遊戯王 超融合 時空を越えた絆Ⅱ   作:ミスタータイムマン

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※Scene8でリバーサル・スターダストの攻撃を受け、カイトが吹き飛ぶシーンを追加しています。


Scene9 『伝説』との邂逅 新たなる力

天城カイト

LP:800

手札:0枚

場:なし

 

 

 

イマジナリーナイツcode Y.H.

LP:1800

手札:0枚

場:《iNo.-3リバーサル・スターダスト》(ランク8 ATK 3000)、伏せカード1枚

 

9th turn

 

リバーサル・スターダストの攻撃によって吹き飛ばされたカイトは荒い息を吐きながら立ち上がる。

 

「俺のターン、ドロー!手札から《逆境の宝札》を発動!相手フィールド上に特殊召喚されたモンスターが存在し、自分フィールド上にモンスターが存在しない場合にこのカードを発動できる。デッキからカードを2枚ドロー!」

 

 

《逆境の宝札》

通常魔法 

相手フィールド上に特殊召喚されたモンスターが存在し、 自分フィールド上にモンスターが存在しない場合に発動できる。 

自分のデッキからカードを2枚ドローする。

(アニメオリカ)

 

俺の手札は今からドローする2枚のみ。このドローに全てを賭ける!

 

1枚目は《死者蘇生》。

2枚目は・・・!

 

 

――――――――――――――――――――――――――――――

 

 

同時刻―――、

 

覇王白龍の攻撃を受けたベクターは立ち上がるのもやっとの状態だった。バリアルフォーゼも解けてしまっている。

 

「ベクター!」

 

「ここまで派手にやられるとはな。流石は覇王龍の一端だぜ。ナイツも粉砕されてるし、この辺りの監視モニターも粉砕してやがるぜ」

 

イマジナリーナイツは体が弾け飛んでいて、デュエルディスクが墓標のように地面に突き刺さっていた。

 

「何が言いたいんだ?」

 

「つまり・・・」

 

空中にスクリーンが写し出される。

 

「彼は我々の味方だという事だ」

 

「零児?!」

 

突然の赤馬零児の登場に遊矢は驚きの声をあげる。

 

「我々はカオス本体の発生源を特定していたが、厄介なことにその場所はアストラル世界、物質世界ではなかった。その影響からか、遊馬さん達の世界へのアクセスも困難を極め、僅かなシグナルしか送信できなかったのだ」

 

「俺様はそれを受け取って、奴さんの話に乗ったスパイって事さ」

 

「なるほど。ならなぜ我々に、その事を伝えなかった」

 

アストラルの疑念はもっとも。

それに答えたのは零児。

 

「この城の外側の暗雲。あれは内側からの手引きがないと入れないようになっていたんです」

 

「ついでに俺様がこっそりと、雲のシールドにミクロの穴を開けておいたのさ」

 

「そのおかけで、こうして我々との情報のやりとりが可能になり、計画が次の段階に移りました」

 

「次の段階?」

 

「こちら側からデュエリストを送り込めるということだ!」

 

新たなスクリーンが展開する。

傲岸不遜な物言い、彼は・・・。

 

「あなたは伝説の決闘者、海馬瀬人!」

 

青眼の白龍を操る初代決闘王の永遠のライバル。デュエルの貴公子。

 

「だが忌々しい事に、ゲートを繋ぐにはカード同士のネットワークを利用しなければならない。それも数十枚単位のな!」

 

「そうです。イマジナリーナイツのデッキを媒介にして、決闘者を転送します」

 

「まさ、か・・・!」

 

「俺自ら、奴に引導を渡したいところだがな」

 

パラドックスは未来の世界の《青眼の白龍》を使用している。海馬瀬人にとっては許しがたい暴挙なのだ。

 

「まーわーるんーですー!こちらの準備はできました、海馬総帥!まさか、伝説の貴方様と仕事ができるとは、この阿久津、感無量であります!」

 

新たにスクリーンに映るのはハイテンションで体をグルグル回している男。

 

「ふぅん。準備ができたようだな。デュエルリンクスシステム ビヨンド・ザ・ワールド起動!」

 

それぞれのモニターの背後のガラスが虹色に光輝く。

 

座標確認・・・

アストラル界 トラジェントキャッスル

ゲート開放、デュエリスト転送開始

武藤遊戯

遊城十代

不動遊星

 

転送!

 

 

 

地面に刺さったイマジナリーナイツのデッキが青い数字の羅列の光が灯り、天に昇る。

 

そこに顕現したのは青のラインが入った白いゲート。

 

 

ゲートが開き、淡い光が辺りに溢れる。現われたのは1人の決闘者。

光が次第におさまると輪郭がはっきりしてくる。逆だった赤い髪。ノースリーブの青い服装。

 

「みんな、よく頑張ったね」

 

優しげだが、どこか安心感を与える声。彼こそが初代決闘王。

 

「「武藤遊戯さん!」」

 

「事情は聞いているよ。急ごう!」

 

「「「はい!!」」」

 

「行けよ、お前ら。俺はひっそりと、逃げさせてもらうぜ。全く、損な役回りだぜ」

 

座り込みながら、ため息を吐く。

 

「ベクター・・・。わかったぜ」

 

彼らの視線の先には、次の階へと走り出した。

 

――――――――――――――――――――――――――――――

 

一方、カイトがドローした2枚目のカードは・・・。

 

《ギャラクシーサーペント》

レベル2 ATK1000 DEF0

通常モンスター・チューナー

 

「このカードはあの時・・・!」

 

カイトは道中、遊矢とのシンクロ召喚についてのやり取りを思い出していた。

 

 

――――――――――――――――――――――――――――――

 

「シンクロ召喚についてですか?シンクロ召喚はシンクロモンスターのレベルになるようフィールドからチューナーモンスター1体とチューナー以外のモンスターをリリースして行うものです」

 

「なるほど、レベルの合計が重要になるのか。ところでチューナーとは何だ?」

 

「ユニオンとかみたいなカードの種類の一種です。例えば、この《調律の魔術師》みたいな効果モンスターだけでなく、通常モンスターにもチューナーがいます。確かこないだ買ったパックに・・・、あった」

 

遊矢は懐からもう1枚カードを取り出す。

 

「《ギャラクシーサーペント》?興味深いな。俺はギャラクシーのカテゴリーを使うんだが。まさか、チューナーもいるとはな」

 

「良かったら譲りましょうか?」

 

「いいのか?」

 

「俺のデッキと合わないですし、これも何かの縁だと思います」

 

「ならば、受け取っておこう」

 

 

――――――――――――――――――――――――――――――

 

まさか、このタイミングでこのカードを引くとはな。しかし、俺はシンクロモンスターを所持していない。ここまでか・・・!

 

その時―――!

 

イマジナリーナイツのデッキが輝き天空にゲートが開かれる。

 

フォオオオン!

 

そこから、赤いバイクが飛翔し、着地。

 

 

「あなたは・・・!」

 

ヘルメットを外すと現れる金のメッシュがかかった左右に跳ねた髪。

 

「俺の名は不動遊星。パラドックスを止めにきた!」

 

 

――――――――――――――――――――――――――――――

 

「スターダスト!」

 

不動遊星の眼に映るのは闇に染まった未来のスターダスト・ドラゴンの姿。

自らの手で止めるしかない。遊星はデュエルディスクを構えようとすると、懐から光が漏れている事に気づいた。

それはアクセルシンクロを可能にする白紙のカード。

目の前には白き衣の決闘者。

 

「キミ、名前は?」

 

「天城カイトです」

 

「カイトか。これを受け取れ!」

 

遊星はカードを投げ渡す。このカードは今、彼が必要としている筈だ。

 

「これは?」

 

カイトはカードをまじまじと見つめる。

 

「そのカードにはシンクロモンスターのデータが詰まっている。君なら使いこなせる筈だ」

 

白紙のカード。何が起こるかは分からないが、今はこの可能性にかけるしかない。

 

「感謝します。俺はマジックカード《死者蘇生》を発動。墓地から《銀河眼の光子竜》を特殊召喚!」

 

ギャラクシーアイズが場に出ると白紙のカードが更に光輝く。

 

「チューナーモンスター《ギャラクシーサーペント》を通常召喚」

 

淡い光の竜が姿を現す。それは新たな可能性の萌芽。

 

「俺はレベル2のチューナーモンスター《ギャラクシーサーペント》にレベル8の《銀河眼の光子竜》をチューニング。渦巻く銀河よ。数多の星々と1つになりて新たなる力を示せ!」

 

シンクロ召喚の光のゲートに向かって、カイトは手にした一振りの日本刀を投擲する。

 

 

「シンクロ召喚!光来せよ!レベル10!《銀河眼の(ギャラクシーアイズ・)光子剣竜(フォトン・セイバー・ドラゴン)》!」

 

《銀河眼の光子剣竜》レベル10 ATK3200

 

ギャラクシーアイズの装甲が鎧武者のように変化した姿。

今ここにエクシーズ世界、初のシンクロモンスターが降臨した。

 

 

「これがギャラクシーアイズのシンクロモンスター・・・!」

 

カイトは素早くテキストを確認する。この効果ならば対抗できる。

 

「《銀河眼の光子剣竜》の効果を発動。1ターンに1度、このカード以外のフィールドのモンスターをゲームから除外し、フィールドに戻す!」

 

モンスターエクシーズは一時的でも場を離れると、オーバーレイユニットを失い、ほとんどが無力化する。これこそが、銀河眼の光子竜から受け継いだエクシーズキラーの能力。

 

「オーバーレイユニットを全て取り除き、《iNo.-3リバーサル・スターダスト》の効果を発動。相手のモンスター効果か破壊効果を、イマジナリーナンバーズ以外のモンスターを全て破壊するに書き換える」

 

「スターダストが破壊の効果を?!」

 

スターダスト・ドラゴンは守護の龍。破壊とは対極の姿に遊星は愕然となる。

 

「フォトンセイバーはカードの効果では破壊されない!バトルだ!《銀河眼の光子剣竜》で、《iNo.-3リバーサル・スターダスト》を攻撃!『インフィニティ・フォトン・スラッシュ』!」

 

フォトンセイバーは光に包まれ、リバーサル・スターダストに殺到する。

 

イマジナリーナイツcode Y.H.LP1800→1600

 

「イマジナリーナンバーズはナンバーズでしか戦闘破壊されない」

 

「《銀河眼の光子剣竜》の最後の効果!このカードが相手のカードを戦闘によって破壊できなかった場合、このカードをリリースし、墓地から《銀河眼の光子竜》1体を特殊召喚する!」

 

都合五度も現れるギャラクシーアイズ。今までと違いその体はオーロラのような輝きに包まれている。

 

「フォトンセイバーの効果で特殊召喚された《銀河眼の光子竜》はこのターン、戦闘を行うモンスターの攻撃力分、攻撃力がアップ!加えて攻撃時に魔法・罠カードの効果を受けない!」

 

 

 

銀河眼の(ギャラクシーアイズ・)光子剣竜(フォトン・セイバー・ドラゴン)

レベル10/光属性/ドラゴン族・シンクロ・効果/ATK3200/DEF2800

光属性チューナー+「ギャラクシーアイズ」モンスター1体以上

①:1ターンに1度、このカード名以外のフィールド上のモンスターをゲームから除外し、フィールドに戻す。

②:このカードは特殊召喚されたターン、戦闘または相手のカードの効果では破壊されない。

③:このカードが戦闘でモンスターを破壊できなかった場合、このカードをリリースして発動する。自分の墓地から《銀河眼の光子竜》1体を特殊召喚する。この効果で特殊召喚されたモンスターはターン終了時まで以下の効果を得る。●このカードが特殊召喚されたモンスターと戦闘を行う場合、このカードはダメージステップ終了時まで魔法・罠カードの効果を受けず、このカードの攻撃力はそのダメージ計算時のみ、 戦闘を行う相手モンスターの攻撃力分アップするモンスターの攻撃力分、攻撃力がアップする。

 

 

「懺悔の用意はできているか!《銀河眼の光子竜》(ATK3000→6000)でリバーサル・スターダストを攻撃!『破滅のフォトン・エクストリーム』!」

 

イマジナリーナイツが伏せたカードは《炸裂装甲》。発動はできない。

 

巨大な光の渦がイマジナリーナイツを呑み込んだ。

 

イマジナリーナイツcode Y.H.LP1600→0




ここまで読んでいただき、ありがとうございます。

やっぱりベクターは味方でした。裏切りが持ち味の彼のキャラを最低限出せたかなぁと思います。
今回はストーリーの中間地点ですので、伝説の決闘者の登場にギャラクシーアイズのシンクロ体と話を進めました。
ちなみに各シリーズの時間軸についてですが、
DM・GX組:GXから2年後
5Ds組:5Dsから2年後
ZEXAL組:ZEXAL最終回直後
ARC-V:ARC-Vから1年後
となっております。

ストックが尽きたので、次話以降の投稿には時間がかかると思います。

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