MASKが始める異世界生活   作:新田トニー

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マスクのクロスオーバーを見たいと思い探していましたが書いている人が誰もいなかったのでよっしゃ俺が書いたろ!みたいな感じで書きました。マスクにシリアスは不要。リゼロの空気が好きな人は今すぐご退場願おう。


第1話 さようなら地球。こんにちは異世界。

 

「全くまたか!?またお前なのか!?なぜこれくらいのこともできんのだ!!」

 

「すいません!!直ぐに修正しますので!!」

 

この上司に必死に謝ってるダメダメな男が僕、美鳥正治だ。

 

「オイオイまたかよ。全くアイツはいつもノロマのミドリだな」

 

すると僕の同輩の山口がいつものようにわざと聞こえるように言ってきた。

 

くぅ……!言いたい事ばっかり言いやがって!でも何も言い返せない!なんで僕はこんなにも自分を出せないのだろう。そもそも本当の自分って何だ?何を持って本当の自分って言えるんだ?

 

「ったく………もういい!さっさと自分の持ち場に戻れ!」

 

「はい!すみません!」

 

僕はサササッと戻り自分の席へと着いた。

 

クスクスと僕を笑う声が聞こえる………。ハァ、このままだとまたあのパターンかな。

 

 

 

 

「それじゃあなー美鳥。残業頑張れよー」

 

山口は嫌味ったらしく僕に言った。すると周りの女性社員が

 

「やーん山口さんやさしー!」

 

この子も嫌味を込めて言ってるんだろうなぁ。

 

「当然だろ?俺はアイツの同輩だからな!」

 

クソッ!何が同輩だ!とっくに僕よりとんでもない成績上げているくせに!

 

その後僕は時間を数えた訳ではないが5時間以上かかってたような気がする。ようやく残業を終わらせた。もう自分が起きているのかも分からない。

 

トボトボとお父さんとお母さんが見たら情けない背中を見せながら僕は歩道を歩いていた。

 

そういえば、もうすぐあの場所かな………。

こんな僕にもちょっとした楽しみがある。それは………

 

「着いた。今日も綺麗だなー」

 

それはここ、僕がいつも通る帰り道には川がある。その川はビルの光や電柱の光、この街の光が全て集まったような川の流れや波紋を見るのが僕の生きる気力になってるんだ。

 

「僕はこのまま何も成し遂げられないまま生きていくのかな………」

 

不意に口から出てしまった。心の底で思いたくない事を、思ってしまった。

僕がより一層ネガティブな雰囲気になっていると

 

「「あっ」」

 

あれ………ここに来る人居たんだ。黒っぽいジャージを着た、三白眼が特徴のどこにでもいるような少年だ。

 

「……どもっす」

 

「ああ、こんばんは」

 

………気まずい。もしかしてさっきの聞かれてたかな。

 

「俺も好きなんすよ。ここ」

 

「へぇ、そうなんだ。ここに気づいてるの僕だけかと思ったよ」

 

良かった。何とか明るい話題に持ってく事がーー

 

「さっきのって………」

 

……………

 

「ああ不意に出ちゃってね。僕、いつも会社行っても同期にバカにされて、上司には必死に頭下げて媚び売って。

誰かに誇れるようなものはないんだよ」

 

「ッ…!そう……すか」

 

ヤバイ。何かマズイ事言ったかな。

 

「でも、僕は生きる事には意味があると思うんだ」

 

「意味?」

 

「うん。僕、さっきも言った通り同期にも上司にもバカにされてるけどやる事は沢山あるんだ。それは僕の代わりがあれば出来る仕事だけど、誰かが僕を必要としていてその期待に応える事が出来る。それだけでも生きてるって実感があるんだ」

 

「生きてる実感、すか………」

 

「だから、さ、君も何かに熱心になれるものを探してみたらどうかな」

 

「………そうっすね。なんかアンタの言葉聞いてたら元気出てきた。ありがとな!オッサン!」

 

「オッ、オッサン………」

 

「それじゃな!また会おうぜ!」

 

そういうとあの子は走ってった。………何か頬に伝ってたのは、僕の気のせいだろう。

 

「あれっ………なんだろう」

 

僕が帰ろうとしてたら川から何か流れてきた。

僕は特に急いでいないが何か気になったから降りてみた。

 

「なんだこれ………」

 

僕は川から流れてきたものを眺めてみる。これは仮面か何かかな?多分木で作られてる。でもなんか怪しい雰囲気がする………。僕が仮面をまじましと見つめていると

 

「うわっ!?何だこれ!?眩しーー」

 

仮面が突然発光して周りが見えなくなった。

 

「ん………うぅ……………えっ!?」

 

あれ。なんで僕こんなヨーロッパみたいなとこにいるんだ!?まあ行ったことないけど。

 

あたりを見回してみると独特な衣装に身を包んだ人達が沢山いた。しかも明らかに人間じゃない人もいるし。

 

「これは………最近流行りの………」

 

僕はがっくりしながら

 

「異世界転生ってやつかよォ!!!!???」

 

今まで生きてきた中で一番大きな声を上げた気がする。

 

「ハァ〜〜もう勘弁してよ!!なんでこんな目に……」

 

まあ来てしまったものはしょうがないのかな。今僕が持ってるものを確認しよう。

 

カバン、スマートフォン、会社の書類、ペン、財布、一本の缶コーヒー。

 

こんなんで生きていけるのか?いいや無理だよ。これは無理だ。少なすぎる。携帯食料とか持って来れば良かったよ。

 

「おいオッサン!死にたくなきゃ持ってるモン全部置いてきな!」

 

僕の前に現れたのはいかにもなチンピラだった。

 

「ごめん。今はそんな気分じゃないんだ。ほっといてくれ」

 

「ああっ!?ナメた口聞いてンじゃねェぞ!」

 

僕の言葉にキレた3人組は

 

「コイツやっちまうぞ!」

 

あー完全にやる気だなぁこれは。

 

僕が自分を客観視する癖がある。この現状を受け入れたくないから自分を外から見るんだろう。

僕がとっくに絶望しているその時

 

「どいた!どいた!おっ!?なんか凄いことになってんな!」

 

僕の前に現れたのは小柄で金髪の少女だった。何やら手には何か持っている。

 

「悪りぃな兄ちゃん!強く生きろよ!」

 

「助けてくれないのか!?」

 

そそくさと逃げてしまった。誰かから追われてたのかな?

 

「あの……今のでやる気がなくなったりとかっていうのは……」

 

「いや今のでもっとイラついた」

 

「あああああああああああああああああああああっ!!!ふざけるなァァァァァァァァァァ!!!!」

 

怒りとストレスと悲しみが一気に爆発した僕はいつのまにか大柄のチンピラを殴っていた。

 

「グフォ!?」

 

顔面にクリティカルヒットしたのか男は顔を抑えうずくまる。

 

「ああっ!?すみません!すみません!」

 

「おまっ何すンだテメェ!!ゼッテェブッ殺す!」

 

あわわわわわわ!マズイ!非常にマズイ!なんで僕がこんな目にあうんだよ!

 

ああお願いします神様仏様!お願い僕を助けてェェェ!!!

 

「そこまでよ!」

 

凛とした声が響き渡った。

 

「なンだコイツ!?」

 

チンピラは慌てふためいている。あれ!?この空気ならもしかして………

 

「さあ私の徽章を返しなさい!」

 

違う目的だった。

 

「徽章なんてしらねぇよ!あっもしかしたらさっきのアイツかもしれねぇぞ!」

 

「えっ!?違うの!?どうしようパック!?」

 

『そこは君に任せるよリア。君がしたい事をすればいいさ』

 

あれなんだ?猫!?猫が宙に浮いてる!?

 

「そうね………でもこの状況は見逃せないわ。今すぐ辞めれば痛い事はしないであげる」

 

あっやった!もしかしたら助けてくれるかも!

 

「やってやる!相手は女一人だ!」

 

3人が一気に襲った。すると女の子が巨大な氷を作って相手にぶつけた。

 

「グフゥ!?」

 

まともにぶつかったチンピラは動かなくなった。し、死んでないよな?

 

「「「覚えてろよォォォ!!」」」

 

三流が吐きそうなセリフを残しながらチンピラ達は去っていった。

 

「ハァ………助………かっ………たぁ…………」

 

僕は安心した。いや、し過ぎた。

 

「べ、別に可哀想だから助けてあげた訳じゃ………ってあれ?気絶してる?」

 

僕はそこで意識が途絶えた。

 

 

 

 

 

 

 

「う〜ん………ん?」

 

僕は目が覚めた。何分くらい寝てたんだろう。まだ夢の中だからなのだろうか巨大な猫ご僕に膝枕している夢を見ていた。

 

『夢じゃないよ〜』

 

「うわぁお!?」

 

「もういきなり気絶したからびっくりしちゃった」

 

「君が助けて……くれたのか?」

 

「別に助けてあげた訳じゃないんだから。あなたから私が探している情報を聞き出す為に助けたんだから」

 

素直じゃないのかな。助けたなら助けたって言えばいいのに。

 

「そういえば何か探してるの?」

 

僕はさりげなく聞いてみた。すると女の子はそうだわ!と立ち上がり

 

「そうよ!徽章よ!私の徽章知らない!?大切な物なの!」

 

と僕を思い切り揺さぶりながら聞いてきた。

 

「ちょ、ちょっとまって、落ち着いて。それ以上揺さぶられたらヤバイ……!」

 

「あっ!ごめんなさい!」

 

クラクラする頭を抑えながら僕は立ち上がった。

 

『あれっもういいの?』

 

デカイ猫が僕に聞いてきた。

 

「うん。もういいよありがとう。そういえばさ、何か探してるとか言ってたね。僕も手伝おうか?」

 

「えっいいの!?」

 

あっ嬉しそうな顔した。これは意地でも探さないと。

 

「うん。助けてもらったし」

 

「ありがとう!」

 

うおっ!20歳過ぎの童貞にこの笑顔はキツイ…!

 

「ここじゃなんだし、歩きながら話そっか」

 

「わかったわ」

 

それから僕はこの街の事について教えてもらった。やはり異世界転生したらしい。信じたくなかったけど。

 

「そういえばさ君の名前ってなんなの?」

 

名前を聞くと顔を暗くした。あれ……なんかマズイ事聞いたか…?

 

「……サテラよ」

 

『リア………』

 

「サテラか………いい名前だね!」

 

「えっ……?」

 

「?どうかしたの?」

 

「い、いいえなんでもないわ。行きましょう?」

 

僕達は普通なら時間がかかりそうな人探しを1時間で終わらせた。

 

「セイジすごい!もう見つけたなんて!」

 

「へへっ。これでも鬼ごっことか隠れんぼとかは見つけるの早かったんだ」

 

足の速さと逃げ足と情報収集だけが取り柄からな。

 

「ここか……それじゃあ入ろうか!」

 

「ええ!」

 

ガチャリと扉を開けた。そこには巨人か!と言いたいくらいの身長の男とさっきの金髪少女がいた。

 

「あー!お前さっきの!」

 

「なんじゃお前ら!」

 

「突然申し訳ありません。私はその徽章の持ち主の同伴者の美鳥正治と申します」

 

「あっこれはご丁寧にどうも」

 

決まった。親に必ずやれと言われ続けた俺の必殺技

挨拶だ。だがまだ終わらない。

 

「大変申し上げにくいのですがそのお孫さんが持っている徽章は実はこの子の持ち物でして、お互い穏便に済ませたいのですが………」

 

「お、おいそれはホントかフェルト?」

 

「流されてんじゃねぇよロム爺!口車に乗せられるぞ!」

 

ちっ。うまくいかなかったか。

 

「分かりましたよ。渡す気は無いという事ですね?だったら物々交換しましょう!」

 

物々交換?と3人ははてなマークを浮かべる。

 

「ね、ねぇセイジ?あなたがする必要はないのよ?元々盗んだのはこの人たちなんだから」

 

「いや、いいよ。出来れば穏便に済ませたい」

 

そう言って僕が取り出したのは僕の相棒、スマートフォン。

 

「なんだこれ?」

 

「これは写真を撮れるんだ」

 

「写真ってなんだ?」

 

あっそうか分かるわけないか。

 

「まあ写真っていうのは言ってしまえばその瞬間の風景をこの中に収める事が出来るんだ」

 

さらにはてなマークを浮かべた3人に僕は行動を移す事にした。

 

「まぁいいかい?よく見ててよ?」

 

僕はそういうと全員と集合写真を撮った。うん、こう見るとなんか家族に見える。

 

「とまあつまりはこんな感じさ」

 

「へぇ〜すっげえなこれ。ロム爺!これ売ったらいくらになる?」

 

ロム爺と呼ばれる巨人みたいなじいさんはスマホをまじまじと見ると

 

「これなら聖金貨20枚は下らないじゃろう」

 

「マジかよ!?」

 

よし。このままうまくいけば!

 

「だけどこの徽章には取引相手がいるんだ。だからそいつが来たらーー」

 

皆は見てなかったけど部屋をくまなく見てた僕にはわかった。ここにはあともう一人いると。

 

「危ない!!」

 

僕は金髪の女の子を押し退け身代わりになった。

 

「痛ぅ………えっ?…………う、うわあああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!!!!!ち?ち?血ぃ!?!?こ、ここここここれ全部僕の血ィ!?!?」

 

僕は自分の血を見て発狂した。ああ。身代わりなんてするんじゃなかった。

 

「私は徽章を欲しいとは言ったけど持ち主を持ってこいだなんて一言も言ってないわ」

 

黒紫のドレスのような物を着た女が現れた。音を立てずにどうやって?

 

「なんで私の事かばったんだよ!?私は一回見捨てたんだぞ!?」

 

僕意識が途切れ途切れになりながらもかすれた声で

 

「そりゃあ……女の子が殺されそうになったら………助ける……でしょ…………」

 

ああ、もうダメだ。僕もうココで終わりみたいだ。童貞卒業も出来ず、何か凄い事をするでもない。何もない空っぽのガラクタのような人生。そもそもなんでこんな事に?あっサテラ戦ってる。もう感覚なくなって来た。

 

ゴトンッ。

 

あれ………確かコレって僕が川で拾った変な仮面………。

 

僕は腹を抑えながら手を伸ばす。こんなのに自分の人生を託さなきゃいけないのかと思うと笑いが止まらない。

 

「えっ?」

 

今光った?気のせいか?そういえば僕がこの世界に来たのもコイツが原因で………。

 

………一か八か、やるか。

 

俺は覚悟を決め、仮面を手に取りそれをーー

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

装着した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 





マスク3とか出ないんですかね。やはり自分はマスク1の方が断然面白いと思います。あっそうそうつぎのお話は戦闘は絶対ないのでご安心を。

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