三代目 F Soul Hokage   作:シズネ

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不審な動き

 

 

とある雨隠れ近辺のアジトにて

 

 

「…マダラ、貴様の言っていたメンバーは一人を除き全て揃えることができたが、うちはイタチはどうする?」

 

「奴はこちらに来ることはない。別の者を考えてある。お前にペインとして勧誘してきてもらいたい。我々と利害が一致するはず、上手く誘えばこちらに入るだろう」

 

「ほう…良いだろう。それでその者の名は?」

 

「大蛇丸。伝説の三忍と呼ばれた一人だが、今は既に抜け忍となっている」

 

「大蛇丸?何処かで聞いた名だな…ああ、あの時か」

 

「あの時?」

 

「貴様が知る必要はない。最も、俺も思い出したくない過去だがな…」

 

 

ーーーーーーーーーーー

 

 

大蛇丸の第三アジトにて

 

「あら、ワタシのアジトが分かるなんて一体どなたかしら?」

 

大蛇丸は急な来客にも一片の動揺も見せず対応するも、同時に並みの中忍では立ち続けるのすら無理な程の殺気を放った。

 

しかしその客も少しも怖気付くことなく、淡々と言葉を発した。その冷徹さは、まるで心を持たない者のようだった。

 

「お前が大蛇丸か、俺の名はペイン。単刀直入に言おう。我々の組織『暁』のリーダーとしてお前を勧誘しに来た」

 

「『暁』?さて、聞いたこともないわね…まあ少なくとも、ワタシの部下の見張りを物ともせずここに一人で辿り着いたってことから、ただの忍者ごっこではないってのは認めてあげるわ。けどね、ワタシは組織に縛られるのが嫌いでねェ…折角のお誘いだけど断らせてもらうわ」

 

「お前はこの世の全ての術を知り尽くすことが目的であるみたいだな。我々の課す仕事をこなす限りは、ある程度の援助はしてやる」

 

「あら、よく知ってるのね。でもそれだけじゃないのよ。最近は他のことにも興味が出てきてねェ…それに手を貸してくれるなら少しは考えてあげてもいいわよ?」

 

「ほう、それは何だ?」

 

「聞く気はあるのね。実はねェ…」

 

 

ーーーーーーーーーーー

 

 

 

ドアを叩く音が鳴り、入室を許可するとそこに立っていたのは自来也だった。

 

「ほう、自来也か。旅行から帰ってきてたのか」

 

「猿飛先生、ワシは別に遊んでただけじゃねえっての。情報収集をしてたらのォ、大変なことを耳にしてしまったんだ」

 

自来也は真剣な表情となった。きっと重大な何かがわかったのだろう。

 

「ほう、それは何じゃ?」

 

「大蛇丸の居場所のことだ…あいつは今、『暁』という名の組織に所属しているらしい」

 

あれ、こんなに早かったっけ?細かいことは覚えてないけど、大蛇丸が入るのはイタチの写輪眼を得るためだった筈だから、原作通りだともう少し先の話のはず。

 

というかイタチはこのままだと木の葉に居続けるだろうし、そもそも大蛇丸は暁に入る意味があるのか?

 

あーなんか原作改変したせいで風向きが変わっちゃったかもしれないー

 

まあ暁の活動が本格化するのはもう暫く先の話だしな…

今こちらから何か仕掛けることは当然できないから、暫くは様子見かなぁ。

 

「『暁』?それはどういう組織なのじゃ?」

 

「あまり具体的な情報は集まらなかったが、傭兵として各地の争いに手を貸してるっていう噂は過去にあったみたいだ。それとな、大蛇丸以外にS級犯罪者が数名所属しているらしい。そいつらの名は全くわからなかったが…」

 

「そうか…それだとこちらからはまだ動けそうにないのう。ご苦労じゃった。引き続き何かわかれば報告してくれ」

 

「わかった」

 

 

 

 

 

…さて、よくわからない展開になって来たけど、もしかして

 

大蛇丸が暁を抜ける理由が無くなる

音隠れの里を創設することがなくなる

木の葉崩しが起こらなくなる

猿飛ヒルゼン生存!!!

 

というのはロジカルかな?ちょっと無理あるかな?流石に前提が不完全かな?

 

ちょっと無理があるか…てかどちらにしろペイン襲来は避けられそうにないしね。

 

 

…いずれにせよ、予想不能な事態に備えて兎に角木の葉を魔改造しないと。やっぱ水上歩行もアカデミーで必須項目に入れるか?あとは何があるかな…性質変化の適性は流石にやり過ぎかな。それは忍者になってから担当上忍に任せるかね。

 

この軍縮の御時世に、あからさまな軍拡を進めたら他里との緊張が高まるからなあ…武器や兵器の充実よりは、組織の内部改革とかにフォーカスして富国強兵を進めるしかないかな。

 

いや、政治難しいっす。正直な話。

 

ダンゾウ達に相談してみるか…あいつらしか富国強兵の真の意義を知らないもんなあ。

 

 

ーーーーーーーーーーー

 

 

「傭兵集団『暁』か…よくは分からぬが、重罪人を抱える組織ならそう易々と見過ごせる話ではないかもな」

 

あれ、ダンゾウって暁のこと知ってたよね?雨隠れの半蔵と手を組んで壊滅企ててませんでした?

まあ多分俺が転生する前後の話で、流石にそこまでは頭回ってなかったから働きかけることはできなかったけどさ…

今度2人の時に追及してみようかな♪

 

「マダラとの繋がりは不明なのじゃろ?」

 

ホムラが俺に尋ねた。いや思い切り繋がってるんですけど、流石に現時点では言えないわ。

 

「まだわからんの。そもそもマダラがまだ生きていることを知っているのは儂らとフガクだけじゃろうて」

 

「どちらにせい、木の葉への恐怖が増えたと考えるのが自然じゃ。以前から引き続き、木の葉の戦力強化に働きかけるべきではないか?」

 

コハルが良いとこを突く。そうそう、そのことについて相談したかったんだよ。

 

「儂もそう考えていてのお、やはり水上歩行もアカデミーで必須項目に入れるべきなのではないかとは思ったのじゃが、それ以外に具体的な案が思い浮かばんくてな」

 

「確かに、儂らの教育改革後は下忍の質が向上したという評価が多く聞かれたからな。中には水上歩行もやらせて欲しいとする者もおった」

 

心なしかダンゾウが嬉しそうにしているように見える。可愛い。…いや、冗談よ?

 

「アカデミー講師も、自由課題の水上歩行での生徒の失敗例をパターン別に分けて、それぞれで指摘する箇所を整理したら成功率が上がったと言っていたな。必須項目化は問題ないのではないか?」

 

皆このアイデアについては賛成してくれてるみたいだし、正式な会議でしっかり提言してみるか…

 

「そうだな、他に何かいい案はあるか?」

 

「そうだな。例えば…」

 

 

その後も、いくつか具体的なアイデアが挙げられて、全てが全て現実的なものではなかったが、今後の戦力強化に生かせそうなものも出てきた。

 

 

来年はナルトがアカデミーに入学する。イタチとも上手くやっているようで、サスケも偶に来て一緒に修行しているみたいだ。

ナルトは「あんな奴より俺の方が強いってばよ。いや、前回は油断して負けちまったけど、次は絶対勝てるってば、じいちゃん!!」とか言ってて、やっぱライバルなんだなあと思った。

 

イタチから聞くところだと、やっぱり勉学とチャクラコントロールは苦手だけど、体力はサスケよりも少し多いくらいみたいだ。だから体術は荒削りだけどなんとかサスケと張り合ってるらしい。

原作よりかなり優秀なんじゃないかな?ナルトも仲の良い友達ができて、以前より笑顔が増えた気がする…

 

 

…俺はといえば、猿魔との修行、暗部としての任務で段々実力に経験が追いついてきた。勿論まだまだだけど。

猿魔めっちゃ強い、何年生きてるんだ!?って感じ。

他の暗部も優秀ですね。「お前は多彩な術を持ち、その質も申し分ないが、判断力に欠ける。もっと経験を積むべきだな」って部隊長にアドバイスされました…俺火影だぞ!

 

そして分かったことは、猿飛一族は何か特有の血継限界はこれといって無いんだけど、基本的に多くの性質変化を扱える一族みたいだ。確かに、五遁はどれも大差なく自在に扱えていると思う。まあ、強いて言うなら火遁が得意かな。

 

 

チャクラの量は多いし、チャクラコントロールもかなり上手い自負があるから仙術も習得してみたいけど、如何せん場所がわからん!妙木山、龍地洞、湿骨林どこですの!?

 

確かに自来也に頼めばいいとは思ったんだけど、唐突過ぎて怪しまれるし、俺が若返ってるの知らないから火影と両立できるなんてのも信じてくれないだろうしな…。勿論俺は火影の座を降りるつもりはないです。

 

 

 

ま、こんな感じで今の所大きな事件はないですね。その予兆は否めないけど。

 

アカデミーでナルトが楽しく過ごしてくれればいいなー


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