手の形を模した巨大な暗い色の雲が渦巻く。
その中央部分には不気味に輝く光の点が見える。
それは様々な場所世界からも見ることができた。
―アストラル世界―
なんと強大なカオスの塊だ。
アストラルはそれに近づけば近づくほど濃くなっていくカオスに戦慄を感じていた。
そこへ ―――、
「アストラルー!」
天空の巨大な光から放たれたのは 懐かしい顔ぶれー私たちの希望。
「遊馬!」
「アストラル! この雲みたいなのがそうなのか」
「ああ、この雲は強大なカオスを宿している。しかもどこからか力を取り込んでどんどん巨大化している」
突如巨大な雲の掌の光点からカッと光を放たれ、私と遊馬、シャーク、カイトはスポットライトのような光に照らし出される。
「なんだ・・・これは」
訝しむシャーク。
「なんか、みんなから離れていってねぇか?」
その言葉が引き金かのように、急激な加速度が私たちを襲う。
「ぐっ、トラクタービームか」
「遊馬ー!」
小鳥の悲痛な叫び。
「みんなー!」
私達の声は深い雷鳴が響く雲に消えていった。
―――――――――――――――――――――――――
「痛てて・・・」
雲の内部には驚くことに黒色の大地が広がっていた。
「まんまと敵の罠にはまっちまうとはな」
私たちの前には巨大な幾何学の白亜の城がそびえ立っていた。
「ハートランドよりも高ぃぜ。ん、小鳥からだ」
遊馬のDパッドに小鳥から通信が入る。
「遊馬!みんなでそっちに入ろうとしてるんだけど、バリアがあって近づけないの。みんなでエリファスさんの所に行って作戦を練りなおそうって話しているの。ベクターは別の作戦があるからってどこかに行っちゃったわ」
「わかったぜ、小鳥」
「遊馬、気をつけてね」
―――――――――――――――――――――――――
ガシャンガシャン
鋼を打ち付けるような鈍い音。左を黒、右を白で染め上げられた3体の鎧甲冑がやおら姿を現す。
「排除する」
合成したような歪な機械音を発しながら右腕のデュエルディスクを構える。
「早速おでましか、いくぞ!」
「「「デュエル!」」」
所詮は機械仕掛け。門番程度で我々の相手になると思っているのか?
だが、我々の予測は甘かったのだとすぐに知る事になる・・・。
「くっ」
天城カイトLP1300 手札2枚 場 伏せカード1枚
機械騎士C LP3500 手札4枚 場 伏せカード3枚
「こいつら・・・!」
神代凌牙LP900 手札1枚 場 ビッグジョーズ
機械騎士B LP3000 手札5枚 場 伏せカード2枚
「強ぇえ・・・!」
九十九遊馬&アストラルLP1000 手札3枚 場 ガガガガードナー
機械騎士A LP4000 手札5枚 場 伏せカード1枚
彼らはただただ純粋に強い。まるで格上を相手にしているようだ。一方でデュエリストとしての気迫は全く感じられない。何だ、このチグハグさは?
そして―――、
「―――、シンクロ召喚!《スターダスト・ドラゴン》!」
「―――、特殊召喚!《E・HEROネオス》!」
「―――、特殊召喚!《ブラック・マジシャン》!」
あれは、伝説の・・・!