とある科学の生物兵器   作:洗剤@ハーメルン

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七月二十日 part1

 当麻とアレックスが爆発事件の現場から逃走し、丸一日が経った。昨日は美琴に追われるという可能性からアレックスは表通りを出歩く気になれず、当麻の誘いも課題があると断って裏通りにて、ウィルスに意思を持たせた肉塊を使って超能力の演算式を改良していた。今までに吸収した科学者の知識もあり、いくつかのは実戦的な物にまで開発することに成功した。

 例えば、念動力の威力は装甲車にも対処できるほどだ。ここまで一日で到達できたのは、アレックスの思考速度が開発の速度というのが大きいだろう。

 ちなみに、昨日は終業式だったが、アレックスは欠席した。そのため、小萌が大騒ぎして家庭訪問までしたのだが、アレックスは出掛けていたので日を改める事になった。

 一段落した頃には十時ほどになっていることに気づいたアレックスは、先ほどから警報のように鳴っている携帯電話へと手を伸ばした。

 

「こちらアレックス」

 

「遅いわよ。呼び出して五分よ?」

 

 その向こうからは、アレックスも何度か聞いたことのある声がした。

 

「何だ、案内人?」

 

「あら、番号を知ってることに驚かないのね?それと案内人はやめて、結標淡希って最初に言ったでしょ?」

 

 案内人————結標淡希は深いため息をアレックスに聞かせながら言った。どうやら、アレックスの周りにはため息を吐く人が多いようだ。「そうだったか?じゃあ淡希、用は何だ?」

 アレックスはそう言われて記憶を掘り返すが、最初に会ってから数分後からしばらくは記憶が曖昧だ。恐らくは思索にふけっていたのだろうとアレックスは当りを付けた。

 

「仕事に決まってるでしょ?」

 

「だろうな」

 

 アレックスはある程度予測していたため、ある程度荷物をまとめながら言う。

 

「分かってるならいつもの場所に来————」

 

 無言で淡希からの通話を切ると、渋々と部屋を出るアレックスであった。

 

 

 

 窓のないビルの内部。そこでアレックスはこの学園都市の統括理事長である、奇妙な人間の入ったビーカーの前に対面している。

 

 

「今度は何だ? 抹殺か? 殲滅か? それとも誘拐か?」

 

 アレックスはこの人物の雰囲気がどうも好きになれないので、なるべく早くここから去りたかった。なので、どうしても言葉が投やりになる。

 

「まあ、そう焦るな。今回はある人物の警護だ」

 

「警護だと?」

 

 えらく自分の力には合わない物だとアレックスは思った。

 

「ああ、なぜ君かというのは、君のよく知る人物だからだ」

 

「勿体振るな。さっさと話せ」

 

 アレックスの脳裏に美琴が浮かんだ。彼女は行動が向こう見ずで、レベル5としては少々危うさがある。

 

「上条当麻だよ」

 

 どうやら、アレックスの予測は外れたようだ。

 

「上条か……」

 

 当麻はお人好しの正義大好き人間だ。そんな彼がいったい何をしたのか、アレックスには想像がつかなかった。

 

「彼は能力の制御ができない『原石』。と、言えば納得して貰えるかね?」

 

 『原石』。世界に十数人しかいないと言われる、生まれもっての超能力者。その能力は、開発によって手に入る能力と違い、かなりトリッキーな物もあるらしい。

 

「なるほど……」

 

 アレックスには、『原石』の強力さがよく分かる対象がいる。

 レベル5の第七位は、高レベルの超能力のような現象を開発無しに起こすという。第七位ではないような第七位であり、

 

「分かった。ここまで連れてくればいいんだな?」

 

「いや、彼が死なない程度にしてくれればいい。それ以外は、彼の行動には、物事の選択には絶対に口を出すな。私の指示ということは、絶対に知らせては駄目だ」

 

「何を言っている? 貴重な原石じゃなかったのか?」

 

 この理事長の命令は何かおかしい。

 

「彼の能力は『原石』の中でも特殊だ。予知能力者に彼を読ませたが『彼にとって今後に影響する大きな選択を変えた場合、大変なことが起こる』という以外は分からなかった」

 

 忌々しそうな口調で理事長が言う。

 アレックスはそれに胡散臭さを感じたが、予想はしていたので思うがままに流される事にした。

 

「――分かった。付き添いと考えればいいんだな?」

 

「まあ、そういうことだ。終了日時は未定だが、その間にも他の仕事を割り当てる時があるかもしれない。その時は臨時でこちらの者を寄越そう」

 

 そう理事長は付け加えるように言うと、アレックスの背後が開いた。

 言うだけ言って、さっさと帰れということらしい。

 

「まったく、人使いが荒いな…………」

 

 アレックスはそう理事長に向けて言うと、案内人の元へと向かった。どうせ当麻は補修だろうと見当を付けながら。

 

 

 

 

 いないと予想はしながらも、当麻の部屋を訪れるために寮へと戻ったアレックスだが、施錠されていないドアの向こうには当然のように誰もいなかった。

 補修もそろそろ終わる時間。アレックスがこのまま待っていようと決めた時、エレベーターが到着する機械音がアレックスしかいない廊下に響いた。

 アレックスは当麻が帰ってきたのだと思いエレベーターに視線を移すも、目に映るのは、彼の中の、どの記憶でも見たことの無いものだった。

 水色の髪の少女のシスターが、エレベーターの壁に寄り掛かるように立っている。少女と言っても、その年齢は中学生ぐらいだろう。しかし、その純白だったであろう修道服は、背中から流れているであろう血によって脇腹を伝うように真っ赤な染みが広がっている。この出血では、そう長くは持たないだろう。

 

「逃げ……て…………」

 

 こちらにゆっくりとした――否、死にそうな足取りで歩きつつ、振り絞るような声でアレックスに警告する。

 当初は、なぜこの階に少女が来たのかが分からなかったアレックスだが、当麻の部屋で見かけた白いフードが彼の脳裏をよぎった。

 

「まったくアイツは……」

 

 きっと、それは彼女の修道服の付属品なのだ。そして、当麻の部屋にあったということから、彼女と当麻は接触したのだろう。

 そうこうしている間にも彼女はアレックスの元にたどり着き、懇願するように廊下に倒れた。その血溜まりは徐々に広がるが、ここに来るまでの血痕を辿ってきたのであろう、学園都市に配備されているポリバケツのような掃除ロボに集られ、あっというまに消えてしまった。

 アレックスは少女の元まで辿り着くと、その腰を横に一閃した豆腐を切り分けるような滑らかな刀傷をじっと見た。元は長かったのだろうか、傷口を終点に斬られた髪の毛先が揃っている。それが彼女の背中を、躊躇いもなく斬ったという事実を物語っていた。

 彼が気になったのは、なぜシスターが背中を斬られているかということだ。ナイフならまだしも、学生ばかりのこの都市ではあまりにも異常だ。

 

「仕方ない」

 

 何が起こったかはこの少女しか知らない。だが、もし当麻を探す者にやられたのであれば、そいつを早めに排除するべきだ。そう考えたアレックスは、足手まといを減らすためにも応急手当てをすることにした。

 最悪、見なかったことにして吸収してしまえばいいのだ。

 

「邪魔だ」

 

 まず、アレックスは掃除ロボの排除に乗り出した。排除と言っても、その右足で蹴り飛ばすだけの簡単な作業だ。

 アレックスに蹴られた掃除ロボは、激しい音と共にそのフレームを大きくへこませ、少女の背中を掠めるような低さでエレベーターと反対の方向へと飛び出した。その軌道下の床には、なぞるようにそれらが回収したゴミが散乱した。

 さすが学園都市製と言うべきか、意外にも堅いことにアレックスは目を剥いた。

 

「深い……」

 

 しゃがみ込んで少女の傷を見るが、このままではそう長くは持たないとアレックスには判断できた。しかし、アレックスには彼女を生かす方法がある。彼の細胞を使い、その傷口を埋めるというものだ。

 普通に科学者が移植すれば感染するだろうが、ウィルスの司令塔は今やアレックスだ。感染体やウィルスは思考はできずとも、司令塔の命令には必ず従う。ましてや、アレックスの細胞で埋めるなら問題は無いだろう。

 そして、アレックスは止血しようと少女の背中に触れた瞬間、再びエレベーターから到着のチャイムが鳴った。

 

「インデックス!!」

 

 中にいたのは当麻だ。アレックスは当麻のタイミングの悪さに、つくづく不幸を呼ぶ奴だと思う。

 そして、この少女はインデックスという名前、もしくはニックネームという事が彼に知らされた。

 

「当麻、こいつは知り合いか? 助かってほしいなら、そのまま自室に入って大人しくしてろ。いいな?」

 

 アレックスは、駆け寄ってくる当麻に向けて邪魔だと言わんばかりに言う。

 彼がいれば、「細胞を使って~」などの行為は不可能だ。彼とてこの技術都市の学生、ネット上にあるマンハッタンの化け物の動画などは見た事があるだろう。関連付けられでもしたらまずいのだ。

 

「まさかお前がやったのか?」

 

「いや、違う」

 

 どうやら、当麻はやけに冷静なアレックスを少し疑ったようだ。アレックスは、取り調べなどでガシガシ攻められるタイプの反社会的な雰囲気をしているため、仕方ないと考えた。元婚約者のカレン・パーカー曰く、もっと笑え。

 

「ちくしょう! いったい誰がやった!!」

 

 当麻はインデックスがやられたのを見て、怒り狂ったように叫ぶ。

 アレックスは話を聞こうとしない当麻に苛立つも、説明と手当てが先と考えて口を開いた刹那、まったく聞き覚えのない男の声が廊下に響いた。

 

「うん? 僕達『魔術師』だけど?」

 

 非常階段側から聞こえたその声の主は、なんと形容したらいいのだろう。二メートルはありそうな背丈に、肩まで伸ばしたオレンジのような赤の髪に、まだ当麻より幼そうな顔つき。そして、ピアスや指輪などのゴテゴテとした装飾品とくわえタバコ。極めつけは真っ黒な修道服と、右の頬骨の上あたりにあるバーコードのような入れ墨。

 その雰囲気は常軌を逸している――――決して、妙ちくりんな見た目からではない。魚屋で牛が丸々一頭売られているような、落としたリンゴが大気圏を突破しそうな別次元の雰囲気。それをこの神父服の男は持っている。

 当麻は完全に動きを止めた。

 

「うん? うんうんうん、これはまた随分と派手にやっちゃって。神裂が斬ったって話は聞いたけど…………まぁ。血の跡がついてないから安心安心とは思ってたんだけどねぇ」

 

 魔術師はくわえたタバコを揺らしながら一人呟くと、アレックスへと視線を移した。

 

「まさか、こんなのが先に見つけたなんて思わなかったよ」

 

 魔術師の目が刺すように薄められる。

 その動作から、アレックスは魔術師が自分の事を知っていると判断した。それはマズイとしか言いようが無い。

 もし、この『魔術師』と名乗るふざけた野郎が、『魔術師』であるという事を装っている場合。『魔術師』という名の司法警察の場合、非常にまずい事態となる。しかし、もし第三の勢力の場合にしても面倒事になるため、わざとらしく確認することにした。

 

「────お前は何が目的だ?」

 

「うん、そうだね。誤解があっても困る」

 

 魔術師の腕がスッと上がり、気だるそうに伸ばされたその指先が床に倒れ伏すインデックスを指した。

 

「ソレだよ。詳しく言えば、ソレが持ってるる十万三千冊の『魔導書』を回収することだ」

 

「…………よく分かった、すぐに救急車を呼んでやるからな」

 

 どうやら、アレックスの勘違いだったらしい。そう思いながら携帯を取り出し────

 

「待った。持ってるという表現が正確じゃなかったようだ。正確には、ソレの頭の中だ。『完全記憶能力』と、言えば、その隣のバカ面じゃあるまいし納得できるだろう?」

 

 手が止まった。

 『完全記憶能力』。アレックスはかつてアレックス・マーサーの時に、珍しい脳の事例として聞いたことがある。何でも、録画ボタンを押したビデオカメラのように、ありとあらゆる物を記憶することができる脳ということだ。

 

「成る程。お前らは『魔術師』で、コイツの持ってる『魔導書』を取りに来たんだな?」

 

「うんうん、そういうことだよ。そこのバカ面よりは──——」

 

「てめえ! さっきからバカ面バカ面言いやがって、お前に言われる筋合いはねぇよ!

 それに回収だと!? 何様のつもりだ!!」

 

 アレックスと魔術師が順調に会話しているなか、置いてきぼりをくらっていた当麻が声を上げた。

 アレックスは心の中で「邪魔するなよ」悪態をついたが、ちょうどいいともまた思った。この『魔術師』と名乗る男は真実を語っている。そう判断したからである。

 だとすれば、ここまでベラベラと喋るのは異常だ。つまり男の次の行動は予測できる。

 

「アンタ、これは機密じゃ無いのか?

 十万三千冊もあるんだ。中にはかなり危ないのもあるんだろ? 」

 

 そう言った途端、魔術師の口元が歪む。

 

「うん。うんうんうん。そうだね、そうこなくっちゃ。先ずは『何様か?』からだが、ステイル=マグヌスと名乗りたい所を『Fortis931』と言わせてもらおう」

 

 魔術師、ステイル=マグヌスは短くなったタバコを手に取り、指で弾いて横へと投げた。火のついたタバコはオレンジの軌跡を描きつつ、隣のビルの壁に当たって火の粉を散らす。

 

「機密かどうかについてだが……まあ、『冥土の土産』と言った所か」

 

 魔術師の手が、宙を舞う火の粉へと伸びた。

 

「炎よ────」

 

 『炎』そう言った瞬間、タバコの描いたオレンジの軌跡が膨れ上がり、爆発した。それは一瞬で集束すると、水道の蛇口を限界まで捻ったように形をなし、炎の剣となり、ステイルの左腕に収められた。

 その熱により、空気は揺らめき、隣のビルの壁は、花火を押し付けたように変色しはじめている。

 

「オカルト狂いってわけでもないか」

 

 アレックスは思わずそう呟いた。

 背後の当麻はどうなっているか知らないが、アレックスには彼を守る義務がある。

 

「────巨人に苦痛の贈り物を」

 

 ステイルは笑みを浮かべながら、その剣を彼らに向けて横薙ぎに叩きつける。

 その剣は手すりを飴細工のようにとかしつつ、目標へと振るわれ、昨日のモノを小規模にしたような炎の爆弾が炸裂した。

 

「やりすぎたか、な?」

 

 小規模と言っても、超高温の炎の固まりだ。ボリボリと頭をかくステイルの眼前は、石油製品の焼けた黒煙と残り火である魔術による火災に晒されている。

 彼も範囲は調整したとはいえ、回収対象も酸欠になりそうな炎だ。ここは通れそうにもないので、下の階を回り道するしか無いだろう。

 

「まったく…………」

 

 ステイルか首を振った途端、火災が中心に渦を巻いて吸い込まれるように消えた。

 その中心には、蛇のような笑みを浮かべるアレックスがいた。

 

「どうした? こんな炎出した奴が驚くなよ」

 

 『発火能力』。アレックスが実験場で手に入れたそれには、特異なものだった。それは、一度吸収した炎を使うという、能力としては不便極まりない特性だ。しかし、このような局面。炎を使う能力者相手には、かなり有効な盾になるだろう。

 しかし、吸収できる炎には要領制限がある。三千度はあろうこの剣を丸々吸収するとすれば、二発が限界だろう。

 まあ、その三発目が来る前に、溜まったのを打ち出せばその分吸収できるのは確かだが。

 

「逃げろ上条。お前はレベル0だ。こいつはそこらの不良じゃない」

 

 当麻は原石とはいえ、レベル0。ましてや、相手は何をしてくるか分からない魔術師だ。

 しかし、当麻はアレックスの予想とは多少違うようだ。

 

「う……おっ!」

 

 そんな間の抜けた声と共に、アレックスの視界の両脇で燃え上がっていた炎が風船を割ったように消えた。

 

「……ったく、そうだよ、何をビビってやがんだ————」

 

 テストの最初にある問題に、最後になって気づいたように当麻は自嘲気味に笑いながら呟く。

 

「————インデックスの『歩く教会』をぶち壊したのだって、この右手だったじゃねーか」

 

 当麻は何かに気づいたようなそぶりを見せると、三千度の残り火にその右手で触れた。

 

「邪魔だ」

 

 その瞬間、炎が砕け散るように消滅した。

 アレックスが見たところ、当麻は消耗した様子もない。おそらく、あれは電気使いに電気が効かないような当たり前の物なのだろう。しかし、炎を吸収ではなく、 "消した"というのは驚きだ。反対の力で打ち消したというには消耗がなさすぎる上に、それならばレベルがもっと上でもおかしくない。

 だが、強力な能力というのはアレックスにとって好都合だ。

 

「上条、捕まえるぞ」

 

「ああ、ぶちのめしてやる」

 

 二人の異常者を目の前にして、ステイルは恐怖を感じた。彼とて修羅場は潜っている。しかし、自身の炎を吸収したり消滅させる相手には出会った事がない。

 そんなステイルを正面に捉えつつ、アレックスはその右手の平に野球ボールほどの大きさの炎の塊を作り出した。

 

「お前の炎だ。もっとも、さっきのをこの大きさにまで圧縮したものだがな——————自分の炎だ、この意味が分かるだろ?」

 

 アレックスは右手を前に突き出すと、その塊を射出した。

 

「くっ!!」

 

 さすがにステイルはまずいと思ったのか、迎撃にと再び左腕を振るい、その手に炎の剣を生み出す。しかし、その動作の間にも当麻は動いていた。

 拳をつくった右手を後ろに振りかぶりながら、ステイルにそれを振るわんと突っ走る。

 

「巨人に苦痛の贈り物を!!」

 

 その叫びと共に、前に出ている当麻に向けて————ではなく、その間の天井にむけて剣が振るわれる。

 

「なっ!?」

 

 当麻は予測がはずれたのか、思わず足を止め、正面に向かって右手を伸ばした。

 爆発と共に天井が溶け、蛍光灯とコンクリートだったものが壁を作る。アレックスの出した炎が巻き込まれたというのもあって、その被害は甚大だ。

 もっとも、アレックスが撃ったのは同等の炎と言っただけの、それよりも小さい炎だったので思ったよりも被害は少ないが、そのせいで仕留め損なったとも言える。

 

「次は覚悟しろ、異能者ども!!」

 

 その向こうから、ステイルの吐き捨てるような声と走り去る足音が聞こえる。

 当麻はカーテンに遮られてもちろん追えず、アレックスは追ってもよかったが、伏兵がいる危険を考えて追うのはやめた。

 神裂という協力者がいると、魔術師の言葉で分かったからである。インデックスのように、当麻が背中を斬られでもしたらたまらない。

 

「くっそ、出鼻をくじきやがって……」

 

 怒りが収まらないのか当麻は声を荒げて言うが、インデックスの容体が気になるのか早足で彼女に駆け寄った。

 




赤い噛ませさん

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