鍛冶ロールで生きていこうと思う。   作:どおん!

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こんにちは、よろしくお願いします。


始まり

ーー西暦2022年の11月6日、待ちに待ったその日がついに来た。世紀の大発明であるVR技術を用いて、昔から語られていた人々の空想を現実に変えた、いや、変えるだろうモノ。世界初のVRMMORPG、ソードアート・オンラインの正式サービス開始日だ。このゲームは非常に僕らゲーマーの、いや、なんなら普段ゲームに触れない一般人ですら関心を抱くんじゃないかなぁ。うん、多分抱くはず。マジでガチでリアルにすごいやつなのである。そう、このゲーム何を隠そう仮想空間で冒険をするゲームなのだ!つまりは別の世界で本物の冒険ができるわけだ。そりゃ憧れるってもんだよねぇ。僕だって一か月以上前からSAOのことしか考えられなかったくらいだし。それにここまで注目度が高いのにはもう一つ理由があったりする。なにせ今までに発売されたVRのゲームはこのSAO以外ぱっとするものが全然なかったりするからそりゃあまあ期待値も自然とうなぎ上りなわけである。超狭いワールドででかいパズルを組み立てるだけのゲームって誰得なんだろうね。

 

「くぁ…眠い…」

 

ふと大きなあくびが漏れた、昨日はワクワクしすぎたせいで中々眠れなくて、それでもサービス開始時間の13時に遅れないように目覚ましを何重にもかけておいたおかげ何とかこうして起きることができている。ナイス昨日の僕…、ナイスゲットアップ、30分前の僕… 少し前の自分にありったけの称賛を送りながら机の上に用意していたバイクのヘルメットの様なもの。ヘッドギア型ハード、ナーヴギアに手をかける。ちなみに、ハードというのはゲーム機のことである(wiki調べ)

しっかし、これ買ってもらうの大変だったなぁ…。このナーブギア、最新鋭のハードであるので当然お値段もお高いのだ、気になるそのお値段何と10万円。そんなものを一介の中学生が買えるはずもなくすぐさま両親に相談を待ちかけた、そこで我が父と母購入に対する条件として提示したのが定期テストの五教科の平均点90点以上というものである。なんだよテスト五教科平均90点以上って、普段70くらいしかとれてねーっての!とか何とかいって駄々をこねようとしたがうちの父親が「あれれー?そぉんな顔してどーしたー?もしかして、できないとかー?ww」って煽られてもうほんとスゴイイラッと来たのでその日からマジで真剣に頑張り始めた、テスト一か月前だというのに一日4時間くらいひたすら復習、復習、復習をエンドレスで繰り返しまくった。その結果なんとか目標点数を取ることができました。え、なに?勉強時間が少ないって?普段帰ってきてもゲーム漫画アニメ生活の僕からしたらかなりした方なんです…。

テストがすべて帰ってきた日、僕は学校にいる誰よりも速く、雪崩やどこかの兄貴よりも速く家に帰り、父親と母親の前テストを差し出し、父親に今世紀最大のどや顔をかましてきた。ちなみにナーヴギア代は父さんのお小遣いから払われた。煽りすぎと母さんが珍しく怒っていたなぁ、ざまぁ…。

 

「あ!もう1時過ぎてる!」

 

これから時計を見るとすでに1時をすぎていたので、急いで手に持っていたナーヴギアを被りベットに横になる。SAOの世界ではどんな人達に出会えるのだろうか、どんな冒険が待っているのだろうか、あとはどんな役割でプレイしようかとか、期待で高鳴る胸に手を当てて、口元に笑みを浮かべながら僕は呟いた。

 

「リンク・スタート!」

 

呟くと、一瞬目の前が真っ暗になって、続いて真っ白な空間が広がり、赤、青、緑、黄色、オレンジと色々な色が電車に乗ってるときのライトみたいに、見えたと思ったらシュッと通り過ぎて、また見えたと思ったら シュッと過ぎていくのを何回か繰り返し、そのあと言語設定やらなんやらの設定が画面に表示され、そのあとに目の前にcompleteという文字が表示された。その文字が消えると、次は名前の入力らしく目の前にはRPGゲームのスタート時によく見る横長の何も書かれてない長方形が、手元を見るといつの間にかキーボードが現れていた。ふぅ…ようやく一息つける…そう思いながら手元のキーボードを操作して名前を打ち込んでいく、プレイヤーネームはいつも使っている名前である<suu>にしておいた。

次は見た目の設定らしく目の前に身長や髪色や声などさまざまな項目をここですべて設定するらしい。さぁ、大事な大事なキャラメイクの時間である、まずは男か女かの選択だ、ここは当然正位置!じゃなくてリアルと同じく男を選ぶ、別にネカマとかには全く興味はないからしょうがないね。次に声、これも男で遊ぶ以上特に変えなくていいかな?身長とか顔も特にはいじらなくていいか…髪色だけリアルとは違う色に変えとこっかな、まあ茶髪でいっか、他にも細かい設定はあるがどうでもいいので全てお任せにしてキャラ設定を終えて、ゲーム開始ボタンを押す。すると目の前にWelcome to Sword Art Online!と表示され一瞬視界が真っ白に染まり--目を開けると僕はRPGの世界でよく見るような街の中にいた。

 さぁ、いよいよここから冒険の開始である。ベットでナーヴギアを被っていたときよりも、昨日の晩に想像に耽っていた時よりも強いワクワクが胸の中で抑えきれず、脳みそがやべぇ!やべぇ!なんかわかんないけどすごいワクワクしすぎて楽しいやべぇ!状態になり自然と走り出していた、マンガでよくあるいわゆる勝手に体が動いたってやつである。まあ僕の場合現在進行形だけどネ!(たぶん違う)

 さて、こんな明らかに異常な行動は普段の僕ならいくら興奮してもしない、例えしてしまったとしてもここまではいかないのだが、この時の僕はテスト勉強のストレスと初めての仮想空間のせいで完全にタガが外れてしまっていたのである。

 

「うっひょーーーーー!行くぞーーーー!」

 

 そんな意味不明な事を叫びながら、仮想空間で疲れないのをいいことに結構広いこの始まりの町の外周を興奮に身を任せて全力で走り回り、途中でようやく興奮が収まって賢者タイムになり死ぬほど恥ずかしくなって1時間くらい動けなくなるのは走り始めてからから30分後の出来事であった。




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