遊戯王 超融合 時空を越えた絆Ⅱ   作:ミスタータイムマン

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Scene15 救済

不動遊星(手札1枚)、遊城十代(手札1枚)、榊遊矢(手札2枚)

LP:3350

場:《ジャンク・デストロイヤー》ATK2600

伏せカード1枚

Pゾーン:《竜穴の魔術師》(スケール8)、《EMドラネコ》(スケール2)、

 

 

 

パラドックス

LP:3425

手札:0枚

場:《覇王龍パラドックス》ATK4000

 

 

《覇王龍パラドックス》

レベル12/闇属性/ドラゴン族・融合・シンクロ・エクシーズ・ペンデュラム・効果/ATK4000/DEF4000 スケール13/13

このカードはルール上、ランク10のモンスターとしても扱う。

このカードは「Sin World-Chaos Chronograph」の効果でのみEXデッキから特殊召喚する事ができる。

P効果

①:???

モンスター効果

①:???

②:???

 

 

 

「現われてしまった・・・」

 

遊矢は絶望に膝をつきそうになる。

 

「覇王龍・・・!パラドックス!」

 

赤と緑の線で紋様が描かれている黄金のドラゴン。100メートル近くある黒と白の左右異なる翼をバサリと羽ばたかせる。

 

「フハハハハハ!素晴らしいぞ!これこそが私が求めていた力!」

 

「パラドックス、何故こんな事を!」

 

「覇王龍は破壊と再生を併せ持つ。私はこの力で崩壊しない完全な世界を作り上げる!」

 

「崩壊した世界・・・!ネオスが言っていた・・・」

 

ネオスとのやり取りを思い出す。世界の終わりとは想像を絶するものだと改めて思う。

 

「未来の崩壊の原因は人々の欲望の増長によるモーメントの誤作動。ゾーンが命をとして俺たちに伝えてくれた。暴走しないモーメントも完成している!」

 

「モーメントだけが崩壊の要素ではない。大邪神に、ダークネス、破滅の光、覇王龍。私はカオスに触れることで様々な世界が崩壊する可能性を見てきた。ならばこそ、神となった私が天に立ち、全てを管理することで真の幸福が訪れるのだ!」

 

「それでも、今ここにいる人達を犠牲にして不幸にするなんてお前がやっていることは絶対に間違っている!絶対に止めてみせる!」

 

トラウマと向き合いながらも、遊矢は吠える。

 

「ほざけ!我が力の片鱗を見るがいい!1ターンに1度、相手フィールド上のモンスターを全て墓地に送り、ライフを半分にする!」

 

その顎から幾重にも分かれた光線が放出される。

 

「うわぁあああああ!」

 

遊星・十代・遊矢LP3350→1675

 

 

あまりの衝撃、それだけではない。

 

光の軌跡は空間に裂け目を作っていた。

 

「あれは、ハートランド?!」

 

「ネオドミノシティまで?!」

 

裂け目から映し出されるのは自分たちの世界。更にビル群から小さなドローンが裂け目へ飛び立つ。

 

「そうだ!お前たちの世界だ!そして今飛び立ったドローンはここの映像を映し出している!全ての世界の人々に新世界の誕生を見届けさせるのだ!これでフィナーレだ!ダイレクトアタック!」

 

「くっ!トラップカード発動!《トゥルース・リインフォース》!デッキからレベル2以下の戦士族モンスターを特殊召喚する。現れろ!チューナーモンスター《ジャンク・アンカー》!(レベル2 DEF0)」

 

丸い体のマシーンが出現し、腕を交差させて壁になる。

 

「遊星さん!ペンデュラムゾーンの《EMドラネコ》のペンデュラム効果を発動。自分フィールドのモンスターは1ターンに1度、戦闘では破壊されない!」

 

「遊矢、助かる!」

 

遊矢のアシストに遊星は親指をたてる。

 

「ターンを終了する!」

 

 

―――――

 

 

「俺のターン、ドロー!」

 

覇王龍、自分と同じ覇王を関する存在。見極めさせてもらうぜ。

 

「早速ペンデュラムを使わせてもらうぜ!」

 

俺はセッティング済みのペンデュラムスケールでペンデュラム召喚!来い!俺のヒーロー達!」

 

「現れろ!レベル3《N・グランモール》!レベル7《E・HEROネオス》!」

 

「《E・HEROネオス》と《N・グランモール》をコンタクト融合!現れろ!《E・HEROグラン・ネオス》」

 

《E・HEROグラン・ネオス》 レベル7 ATK2500

 

 

「《E・HEROグラン・ネオス》の効果を発動!手札に戻れ!《覇王龍パラドックス》!」

 

ドリルを地面に突き刺し、衝撃波が覇王龍を襲う。

 

「ぬぅうう!」

 

辺りに砂ぼこりが舞った。

 

 

 

しかし―――、

 

青い光の柱に悠然と浮かぶ覇王龍の姿。

3人の決闘者を睥睨するパラドックスは悠然と言い放つ。

 

「《覇王龍パラドックス》、この私がフィールドを離れる場合、ペンデュラムゾーンに送られる。そしてぇ!」

 

光の柱が怒号とともに砕け散り、覇王龍は再びフィールドに降り立つ。

 

「ペンデュラムゾーンに送られた場合、攻撃力を500アップさせ、再びフィールドに特殊召喚するのだぁ!(《覇王龍パラドックス》 ATK4000→4500)」

 

 

《覇王龍パラドックス》

レベル12/闇属性/ドラゴン族・融合・シンクロ・エクシーズ・ペンデュラム・効果/ATK4000/DEF4000 スケール13/13

このカードはルール上、ランク10のモンスターとしても扱う。

このカードは「Sin World-Chaos Chronograph」の効果でのみEXデッキから特殊召喚する事ができる。

P効果

①:このカードがPゾーンに送られた場合、このカードの攻撃力を500アップさせ、自分フィールド上に特殊召喚する。

モンスター効果

このカードがの①の効果は1ターンに1度しか発動できない。

①:相手フィールド上のモンスターを全て墓地に送り、相手のライフを半分にする。

②:このカードが相手のカードの効果でフィールドから離れた場合、このカードをPゾーンに置く。

(オリカ)

 

 

「そんなの無敵じゃないか・・・!だけど、それでも覇王龍を倒さないと!」

 

遊矢は膝をつきそうになるが、歯を食いしばり覇王龍を見据える。

ドラゴン四体を統べ、一体化しようなどという発想を最初にしたのはズァークである自分自身。

自分が何とかしなければならない。強い気迫で堪えていた。

 

 

 

一方で―――、

 

「おもしれぇ、疑似的な不死に強力な強烈なモンスター破壊。どうやって倒そうかワクワクするぜ」

 

「十代さん・・・?!」

 

ありえない発言に耳を疑う。

 

「フ、遊矢君。それが十代さんさ。どんな時でもデュエルを楽しむ、それが信条なんだ。デュエルは争いの道具ではないのだから」

 

『デュエルは争いの道具ではない』、かつて自分も言ったことだ。

あの時は何も知らなかった。世界の命運をかけた負けられない戦いがあることも。

そんな中で自分のデュエルを貫くことはとても難しいことだ。

 

「遊矢、困難な状況をどうやって切り抜けようか。どうやって強大なモンスターを倒そうとするか考えてみるんだ。その答えが出た時のこと、キーカードをドローした時のことを思うんだ」

 

《覇王龍パラドックス》はどんな強力な除去も無意味で自分のターンに強力な破壊効果を持つカード。

そこから導き出される弱点は。自分のターンに妨害されることはない。

そのために必要なのは・・・。

 

 

「な、ワクワクするだろ」

 

頬に手を当てると口角が緩んでいるのがわかる。

 

「俺はマジックカード《コンタクトアウト》を発動。グランネオスの融合素材を特殊召喚する。現れろ!ネオス(DEF2000)!グランモール(DEF300)!更に、マジックカード《HEROの遺産》を発動。《E・HEROアブソルートZero》と《M・HEROアシッド》をデッキに戻し、カードを3枚ドロー!カードを1枚セットして、ターンエンド!」

 

 

―――――

 

 

「私のターン、ドロー!《貪欲な壺》を発動。4体のSin覇王眷竜と《Sinサイバー・エンド・ドラゴン》をデッキに戻し、2枚ドロー!」

 

「《ハーピィの羽箒》を発動!相手フィールド上の魔法・トラップカードをすべて破壊する」

 

大嵐が巻き起こり、次々にカードを粉々にしていく。

 

「手札を1枚捨て、リバースカードオープン。《超融合》発動!」

 

遊城十代が持つ究極の融合魔法。その力が今、解放される。

 

「《E・HEROネオス》と《N・グランモール》を融合!融合召喚!現れろ!大地のヒーロー!《E・HEROガイア》(レベル6 DEF2600)!」

 

ガイアから草の蔓が伸び、覇王龍を絡めとる。

 

「ガイアの効果!ターン終了時まで相手モンスターの攻撃力を半分にして、その攻撃力分、このカードの攻撃力をアップする」

 

《覇王龍パラドックス》ATK4500→2250

 

 

「新たなヒーローか!だが所詮はこのターンまで無駄なことだ!相手フィールド上のモンスターを相手フィールド上のモンスターを全て墓地に送り、ライフを半分にする!」

 

十代・遊星・遊矢LP1675→838

 

 

「砕け散れ!ダイレクトアタック!」

 

「墓地の《ネクロガードナー》を除外して効果を発動!戦闘ダメージを0にする」

 

戦士の幻影が光線を受け止めた。

 

「いつまで抗うか!私はターンを終了する!」

 

 

―――――

 

 

「パラドックス、十代さんは勝利のための道を示してくれた。俺は覇王龍を打ち倒す!」

 

先ほどの十代さんの《超融合》はネクロガードナーを墓地に送るだけではない。《覇王龍パラドックス》の耐性を確かめてくれたんだ。俺が導き出した戦術はこれだ。そのためにはあのカードが必要だ。引くことができるかどうか、プレッシャーを感じるとともに高揚する。

 

 

「俺のターン、ドロー!来たぜ、《EMチアモール》(レベル2 ATK600)を召喚」

 

ボンボンを持ったピンク色のモグラが登場する。しかし、この状況での召喚はあまりにも場違いな雰囲気のモンスター。慌てて、遊矢の足元に隠れる。

 

「なんだ、そのカードは」

 

単体では何もできない弱小カード。例え効果を発動しても対したことがないカードだ。

 

「このカードこそがお前を倒すためのピースの1つ。スケール8《EMオッドアイズ・ユニコーン》とスケール2《EMドラミングコング》でペンデュラムスケールをセッティング!」

 

2体の獣がペンデュラムゾーンに送られる。

 

「これで3~7のモンスターが同時に召喚可能!揺れろ、魂のペンデュラム。天空に描け光のアーク!ペンデュラム召喚!エクストラデッキから現れろ。俺のモンスター達!」

 

「《EMキングベアー》(レベル8 DEF1000(ATK2200→2600))!全てを焼き尽くす2色のまなこ《オッドアイズ・ペンデュラム・ドラゴン》(レベル7 ATK2500)!」

 

遊矢は、長年の相棒、オッドアイズの背に飛び乗る。

 

「行くぜ、バトルだ!《オッドアイズ・ペンデュラム・ドラゴン》で《覇王龍パラドックス》を攻撃!」

 

 

オッドアイズ・ペンデュラム・ドラゴンは覇王龍に突進、大きくジャンプする。

 

「オッドアイズ単体で攻撃だと?その程度でこの《覇王竜パラドックス》に敵うものか!」

 

 

「お楽しみはこれからだ!《EMオッドアイズ・ユニコーン》と《EMドラミングコング》のペンデュラム効果を発動!攻撃力が3200(2600+600)アップ。更にオッドアイズの攻撃力がアップしたことでチアモールの効果!更に攻撃力が1000アップ!オッドアイズの攻撃力は6700!」

 

《オッドアイズ・ペンデュラム・ドラゴン》

ATK2500→6700

 

「『螺旋のストライク・バースト』!」

 

ジャイロ回転する焔の閃光がパラドックスの至近距離から放たれた。

 

 

「攻撃力6700!だが、戦闘ダメージは2200。まだライフを削るには程遠い!」

 

交錯する遊矢とパラドックス。

 

「《オッドアイズ・ペンデュラム・ドラゴン》の効果を忘れてないか。このカードがレベル5以上のモンスターとの戦闘ダメージは倍になる!ダメージは4400だ!『リアクションフォース』!」

 

火焔の勢いがさらに増す!

 

 

「覇王竜たる私が破れるだとぉ!馬鹿なぁあああ!」

 

 

パラドックスLP3400→0

 

 

 

榊遊矢(手札2枚)、不動遊星(手札1枚)、遊城十代(手札1枚)

LP:838

場:《オッドアイズ・ペンデュラム・ドラゴン》ATK2500、《EMキングベアー》DEF1000、《EMチアモール》ATK600

伏せカード1枚

Pゾーン:《EMオッドアイズ・ユニコーン》(スケール8)、《EMドラミングコング》(スケール2)


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