閣螳螂は娯楽を求める   作:白月

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ここは所詮、ゲーム世界だろ?
この世界より強い異世界チートの仲間を集めれば、勝てない敵はいない。
あらゆるラノベ、アニメ、ゲームの力を持って転生するって凄いなぁ……この世界は天国か。



陽光揺るがす斬壊の咆哮【虫視点】

………

 

 

視界がグルグルする。

抗竜石を少し緩め、狂竜ウイルスによって、意識を保つ。

 

まさか、私は、ぐっ……

飛行船に、酔う、体質、だった、か……

私の姿であろうと、人間の姿であろうと意味が無い……

 

しかし、他の飛行船と紛れる予定らしいから、甲板に上がって私の姿を見せる訳にはいかない。

横になって、寝よう……

 

 

ひんやりしていて、気持ちいい……

 

 

 

 

 

 

 

二日後

 

 

龍歴院でライダーとモンスター達を乗せた大型探査船が数隻、ハンター達を乗せた大型探査船に合流する。

 

「皆、よく集まってくれた!事前に説明した通り、目標は獰猛化したラヴィエンテの討伐だ……繰り返す。『獰猛化した』ラヴィエンテだ。既知の行動もタイミングがズレるだろう。鳴き声に注意は勿論、雷の音にも気をつけてくれ。」

 

 

発言が終わった途端にドォンと巨大な戦艦が現れる。

一部の壁が動き、階段が伸びて全身を黒で統一した人物が現れる。

 

 

「コホー……」

「えっと、ダース・ベイダーさんだったか。」

「事前に呼びかけた神選者の全員が乗っている。」

「ありがとう。そのまま送ってくれ。」

 

 

鋭い音、青白い光と共に空飛ぶ戦艦が現れる。

 

 

『あ、あーマイクテス……こちら、幻想戦艦ヤマト、幻想戦艦ヤマト。システムチェック……オールグリーン。万全の体勢だ。』

「ありがとう。皆を運ぶ事と、援護射撃をよろしく頼んだ。」

『無論!』

 

 

そしてシュバッと空間が揺らぐ。

一人の少女が光の階段を降りてくる。

 

 

「イ401、マルハチマルマル、合流。」

「交代の際のステルス護送、よろしくお願いする。」

「艦長の命令以外は拒否。」

「艦長にもそう伝えている。」

「了解。確認が取れ次第、他の艦のサポートに入る。」

 

 

バンという音と共に、原作より物騒かつ巨大な潜水艦がその姿を現す。

 

 

 

3人の神選者の所持する空飛ぶ航空艦(航空戦艦ではない)が並んで空を飛ぶ。

その光景は誰をも圧倒するだろう。

実際ベルナ村の住民の半分は、翌日首の筋が吊ったらしい。

 

彼らが向かうは古代林。

奴が目覚めた場所だ。

 

 

 

 

数時間後

 

 

 

大量の飛行船、十数隻の探査船、三隻の飛行艦が古代林の上空につく。

 

球体に十字の亀裂が入った蒼炎を掲げながら、神選者達は飛行艦の上に立つ。

 

 

 

遠くから奴は土煙をあげながら現れる。

とても早い速度で迫り、顔を幻想戦艦に近づける。

 

 

そして、愚かな的へ艦砲を向ける。

 

 

『見よ!この超越した――』

 

 

バシィッ!

 

獰猛化部位に雷が走る。

 

 

「ガ――――――!!!」

 

 

 

それは咆哮の衝撃波ではあるが、生物が出していいはずのない威力だった。

 

幻想戦艦の機器は異常を示し、ガラスは破れる。

大きく撓みながら体制を崩す。

射出の為に展開したエーテルは霧散し、余儀なく距離をとらされる。

 

『ありえない!?』

 

 

その間にイ401が第一陣を船内に移動させ、地上に降下する。

 

 

「自然の力よ、我が強大なる魔力に答えよ!エクスプロージョン!!」

「主よ、世界を脅かす低俗な生物を切除する力を我に与えたまえ……!」

 

 

一般モンスターを一撃で仕留めるような攻撃がラヴィエンテを襲う。

そして相互の力で大爆発を起こす。

 

「ォォォンッ!!」

バシィッ!

 

しかし怯みもせずにブレスを放つ。三発目で幻想戦艦の障壁にヒビが入る。

 

 

 

 

 

 

……うっ。

ここは……あぁ、飛行船か。

視界がグルグル回っている。

 

一度抗竜石を外し、身体を興奮状態にする。

余り推奨はされないだろうが、まぁいい。

落ち着いた所で再び抗竜石を巻く。

 

 

外が騒がしい為、既にラヴィエンテとの交戦は始まっているようだ。

書類をとりあえず纏め、糸で縛る。

本棚も糸で巻き、本が飛び出ないようにして壁に強く固定する。

様々な道具もとりあえず壁に固定する。

 

よし、これで扉を開けた時に風圧で物が吹っ飛んだりはしないだろう。

尻尾を除いて人の姿に変化し、双眼鏡を目にあわせながら糸で私の体を固定する。

 

 

扉を開く。

 

 

 

「艦砲、掃射!」

「バリスタ、撃て!」

『死角などない!』

 

『第一陣、問題なく送り届けた。』

 

「ワールドアタッチメントプロトコル003!爆ぜろリアル!弾けろシナプス!バニッシュ――」

「マスタースパーク!!」

「六爪流!!」

 

 

バシィッ!!

 

「ォォオオン!!」

 

 

 

 

一度、扉を閉める。

 

 

恐らく前の神選……白ミラボレアスの影響で異世界?に扉が繋がったという事であってほしい、という私は馬鹿な考えを持ちかけた。

自覚した分、先程よりは冷静に見れるだろう。

 

 

再び扉を開ける。

 

 

 

馬鹿げた現実を受け入れた私は、とても大きい生物を綺麗な光が襲っている景色を見た。

 

 

なんだここは……

 

 

 

 

 

 

 

 

なんだここはっ!!??

 

 

 

まず人間側の猛攻に目が向かうが、それを耐える……いや、余裕にしか見えないこの生物もおかしいだろう。

 

 

色とりどりで綺麗だな、としか言えない。

やりたい放題やってる方も、やりたい放題やられて余裕な方もおかしい。

地上で普通に殴っているハンターなら評価は出来るが……

 

「クルーシオ!」

「召喚、バハムート!!」

「ルールオブゴッドを要請!!」

 

防具を纏った変な形の竜が何処からか空に現れる。

竜が周りに浮かせていた剣を放つと同時に、天高くから光の帯が降ってくる。

光が落ちると、ラヴィエンテが爆炎で見えなくなる。

 

……

 

ラヴィエンテは鬱陶しそうだ。モヤが体に移動する。

一度吠えると、尻尾を浮かせてから薙ぎ払う。

 

 

回避したハンター達は再び殴り始める。

ラヴィエンテがまた叫ぶ。

 

 

バシィッ!

 

稲妻を走らせてからハンター達を囲んだまま回転しながら回転する……つまり公転と自転だ。

 

 

何を言ってるんだ私は?

 

 

地上では岩盤の隆起が始まり、ハンターは巻き込まれて次々と死……!?

打ち上げられたハンターは地上に落下した後、すぐさま起き上がり薬を飲んだり走り出していたりする。これが化け物と言われるG級共の実力か。

うん?それとも目立たない神選者か?

 

 

「ノストラダムスの終末予報(ウィークエンド)!」

「エクスカリバァァッ!!」

 

巨大な光剣が出現、ラヴィエンテを一刀両断せんと振り下ろされる。

更に空の色が変化、青い炎を纏った巨大な隕石が落ちてくる……

 

 

音と光だけで狂いそうだ。

 

隕石が落下、同時に緑の障壁が展開……今更だが、私は現状を理解するだけで精一杯なのに気づいた。

 

 

バシリ!

 

ラヴィエンテはおもむろに上空に突進、隕石を破壊。

飛び散る破片が霧散する。

 

何故霧散した?

 

ずっと撃ち続けている艦砲にイラついたのか、なんとラヴィエンテのモヤが増加する。そして先程より澄んだ(?)声で叫びハンター達を吹き飛ばす。

 

 

もう一つのモヤは尻尾に発生した。

 

 

『波動砲のエーテル補充率80%……衝撃に備えろ!』

 

 

目に見えて危険な光が一つの船から発されている。

ラヴィエンテの方を見ると、

 

バシィッ!

 

尻尾を光らせながら動き出し、一度体を纏める。

ハンター達は走っても追いつかず、神選者も唐突な移動に対応は出来てない様だ。

 

『波動砲95%!』

 

一層強く光り始める。

ラヴィエンテが尻尾で体全体を跳ね飛ばし、口を開ける。

 

『波動砲!はっ――』

 

そのまま船が……

 

 

 

バキリ

 

 

 

呑まれた……!?

 

バキバキと音をたてながら少しはみ出た船体から巣の材料にしたい破片が散らばる。

 

 

……羨ましい。

 

おっと、完全に感覚が狂ってきた。

一度船内に戻って本でも読もう。

 

 

 

「よし、神選者は大体試し打ちが終わったか。ライダー、行け!」

 

 

 

探査船から大量のモンスターが飛び降りていく。

 

「ナルガ、切りつけろ!」

「ギアオルグ、叩き切れ!」

「歌え、クルペッコ!」

 

そうして大討伐は、始まった。

 




ラヴィエンテは事前の情報通り、獰猛化していました。
体長は今までの約2倍、意図的になのか余り獰猛化してない部位を使わないので、素の攻撃力はよく分かりません。

皆さんは狩猟する際、ランニングの様にペース配分を考えましょう。

以上、報告任務中のギルド代表職員でしたー!



※軽い航空艦の説明

幻想戦艦ヤマト
想像×エーテル(いわば魔素) で物体を具現化する。かなり自由にワープも出来るよ!

ネビュロンB・エスコート・フリゲート
全方位に光線撃ちまくり。部分改造で総合病院レベルの治療は出来るよ!

イ401
ステルスと強烈な魚雷を持つ。船の演算能力で具現化した可愛い子がいるよ!

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