閣螳螂は娯楽を求める   作:白月

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予期せぬ形で心が生まれるアンドロイドは欠陥品だ。
一つの対処出来ない物に対して不自由かつ無能の証明となる『感情』を抱いたのだから。
連鎖的にネットワークにバグを引き起こす癌細胞は取り除かないとならない。

それを理解しない、考慮しない馬鹿が頂点の世界は転生者に乗っ取れる。


のよね
でも『カミサマ』が作り出した世界は、そこに渡る『主人公』が望んだ想像の世界が数百億年以上前に影響を与えるのが面白い所……だわ
「分かります!原理は分かっていてもとてもこの現象は面白いです!」
おいっ、簡単に次元を切り裂くんじゃぁないわ!
「ゲーセン通いしてる貴女を受け入れる事で手をうちましょう」
くそっ……私に選択権は無いのねっ!流石神様!
「いや、あの、特殊な生物なだけですよ……?」



衛星軌道上静止第三異砲搭載船(ものすっごいつよいほうだい)

倒れた者。

逃げた者。

交戦する者。

 

鏖邪はジエン・モーランの牙を破壊し、ロックラック全域を縄張りにすると決めた。

だから今、此処に縄張りを主張する生き物を全て排除する。

 

 

「熱的死!」

「タイムロック!」

 

 

龍の力が効果を鈍くする。

つまり奴の動きは止まらない。

 

大爆発を起こしながら突進して直線上の全てを打ち上げ、水を放出しながら急停止し、再び爆発を起こしながら辿異アノルパティスの様に人間を牙に刺し、砂漠へ突っ込む。

 

氷ならある程度の力がかかれば割れる。

だが、砂は割れるか?

水を潰す様な難しさだろう。

 

しかし鏖邪はおかしかった。

 

明らかに回転数が足りていないのにどんどん地中に潜っていく。

哀れな人が使われぬ肥料になるにも余り時間は必要ないだろう。

 

 

 

 

このレイドボス、明らかに強さが合ってない!

能力効果減衰に瞬間移動!?

勿論即死攻撃がシステム的に効く訳が無いと思ったが……

 

しかも既存の鏖魔だったら三回スタンする程の打撃与えているのに……設定がおかしいな!

 

 

『防御最高なら狩りは怖くない!』

 

 

仲間をかち上げるからと嫌われるハンマーを使っていた俺はモンハンの世界でそのスタンに至る数値を覚えている。

ハンマーのモーション値も覚えている。

何故なら俺がスタン値や滅気値、モーション値を計算し、数値を出した人間の一人だからだ。

 

そう、だからこそ堅実なたちまわ――

 

ガァァァァァァァァ!!!

 

 

 

 

とある神選者は鏖邪の突進で飛んでいき、海に落ちたという。

とても吹き飛び、水分不足で死んだらしい。

 

 

 

 

「援護せよ!」

『認識結果・始動命令』

「OK。」

『承認を確認』

 

月の軌道に近い長方形だった静止衛星が動き出す。

真空には漏れず、誰も聞く事の無い警告音を響かせながら変形する。

 

ウゥゥーーーーン、ガコン!

ガンッ、コンッコンッコンッコンッ。

 

唸りをあげながら変形し、伸びていく。

伸びた所を固定する小型の歯車や柱が動く。

 

二分で全長1500m、直径120mのほぼ円柱の物体と化した。

 

『添付映像、ないし対象情報の読み込み終了 追記要請』

「追記、更新共に無し。」

『承認を確認 注意喚起・対象から半径500mの安全は確保出来ません 砲撃時間・アラーム開始後30秒後、照準合わせを∞秒に設定 』

 

機械が唸りをあげる。

 

自己修復プロセスを異砲船とアンドロイドをリンクさせて組み込み、修復時に必要な資材を時折補充する事により、維持が不可能だと思われていた火力と究極的な安全の両立が実現した。

 

ヴ、ヴヴゥゥゥン!!蓄電池と変電器が唸る音。

ビシィッ、キィィィィン!!電気が駆け巡り、ショート対策の抵抗が悲鳴を上げる。

ゴォォォォオ!!ガス以外なら何においても換気は大事。

 

要所要所が赤く光り出す。

そして先程の変形時の音とは別の警告音が鳴り出す。

 

 

 

ウゥゥゥァァァァァァァァァァァゥゥゥゥゥン

ウゥゥゥァァァァァァァァァァァゥゥゥゥゥン

 

 

日本でいう国民保護サイレンの音が鳴り響く。

 

 

 

煌々と衛星の内部は赤く照らされている。

それを横目に黒い装備をつけた白いアンドロイドが白く照らされた通路を飛んでいく。

 

中央にあるのは僅か直径7mの管。

1mの厚さで出来たその管を扱うためにこの第三異砲船は存在する。

 

 

アンドロイドは残り10秒で射出監視室につく。

機械の算出した着弾地点と対象のブレを無くし、標的の動きを見定める役目がこのアンドロイドにあるからだ。

 

右手で自分の目の前に透明なボードを引き寄せ、そこに開いて0と1の奔流を操作する。

そして無機質な会話が始まる。

 

『施行・合致』

『添削結果・不能』

『再度施行・合致』

『再度添削結果・不能』

『再再度施行・合致』

『再再度添削結果・施行・メンテナンス・メンテナンス終了、調整事項提示』

『記録保存・リセット・施行・合致』

『合致確認、多重施行・開始、整合性確認、追従性確認、臨界値到達』

『継続捕捉成功・想定外対応範囲拡大』

『射出準備終了』

『待機』

『待機認証』

『捕捉成功中』

 

ガコン!ヴゥゥゥゥン!!

時々筒を囲む柱が所々で動く。

そして等間隔に配置された円に柱がくっついた物体が高速で回転する。

 

『【終末の楔(アルマゲドン)】全機構稼働率予定範囲内』

『予測結果・停止』

『記録参照・停止・射出』

 

 

ギィィッッ!!!

 

柱が装填された。

 

 

 

 

 

 

ふぅ……ぐっ、バフと慣れのお陰で大分対応出来るようになったが勝てる見込みが無いな……

砂を払い、剣を支柱にして立ち上がる。

 

……光が!?

 

 

 

竜が咆哮を始めたその時。

ただの棒が落ちてきた。

 

 

ほぼ光速で飛んできただけの棒―――

 

 

神選者の様に動きによる影響を中和する力がかかっていないそれは、空気を燃やし尽くしながら鏖邪を貫く。

勿論その程度で止まるはずが無く、地面に衝突し砂漠の砂が巻き上がる。

そのまま地盤を破壊し、惑星を貫き、そのまま裏側から何処かへ飛んでいった。

 

バルファルクより大きな規模で地形が蒸発したのだった。

 

『リセットアタック開始』

『照準継続捕捉中』

『0』

 

一度全機構を冷やし、メンテナンスを行う為にまずは余剰電力を一気に減らさなければならない。

グラビモスと同じ理由で放たれたビームは第二異砲船と同等以上の威力を叩き出す。

 

砂漠に開いた深淵に続くかと思う程に開いていく穴。

余波が吹き荒れていても宇宙には届かない。

 

電気の柱が追い討ちをかけるように衝突する。

そして大量の電気に引き寄せられ、沸騰し、気化しかけているマグマが穴を埋めていく。

 

大量の神選者やロックラック村が消失したがどうでもいい。

そして……

 

『ピロリン♪』

 

散らばったり影になった神選者の腕から音が鳴る。

今回のクエストの報酬だ。

 

「ばんざーい!」

「「ばんざーい!」」

 

衛星軌道上静止第三異砲搭載船の制作に関わった神選者に素材が配られたのだ。

ついでにライバルプレイヤーが落ちた、これほど喜ばしい事は無いだろう。

 

 

 

 

ぐぅぅっ!!

 

バガァン!ズサァァァァ!

 

二層解除!!

 

 

突然の衝撃波により、私が……ネセトが吹き飛び砂漠を転がる。

脆くバランスを崩すだけの外側の瓦礫を解き、水銀で全身にスパイクを作りながら糸で体を出来るだけ丸める。

 

数分間転がり続け、やっと停止する。

 

「ルカぁぁ!後ろやっばいのじゃぁぁぁ!!」

「ァァァァァ!?」

 

普段から考えられない王女の叫びに私は反応した。

ウイルスを撒き、何かから逃げ出す。

追ってこないなら別の叫び方があるだろうからな。

 

ウイルスは一瞬とても温度の高い反応を示してから消えていく。

よく分からないが、先程から巻き上がる音が近づいてきている……一体なん―――

 

 

 

 

白き龍はイラつく。

 

「……ちっ、落ち着いてエキスパも出来ないじゃないの。」

「壊す?壊す?あはははは!?」

「……大丈夫よ。」

 

それでも今回は明確には手を出さない。

モンスター1匹に対して人間が大量に死んだからだ。

 

「ただ……蘇生は妨害するわ。」

 

蒼き光が白き龍から放たれる。

呼応する様に光が大波が起こっている砂漠を撫でる。

 

「あと……ありがとうね、ヨグちゃん。」

『あ、いえいえー。仕組みを理解すれば死に戻りを解除するのは簡単ですからね。』

 

スバルに誰かが付与した能力はナニかに剥がされていた。

その世界では分からなくても異世界にはやり方があったのだろう。

 

『失敗を失敗する前からやり直す』

 

それを白き龍はとても嫌っていた。

何故なrashi.rkru.mjgajpmgdtiml―rizero.delete

 

 

 

『……よしよし、これで完全に終わりましたね。えっと……隙有都合、ですかね?』




『防御最高なら狩りは怖くない!』
打ち切り

『死に戻りがバグったそうです。』
消去


「実は…この創作などが…大量に消えました。」
「やるじゃねぇか!やったぜ、ピース。」
「触手でピース出来てないです……」
「…俺、混沌なんだよ。だからさ…ティンダロスへこのまま俺と仲良くなりにいくぞ!」
「ごまかしましたね…」
「でもはしゃぐんじゃねぇぞ?全世界終わっちまうからよぉ!」
「…その時はしゃいでるの私ですか?」
「「クトゥルフ神話。クトゥルフ神話、暴走途中」」


「……突然、何故?」
「…俺、混沌なんだよ。だからさ…」
「もういいです……」

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