第3話の衝撃のキスシーンからの続きです。スバルだったらパックにミンチにされてるんじゃないかな。
ここにいる者達は驚き、慌てふためいている。なぜかって?それはオイラがこの子にディープであつぅ〜いキスをしたからさぁ〜!
「ふぇ………!?いきなり何を…………」
あまりの突然の出来事にエミリアは脳が働かず目が回りながらまとまらない思考をなんとかまとめようとしたが
『殺す…!』
一連の様子を全て見ていた父も同然の精霊パックが突然無数の巨大な氷を生成しセイジにそれを向けている。
「ウァァァァァァァァァァァァァァァァァァ!!!!」
再び皮膚と骨と目玉が飛び出たリアクションをした。
「子猫ちゃんはこれでも食ってナァ!」
がすぐに元に戻ったセイジが出したのは猫なら皆大好きマタタビである。元々殺す気ではあったが今の行動を見てさらに殺意が溢れ出したパックは絶対に殺すと誓いセイジに氷をぶつけようとしたが
『ッ!?身体が勝手に!?」
やはり猫の外見をしているからか単にセイジの力なのかパックはマタタビに手を出そうとしていた。だがセイジはマタタビを持ったまま
「これが欲しい!?これがええのか!?これがええのんか!?」
マタタビをブンブンと振り回し、パックのギリギリの所まで近づけさせパックが取ろうとしたところをヒュッと取り上げるという動作を繰り返していた。そして遂に
「ほうら取ってこい!!」
遂にマタタビを投げた。だがこの屋敷を汚してしまうとこの道化師みたいな家主に怒られてしまうかもしれないためあらかじめ窓を開けて庭に投げた。
『待って〜!僕のマタタビ〜!』
ぴょんとジャンプして窓から飛び出ていった。
「さて!邪魔者は消えたことだし俺はこれからここで働かせてもらおう!」
セイジは改めて仕切り直しとでも言うように両手をパンと合わせ話を進めた。
「俺が求めるのはこのマイハニーと一緒にいれる環境だ!」
と悪びれも物怖じもせずに答えた。こればかりは真剣に言っているようだ。
「……ふむ。ま〜あ嘘はついているように見えないしここで働かせてもい〜いよぉ」
YES!!とセイジは大喜びしエミリアに伝えるべく彼女の方に振り向くと
「エミリア様なら気絶したのでベッドにお運びしました」
と言われがくりと肩を落としたセイジは
「それじゃあしょうがなし………」
と言ってマスクを取り、きゅぼんと間の抜けた音を出した。
ようやく普通に戻ったセイジはポカンとした表情で立ち尽くしていた。
「あれ………ここは?」
またしても記憶は無くなっていた。
「ええっ!?嘘……だろ…………!?」
「いいえ、お客様改めセイジ。貴方は無防備なエミリア様に無理矢理キスを………」
「やめろぉ!もう聞きたくないから!なんでこんなことに!?ハッスルし過ぎだろ………」
僕は衝撃の事実に受け入れきれずにいた。いや異世界に来た時点でもう十分衝撃的なんだけど今回はその2倍くらいびっくりした。
「まったく貴方本当にさっきの人なの?全然雰囲気違うんだけど」
「そんなの俺が聞きたいくらいだっつーの!……こっちはいい迷惑だよ!」
と僕がため息混じりに言うと何か悪い事でも思いついたのかピンクメイドのラムがこう言って来た。
「あら、それじゃあ貴方はエミリア様にキスした事を嫌がってるの?」
なんて事を言うんだこいつは。俺は勿論反論した。
「そ、そんなわけないだろ!?そりゃあ良かったか悪かったかって言われたらいいに決まってるけど………って何言わせてるんだ!?」
僕達がそんなやりとりをしていたのを静かに聞いていた人物がいる事は知る由もなかった。
遅れてすみません!テスト期間中でしたので執筆できませんでした。少し短いお話ですが次回は長めの文章を書くつもりなのでよろしくお願いします!