ドラゴンボールSS ~農耕民族サイヤ人伝説~   作:秋羅

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ゴールデンフリーザ「さぁ、行きますよ!! ビューティーザーボンさん!スリムアップドドリアさん!」

ビューティーザーボン「はっ! 進路・ナメック星! 宇宙船ギャラクシーフリーザ・発進せよ!!」バッ

 

スリムアップドドリア「野郎共抜かるんじゃねぇぞ! フリーザ様長年の夢が掛かってるんだ! 1秒でも早くナメック星に向かえ!」グッ

 

船員一同「「「「はっ! 全てはフリーザ様の為に!!」」」」

 

ゴールデンフリーザ「ほっほっほっ! 皆さんそんなに慌てなくても構いませんよ。安全運転でお願いします。」

 

Sドドリア「了解です! 野郎共! 宇宙交通法を守りつつ最短ルートで向かえ!!」

 

船員一同「「「「はっ! 全てはフリーザ様の為に!!」」」」

 

Gフリーザ「・・・それにしても、私が言えた事ではないですが、お二人とも随分変わりましたねぇ。」

 

Bザーボン「これも最野菜のおかげです。あれのおかげで肌のハリとツヤがとてもいいんです。それに本来醜かった変身後の姿もこんなに美しくなりました。」キラッ

 

Sドドリア「確かにな。この俺でさえ素直に美しいと思える姿だ。こういうのを傾国っていうんだろうな。」スラッ

 

Bザーボン「ふふっ。ようやく貴様も美しいというモノが理解できるようになったか。まぁ、今の私は美の化身と言っても過言ではないから当然といえば当然だが・・・しかし、貴様も私ほどではないが嘗ての出荷前の豚の様な姿に比べれば十分美しいといえるだろう。その姿なら私の相棒と呼ぶのも吝かではない。」シュバッ

 

Sドドリア「へへっ、まさかおめぇからそんな言葉を聞くとはな・・・確かに昔の俺は食肉用に肥育された豚の様なもんだった。だが俺は最野菜に出会った事で変わった! それまで俺にとって野菜なんぞ食うに値しない雑草も同じだった。でもな、最野菜はそんな俺の常識をぶち壊した! 肉汁をたっぷり吸ったキャベツ! バターで甘く焼いたニンジン! 煮汁が芯まで浸み込んだ大根! 惑星ベジータでの会食の席で最野菜を食わなけりゃ、俺は一生これらの旨さに気づきもしなかっただろうさ!」ドン

 

Gフリーザ「ほっほっほっ! そう言っていただけるとあの時あなたを連れて行った甲斐があるというものです。」

 

Sドドリア「ええ! 本当に感謝してます。おかげで最近息切れもしねぇし、毎朝清々しく起きれるようになりやした!」

 

Bザーボン「やはり最野菜は素晴らしい・・・」ズキュゥゥゥン!

 

Gフリーザ「その通り! 最野菜こそ最高の健康食品と言えるでしょう!・・・とはいえ、流石にナメック星のドラゴンボールには敵いませんけどね。」

 

Bザーボン「そうですね。穏やかで善良なナメック星人のみが神々から作る事を許された奇跡の宝玉。」ズァッ

 

Gフリーザ「その丸く美しい橙色の果肉は栄養満点で滋養強壮効果が有り・・・」

 

Sドドリア「最高7つまでしかできない種は万病の特効薬!」

 

Bザーボン「そして、分厚くも透き通った皮にはデトックスとアンチエイジング効果!」ドギャーン

 

Gフリーザ「それこそが不老長寿の妙薬とも呼ばれる龍瓜ことドラゴンボール!! ナメック星の滅亡と共に失われたと思われていたそれがまさかまだ存在していたとは!! これは是非とも食べなくてはいけません!」

 

Bザーボン「しかし、それだけ貴重な物を渡してくれるでしょうか? ドラゴンボールはフリーザ様が召し上がった伝説のスーパー最野菜よりも遥かにランクの高い作物です。購入するとしたら銀河一つの値段に匹敵するでしょうし、そもそも金銭を必要としないナメック星人が売ってくれるとも思えません。」ドドドドドドド

 

Sドドリア「確かになぁ・・・かと言ってあっちの価値が高すぎて物々交換もできねぇし、無理やり奪うなんてのは以ての外だ。」ウーン

 

Gフリーザ「そうですねぇ・・・まぁ、今回は顔合わせという事にして、ドラゴンボールを一目見る事ができたら良しとしましょう。」

 

Bザーボン「分かりました。では、今回のことを足がかりにしてナメック星人達と良好な関係を築き、いずれドラゴンボールを譲ってもらえるように努力する。その様な方針でよろしいでしょうか?」バーン

 

Gフリーザ「ええ、その様に。そしてドラゴンボールを手に入れた暁には、この船に居る全員で頂くとしましょう。」

 

Sドドリア「マジですかフリーザ様! 流石太っ腹だ!」

 

Gフリーザ「いえいえ。昔のドドリアさんのお腹には負けますよ。」

 

Sドドリア「そりゃあんまりですぜフリーザ様!」

 

一同「「「「ハハハハハハハハハハ!!」」」」ドッ

 

ヒュゥゥゥ・・・カッ!!

 

 

 

 

 

―――ナメック星―――

 

悟空「ひゃー! ここがナメック星かー! 空が緑色だぞ!」キョロキョロ

 

悟飯「多分地球と比べて大気が分厚いのと空気成分が違うからだと思うよ。」

 

ヤムチャ「よくそんなこと分かるな悟飯・・・おっ! 土は結構良いみたいだ! これなら問題無く畑が作れるぜ!」

 

ラディッツ「・・・ほぅ。今水質を調べてみたがそのまま飲んでも問題無いくらい綺麗だ。どうやらナメック星は嘗ての生命力を取り戻したようだな。」チャプチャプ

 

べジータ「ならば安心だな。それじゃあ次はナメック星人を探すとしよう。」

 

ピッコロ「そうだな・・・ここから北に複数の気を感じる。恐らく集落があるだろう。」

 

悟飯「そこにドラゴンボールがあるかもしれないんですね?」

 

ラディッツ「ドラゴンボールの世話はナメック星人でも大変なものらしいからな。育てているとしたら集落の近くだろう。」

 

ヤムチャ「・・・ドラゴンボールを育てるって俺達からすると凄く違和感あるよな。」

 

悟空「ああ。まさかナメック星のドラゴンボールが瓜だとは思わなかったぞ! 食わせてもらえっかなぁ?」ジュルリ

 

べジータ「お前達、無駄話はそこまでにしろ。一刻も早く集落に向かうぞ。」

 

一同「「「「おう!」」」」

 

バシュウウウ

 

 

 

 

 

―――ツーノ村―――

 

ギュウウウウウ・・・スタッ スタスタッ

 

ピッコロ「あれがナメック星人の村か・・・」

 

ヤムチャ「なんか変な形の家だな~。強いて言うならナメクジ?」

 

悟飯「周りに何か植えてあります。ナメック星の野菜でしょうか?」

 

悟空「だったら食ってみてぇなぁ! 宇宙船出る前に食ってきたけど少しだったから腹が減ったぞ!」グ~

 

ゾロゾロ ガヤガヤ

 

ベジータ「ふむ。どうやらあちらもこっちに気付いて出てきたようだな。ラディッツ、ここは貴様が交渉してこい。ブルマのところで多少は勉強してきただろ。」

 

ラディッツ「俺がか!?・・・分かった。これも将来の為だ。やってみよう。」

 

悟飯「おじさん! 頑張ってください!」グッ

 

ラディッツ「ああ、まかせろ! それじゃあピッコロ、お前もついて来い。同じナメック星人が一緒ならあちらも警戒心が薄まるだろう。」

 

ピッコロ「分かった。」

 

ベジータ「まかせたぞ。俺はその間にフリーザ様に連絡をしておく。」ピピピピピッ

 

ザッザッザッザッ

 

ラディッツ「ナメック星人達よ! 俺はサイヤ人のラディッツ! 我々は争う為に来たのではない! 農耕種族と名高き貴方達の農業について学びに来たのだ! それともう一つ! ナメック星の異常気象の折に地球に逃げのびたナメック星人の子孫を連れてきた! どうか我らを村に入れて欲しい!」ドン!

 

ザワザワ

 

ツーノ長老「・・・ナメック星人の方、こちらに来ていただけますか?」

 

ピッコロ「・・・」チラ

 

ラディッツ「・・・」コクン

 

ザッザッザッザッ

 

ツーノ長老「・・・おお! なんと清らかで逞しい心なのでしょう。そして、大地と自然に対する強い愛情! ・・・分かりました。異星からの客人よ。我々は貴方達を歓迎します。」

 

ピッコロ「いいのか?」

 

ツーノ長老「はい。貴方の様に強き善の心を持った方のお友達なのですから、皆さん良い方たちなのでしょう?」ニコリ

 

ピッコロ「ふん。お人よしでおせっかいな連中だ。」プイッ

 

ヤムチャ「おっ! 友達だってのは否定しないのか?」ニヤリ

 

ピッコロ「黙れ! 魔閃光!」ズオ!

 

ヤムチャ「ギャーーーー!!!!!」

 

ドゴオオン!!

 

ラディッツ「ご老人。我々を受け入れていただき感謝します。」ペコリ

 

ツーノ長老「たしかラディッツさんでしたね。そう畏まらずに。私は長老のツーノです。貴方方サイヤ人の事は私も存じ上げております。同じ農耕種族同士仲良くいたしましょう。では、たいしたおもてなしもできませんがこちらへどうぞ。村を案内いたします。」

 

悟空「おう! よろしくなナメック星人のじっちゃん! できればなんか食いもん食わせてくれ! オラさっきから腹がペコペコなんだ!」グ~キュルキュル

 

ラディッツ「やめんか馬鹿者!!」バシッ

 

悟飯「恥ずかしい父ですみません・・・。」ハァ

 

ツーノ長老「ホッホッホッ。かまいませんよ。とはいえ我らナメック星人は普段水しか飲まないので準備には少々時間がかかります。それでもいいのでしたら用意いたしますが?」

 

悟空「頼むぞ! 今ならなんでも美味く食えそうだ!」ドン!

 

ラディッツ「本当にすみません。よろしくお願いします。」ゲシッ

 

・・・・・・・・・・・

 

悟空「ふぅー・・・食った食った! オラもう腹一杯だ!」ポンポン

 

ラディッツ「水のみで生きられる種族と聞いていたがちゃんと料理の文化もあったのだな。」

 

ピッコロ「別に食えない訳ではない。俺もガキの時は魚なんかを取って食っていた。」

 

ツーノ長老「その通り。ナメック星人は水からエネルギーを得ることができますが、食べ物を食べれないわけではありません。とはいえ必ずしも必要というものでもありませんので、あくまで嗜好品といった扱いですが。」

 

ヤムチャ「それにしてはレベルが高いと思うんだが。特にこのアジッサの漬物は一級品だぞ」モグモグ

 

悟飯「確か、これで水質改善をしているんでしたよね?」シャキシャキ

 

ツーノ長老「はい。アジッサには水を浄化する力と土地に活力を与える能力が有ります。しかし、そのままだと浄化の際に溜めこんだ毒素がありますから、このように漬物にして発酵させるのです。こうする事で毒素が分解され食べられるようになります。それにこれは栄養がとても豊富なので体力を消耗した際に栄養食としても食べられています。」

 

ラディッツ「ほう! まさかそのような方法があるとは! 流石は嘗て宇宙一の農科学力を持つ種族と言われただけのことはある!」

 

ツーノ長老「いえいえ、そんな大したことではありませんよ。アジッサを育てるくらいしかやる事がないのでその分時間はたっぷりありましたから。それにアジッサを発酵させて毒素を抜く方法は異常気象以前にもあったそうなのでそれ程難しい事ではありませんでした。もっともそれは家畜の飼料用でしたが。」

 

悟飯「それでもすごいですよ。それになによりアジッサがすごいです! 水をきれいにして土地に活力をあたえるだけじゃなく、栄養がある食べ物にもなる! アジッサはとてもすばらしい作物です!」キラキラ

 

ツーノ長老「ホッホッホッ。そう言っていただけると我々も誇らしく思いますよ。」

 

ベジータ「・・・」ピッピッピッピッピッ

 

悟空「なぁベジータ、さっきから何やってんだ? オメェの分も食っちまったぞ?」シーシー

 

べジータ「フリーザ様と連絡が取れんのだ。もうとっくに到着していてもおかしくないはずなのにな・・・それとカカロット、後で覚えてろよ。食い物の恨みは恐ろしいと思い知らせてやる!」

 

ピピピピピピピピピピッ

 

ベジータ「な!? これは!?」

 

ヤムチャ「どうしたんだ?」

 

ベジータ「ここから東の方角で突如戦闘力10万超えの反応が複数現れた。その反応はそのまま更に東に移動中。その先には3000程度の反応が複数ある。」

 

ツーノ長老「!? その方角には同胞の村があります!」

 

ピッコロ「狙いはその村か・・・10万越えの方がフリーザ達と言う可能性は?」

 

ラディッツ「無いな。フリーザ様達の戦闘力はそんなに低くはない。」

 

ツーノ長老「ではいったい誰が!?」アタフタ

 

ベジータ「・・・嫌な予感がする。ラディッツ、カカロット。俺達3人で向かうぞ。」

 

悟空「おう! 分かった! もし悪い奴だったらぶっとばしてやるぞ!」ゴキッゴキッ

 

ラディッツ「油断するなよ。戦闘力10万とはいえ数が多そうだ。」

 

ヤムチャ「なら俺らはここを守ればいいんだな?」

 

ベジータ「そのとおりだ。この反応の連中が敵だった場合、この村も襲われる恐れがある。長老、できれば安全な場所に避難してもらいたいんだが。」

 

ツーノ長老「それでしたら近くに洞窟があります。そこに村の者達を避難させましょう。」

 

ピッコロ「だったら悟飯も護衛として一緒に行け。俺とヤムチャは村に残り、奴らが来た場合に迎え撃つ。」

 

悟飯「わかりました! ピッコロさん達も気を付けてくださいね!」グッ

 

ヤムチャ「やれやれ、まさかこんなことになるとはな。一体何が狙いなのやら。」ハァ

 

ラディッツ「・・・! そうかドラゴンボール!」ハッ

 

悟空「そういえばオラ達、元々ドラゴンボールを探しに来たんだったな。アジッサの漬物で忘れてたぞ。」

 

ベジータ「なら急がなければ! ドラゴンボールを奪われる訳にはいかない!!」

 

ツーノ長老「それでしたらご安心を。ドラゴンボールは既に収穫して最長老様の下に集められています。あそこはナメック星で一番安全です。」

 

ヤムチャ「そういうことならとりあえず安心か。」ホッ

 

ピッコロ「だが村が襲われる可能性があるのだからのんびりしてられん。すぐにでも行動を起こそう。」

 

ベジータ「そうだな。では俺達は東の村に急行する。お前達も抜かるなよ!!」

 

ピッコロ「そっちこそな!」

 

 

 

 

 

―――ムーリ村―――

 

どどめ色のサイバイマン「ギャギャギャギャー!!」シャッ

 

カルゴ「うわぁーー!?」ギュッ

 

悟空「でぇりゃー!!」

 

ゴキィ

 

どどめ色のサイバイマン「ギャオゥ!?」グシャ

 

悟空「大丈夫か?」

 

カルゴ「あ、ありがとうございます!」

 

デンデ「どなたか存じませんが助かりました。」

 

ラディッツ「坊主共! いいから早く逃げろ! こいつらは俺達が引きうける! ダブルサンデー!!」ポヒュゥゥン!!

 

デンデ「わ、分かりました」ダッ

 

カルゴ「皆さんもお気をつけて!」タッ

 

どどめ色のサイバイマン`S「「「ゲギャギャギャギャ!!」」」ピョンピョン

 

悟空「なんなんだこのサイバイマンは? 気持ち悪ぃ上に凶暴だぞ!!」バキッ

 

ベジータ「こいつらはGMマンだ! サイバイマンを遺伝子組み換えで極限まで戦闘に特化させたツフルの負の遺産! 何故こいつらがこんなところに!!」ブバババババババババッ

 

ラディッツ「GMマンはツフル殲滅時に全て破棄したのではなかったのか!?」ギュオオオオン!!

 

ベジータ「その筈だが・・・!?」バシッ

 

???「ちっ・・・防がれたか。完全に不意打ちだと思ったんだがなぁ。」

 

ラディッツ「誰だ!!」ポヒュゥゥン!!

 

ドオオオオオオオオン!!

 

ターレス「いきなりご挨拶だなぁ。親の顔が見てみたいぜ。」ザッ

 

悟空「な!? オラと同じ顔?」ギョッ

 

ラディッツ「親父・・・な訳ないか。その卑しい面・・・貴様がターレスか!」

 

悟空「ターレス? あいつもサイヤ人なのか?」

 

ベジータ「あいつはサイヤ人であってサイヤ人でない。奴はツフル人が貴様の父バーダックの遺伝子を元に生み出したクローン戦士だ。GMマンと同じように遺伝子操作されていて、農業に欠片も興味を持たず、戦いと殺戮を好む凶暴な男だ。」

 

ターレス「おいおい、俺だって農業に興味はあるんだぜ王子様。今日もこのナメック星で赤い果実を栽培しようとやってきたんだ。」

 

ベジータ「何が農業だ! 貴様が使う神精樹の実は星の生命を吸いつくし死の星へと変える! そんなものは農業とは言わん! 農業とは星との究極のコミュニケーション! つまり星と共に生きるという事だ!!」バッ

 

ターレス「くっくっくっ。そう邪険に扱うなよ。お前らも一度食ってみれば神精樹の実の素晴らしさが分かるはずだぜ?」

 

ラディッツ「誰が死の果実なんか食うものか! ターレス! 貴様はバーダックの息子として俺が殺す!」グッ

 

悟空「よく分かんねぇけど、オメェは悪い奴みてぇだな! いっちょ畑の肥しにしてやっぞ!!」バッ

 

ターレス「おっと、悪いが俺は戦う気はないんでね。GMマン、こいつらの相手は任せたぜ。俺はドラゴンボールの捜索を続ける。」ヒュン

 

GMマン「ギャウ!!」

 

ラディッツ「待ちやがれ!!」ダッ

 

ベジータ「止まれラディッツ!!」

 

GMマン`S「「「「ギャギャギャギャギャギャギャ!!」」」ギューン・・・カッ!

 

ドオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオン!!!!!!!!!

 

ラディッツ「ぐぉ」ドガン!

 

ベジータ「くぅ」ズザザザザ

 

モクモクモク

 

悟空「兄ちゃん! ベジータ! 大丈夫か!?」バッ

 

ベジータ「ああ、問題ない。」

 

ラディッツ「こっちも大丈夫だ・・・すまん、先走っちまった。」ガラッ

 

ベジータ「気にするな。貴様が熱くなるのもしょうがない。」

 

悟空「それでこれからどうすんだ? あのターレスって奴を追うのか?」

 

ベジータ「・・・奴の狙いはドラゴンボールを奪う事と神精樹を育てることだ。両方阻止するのはもちろんだが、神精樹の方が厄介だ。だから俺とラディッツでターレスを追う。カカロット、おまえはピッコロ達と合流して最長老のところでドラゴンボールを守れ。」

 

悟空「分かった。ピッコロ達のところにもGMマンが来っかもしれねぇから急いで向かうぞ。」バシュウウウ

 

ラディッツ「他のナメック星人の村はどうする?」

 

ベジータ「・・・確か、ナメック星人同士はテレパシーでやり取りができたはずだ。この村のナメック星人に事情を話して避難を促そう。」

 

ラディッツ「よし、ならば先程助けたナメック星人が南の方に居るようだ。そこに向かうとしよう。」ピピピッ

 

 

 

 

 

―――ツーノ村―――

 

ヤムチャ「農家風風拳!!」ノォン!

 

GMマン’S「「「ギャーーー!?」」」ザシュザシュザシュッ

 

ピッコロ「戦闘力が低いくせによくやるな!」ガッ

 

ヤムチャ「何時までもサイバイマン如きにやられるヤムチャ様じゃないぜ! 俺の農家風風拳は相手が植物ならなんだって刈り取る!」ノォン!

 

GMマン「アシモトガオルス・・・」

 

ヤムチャ「じゃねぇよ!」ノォン

 

GMマン「ギョエー!!?」ザシュ

 

ヤムチャ「ふっ。感謝のクワ振り10000回で鍛えた足腰は伊達じゃねぇぜ!!」

 

???「ほう・・・GMマンの相手ができる奴がこの星に居たのか。」ザッ

 

ピッコロ「!? ナメック星人? だがなんだこの邪悪な気配は・・・」ゴクリ

 

スラッグ「ふん。この俺をそんな劣等種共と一緒にするんじゃない。俺の名はスラッグ。超越種足る超ナメック星人だ。」ドン

 

ピッコロ「気を付けろヤムチャ。こいつはさっきの奴らが足元にも及ばんほど強いぞ。俺でもまともに戦えるか分からん。」

 

ヤムチャ「な!? それじゃあどうすんだよ!? 」

 

スラッグ「フッフッフッ。どうやら力の差が理解できる程度の実力はあるようだな。どうだ? この俺の部下になるというなら命は助けてやろう。」

 

ピッコロ「冗談ではない! ここで貴様に屈すればナメック星人達の命は無い! 貴様はなんとしてでもここで仕留める!」バッ

 

ヤムチャ「やっぱりそれしかないよなぁ・・・ハァ、まったく地球を征服するとか言ってた奴が随分変わったもんだよな!!」グッ

 

ピッコロ「それは俺が一番驚いてる!」

 

スラッグ「どうやら頭の方は良く無かったようだな。よかろう、貴様らはここで死ね。」

 

ヤムチャ「はぁぁぁぁ!! 狼牙風風拳!!」ウォン

 

スラッグ「遅いわ!」ゴッ

 

ヤムチャ「ぐわぁ!!?」

 

ピッコロ「魔光砲!」パヒュウ…

 

スラッグ「温いわ!」ピッ…ドオオオオオン!!

 

ピッコロ「がっ」

 

スラッグ「弱すぎるわ!!」カッ

 

ズドオオオオオオオオオン!!!!!

 

パラパラパラ

 

ヤムチャ「・・・」ボロッ

 

ピッコロ「・・・」ボロッ

 

スラッグ「ふん。この程度か。」

 

ピーーーーーーーーーー!!!

 

スラッグ「ぐお!? なんだこれは・・・頭が・・・割れるっ!?」グギギギギ

 

ヤムチャ「ぐっ・・・10倍・・・界王拳!!」ダキッ

 

スラッグ「何!? 貴様!?」

 

サイバイマン’S「「「ギャギャギャギャー!!」」」ダキダキダキッ

 

スラッグ「なんだこの力は!? 貴様ら離さんか!?」グググググッ

 

ヤムチャ「ピッコロ! 今だやれーっ!!!」ビキビキビキ

 

ピッコロ「20倍界王拳・・・魔貫光殺砲!!」ギャルルルルル!!

 

スラッグ「ぐっ・・・ぐおおおおおおおお!!」

 

ドサリ

 

悟飯「ピッコロさん!」ヒュン

 

ピッコロ「助かったぞ悟飯。お前が来なければやられていた。」

 

悟飯「でもヤムチャさんが・・・」グスッ

 

ヤムチャ「はぁ~・・・これは良い物だ。」ムクリ

 

ピッコロ「問題無い。最野菜の大豆があるからな。」グッ

 

ヤムチャ「ああ! 最野菜の大豆が無ければ死んでたぜ!」グッ

 

悟飯「よかったですヤムチャさん! やっぱり最野菜ってすごいですね!」

 

サイバイマン’S「「「ギャウギャウ!!」」」

 

ヤムチャ「それはそうと、あいつが気がつく前に止めを刺しちまおうぜ。ナメック星人は頭さえ無事なら再生できるんだろ?」

 

ピッコロ「かなり体力を消耗するがな。よし、では止めを・・・」

 

サイバイマン’S「「「!?ギャギャギャ!!」」」バッ

 

ドオオオオォォォン!!

 

悟飯「え!? サイバイマン!?」

 

ヤムチャ「俺達を庇ってくれたのか!?」

 

ピッコロ「クソッ、もう気がついたのか!?」

 

スラッグ「ぬぅぅぅ!! こんな雑魚共にこの俺が追いつめられるとは!! 許さん! 絶対に許さんぞ!! 」ゴゴゴゴゴゴッ

 

ピッコロ「不味い。かなり消耗しているようだが、奴は本気だ。先ほどまでの油断がない。」タラリ

 

悟飯「たぶん、口笛ももう効かないと思います。」ゴクリ

 

ヤムチャ「じゃあ今度こそどうすんだよ!? あれじゃあ最野菜の大豆がいくらあっても足りないぞ!?」アワワワ

 

スラッグ「・・・ドラゴンボール・・・やはりドラゴンボールが必要だ! ドラゴンボールで若ささえ取り戻せば、貴様らの様な雑魚に煩わされることもない!! 貴様らっ・・・この屈辱は忘れんぞ! 必ず血祭りに上げてくれるっ!!」

 

バシュウウウ

 

ヤムチャ「・・・どうやら命拾いしたみたいだな。」フゥ

 

ピッコロ「ああ。だが奴を放っておく訳にはいかん。奴がドラボンボールを手に入れる前に倒す必要がある。」

 

ヤムチャ「あの爺の状態でさえ物凄い強さなのにドラゴンボールで若返ったらどれだけ強くなる事か・・・考えただけでちびりそうだぜ。」ブルル

 

悟飯「消耗してたし、ベジータさんなら倒せると思うんですけど・・・」

 

ギュウウウウウ・・・スタッ

 

悟空「オメェ達無事か!」

 

悟飯「お父さん! はい! 敵に襲われましたがなんとか撃退しました。」

 

ヤムチャ「まぁ、まぐれで勝てた様なもんだけどな。そっちはどうだった?」

 

悟空「おう、こっちもかなりやべぇことになったぞ! 早く最長老って奴のところに行かねぇと!」

 

ピッコロ「どうやら敵はスラッグだけではないようだな・・・よし、情報を交換しながら長老達のところに向かうぞ。最長老とやらの居場所を聞き出さねば!」

 

 

 

―ナメック星に訪れた最大の危機。ドラゴンボールを狙う悪の超ナメック星人スラッグ。そして、ナメック星を神精樹の糧としようとするGMサイヤ人ターレス。果たして悟空達は二つの悪意からナメック星を守る事ができるのか。ナメック星の存亡をかけた戦いが始まる―

 

 

 

 

 

 

 

つづく




補足のキャラ説明

ビューティーザーボン・・・最野菜を食べ続けた事により絶世の美貌を手に入れた。
あまりに美しいその姿は性別を持たない種族さえ魅了し、どんなに難しい取引も成立させるスゴ腕営業マン。

スリムアップドドリア・・・最野菜を食べ続けた事により結果にコミットした。
体重は大幅に減ったが持ち前のパワーは健在で、痩せた事により大幅に上がったスピードも合わさり、フリーザ配下で随一の戦闘力の持ち主となった。
主な仕事は貨物の護衛。宇宙海賊達をクリティカルアッパーで宇宙のチリに変えている。

GMマン・・・GM:genetically modified organism(遺伝子組み換え作物)から。
宇宙征服を目論むツフル人がサイバイマンの遺伝子を組み換え、純戦闘型として生み出した生態兵器。
ツフル殲滅時に破棄されたはずだったが、ターレスが持ち出していた。

ターレス・・・ここではツフル人がバーダックの遺伝子を元に生み出したGMサイヤ人。
通常のサイヤ人とは異なり農業に興味が無く、戦いと殺戮を好む。
GMサイヤ人の中でツフル殲滅時に唯一完成していた個体で騒乱の中逃走。その後、どこからか見つけてきた神精樹の実を育てる為に星々を襲撃して全宇宙指名手配にされている。


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