壁際で拘束された二人は不安そうに決闘の始まりを眺める。
「今上のことだし……大丈夫だよな? な?」
同意を求められるが、安易に同調することはできない。
聞き間違えでなければ確かに
「信じるしかない」
最終手段としてプレイメーカーとなりデュエルに乱入することも視野に入れながら、男はただ拳を強く握っていた。
先攻だとデュエルディスクが示したのは――ライズハート。
「俺の先攻か。自分フィールドにモンスターが存在しないため、クシャトリラ・ユニコーンを手札から特殊召喚」
《クシャトリラ・ユニコーン》
星7/守2100
「クシャトリラ・ユニコーンの効果を発動し、デッキから『クシャトリラ』魔法カード
「対象となった『クシャトリラ』モンスターと属性が異なる『クシャトリラ』モンスター1体をデッキから守備表示で特殊召喚する。来い、クシャトリラ・フェンリル!」
《クシャトリラ・フェンリル》
星7/守2400
歪んだ空間から出現したのは地属性の
「クシャトリラ・フェンリルの効果を発動。デッキから『クシャトリラ』モンスター、ティアラメンツ・クシャトリラを手札に加える」
「なっ……ティアラメンツ!?」
それはこことは異なる場所でヴァンガードが戦ったことがある、融合召喚を操る麗しき人魚達の名。あの時は全て未知のカードであり、効果も展開ルートもよく分からなかったが今は違う。
ティアラメンツは融合を使うはずだが、目の前の相手は同じレベルのモンスターを並べるばかりで融合召喚を狙っているようには見えない。
「ほう? ティアラメンツを知っているのか。奴等も同じ目に? ……まあいい。永続魔法クシャトリラ・バース発動! 俺達の切り拓いたこの大地ではレベル7のモンスターを召喚する場合、必要なリリースは消える! この効果を適応しティアラメンツ・クシャトリラを通常召喚!」
《ティアラメンツ・クシャトリラ》
星7/守1300
青い衣ではなくクシャトリラの赤い鎧を纏い、面で顔を隠した謎多き人魚は悠々と佇む。
「召喚に成功したティアラメンツ・クシャトリラの効果で自身のデッキの上からカード3枚を墓地に送る。ティアラメンツ・クシャトリラの効果によって墓地へ送られたクシャトリラ・オーガを除外し、手札のスケアクロー・クシャトリラを特殊召喚」
《スケアクロー・クシャトリラ》
星7/守2600
墓地を活用するティアラメンツの効果を経由して呼び出されたのは大弓を背負った三首の獣。スケアクロー……これも他のテーマと関連するモンスターなのかもしれない。
「そしてフィールドに『クシャトリラ』がいるため――手札より
《クシャトリラ・ライズハート》
星4/守2100
デュエルを進行しているライズハートと瓜二つだが、薄ぼんやりとした陽炎のようなものがフィールドに出る。
これで、ライズハートのメインモンスターゾーン5つが全て埋まった。
「レベル7のティアラメンツとスケアクローでオーバーレイネットワークを構築! エクシーズ召喚! ――夢想は彼方に、理想は此処に。来い、クシャトリラ・シャングリラ!」
《クシャトリラ・シャングリラ》
ランク7/守3000
2体のモンスターが変化した光球は天井をすり抜けて空へと向かい、エクシーズ召喚のサウンドエフェクトだけが聞こえてくる。
エクシーズ召喚は問題なく処理されたのだが、エクストラモンスターゾーンに現れたはずのそのモンスターは姿を見せない。
可能性としては二つ。一つはそもそも姿の無いモンスターの場合。もう一つは――あまりに巨大なモンスターである場合。
「……まさか空に?」
「鋭いな。当てたからといって褒美はないぞ? デッキから『クシャトリラ』カード、
《クシャトリラ・ライズハート》
星4→7
「裏側除外!?」
サブウェイマスターが驚く間にそのモンスターは太刀を振り抜き一閃する。サブウェイマスターのデッキから3枚のカードが奪われ、ライズハートのレベルを示す星として加わる。
――ただの除外ならば対処法は多い。だが、裏側表示での除外となると回収し再び使う手段はごく僅かになる。そしてこのデッキには裏側除外への対処可能なカードは入れていない。
「相手のカードが裏側表示で除外されたことによりシャングリラが起動! お前の魔法・罠ゾーンを1つ封鎖する! また、除外された
いまだにその姿を見せないエクシーズモンスターからの突然の侵攻。デュエルディスクに直撃した砲撃はこちらの動ける範囲を削り、エクシーズ素材となっていたスケアクロー・クシャトリラは再び大地を踏み締める。
「レベル7になった
《No.89 電脳獣ディアブロシス》
ランク7/攻2800
サイバーノイズが集まってできた牛頭のサイキック族は己のナンバーである89が刻まれた赤い光翼を広げる。
……既にエクストラモンスターゾーンはクシャトリラ・シャングリラがいるため使えない。つまり、このエクシーズモンスターはメインモンスターゾーンへ召喚された、ということになる。
「このデュエルは最新ルールで行われている、ということですか。それにしても厄介なモンスターを……」
裏側表示で除外、そしてレベル7を並べる事ができる。これだけの条件を揃えていて使わない方がおかしい。のだが、妙にシナジーが強い。このカードがあることを前提にして作られたのでは、と陰謀論じみたこじつけも頭に浮かんできてしまう。
「エクシーズ素材を1つ取り除きディアブロシスの効果発動。お前のエクストラデッキから……ギアギガント
「…………?」
アーゼウスではなく、サーチ効果を持つギアギガント
「この裏側除外によりシャングリラ起動! 魔法・罠を封鎖! また相手のカードが裏側表示で除外されたのでディアブロシスの効果発動! 裏側表示で除外されている相手のカードの数、4枚を追加で裏側除外する」
「ターン1が無い……!?」
「ディアブロシスの効果で再びシャングリラ起動。当然魔法・罠ゾーンを封鎖する」
強力なコンボに動揺するも、だからといって相手の手は止まらない。使用不可の魔法・罠ゾーンはこれで3つ。……次の自分のターン、一手を間違えれば魔法・罠が何一つとして使えなくなってしまう。
「クシャトリラ・バースの2つ目の効果発動。除外されているクシャトリラ・オーガを特殊召喚」
《クシャトリラ・オーガ》
星7/攻2800
異次元より帰還するのは大斧を担ぐ
「オーガの効果でデッキから『クシャトリラ』罠カード、クシャトリラ・プリペアを手札に加える。カードを1枚セットしてターンエンド。……そうだ、言い忘れていたな。クシャトリラ・シャングリラの封鎖はこのカードが表側表示で存在する限り続き、効果を無効にしても解ける事はない」
デッキからは既に7枚のカードが失われ、魔法・罠はあと少しで使用不可能になる。この状態から更に悪化する可能性は高い。
――だとしても。
「私のターン、ドロー……!」
あのカードが引ければこの状況を変えられる。アバターの仏頂面の奥に闘志を燃やし、デッキを信じてカードを引く。
「貴様のスタンバイフェイズにクシャトリラ・シャングリラの効果発動! デッキからスケアクロー・クシャトリラを特殊召喚!」
戦場に着陸した獣は咆哮する。
これでライズハートのフィールドには――。
《クシャトリラ・シャングリラ》
《No.89 電脳獣ディアブロシス》
《クシャトリラ・フェンリル》
《クシャトリラ・ユニコーン》
《クシャトリラ・オーガ》
《スケアクロー・クシャトリラ》
――使用可能なモンスターゾーンをふんだんに使い6体のモンスターが並んだ。
「フルバトル6体全抜き……の前に、交換しましょうか!」
サブウェイマスターはドローした1枚のカードをそのままデュエルディスクに出す。
瞬間、天井が溶岩により融け落ちた。溶岩はディアブロシスにも降りかかり、突然の熱と痛みで抗うも巨大な腕が無理やり押さえつけて沈めていく。
「これは……!?」
ごぼごぼ、と溶岩が盛り上がる。
二本の腕。熱を撒き散らす巨体。プレイヤーを捕えるための檻。
「相手フィールドのモンスター2体――クシャトリラ・シャングリラとNo.89 電脳獣ディアブロシスをリリースし、相手フィールドに溶岩魔神ラヴァ・ゴーレムを特殊召喚!」
《溶岩魔神ラヴァ・ゴーレム》
星8/攻3000
リリース、という殆どのモンスターが逃れられない方法で消し去る力技。これにより魔法・罠ゾーンの封鎖は解かれ、ディアブロシスによる追加の裏側除外も気にする必要がなくなった!
「フィールド魔法、大砂海ゴールド・ゴルゴンダを発動!」
サブウェイマスターの使用したフィールド魔法により世界が書き変わる。
室内から砂漠へ。少ない食料と大きな寒暖差、厳しい環境でありながら生きる者たちはいる。遠くでドンパチ争う音はここではよく見られるオタカラ争奪戦のもの。
出番はまだかそろそろか、とエクストラデッキのスプリガンズが騒ぎ出す。
「手札のスプリガンズ・ロッキーを捨てて大砂海ゴールド・ゴルゴンダの効果を発動。エクストラデッキから『スプリガンズ』エクシーズモンスター、スプリガンズ・メリーメイカーを特殊召喚!」
陽光が反射し黄金に光る砂の海よりカラフルな塗装の6連装ミサイルが浮上する。
《スプリガンズ・メリーメイカー》
ランク4/守2000
「エクストラデッキからの特殊召喚に成功したためメリーメイカーの効果を発動! デッキから『スプリガンズ』モンスター1体、スプリガンズ・バンガーを墓地に送る」
「――
男は笑う。
「クシャトリラ・ユニコーンの効果発動! 貴様のエクストラデッキにいる《
「――な」
ユニコーンからの一撃。……えっ? みたいな顔をしている気がするアーゼウスが見えた気がした。
「ディアブロシスの効果でアーゼウスを除外していればより警戒し慎重になっていただろう。反応を見るために1枚だけのカードを狙っただけだ。……どう動くのか互いにわからない状況、優位に立つためには切り札を消すのが有効な手段になる。それも予想だにしないところでな」
「な、あわ、あわわわわ――ぷぁー」
「ブレイヴ・マックス!? おい、しっかりし……気絶している……」
強力なカードを使えなくされた衝撃的な光景を目にしてしまい敗北の可能性が高まり、それはつまり自分の命が――恐怖が限界に達したのかブレイヴ・マックスは立ったまま失神。力のない倒れそうになる彼の体を
拘束するクシャトリラらはその姿を見て、見かけだけの軟弱なやつめと見下していた。
異常が起きていてもリンクヴレインズからの緊急ログアウトができていない事実は、この領域がライズハートの支配下にあるという説を強固にしただけで終わった。
「そして誰も効果を使ったのはユニコーン1体のみとは言っていない! フェンリルの効果でフィールドのスプリガンズ・メリーメイカーを、オーガの効果で相手のデッキを5枚まで捲りその内1枚を裏側表示で除外!」
残るクシャトリラが反撃の狼煙となるだろうモンスターとカードを用意に触れられない場所へと送る。
これでフィールドに残るのは効果を使用した大砂海ゴールド・ゴルゴンダのみ。エクシーズモンスターが効果で離れた事により使える相手モンスターの攻撃を封じる効果は今使っても意味がない。
「ラヴァ・ゴーレムの特殊召喚により私は通常召喚できない……ですがその程度で路線から脱輪するほどヤワではありません! 自分のフィールドゾーンに表側表示でカードが存在するため、覇蛇大公ゴルゴンダを自身の効果で特殊召喚。そして手札のセリオンズ“キング”レギュラスの効果を墓地の機械族モンスター、スプリガンズ・ロッキーを対象として発動! このカードを手札から特殊召喚し、対象のモンスターを装備カード扱いとしてこのカードに装備する」
《覇蛇大公ゴルゴンダ》
星8/攻?→3000
《セリオンズ“キング”レギュラス》
星8/攻2800
砂の海を裂いて、2体のレベル8モンスターが登場。黒い巨大な蛇はライズハートへ頭を向け威嚇し、獅子顔の王の肩には装備されているスプリガンズ・ロッキーがちょこんと乗っかる。
「レベル8のゴルゴンダとレギュラスでオーバーレイネットワークを構築! エクシーズ召喚! 出発進行! スプリガンズ・シップ エクスブロウラー!」
《スプリガンズ・シップ エクスブロウラー》
ランク8/守2500
ロケットのようにも見える帆船がエクシーズ召喚の渦より出航。レギュラスがエクシーズ召喚に使われたことで装備していたスプリガンズ・ロッキーは墓地に落っこちた。船に乗っているスプリガンズの仲間達は落ちたぞーとわーきゃー騒いでいる。
「墓地のロッキーとバンガーの効果発動! エクスブロウラーに緊急乗車します!」
ブースターに点火、墓地からフィールドにあるスプリガンズの船へオーバーレイユニットとして2体は乗り込む。
「相手フィールドのモンスターの数が自分フィールドのモンスターより多いため、白の聖女エクレシアを手札から特殊召喚」
《白の聖女エクレシア》
星4/守1500
「ゾーンを指定しエクスブロウラーの効果発動! オーバーレイユニットを2つ使用し、その数だけ指定したゾーンとその隣のカード選んで破壊する。クシャトリラ・バースとスケアクロー・クシャトリラを破壊!」
十字……ではなくI字砲火。砲撃は大地を焼き、続けて獣を火に包む。
「スプリガンズ・シップ エクスブロウラーに重ねてエクシーズ召喚! 目指すは勝利、出発進行ーッ! ギガンティック“チャンピオン”サルガス!」
《ギガンティック“チャンピオン”サルガス》
ランク8/攻2800
エクスブロウラーに稲妻が走り、二つに分かれ――影の中より一人の男が現れる。
溢れ出る雷をマントに、ヒロイックな金の装甲とエクスブロウラーより得た巨大なロケットブースターを両肩に携えた新たな王者。さっさと始めようぜ、と言わんばかりに乱雑に両の拳を合わせる。
「サルガスの効果でデッキからタリホー!スプリガンズ!を手札に。サルガスのオーバーレイユニットとなっているバンガー、エクスブロウラーの2枚を取り除きタリホー!スプリガンズ!を発動!」
サルガスの周囲を回っていた光球を使い、魔法カードが使われる。
「この効果でデッキからスプリガンズ・キャプテン サルガスを手札に加える。更にエクシーズ素材を取り除いて発動した場合、取り除いた数だけ手札・墓地から『スプリガンズ』モンスターを特殊召喚できる。手札からサルガス、墓地からバンガーを特殊召喚!」
《スプリガンズ・キャプテン サルガス》
星8/守2800
《スプリガンズ・バンガー》
星8/守2500
「オーバーレイユニットが取り除かれたのでギガンティック“チャンピオン”サルガスの効果発動! フィールドのカード1枚を破壊するか手札に戻すことできる。クシャトリラ・フェンリルを破壊!」
その指示を待っていた、とサルガスは強く踏み込む。ワンツーコンビネーションの後、アッパーカットでフェンリルの体を宙にカチ上げ――トドメの振り下ろし。バリン、と破壊のシステムエフェクトが発生しライズハートの操るモンスターが1体倒された。
「レベル8のサルガスとバンガーでオーバーレイネットワークを構築! エクシーズ召喚! 出発進行!
《
ランク8/攻3000
文字通りの太鼓腹に太く短い四肢、愛嬌を感じる機械仕掛けのドラゴンがえっちらおっちら歩く。
「オーバーレイユニットを1つ使って
《
攻3000→4000
「墓地のバンガーとエクスブロウラーを除外してバンガーの効果発動。デッキからスプリガンズ・コール!を手札に加える。……白の聖女エクレシアをリリースして効果発動! デッキからアルバスの落胤を特殊召喚!」
《アルバスの落胤》
星4/攻1800
「アルバスの落胤が特殊召喚に成功した場合、手札を1枚捨てて効果を発動できる。融合モンスターカードによって決められた、このカードを含む融合素材モンスターを自分・相手フィールドから墓地へ送り、その融合モンスター1体をエクストラデッキから融合召喚する!」
「何……? こちらのモンスターを融合素材にできるだと……!」
ライズハートに残されたモンスターは3体。
「召喚条件は『アルバスの落胤』とこのターンに特殊召喚された効果モンスター! 私はこのターン相手フィールドに特殊召喚したラヴァ・ゴーレムとアルバスの落胤を融合! ――かの道行きに壁は無く、邪魔する者も何も無し! 出発進行! 鉄駆竜スプリンド!」
《鉄駆竜スプリンド》
星8/攻2500
白髪褐色の少年はラヴァ・ゴーレムへ手を伸ばし、溶岩から金属を整形――恐ろしいモンスターを、ある少女と共に使っていた乗り物へと変えてしまった。
「スプリンドの効果発動! このカードの位置を他の自分のメインモンスターゾーンに移動し、その後移動したこのカードと同じ縦列の他の表側表示のカードを全て破壊できる! この効果によりクシャトリラ・ユニコーンを破壊!」
『アルエクテーテー砲、発射準備、良キット』
「えっなんて?」
『ユニコーンガナンボノモン・ジャー!!』
ちゅどん!!
クシャトリラ・ユニコーンは破壊されたのだが……スプリンドによる突然のフリーダムな発言にサブウェイマスター、
「……ば、バトルフェイズに入ります! 攻撃力4000の
「ぐうっ……!」
変な空気を無理矢理に変えて攻撃宣言を行う。ガラクタドラゴンの放つブレスによりライズハートに唯一残されたモンスターである攻撃力2800のクシャトリラ・オーガは戦闘破壊され、ダメージが発生。
ライズハート
LP 4000→2800
「ギガンティック“チャンピオン”サルガスでダイレクトアタック! ギガス・ブライト・スマッシャー!」
腕を大きく振りかぶり――ジェットに点火、超加速を加えた渾身の右ストレートがライズハートに炸裂!
「ぐおおぉぉおぉおおお――っ!」
ライズハート
LP 2800→0
サルガスの全力を込めた一撃により吹っ飛ばされ、男は砂の上を跳ね転がる。ライズハートの残り2800のライフはピッタリ削り取られ、サブウェイマスターの勝利を確定させるデュエル終了のブザーが鳴った。
デュエルが終わり、フィールド魔法の影響が消え……攻撃の影響で部屋の端まで移動させられていたライズハートは痛む体に鞭打ち、勝者と目線を合わせるべく立ち上がる。
「は、はははは――! 成る程、な」
それはデュエルの中で見せた残虐さとはかけ離れた、楽しかったことを示す笑い声。手で軽く合図し、二人への拘束を解かせる。
「こちらが本調子ではなかったとはいえ1ターンキルか。あの男が……ボーマンが頼れと言ったのも納得ができる」
「ボーマン、だと?」
まさかの名前が出てきたので
「気に入ったぞ、女。お前ならば必ず下手人の首へと刃が届く。そして、攻略されたのなら相手のものになる……だったか。いいだろう。俺達を――【クシャトリラ】を使って魅せろ」
擬似世壊展開終了。そう宣言したのを最後にホールに入る直前の場所へと戻ってきていた。気絶したままのブレイヴ・マックスはリンクヴレインズに戻ってきてすぐに強制ログアウト処理が実行され、この場から消えた。
「ユーサクちゃん〜! 無事〜!?」
『大丈夫か遊作!?』
「突然情報が遮断されて外がどうなってるのかわかんなくなったし出られなくなったしでAiちゃんホント心配したのよー!」
『こっちも同じだ。反応が突然ロスト、どれだけ探しても手がかりが一切ない状態……ライトニングの手を借りることを検討したぐらいにはヒヤヒヤしたぞ』
「入ってからは何があったの?」
首を傾げながら尋ねるAi。サブウェイマスターの手の中にはライズハートから認められた証となる彼が使っていたデッキ。
「……【クシャトリラ】、ゲットだぜ! って感じですかね?」
この総括で合っているのか不安になりながらも、取り敢えずジャリボーイなポーズは決めておいた。
精霊界に現れた哀の男は
此処を新たなる世壊に変えると宣言する。
グラドスは新たな竜儀の星を手に、
侵略者へと立ち向かい――勝った。
何だったんですかこの人」
今回のデュエルは溶岩魔神ラヴァ・ゴーレムがMVPです。
そしてスプリンドによるアルエクてぇてぇ砲はキットちゃんの悪ノリか精霊であるスプリンドの思いかは神のみぞ知る。
クシャトリラ・ユニコーン「我は純潔ではなく憤怒の象徴なユニコーンなのだが?」
ティアラメンツを期待されているがティアラメンツのデュエルはコラボ番外編でかなりひーこら言っていた……でも望まれるなら書きたい……!
こうすれば良かったんだ!(予告で決着)
やっぱり女を泣かせてる奴は駄目だな!
今上詩織、【クシャトリラ】使うってよ。
え!!オリ主がクシャトリラを!?
できらぁ!!(パライゾスとアライズハートはまだ復活していない&No.89 電脳獣ディアブロシスは速攻で禁止行きになる)
…………つまりクシャトリラを使わないといけないような相手が増えるってことになるね。(スネークアイを見ながら)