閣螳螂は娯楽を求める   作:白月

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あらすじ

ラヴィエンテと戦う人間を見てたらマネルガーごと撃墜された。
か弱い少女の振りをして……神選者の庇護下に入る。同時に物理的に支配される。
今度はデルタオスト砲で乗った医療船が爆発四散。
援軍もオストの頭脳とラヴィの咆哮で爆発四散。
怒った神選者は更に攻撃を苛烈にする。

そして黒のマントを羽織った様な……


キリトかなーやっぱりw
自分が意識失って休んでたら周囲のガブラス黒い粉になって死んでたしw
ちなみに彼氏とか彼女はいらないw(聞いてないw)



月の下で苛麗な舞を

ラヴィエンテが苦しんだ光だ、流石に熱い。

撃龍槍が溶ける為、急いで投げる。

 

砂漠で熱されたネセトを操縦する私達でさえ少し焦げる程度の威力はある。

 

地面が溶けていく為、私が沈む前に光の中を走る。

 

ゴア・マガラは離れた。やはり火には弱いらしい。

この隙にさっさと糸を使って逃げよう。

 

だが、恐らく一瞬で追いついて――

 

 

 

光から逃れた瞬間、咄嗟に左に笛を構えるとそのまま吹き飛ばされる。

吹き飛ばされた先で今度は地面に叩きつけられそうになる。

 

 

刹那、視界が紫になる。

 

 

なんとかゴアの腕の勢いを笛で流してなんとか脱出する。

 

バギィッ!!

 

足元を亀裂が走っていく。

一体あの体の何処にこの馬鹿力を出す筋肉があるんだ。

 

「シャァァァァァッ……ゴォォォォァァァ!!」

 

ゴア・マガラが叫んだ。

地面を見ると無数の渦巻く黒い光が。

 

爆発はするが引っかかる事はないだろう。

巻き込まれない様に位置取り、赤くなったが溶けてはいない撃龍槍を引き寄せる。

 

 

その時、奴が飛んできた。

 

「アグナレーザー!!」

 

ゴア・マガラは翼のウイルスを残して消える。

 

奴の後ろに回ったゴアは、翼脚を肥大化させた……のではなく、ウイルスを固めた大きな爪を振りかぶる。

 

「ダイミョウガード!ぐわぁっ!?」

 

振り返らずに奴は防御したが、地面に叩き落とされる。

その衝撃で周りが地割れを起こす。

奴は跳ね返り、ゴアが受け止め今度は青い光になって消えていく戦艦に投げる。

そしてほぼ放心状態で跳ね返った奴を今度は遠くに投げる。

 

 

ゴアはこちらを向く。

 

 

……また視界が紫になり、ゴアが私の後ろに陣取る一瞬が見えた。

なるほど、先程の光線で遂に私のウイルスを抑えていた抗竜石が変質したのか。

 

 

それにしても、私がウイルス持っているせいなのだろうか。

私への執着心が強すぎる気がする。

 

こんな馬鹿げた例外……あ。

糸からあの球を取り出す。

 

使うべきタイミングに持っていなかった物だ。それで一度死んだ。

 

 

 

風が鳴る。

 

 

 

くそっ、危な――ぐはっ!?

 

ウイルスに導かれる様に笛を構えた。

再び直撃は防いだが、岩に衝突したのか意識が飛びかける。

一か八か、化物に通用するかは分からないがやるしかない。

それしか私には抵抗する方法がないのだから。

 

球を置く。

自分が即死する可能性を考えて慎重に白い方を私に向ける。

 

ゴア・マガラが次の瞬間に来ると感じた。

 

急いで槍を振り下ろす。

 

 

 

 

球にヒビが入る。

 

 

 

 

ゴア・マガラが消えたと思った時には、既に球を中心としたとてつもない爆発が起こった……様に見える。

私は氷の箱に閉じ込められていた。透明だから周りは良く見えるが、音は遮断されていてよく分からない。

とりあえず撃龍槍を背負う。

 

その爆発は10秒程度で終わった。

黒い煙があちこちから上がっていた。

だが球があった所を除いてマグマにはなっていなかった。

 

さて、この氷は―――

 

 

ミシィッ!!

 

 

……不穏な音に振り向くと、またゴアが居た。

氷の壁を砕こうとしている。

 

「――――!!」

 

ゴアが両腕を振り上げる。

 

くそっ、爆発の範囲外に逃げたのか。

大体こいつ何の目的でここに来たんだ?

 

笛を構える。

もしかしたらまだ逃げれるかもしれない。

 

 

 

 

 

『土下座』

 

ハンター達がそう呼ぶ攻撃はとても威力が高い。

振り下ろされた両腕は氷の壁を容易く破り、アトラルを潰す。

 

 

 

 

 

 

『間ニ合ッタァァァァ!!』

 

 

救世主が来なかったら。

 

 

炎と雷を纏った突進は上半身に重心を移していたゴア・マガラを吹き飛ばす。

 

『オヒサデス!白統虫語デ言イマス!』

 

……クイーン!?

クイーンは私を囲んでいた氷を爆発させる。

 

『私ガゴアノ相手ヲシマスカラ、逃ゲテ下サイナ!ハイ!デハ!』

 

…….私に出来ることは無い、お言葉に甘えて逃げさせてもらおう。

糸を放ちながら何処で人間の姿になるかを考える。

 

 

 

 

 

白統虫は深呼吸をした。

ゴア・マガラはゆっくりと起き上がる。

 

「ふぅ……間に合って良かった。」

 

白統虫は考え直していたのだ。

もし彼女が球を使った時の相手がとてつもなく強かったら?

使わない時間が長くなるほどその考えが強くなっていた。

 

そしてその予想は的中していた。

 

「久しぶりですね、ゴアさん?」

 

手に炎を纏わせながら白統虫は言った。

 

 

「……ァ……ハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハ!!」

 

口を動かさずに命反は笑う。

抵抗してくれそうな者は大歓迎だからだ。

過去に闘った事なんて覚えていない。

 

ゆっくりと様子を伺いながら白統虫へ近づく。

そして突然、

 

「ゴォォォォァァァ!!!」

 

翼脚を左右に展開。

 

『狂竜化』

 

元々激しい代謝が更に激しくなり、まだ乾いてもいないウイルスが地面に広がっていく。

 

黒い液体は白統虫の羽の色を反射する。

 

爆発的な力を解放し、白統虫を圧倒する。

 

 

 

 

月が白統虫を背後から照らす。

 

 

「……えっ、ちょっ殺し合い?ですか?……ではゴアさんと同じぐらい本気を出しますか。」

 

上の二枚の羽が赤に、そして陽炎を生み出す。

下の二枚の羽が黄に、そして稲妻を生み出す。

 

自らを取り巻くように発生させ、命反を威嚇する。

 

 

互いにゆっくりと上空に移動する。

 

 

 

闇と光がぶつかる。

 

 

 

 

 

「ぜぇ…ぜぇ……」

「だ、大丈夫か!?早く入りなさい!それ持とうか?」

「いえ、大丈夫です……ありがとうございます。」

 

よし。槍を抱き抱えながら人間が大量に居る場所に紛れる事が出来た。

退散する為に飛行船が沢山降りてきている。

まずは飛行船に乗ろう。

 

「あの、すいません。この荷物を入れる事が出来る船はありますか?」

「撃龍槍!?……あ、あの船なら受け取ってくれるんじゃないかな?」

「ありがとうございます。」

 

 

「大丈夫、運べるよ。という事は君はこの船に乗るという事でいいかな?」

「はい!ありがとうございます!」

「じゃあここの部屋に。お金はいらないよ。」

「あ、個室だったのですか?」

「……ここだけの話、この船に乗ってた人はほぼ死んだから部屋がガラ空きなんだ。」

「それは……」

 

都合がいい。

死んでくれた事に感謝しないとな。

金が要らないのは名前に泥を塗りたくないからか。

 

撃龍槍を渡し、部屋番号が書かれた鍵を貰う。

比較的きれいで、巨大な飛行船の廊下を歩く。

 

 

この部屋か。

ギィ、と扉を開けて中に入る。

ベッドとテーブル、鏡がついた机があった。

 

元の姿に戻り、扉を糸で固定する。

 

この部屋にある窓を覗くと、遠くで光と闇が闘っているのが見えた。

……おかしい表現だな。

 

 

 

 

 

 

 

 

脚で炎と雷を混ぜた極大ビームを放つ。

隙が出来たと思ってか殴りに来たから属性を走らせて弾き飛ばす。

羽を光らせてウチケシ成分の入った大量の追尾光線を撃つ。

 

「キシャァァァ!!」

 

回転と共に出したウイルスの塊の爆発で打ち消された。

 

やっぱり強いなぁ……

属性相性なら私の方が分があるのですがね。

 

翼に吹き飛ばされる。

追撃でウイルスの爪を振り下ろしてくる。

勿論ビームで打ち消す。

 

 

うっ!?

 

 

 

 

白統虫は大地から伸びてきたウイルスの柱に腹を貫かれる。

ぐったりとした所に命反が殴りかかる。

 

 

 

 

 

 

 

また爆音が聞こえた。正面から戦うという事は同じぐらいの実力だからな。

 

それにしても空に浮く飛行船の技術……ネセトに応用出来ないだろうか?

 

窓から見える森は酷い有様だった。

岩が剥き出しになっている所もあれば、死体が積み重なっていたり共食いしてる小型竜達が見えた。

 

 

遂に海の上にまで船は飛んだ。

このままならクイーンが食い止めている間に逃げ切れそうだ。

 

 

そして空を見ようとすると黒い布が下がってき……

 

 

え?

 

 

 

 

「グルルル……!」

 

 

窓の上側から黒い物体が壁を侵食していく。

くそっ、ウイルスが全く落ち着かないせいで気づく事も出来なかった。

 

ストーカーかこいつ……!

 

ウイルスの爪が壁を貫いてくる。

とりあえず隙間に入って回避――ぐっ。

 

爪の隙間もウイルスで埋められた。

私は壁に押し付けられたが、笛を差し込んだからこのまま首を切られる事は無いだろう。

とても苦しいが……そうだ。

 

人間の姿に変わりすり抜ける。

ようやく船内が騒がしくなり、扉をガタガタする音が聞こえる。

糸で張り付けてるから動かないがな。

 

「おらぁっ!!」

 

……だからって声もかけずに破壊して中に入ってくるか?

あ、ゴアが襲っている部屋だからか。

人間の姿に変わっていて良かった。

 

バリバリバリ

 

「大丈夫がっ―――!?」

 

血飛沫だ。違う壁から爪が伸びていた。

 

もう片方の翼で隣の部屋から刺したのか……

バリバリと船が裂かれる。このままだと空中に放り出されるな。

 

 

と、ゴアが突然吹き飛んだ。

綺麗な光が私の視界を遮る。

 

侵食するウイルスごと傷を治している白統虫が飛んでいった。

声が聞こえる。

 

『ウチケシノ実アリガトウ!スグニ傷ガ治リマス!』

 

……感謝の言葉を貰ったが、あの時、何故か食べたのはクイーンだろう。

 

落ちていた笛を拾う。

さて、私はどうしようか――

 

バキリと板が外れる。

私のウイルスが侵食した物に全く反応しないという事は死んだのか。

それで更に腐食し、ボロボロになったと……

 

私はいきなりの事に対応出来ず、落下。

アトラルの姿に戻って糸を放ち飛び戻る。

勢いのまま人間の姿になって廊下に転がり込む。

 

「だ、大丈夫!?」

 

声をかけてくる奴らを無視してとにかく走る。

 

「ちょ、ちょっと――」

 

まるで砂を落とす様な音と共にさっきまでいた部屋が爆発する。

振り向くとゴアが半身を突っ込んで私に向いていた。

 

「ゴァァアアア!!」

 

ゴアは力任せに部屋と廊下の敷居を破壊しながら突進してきた!?

急いで階段を駆け上がる。

流石に体が大きくて入れな――

 

駄目だった。

ゴアは階段を踏み砕きながらよじ登ってきた。

 

やはり化物じゃないか。

 

そこでゴアの尻尾がクイーンに掴まれる。

 

「ギギギィィ!!」

「キシャッ、ギシィィィアアア!!」

 

ゴアは激しく抵抗し、最終的には柱を握り潰して引きずり出されていった。

激しい水の音がする。

クイーンがゴアを海面に叩きつけたのだろうか。

 

 

今度は船がおかしい挙動をする。

バキリとまた板が落ちる音がする。

 

おっと。壁に叩きつけられる。

船が傾いてきたのか。

 

「艦内の皆様!現在他の飛行船が待機しております!ここを上がって下さい!押さないで下さい!走らないで下さい!」

 

誘導の為にスタッフが叫んでいた。

 

「荷物はどうするんだ!」

「ゴア・マガラに殺されたいなら戻ればいいじゃないですか!」

「こっちはお客様だぞ!?」

「私達が最後に逃げるのですが!?」

 

私も質問しよう。

 

「すいません、巨大な荷物は何処ですか?」

「なっ、今俺が―――」

「それは荷物専用の船に積み込んでますので、安心して下さい。」

「ありがとうございます。」

 

それならばその船が被害にあわない様に

気をつけなければぁぁぁっ!?

 

「きゃぁぁぁ!?」

「うわぁぁぁ!?」

 

船の後方が爪で叩き潰され、落ちていった。

人間共はパニックに陥る。

 

……

 

「ちょっ!?」

「ぐわっ!」

 

密度が高いから人間の肩を踏み台にしても倒れない様だ。

そのまま階段を登り、外に出る。

 

「キシャァァァアアア!!」

 

うっ!?

咄嗟に転がる。正面の上空からゴアが突進してきた。

たった今出てきた階段から船の後ろ側が完全に破壊され、分割された。

 

「ギギャギャ!!」

バチバチバチ!!

 

クイーンも大分本気の様だ。

落下していく方を突き破ってゴアを追いかける。

 

笛を振るスペースが無い……

周りの人間にあわせて他の船に渡ろうとするが、間に合わず船と共に落下する。

 

全力で跳び、ガラスを笛で叩き破って船を渡る。

 

さっきまで乗っていた船はクイーンとゴアが揉み合いながら破壊していった。

だが、ゴアが隙を見て再び私の方へ飛んでくる。

私が後ずさると同時にゴアを光が飲み込む。

 

一応神選者も飛びまわっているが、どうやら介入は出来ないようだ。

まぁ誤爆が怖いなら攻撃は出来ないだろう。

 

 

カチリ、キィィィィ――

 

 

……ん?

聞き慣れない音がどこかから聞こえる。

 

 

ィィィン!!

 

 

何の音だ!?

 

 

爆発音が鳴る。

光を纏いながらクイーンがゴアを追っていった。

 

ゴアも波動を出し、闇を残しながらクイーンとすれ違う。

 

往復する時にはゴアはウイルスの爪を、クイーンは炎を手に纏う。

 

衝突の衝撃で近くの船が全て傾く。

またこの船も落ちるのだろうか?

 

『ソレジャ!!』

 

クイーンは6本の脚でゴアを掴み、光を纏って何処かに飛んでいった。

 

 

 

 

 

 

 

……唐突に静寂が辺りを覆う。

 

クイーン達の戦闘の余波で半壊したり燃えていたり、ボロボロと崩れていったりする船が見えるが……

それでも静かだった。

 

 

ウイルスが落ち着いてくると私も落ち着いてきた。

まずはガラスをよせておこう。

 

 

 

この部屋は空き部屋の様で荷物が一切無かった。

よく状況が分からないが元の姿に戻り、扉を張り付ける。

 

割った窓から風が吹く。

 

 

 

 

終わった……のか?

 

 

 

 

 

月は何の意味もなく綺麗に輝いていた。

 

 

 

 

 

 

……大丈夫だな?ゴアはいないな?

また戻ってこないか心配になる。

 

 

 

……うっ。落ち着いたら次は気分が……っ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

次の日の朝

 

 

降りるなり龍歴院と村の住人が総出で祝ってきた。

ナナツの後ろに隠れる事で触られる事を防ぐ。

 

 

どうやら今朝、命知らずな観測員が残ってラヴィエンテとオストガロアが出てこないか調べ、その結果を鳥に括りつけて飛ばしてきた様だ。

 

結果は『二度の揺れを観測したが、ハンター達を確かめには出てこない。恐らく撃退したと思われる。要経過観察。』らしい。

 

 

今回の作戦に関わった、ハンター、ライダー、龍歴院の人々、古龍観測隊の人々、そして神選者達が広場に集められた。

 

 

『おはようございます。今回、諸君は―――』

 

 

「ナナツ、私はここに居て大丈夫か?」

「気にする事は無いよ。」

 

……少しでもボロを出したら袋叩きで即死する。

こういう場合にのみゴア・マガラ突っ込んでくれたら有難いのだが。

生きた心地がしない。気遣え。

 

 

そう思って遠くの空に目を向けると黒い跡と白い光が見えた。

まだやってたのか……

 

とはいえ、とても遠くの様だ。

恐らく強力な技を互いにぶつけた結果が見えているだけだろう。

そうでもないとまた私の方に向かってきている事になる。

 

『互いに強力して大きな厄災を撃退した!この事を評価し、ドンドルマ公認の勲章が渡される!』

 

周りのハンター達は喜ぶ。

勲章を持っていることで社会的な優位に立つのだろうか。

 

『また、現場で関わった全員の名前を記録する。この【カメラ】で皆の顔を記録する。言語順に記録するため、早くきても遅くきても変わらない。今日は、ここの料理を自由に食べれるぞ!』

 

「おおおっ!」

「よっしゃぁぁ!」

 

『写真を撮るときに様々な報酬を渡す為、必ずカメラの前に立つよう!以上!!』

 

『続いて、龍歴院の―――』

 

……ハンターの証明が無い。私は退散しよう。

と、ナナツが何か喋り始める。

 

「明日にはココット村に行くよ。まぁその前にみんなで写真を撮ってもらおう!」

「ちょっと待て!私にはハンターの証明が――」

「神選者特権で大丈夫、大丈夫!」

 

……なんだそれは。

神選者の権利が大きすぎないか?

 

「みんな俺の家族だからね!!」

 

 

……ちょっと待て。

年齢を考えると……

 

 

 

誰が家族(交尾相手)だって!?

 

 

さっさとぶっ殺す!

人間とするのは気持ち悪すぎる!

大体まだ明確には私より強くないし。

私に食われろ。

死ね!

 

 

 

……はぁ。

やりたい事より処分しなければならない事が多いな……

 

 

そう思いながら私はポケットに入れた瓶を握った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

騒いでいるハンター達を見ながら神選者同士で話をする。

 

「最後やばかったな……」

「まぁあれがこの世界の最終討伐目標達だからね。」

「優先度・高の命反、優先度・低の白統か。」

「狩れるかなぁ……」

「いや狩れるだろ。能力無いし。」

 




※クイーンの手……いや脚?あ、でもアトラルの鎌に当たる部分だから手という事でお願いします。



ミラバルカンと ………アマツマガツチの。

『物語補足の天啓』

………まぁ、カンペ通りにやるわ。

無いんだけど。大体こうやっといてってアバウトに言われたんだけど。

………お約束の芸よ。
………恐らく皆さんが気にしてるのは『ゴアのアトラルへの異常な執着心』かしらね。

これは、ゴアが『狂竜化したから』だな。
命反はシャガルの力とゴアの成長力が合わさった個体だ。
だが、自分をこんな苦しい状況に陥れたシャガルウイルスへの怒り。

………そして自分を追い越していくゴア・マガラへの妬み。
極めつけに自身のウイルスが、シャガルでもゴアでもない、『ただ増殖するだけ』のウイルスに変化したという事。

子孫を残せない、でも自殺は人間じゃないから考えない。
……そして行き着いた所が『同種族を殺せば自分が繁栄する』という謎の理論。
それが狂竜化による本能の強化で『強い者と遊ぶ』<『ウイルスを全滅させる』になった訳だ。

………まぁ渾沌でさえ精神崩壊しかけているから。
ある意味当たり前の考え方なのかもしれないね。

まぁウチの黒いヤツも大概だけどな……

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