閣螳螂は娯楽を求める   作:白月

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例え強くても種族で差別されるのが世界



※短いです


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洞窟内に移動する。

 

「私の飛行船が故障してな。今は修復中だ。」

「博士の飛行船は凄いですよ!」

「なぁんと、研究室が中にある。だから空を飛んでいれば一々周りの人間を気にする必要がない!」

「しかも大量にこういう時のための備えがありますよー!」

 

……随分ハイテンションだな。

 

「初めてリュートが退いたからな!」

 

心を読んできたか。

なるほど、確かにあのリオレウスは訓練されていた。撃退するのも一苦労だろう。

 

しかし、ついに私はガムートを撃龍槍の様に飛ばすことが出来るようになったか……

重さはあまり関係ないが力の加え方が難しい。

私だからこそというべきか。ウイルスに蝕まれたお陰というべきか。

 

 

 

 

 

早速、マネルガーの要求通りにボルボロス亜種を蹴りながら運ぶ。

 

「……ボルボロス亜種の体に治癒不可な傷をつけるんじゃないぞ?」

 

大丈夫だ。ネセトで何度も蹴り飛ばした所で意識が無くなる程度だろう。

 

 

さて、マネルガーがボルボロス亜種に機械をつけている間にここら辺の素材をチェックしておこう。

 

私はネセトを降りて槍を担ぐ。炭鉱夫のピッケルの代わりだ。

 

 

バゴッ!

 

ふむ。この赤いのは血石。こっちがアイシスメタルか。

 

バゴッ!

 

そしてこれが確か装飾品に使う……何だったかな。太陽の陽から始まるはず……

 

バゴッ!

 

血石が大量だな。……おぉ、グラシスメタルが出てきた。

 

バゴッ、バキィッ!!

 

 

……しまった。

槍で穿ち続けていたら壁に亀裂が入ってしまった。

といっても槍で穿つ時点で分かりきっていたが。

 

これは……キノコか。

風がよく吹く為、繁殖には適しているかもしれないな。成長出来るかは別だが。

 

この骨……いや、流石に分からない。

 

 

 

さて、次は食料と寒さ対策の為にバギィを捕らえよう。

 

 

 

 

十数匹狩ってマネルガーの元に行くと、ボルボロス亜種がガムートの様に装備をつけていた。しかし寝ていてまだ使えなさそうだ。

 

「やはり原種と大分似た……」

「あ、博士。アトラルが帰ってきましたよ。」

 

バギィを解体する。

マネルガーは興味深そうに観察してきたが、イチビッツは気分が悪そうに向こうを向いた。

 

「イチビッツ君!ガスコンロを持って来なさい!」

「わ、分かりました……」

 

いつも通りに消化器官や内蔵をどける。

……ガスコンロとは?

 

「も、持ってきました……」

「ありがとう、イチビッツ君。」

 

何やら鉄の箱の様な物を持って来た。

 

カチッ

 

マネルガーが何かを回すと同時に青色の炎がついた。

その上に一般的なフライパンを乗せる。

 

「さぁ、肉を。」

 

マネルガーの一口の大きさを目測で計り、肉を切って乗せる。

イチビッツも同様だ。

 

しかし……大丈夫なのか?

 

氷海では―――!?

 

 

「うおっ!?なんなんだ!?」

「は、博士……あれは、ギギネブラです!」

 

 

いたたたた!!

くそっ、いつの間に背後に……!?

 

頭から呑まれ、首にギギネブラの歯が食い込む。

そして大量の電流が流され、みるみる体力が奪われる。

 

体が麻痺している……落ち着け。まだ30秒は抗えるはずだ。

糸は無理だがどうする?……よし、やってみるか。

 

ギギネブラの頭を片方の鎌で抑え、もう片方を突き立てる。

そして切り裂く。

少ししか裂けないか。

 

あと二回分の時間。

 

いや一回で終わらせよう。

鎌をそれぞれ口近くに突き刺す。

そのまま口を切り裂いて、噛む力が弱まり血で滑りやすくなった所を脱出。

 

痛みに頭を振っている所に笛を叩きつける。

 

色が黒くなった。怒りか……

毒を撒いてきた為、一度離れ槍を回収。

 

飛ばしてきた毒弾を糸で撃ち落とし、槍を発射するが天井に登って回避される。

……そのまま去って行った。

 

「不利な相性でよく頑張れますな。」

 

……あっ。

 

 

 

フライパンに乗せた肉が全部焼けきっていた為、フライパンが焦げた。

笛を吹いて私の傷を治してから、アイツらが代わりのフライパンを使って焼いている間に焦げたフライパンを釣りをした所に持って行って入れる。

 

……

 

あれ、やれとは言われてないが何故私は面倒くさい事を?

……まぁいい。

それより、私以外のアトラル・カは一体何処で過ごしているのだろうか?まぁ乾燥した地域の方が過ごしやすい以上、森林や寒い所で生きる理由がないか。

 

しかし……ネセトを保持する以上、砂漠が広いとはいえ場所取りに負けた存在もいそうだが。

いや、それが槍で殺したアトラルだろうか。

 

 

さて。

マネルガーの元に行ったら論文でも読ませてもらおう。

 

 

 

 

 

 

「( °言° )<ヴェアアアア」

「落ち着きなさい。ゆっくり向かうとしましょう!」

 

 

 

「フール!」

 





なんで平和にならないの!?
「お前の文章力の低さと私の無駄が余り好きじゃない性格。」
……へ、平和を下さい!?

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