三代目 F Soul Hokage   作:シズネ

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天災か、事件か

一先ず会議は何とか思い通りにいった。火影の座には着けたし、一時的ではあるがうちはへの疑いも誤魔化せた。ナルトも保護できた。

 

ナルトはまだ赤ん坊なので基本的には俺の影分身が世話をしている。他の者に任せるのはあまりにもリスキーだ。流石火影だけあって、ヒルゼンの全盛期のチャクラ量はかなりのものらしい。勿論ナルトには遠く及ばないが、それでも火影の職務、ナルトの世話、猿魔との修行を並行する程度なら問題ない。

 

 

さて、次に俺がやることは「うちはを木の葉の味方に作戦」だ。

 

木の葉崩し、そして約16年後に勃発する第四次忍界大戦に備えて木の葉の里の富国強兵策を俺は考えている。確かに"以前の"ヒルゼンと同じく俺は木の葉の里の皆を家族として守り続けたく思う。しかし、俺は彼みたいに甘くなるつもりはない。木の葉の戦力を上げるつもりだ。その中で、大きな戦力ダウンになるうちは壊滅は何としてでも避けなければならない。

 

そこで、俺は色々細工を仕掛けた。これで、とりあえずはうちはにかけられる嫌疑を消せるはず。さて、そろそろ暗部が来るかな…

 

コンコン

 

「入れ」

 

「ハッ!火影様。四代目の亡くなった場所で、何かの巻物が見つかりました!封印がかけられています。その複雑さ故、四代目が書いたものではないかと思われます」

 

よーし完璧!!とりあえず暗部は四代目の遺した巻物と思っているみたいだ。

 

「何じゃと!?貸してみろ。…ほう、この封印はうずまき一族のものだな。恐らくミナトがクシナから教わったのだろう…」

 

白々しい演技をしてしまった。では巻物を開いてみるとするかな。

 

「とはいえ、儂も伊達に教授(プロフェッサー)と呼ばれてはおらん。このレベルの封印なら何とか…」

 

自分がかけた封印なんだから解けて当たり前です。

 

「良し。恐らくミナトは儂に何か重大なことを伝えるためにこのような形で遺したのだろう…」

 

巻物には今回の謎に包まれた九尾襲来の原因を明らかにする、衝撃の事実が記されていた。

 

「…!!何じゃと!?あいつが…おい!至急ダンゾウ、ホムラ、コハルを呼び寄せるのじゃ!!」

 

「ハッ!!」

 

計画通り…これで何とかなりそうかな…

 

ーーーーーーーーーーー

 

 

「…何じゃと!?マダラが九尾を呼び寄せたじゃと!?」

 

コハルが驚きの表情で尋ねた。

 

「ヒルゼン、これは本当に四代目が遺したものなのか?」

 

ダンゾウも少し動揺しているようだ。

 

「間違いない。筆跡もこれはミナトのものだ。そもそもこんな嘘を付ける奴がおるか?事実は小説よりも奇なりってことじゃ…」

 

筆跡は、四代目の記した書類から何とかなりました。というかそこまで怪しまれてない。それ以上にマダラという存在が余程衝撃なのだろう…マダラ、恐るべし。

 

「これで分かったじゃろう、ダンゾウ。これはうちは一族の仕業ではない。彼らはマダラを見捨て、マダラの方も木の葉を恨んでいる。そもそもうちはが里の政から遠ざけられているのはマダラの仕業じゃろう。それをこの時代まで引きずってきた儂らにも責任がある」

 

というか先代が卑劣なだけだろ、うちはに、というかマダラに。

 

「うちはが危険なのはその排他的な性格故だ。政にはそもそも合わないからそうなっただけだ。…しかし、確かに今回の襲来はうちは一族が起こしたとは考え辛いな」

 

ダンゾウも渋々認めたかな。原作ではうちはの仕業と決めつけていたが、四代目の遺言とマダラの存在が出てくると流石に考えは変わるみたいだ。

 

「いずれにせよ、これは極秘事項じゃ。マダラの存在はあまりにも危なすぎる。…もしかするとこれは、マダラからの宣戦布告ではないのか!?もしそうであれば本当にまずいぞ!」

 

ホムラも最悪の事態を想定したのか、狼狽えている。よし、このまま畳みかけよう。

 

「儂も同じことを危惧しておる。仮初めの平和の下にある今、マダラの逆襲が起これば、木の葉の壊滅は免れまい。そこで、我々に必要なのは、里の戦力の強化じゃ」

 

「富国強兵策ということか、ヒルゼンにしては中々過激な考えだな。一度死にかけて人が変わったか?」

 

ダンゾウさん、イグザクトリィ!!!!

 

「平和の維持には、不断の研鑽が不可欠。それを今回痛感しただけじゃ。そして、儂はうちは一族を他の旧家と同様に政に参加させるべきだとも思っておる。少なくともフガクには、この巻物の件を伝えるつもりだ」

 

「ヒルゼン!これは極秘事項だと言ったばかりじゃろう!」

 

「だからこそじゃ。これをうちはのトップ、フガクだけに伝えることで、うちはと里の繋がりは強まる。うちはの者がどれだけ優秀かはお前らも心得ているはずじゃ」

 

「まあ確かに、カガミのように里に尽くす者もおったしな。最近ではシスイとやらも頭角を現して来ているみたいだ」

 

コハルが賛成してくれてるみたい!良かった!

 

「今回の事件を機に、我々は新たな風を取り入れるべきなのじゃ。その一つに、うちはとの連携強化が必要だということだ」

 

「儂は完全に賛成はしない。しかし、木の葉を守る為なら、多少こちらの譲歩も止むを得んな。ただ、この後のうちはの動きには注意しておく」

 

ダンゾウは渋々…と言った感じだ。でも「木の葉を守る」ってことを強調すれば、意外と寄り添ってくれるかも。

 

「すまんのダンゾウ。ただ、他にも戦力強化策は一応考えておる。そこではお前の意見も取り入れたいと考えておる」

 

「ほう、他に何か考えでもあるのか?」

 

「今考えているのは、アカデミーの教育カリキュラムの見直しじゃ。戦時中でない今こそ、じっくり将来の忍を鍛え上げるべきだと感じておる」

 

そう、俺はずっと、アカデミーでチャクラコントロールをもっと教えるべきだと思っていた。水上歩行は無理だとしても、とりあえず木登り程度は全員できて当然までの水準までは上げたい。

 

「それは儂も同感だ。根の組織をもっと充実させるためにも早期教育はあっても良いな」

 

やっぱそういうことも考えてたよね…根も何とかしたいけど、ダンゾウと明らかに対立するのは絶対避けたい…。

 

「う、うむ…」

 

ーーーーーーーーーーー

 

とりあえず3人の考えを変えることができた…

ちなみに巻物には、仮面のやつがマダラで、こいつが九尾口寄せした的な内容です。ペイン戦でミナトがナルトに伝えたこととほぼ同じ。

 

フガクに四代目の巻物を見せると、超驚いていた。ポーカーフェイスだったから、少し面白かったです。

まあでもそれで俺がうちはを政に参加させると言った時は少し驚く一方で、何かまだ疑っているような雰囲気が感じられた。ただ、これからお互いに歩み寄りたいという姿勢は見せられたかな、と思う。

 

 

さて、これで九尾の一件は落ち着いたかな。

 




ボルト世代とか普通にサラダが水上歩行できかけてたよね。平和になった割には教育水準上がってません?

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