さて、今回のラバックちゃんは一体誰と出会ってしまうんでしょうかねぇ?(ニヤニヤ)
【余談】
まさか連載開始から一週間も経たずにお気に入り登録者様が10人越えたとは……!ありがとうございます!!
やはりラバックTSやエスラバ要素に対する驚きの声が多いみたいですね。ふふふ、計画通り……!
これならこの作品を機にラバックTSとエスラバ、またはラバック総受けに目覚める読者様が増えるはず!((
「ラバック、今日は陛下と大臣との食事があるんだが、お前も一緒にどうだ?」
ナジェンダさんからの突然の誘い。それは、いつも通り、記憶通りに何のトラブルもなく仕事を終えた日の事だった。
女に変わったというだけで、前回の記憶とは違う展開が度々出てくるのは本当に驚きである。
「だ、大丈夫なんですかそれ…?」
「礼儀や作法なら元お嬢様のお前はよく出来ているだろ?だから問題はないさ」
「いや、そういう意味じゃなくて。それ俺みたいな下っぱ兵士が行っても良い食事会じゃないと思うんですけど……」
でも、大臣に直接会えるならある意味チャンスだ。その場で大臣を殺すのは難しいとしても、この機に何か情報を得られるかもしれない。大臣の隠し玉や弱点。もしそれがあれば、今後革命軍に入ってから役立てる。
「実は陛下にお前の話をしたら会ってみたいと言われてな。少し、彼の話し相手になってくれないか?」
「そういう事ですか…。ならお言葉に甘えて俺も行かせてもらいます」
けどその食事会に行くなら、一番注意するべきは羅刹四鬼。前世の事もあって今回は事前に調べてみたが、大臣を護衛しているあいつらは普段は姿を見せないらしい。
つまり、大臣と一緒にいる間はどこにいるかわからないあいつらに監視されている。しかも理屈はわからないが、羅刹四鬼は気配か何かで俺らナイトレイドを見付け出した強者だ。下手な行動をしたらバレて即アウト。最悪の場合はその場で処刑されかねない。
クローステールがない今、四鬼の内二人を騙せた俺の必殺技、死んだフリすらも使えない。だからここは慎重に、怪しまれないように会話で少しでも情報を引き出してやる。
__そして正午。陛下達がよくお茶会をしているという大部屋の席で、俺は陛下と大臣に対面した。
あの時よりも幼い皇帝陛下と、相変わらず良い暮らしを満喫して肥えているオネスト大臣。こうして間近でこの二人を見るのは前世でも初めてだ。
「ほう、ナジェンダ将軍から聞いた通りの美少女ですね」
「私の自慢の部下ですからね。彼女は外見だけではなく仕事も優秀ですよ」
オネストとナジェンダさんがそんな会話をするが、正直俺はこんなオッサンに美少女と呼ばれても全然嬉しくない。あと大臣だけではなく陛下までもが俺をガン見しているのがなんか怖ぇ。
「本日は食事にお誘いして下さってありがとうございます、陛下」
「う、うむ!ナジェンダ将軍からお主の話は聞いておったぞ!仲間想いでとても優しい、大事な妹のような存在だとな!」
ニコリと微笑んで挨拶すると、緊張しているのか顔を赤くして言葉を返す皇帝陛下。実は人見知りなのだろうか?
「そういえば大臣、今日はシュラも呼んでいるのではなかったか?」
陛下の口から出た『シュラ』という名前に、思わずピクリと反応する。
シュラ?それって確か大臣の……。
そこまで考えたところで部屋の扉が開き、一人の男が入ってきた。
「わりぃな親父。用事済ますのに手間取っちまっ…た……」
現れた男と目が合うと、お互い目を見開いて固まる。褐色の肌に掛かった白銀の髪。顔に付いた大きな傷痕。俺はその男に見覚えがあった。
「……親父、こいつは?」
「来るのが遅いですよ、シュラ。彼女はナジェンダ将軍のお気に入りの部下だそうです」
怪訝そうに俺を見ながら大臣にそう訊いていたのは、オネストの息子、シュラ。彼は返答を訊いてより一層眉根を寄せる。
最悪だ…よりにもよって一番会いたくないなかったこいつに会っちまうなんて……。
シュラは前世の俺とタツミを罠に嵌め、捕まった俺を拷問した張本人である。
そんな奴に会ったら今すぐにでも逃げ出したくなるのは仕方ないだろう。でも向こうは俺を知らない筈だ。いつも通りの振る舞いでいなきゃ怪しまれてしまう。
「えっ、と…初め、まして……」
「…………」
引き吊った笑顔で初対面を装うが、シュラは無言でこちらを睨んでいるだけだった。
こんにゃろう。頑張って挨拶してやったのにシカトかよ。
顔に出さないように内心で舌打ちしていると、俺とシュラの気まずさを感じ取ったのか、陛下が慌てた様子で、
「シュラ、どうやら機嫌が悪いようだが、どうしたのだ?いつもなら嬉々として女性と話すであろう?」
「……別に。なんでもねぇよ」
どうやらシュラの普段との反応の違いにも戸惑っているようだ。
そこで俺もふと疑問に思う。陛下の話が本当なら、なんで女の俺に対する態度がこんなに悪いんだ?この世界線ではまだ初対面だというのに。
……まさか、前世の記憶があるのか?いや、それだけは勘弁して欲しい。もし前世で因縁のあるこいつと同じ立場だったら胃痛だけで死にそうだ。
「はっ!だ、大臣、まさかシュラは……」
「ん?どうかされましたか?陛下」
何かに気付いたらしい陛下はオネストの耳元でひそひそと話し始める。
「……あのシュラが?いやいや、そんなわけありませんよ陛下」
「余は絶対にそうだと思うぞ、大臣!」
呆れ顔で否定する大臣に陛下は豪語していた。
彼らが一体何を話していたのかは俺もシュラも、ナジェンダさんにもわからない。けれど何かとてつもない勘違いが生じているような気がする。
「なぁ、ラバック殿。お主に一つ頼みたい事があるのだが……」
「頼み、ですか?」
陛下からの突然の頼み。これは決して断れないやつだ。でも少し嫌な予感がして、ゴクリと固唾を飲む。
「その……そこにいるシュラと、一度交際をしてみてはくれないだろうか?」
「「……は?」」
陛下からの突拍子もない頼み事に、俺とシュラは間抜けな声を出してしまった。
「へ、陛下……?何故ラバックとシュラ殿にそのような事を……?」
恐る恐るといった様子で陛下に尋ねたナジェンダさんに、陛下はきょとんとした顔でとんでもない事を言い出す。
「む?余はただ、シュラの恋を応援しているだけだぞ?」
「……はい?」
また訳のわからない事を言われて首を傾ける。するとシュラは我慢できずにその場で大声を張り上げた。
「ンなわけねぇだろうがッ!!誰がこんな女装好きの変態野郎を好きなるか!」
「はぁ!?今なんつったこのゲス野郎ッ!!てめぇの拷問趣味も大概だろうが!」
聞き捨てならない言葉にカチンときた俺も席から立ち上がってシュラに噛み付くように反論する。
しかしその言い争いはナジェンダさんが放つ無言の殺気と、天井と扉の先から向けられる殺気によって収り、室内は静まり返った。
恐らく、天井裏には羅刹四鬼。扉の先には帝国軍最上位のブドー大将軍が身構えているのだろう。三方向から感じた大きな殺気に怯えて、俺は大人しく席に座り直した。
マジで殺されるかと思った……。あれ?そういやよく考えたらこいつ今、俺の事を女装好きって……でも俺が女装したのは前世の…………。
ここで漸く、俺はシュラが自分と同じように前世の記憶を持っているのだと気付いた。
「む?二人は知り合いだったのか?」
俺達の失態を全く気にしていない様子で不思議そうに訊ねる陛下に、思わず言葉が詰まってしまう。けどそこでシュラが再び口を開いた。
「こいつとは前に一度揉めた事があるだけだ」
ただそれだけを伝えて、空いた席に着く。
シュラが本当に前世の事を覚えていたら、適当な証言で俺を反乱軍の人間だと断言し、今この場で処刑する事だって出来る筈なのに。この国はそれが通用してしまう程腐っているというのにそうしなかったこいつの意図を、俺には読み取る事ができなかった。
その後はナジェンダさんの機転によって気まずい空気が穏やかなものに変わり、俺と彼女は陛下との会話を食事を交えながら楽しんだ。
食事を終えた後も、この国や反乱軍についての難しい話などではなく、俺は最近あった事や本で読んだ面白話を彼に聞かせていた。だがシュラは警戒していたのか、終始俺の様子を窺うように視線を向けていたのがとても気になる。
そして気が付くと陽は落ち、俺とナジェンダさんは陛下達に改めて礼を伝えてから部屋を去って行く。
これで今日は帰ってから夕飯食って寝るだけ、と呑気に思っていたらナジェンダさんにこっぴどく説教された。…どんな叱られ方だったかはご想像にお任せしよう。俺はもうあんなに怒ったナジェンダさんを思い出したくない……。
__そんなこんながあって漸く帰ってきた時にはもう夜中だった。
完全に警戒を解いている状態で、自室の鍵を開けて入る。するとそこで、俺は信じられない光景を目にした。
「……人の部屋で何してんだてめぇ」
「あ?…ああ、やっと戻ってきたのか」
俺の部屋に居たのは、先程会ったシュラだった。しかしそれだけではなく、そいつはタンスを漁って俺の下着を手にしていた。
「随分と遅い帰りだったな、ナイトレイド。おかげで待ちくたびれたぜ」
手に持った下着をひらひらと振って煽るシュラ。
今はまだ設立されていない筈のナイトレイドという言葉を聞いて、やはりこいつも自分の前世の記憶を持っていると確信する。拷問してきたシュラと、そんな彼に屈伏したと見せかけて殺した自分……。お互いの最期に関わった者同士が再会してしまったこの運命を呪いたい。
「やっぱりてめぇも覚えていやがったか……。つーかそれ返せ。汚ぇ手で俺のに触んな!」
「へぇー、って事はマジで女になってんのかお前」
ニヤニヤと笑っているシュラにずかずかと近付いて自分の下着を奪い返す。
扉の鍵は閉めていたのにどうやって、と一瞬思ったが、開いた窓が視界に入り、そこから侵入してきたのだと悟る。
「一周目では世話になったなぁ、ナイトレイドの兄ちゃん……いや、今は姉ちゃんって呼んだ方がいいか?」
「どれもやめろ。で、何が目的だ?」
睨みながら要件だけを言えと促すと、シュラは口角を上げて顔を近付ける。
「ンなもん決まってるだろ?俺を殺した借り、返しに来てやったんだよ」
「はっ、その返品はお断りだね」
予想通りの返答に皮肉を返すが、額に伝わる冷ややかな汗を見て俺が強がっているのはバレているだろう。けれどそうしていなければこちらが挫けてしまいそうなのだ。
しかし気が付くと視界が反転し、俺は天井を見上げていた。
何が起こったのかわからず困惑しているとシュラが覆い被さり、俺の両手を片手で頭の上に押さえ付ける。その動作でシーツが擦れる音を聞いて、漸くベッドに押し倒された事を理解した。
「な、何しやがんだこの野郎ッ!!離せ!」
「くくっ、威勢だけは良いなぁ、ナイトレイドの姉ちゃん。でもその格好、結構そそるぜ」
そう言って舌舐めずりをする彼を見て、このままじゃこいつに犯されてしまうと直感する。
「っざけんな!!てめぇに犯されるくらいなら死んだ方がマシだ!」
「なら尚更身体の隅々まで犯して孕ませてやるよ。このシュラ様のガキを産めるんだ、感謝しな」
必死に抵抗するが、男女の力の差がそれを許してくれない。…いや、男だった時でも、非力な俺よりも圧倒的に力を持っていたシュラには敵わなかっただろう。
ならばと思って唯一動かせる脚で蹴りを繰り出そうとしたその瞬間、俺の唇にシュラのそれが当てられ……え?ちょっ、ちょっと待て!今こいつ何した!?俺が元男だとわかってるのにマジで犯す気なのかよ!?いやほんと待って、前世でもした事ないのにこんな……!俺のファーストキスがあああああぁ!!!
「ん…ふぁ……!」
内心では絶叫しながらも俺の身体が硬直してしまったのをいい事に、薄く開いた唇から舌を入れて口内を犯し始めるシュラ。
唾液の混ざる水音をわざとらしく立てられるのも相まって、初めて体験する甘い痺れにビクビクと身体が震え、口から熱っぽい息が漏れていく。
ヤバい…息ができない……。頭も真っ白になってきやがった……。
霧が掛かるように、俺の意識は朦朧としていた。けれどシュラは涼しげな表情で俺の口内を蹂躙し続ける。
力の入らない腕で彼の服を緩く引いて息ができないと訴えると、やっと解放してくれた。
離れていくお互いの口から、もうどちらのものかわからない唾液が線を引く。それを拭う気力さえも既になくなってしまっていた俺は必死に空気を肺に送っていると、その様子を眺めていたシュラが今度は俺の服を胸の上まで捲り上げ、露になった双丘に手を伸ばす。
逃げなきゃ、という警告音が遠くなっていく。
もうどうにでもなれ……。そこから俺は、抵抗する意思を手離してしまった。
__翌朝。目が覚めた俺は、身体の怠さと腰の痛みを感じていた。
昨夜の事を思い出して勢い良く上半身を起こすと、そこにシュラの姿がない事に気付く。
ヤるだけヤって気が済んだのだろうか。しかし、前世では罪の無い者達にもっと残虐的な行為をしてきた彼が、何故これだけで満足したのかが理解できない。
「でも、あいつならまた何か仕掛けてくるに決まってるよな……って、あれ?」
シュラの復讐がこれで終わるわけがない、と落胆していると、剥ぎ取られていた筈の自分の衣服が丁寧に着せられている事に気が付いた。しかも、彼に汚されていた身体も綺麗に清められている。
……本当に、何が目的だったのか。何をしたくて何を考えているのか全くわからないやつだ。そう不思議に思いながら、俺は何事もなかったかのように身支度をしていつも通りの日常に戻っていった。
そこのお姉さん!やっとBL要素がきましたよ!!
ラバ「さよなら…俺の処女……」
せっかく女の子になったんだからそこはちゃんと活用しないと!
ラバ「死ね」
わー、怖い(白目)
ラバ受けはシュラバが一番好きです((
無理矢理スッ飛ばしてr15に抑えましたが、作者の余裕と勇気があれば別作品として今回のr18シーンを書くかもです。読者様にとっては需要ないと思いますけど()
それと、この時点の羅刹四鬼は出ません。零を読んでいない作者はゴズキがどれくらい前まで羅刹四鬼に居たのかがわからない…というかまず彼のキャラを全く知らないので……。
あっ、すみません!ポ○モンが届いたので再びアローラ地方を冒険しに行って来ます!(要約:更新遅くなるかもです)