻撃していたレールガンが自由落下運動を行う鴨を見逃す事はなくおびただしい数の砲口が向いた。

ついでに遠くで新たな白き杭が出現、落下してくる。

 

「はぁっ!」

 

竜が足を塔に叩きつけると、黒いフィールドが空に広がり覆っていく。

そして無作為に見えて近くの迎撃対象に青白いレーザーが飛ぶ。

 

そして竜の近くの黒い足場からはレールガンを狙って一際太く青白いレーザーが大量に放たれる。

龍を狙った砲弾ごと砲台が抹消され爆発を起こさせる。

 

 

 

『規定の損害により、迎撃機構の解禁』

 

 

島のあちこちに穴が空き、そこから大量の原爆が落ちてくる。

爆発をさせてはいけない事を知らずに竜はレーザーで貫く。

 

強烈な爆風が塔の周りの樹海を吹き飛ばす。

真空状態になった空間へ妬けた空気は集まり始める。

 

そして爆発したそこには千万℃を超える火球が大量に発生し容赦なく放射線が撒き散らされ始めた。

島は防護障壁を張っていたから無害だが、地表にはあらゆる生物の致死量を優に超える放射能が――

 

「ウオッ!?アブナ……」

「ありがとうゼスクリオ。」

 

全身がオレンジに光る龍が塔の中から駆け上がり、放射線も、核の炎も、衝撃波は一番に消されていった。

そしてお返しと言わんばかりに体内の光を放出し島を下から覆う様に炸裂させる。

 

障壁は悲鳴をあげ、島が若干押される。

 

 

 

 

 

ぐううっ!?

 

私はネセトにしがみついていた。

一体何が起きたのか私には理解出来ない……

 

島から、そして塔からレーザーが相互に飛び交っている。

 

とはいえ、黒い膜のせいで若干見づらいが……逸れたレーザーやミサイルが山々に穴を開けている。

これなら塔に近づいた方が安全だな。

 

早速ネセトを操縦して塔へ走る。

 

 

 

 

 

『大規模魔法・リセットメテオ』

 

島は押される勢いを利用し、浮上する。

島の建物がマナの集合した巨大宝石を外側に出して効力を発揮する。

 

島の下からひたすら闇が広がる空間が出現する。

そこから月の1.5倍の半径を持つ星が出現し、加速し炎を纏い始めながら落下する。

 

「どうにか出来る?」

「30ビョウアレバ。」

「分かりました。やってやろうじゃねぇかこの野郎!」

 

ゼスクリオ達が話し合っている間にも周りは止まらない。

 

衛星を防護する様にアンドロイドが飛び回り始める。

連射型レールガンを積んだアンドロイド、電磁ダガーを抜いて飛来する自爆型、世界軸に干渉し対象の時間を遅延させる魔法型。

 

「ウォォォォォン!……氷と炎に包まれて壊れちまいなぁ!……いきます!ふん!」

 

アンドロイドの想定が更新される前にそれ以上の範囲が滅する。

そして無防備なエルゼリオンをレールガンが数十発、体を突き抜けるがまだ再生力を超えるまではいかない。

 

だが、敵はあの島だけではない。

杭から見た事も無い生物が沸き立つ。

超大型の鎧を纏った巨人が青い光の中から現れ、塔へ走り始める。

 

「……多少本気を出さなきゃ対応しきれない。」

 

UNKNOWNは吠え、青い炎を纏う。

そして飛び、巨人に向かって口から放射状に広がるブレスを放つ。

皮膚に刻まれた魔法陣がブレスを防ぐ――が、地面が消失していき穴の奥深くへ落ちていった。

 

「っ!!」

 

そしてアンドロイドの大軍を焼き払いながら振り向き、龍雷を放つ巨大な球を形成する。

大地の中から斜めにビームが塔に向かって飛来し、球に衝突する。

 

第二異砲船のビームだ。

 

段々と球は変形し、押されていく。

 

「まぁなんと大規模な不意打ちね。」

 

そして球は形を変え、島の方へビームを逸らした。

衝撃を吸収する魔法が衛星から発生し、ビームが星を貫く事は無かった。

 

「デキタデキタ。ヨシヨシ!」

 

ゼスクリオの中の光が溢れる。

しかし何も起こらない。

 

アンドロイドは光が弱くなったゼスクリオに狙いを定める。

 

 

ミシミシ……バガッ!!

 

 

黒い空間からまだまだ出てこれていない衛星が粉々に壊れる。

一つ一つが小山程度にまで割れる。

状況を整理し、光を放った龍を危険対象として銃口を向ける。

 

しかし発射しようとしてもポトリと弾が出るだけだ。

電磁タガーも威力が劇的に減少し、詠唱こそ出来ても魔法の発動まで至るマナが無い。

 

「ショウトツノケッカハソチラデタノム!」

 

粉砕された衛星の破片が大量の小さい塊としてくっつく。

しかし飛んでいく方向は違う。

空間を避ける様に弧を描いて島へ飛んでいった。

障壁を展開するがその障壁にどんどん塊は乗っていき、その重さに耐えきれず島は落ち始める。

ミサイルで破壊を試みるがヒビが入ったり割れた音がするものの全く形が変わらない。

 

そして島は真っ黒な空間に落ちていった。

 

アンドロイドは命令待機状態となり、自衛こそするが劇的に弱くなる。

UNKNOWNのレーザーに焼き払われるまで時間はかからなかった。

 

 

 

 

 

……何が起きたのか全然分からない。

とりあえず塔は安全そうか?……いや、何処が安全なのか全く分からないが。

 

空を覆う程の石が落ちてきたり、ラヴィエンテで見たレーザーがほぼ横から飛んできたり、人型の機械が沢山落ちてきたりと私の理解が追いつかない事実が発生した……詳細が余りにも分からない。

 

とにかく、塔の近くに逃げればまだ安全そうな気がする……気がするだけだが。

 




アトラル・カと
バルセロナのー

『何故なに?教えてテーテーテーテテテテッテテー«イナズマイレブン»』

ドカベンじゃないか……さて、今回の説明対象はこちらだ。

『ヴァル達扂皇国』

今回ー飛んでたー超破壊兵器街をー所有するー別世界のー国だねー
向こうの世界で捕虜になった生物が住民となり、敵地へ飛ばされる。
ちなみにこの世界の知能を持った存在の中での覇者は四足歩行のタコだ。
二足歩行のアンドロイドだが、実は足は二本ずつで八本である。
『歩行』『翼』『レールガンなどの武装』『自由』
はっきり言って、人間では到達する事の難しい領域だな。
勿論ー捕虜のー乗っ取り防止はーしまくってるよー
ちなみにー第二異砲船のーリミットが無ければー
一つのー島ぐらいはー倒せるよー

そして、他世界と思いっきり違うところがある。
それは『放射線にかなりの耐性がある』事だ。

文章中で陸には致死量を優に超える――と書いたが、障壁は機材やメーターの保護の為に張られ、一番の意味は熱を遮断する事だ。
酸素とは全く違う原子を吸って生きており、酸素系の元素で出来るオゾンの様な物質が存在しない事への適応進化したといえるか?
バルファルクもー強いぞー!

ちなみに、人間の舌を踊らせたような声で喋るためそう簡単にはコミュニケーションはとれないだろうな。

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