魔銃使いは迷宮を駆ける   作:魔法少女()

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第四十六話

 朝、噴水の所でリリルカと合流した。ベルが昨日のリリの働きが良かったからもう一回と言ったのだ。リリの方も乗り気だったのでと言った感じ。

 

 大方、昨日得られなかった利益の回収目的ではないのだろうか。

 

 ダンジョンの入口を下りて七階層に入った辺りでリリが唐突に口を開いた。

 

「お二人とも、リリを正式に雇って頂いてありがとうございます」

 

 笑みを浮かべ嬉しそうに声を弾ませた口調で喋るリリ。演技臭さが見て取れるが、ベルの方は気付いていないらしい。

 

「そういえば、ベル様。あのナイフが見当たらない様ですが?」

 

 ……目敏いな。まぁ、狙ってるなら直ぐ気づくか。ベルのナイフは無くさない様にグリーン・サポータの中に入れたのだ。中にナイフを納めるスペースがあったのでそこに入れる様に言っておいた。腰に入れといた俺の龍力薬を無くした事を例に出してベルを説得したんだよな。

 私みたいに無くしちゃったら大変だよって感じで。

 

「うん。ミリアが薬を無くしたんだよね。同じ様にナイフを無くさない様にここに収納したんだ」

「……そうですか」

 

 狙い辛くなったとでも考えてるんだろうね。目付きに変化が出てる。自分で鏡見ながら練習した方が良いぞ。表情に出てるからな。……気持ち悪いな。

 

「お二人の装備、変わっていませんね」

「え? なんで?」

 

 不思議そうに首を傾げるベルに対し、リリは無邪気な表情を浮かべている。見てると吐き気がする光景だ。出来うるなら顔面をグーパンしたいが堪えよう。

 

「いえ、昨日お二人が大金を何処からか手に入れていた様子なので、そのお金で装備の新調を行ってはいないのかなと、十万程あればその不相応なナイフなんかにつり合いがとれそうな防具類も揃えられるでしょうし」

 

 ……なんつーか、無邪気な表情で皮肉を交えた言い方をするって小器用な奴だな。

 

「昨日のお金に関しては例の薬の作成ファミリアに対して、お渡ししましたよ」

「お二人で使わなかったのですか?」

「試作品の紛失と言うのは、一歩間違えれば大変な事になりますからね」

 

 流石に一ダース奪われたりすると、数本が本物って事になって本格的に調べようとするファミリアが出てくるからアウトだけど、一本二本程度なら使った本人が『こんな凄い薬が有った』と吹聴しても調べようが無いので問題ないらしい。

 

「そうなんですね」

「それよりも、契約金とか良いの?」

 

 ベルの質問も尤もだな。タダより高い物は無いって言うし。実際その通りだと思う。まっとうにお金払ってちゃんとしたサポーター雇う方が絶対安上がりで済むだろ。大事な物なんかを盗まれて大騒ぎになるぐらいならね。

 

「はい、お二人は既に完成されたパーティですので、配分もややこしい事にはならないでしょうから」

 

 顔を伏せ、表情を隠した積りになっているリリルカは口元に暗い笑みを浮かべて呟く様に言葉を零した。

 

「それに、其方の方が都合がいいでしょう?」

 

 ……サポーターの扱いは非常に悪い。危険な最前線に居ない癖に、ただ落ちてる魔石とドロップ品を集めるだけなのに、そんな簡単な仕事しか出来ない奴に配当金を? そんなの無駄だろ。そう言って冒険者はサポーターを目下に見てる。だからこそリリルカの言葉はそう言う事だろう。

 あらかじめ契約金を払う冒険者なんて居ない。成功報酬だって貰えることの方が少ない。そんなほの暗い感情が見え隠れしてる。

 可哀想だとは思う。同情もしよう。だが俺に何かが出来る訳でも無い。視線を逸らしてベルの方を向けば不思議そうな表情を浮かべてる。リリルカがどういった感情を冒険者に抱いているのか察する事はベルには出来ないだろう。純粋過ぎて、表向きの契約を正しい物だって見てるベルには、無理だろうなぁ。

 

 

 

 

 

 魔石集めを終え、換金所へ魔石やドロップ品を預けてテーブルに腰かける俺、ベル、リリの三人で談笑。と言うより時々リリが皮肉を交え、ベルが其れに気付かずに微笑み、俺も気付かないふりをして微笑めば、リリルカが悔しそうに顔を顰めると言った談笑と言えば談笑なんだが、なんかギスギスしてる感じだ。

 まぁ、ベルは気付いていない様子だが。

 

「それにして今日の換金は少し時間がかかっていますね。何かあったのでしょうか?」

「そうだね。確かにいつもだったらもう換金も終わってるはずなんだけど……」

 

 ベルとリリの言う通り、今日はなんか換金に時間がかかってる。

 ……少しアレを実行するか。

 

「ちょっと確認してくるんで、荷物お願いしますね」

「あぁ、僕も行くよ」

「そうですか。でしたらリリ、荷物の方お願いします」

 

 笑みを浮かべて腰のポーチをリリの居るテーブルの上にこれ見よがしに置いておく。その中身は盗まれても問題ないただの回復薬が一本と、精神力回復特効薬の空瓶が一本。後は新米用のナイフが入ってる。

 そして重要なのは『龍力薬』が二本入ってるって所。これでリリが盗むなら黒。盗まないなら白。と言うより盗んだら盗んだで後を追って捌いた場所を特定しようと言う魂胆だ。ついでにリリが黒なら適当に釘差しでもしようかなと。

 

 ベルと一緒に換金所へ行けば、受付のおっさんさんが此方を見つけて慌てて換金金額を提示してきた。その金額はー……え? 34,840ヴァリス? 何それ怖い。

 

 

 

 

 

 

「「さ……さんまんよんせんヴァリスっ!?」」

「あっあっあっ、夢じゃないよねっ!? こんなにお金が入るなんて!」

「お二人とも凄ーい。お二人でレベル1五人パーティを上回る額を稼いでしまいましたよ!」

 

 つむじをつき合せてベルとリリがテーブルの上に置かれた換金されたお金を眺めて叫ぶ二人。おーい、ここ一応公共の場だからあんまりお金が云々叫ぶのは良くないぞー。と言うか良くない奴に目つけられるぞ。

 

「二人とも落ち着いて」

「あぁごめん」

「そうですね。ではお二人方……そろそろ分け前を……」

 

 視線を逸らしつつ、期待していないと言う様子でとりあえず言ってみたって感じだな。まぁ目の前のテーブル見りゃそうなるか。袋は二つ分しか無い訳だし。片方は少し少な目、もう片方は大目。と言うか1/3と2/3に分けられた袋である。取り分はどういう配分になるのかわかって無い様子だな。大方、最前線で戦ったベルが2/3の方を、魔法が使える俺が1/3の方をとか考えてるんだろ。

 

「はいこれ」

「……え?」

 

 惚けたアホ面晒すリリから一応視線は外しておく。予想外の事態に完全に仮面がはじけ飛んでる。腹抱えて笑いたいぐらいだわ。

 

「ねぇミリア、これだけあれば神様に美味しい物食べさせてあげられるかな」

「無駄遣いは良くないですけど。まぁ今日ぐらいは良いと思いますよ。何買っていきます?」

 

 まぁ、ベルはそこら辺アレだから換金所で3等分してくださいってお願いしてたんだけどね。2/3の方が俺とベルの分だ。要するに頭割だわ。なんつーかベルはそこらの冒険者なんかと違うんだよなぁ。

 俺だったらとりあえず7対3ぐらいに抑えるかなぁ。補助として役に立っては居たが最前線のベルが一番怪我とかしてたし。

 

「あぁそうだリリ、良かったらこれから一緒にご飯を食べない?」

「ベル様っ! なんで頭割なんて……お二人だけで山分けしようとか、お二人は思わないんですか?!」

 

 ド直球に聞いてきたな。表情を取り繕う事も出来ず、素の反応が見て取れる。元はこんな感じの子なのか。ツッコミが良く似合う子だ。

 

「え? どうして? 僕達二人だとこんなに稼げなかったよ?」

「そうですね。私が荷物持ちできませんでしたから」

 

 俺が荷物持ち出来ないから、前衛のベルが荷物持ちを代わりにやってた訳だが、荷物と言う重しはなかなかにベルのコンディションに悪影響を及ぼすので、これまでだったらある程度集まったら地上に戻るってのを繰り返してたんだよなぁ。後はマインドダウンするどっかの糞チビの所為ですね。俺じゃん。

 

「リリが居てくれたおかげだからね。そのお金は全部リリのおかげだよ」

「私達が普段稼いでいたのって大体6000ヴァリス前後でしたからね」

 

 まぁ一回にかかる時間が段違いと言えばそうだけど、一日に二回6,000ヴァリス稼ぐのと、一回で22,000ヴァリス稼ぐのじゃ大違いだからな。

 

「ありがと、これからもよろしくね」

 

 笑みを浮かべて手を差し出すベル。夕日も赤いこの時間に見るベルの目は本物の宝石の様に綺麗で透き通ってる。見ていて清々しい目と言えば良いか。邪念の無いその目は見ていると引き込まれそうになるからなぁ。

 

「……はい、よろしくおねがいします」

 

 俯きがちになりながらも、ベルの手をとったリリ。こいつも俺と同じ様に真っ直ぐな道に戻れるのか。いや、俺は真っ直ぐな道を落ちない様に歩いてる薄汚れた奴だけど……こいつはまだ()()()()()()()。ダンジョン内で後ろから不意打ちと言った事をしなかったり、回復薬と偽って毒物を飲ませようとしてこないからな。前世の俺ならとりあえず毒物混ぜて痺れさせてモンスターに片付けさせるだろうし。

 彼女がどっかに落ち切る前に、戻れる道を差し示せれば良いんだが。

 

「変なの……」

 

 最後に呟かれた言葉に混じっていたのは困惑と疑念だろうか。

 

 

 

 

 

 彼女とは酒場の前で別れた。と言うか豊穣の女主人の入口でリューさんを見た瞬間にリリが青褪めて『やっぱ予定があるので』と言って去っていたんだ。

 まぁ、仕方あるまい。彼女は()だったんだから。

 

 換金の時にリリに預けたポーチの中から、龍力薬が一本消えていた。間違いないだろう。ただ、二本共持っていかない辺り、多少は思う所があるんだろう。と言う訳だから俺はリリの追跡中。

 

 後をつけると言えばストーカーを思い浮かべるが、まぁあそこまで露骨にはしない。キューイが居るしな。キューイに指示を出して後をつけると言うかリリの通った道を通るだけだ。見える範囲にリリは居ない。

 

「キュイ?」

 

 うん? どうしたんだキューイ。

 

「……キュイキュイ」

 

 人? 数人? リリルカを囲んでる?

 

 

 

 

 

 細道の奥、小さな少女を三人の男が囲んでいる。リリの手には袋。

 

「ほぅ、今日の稼ぎはいつもより良かったみたいじゃねぇか」

 

 確か狸人(ラクーン)って言うのか? あからさまに悪人面した奴がリリから金を奪い取った。その拍子にリリが尻餅をついた。

 奪われた袋は今日、俺とベルと一緒に稼いだ金だろう。

 

「だが、まだこんなんじゃ全然足りねぇなぁ。アーデ」

 

 ……脅えた雰囲気で縮こまるリリルカに対し、三人がかりで威張り散らす塵クズ共が其処に居た訳だが。

 問題はあいつらがソーマ・ファミリアだって事だ。ここで俺が飛び出して魔法で撃ち抜くのは簡単なんだが、それをすればソーマ・ファミリアと事を構える事態に発展する。そうなったらヘスティア・ファミリアは吹き飛んで消える。跡形もなく。それは困る。だから見て居る事しかできないし、彼女に救いの手を伸ばせない。

 

「お前みたいな役立たずのサポーターが、俺達ソーマ・ファミリアに居られるのは誰のおかげだ?」

「ぼ……冒険者様のおかげです……」

 

 脅え、縮こまる彼女を足蹴にし、その糞野郎はほくそ笑んでる。さぞ楽しい事だろうよ。自分より弱い奴をいたぶるのはさ。あの糞女がまさにそんな感じだったしな。死ねばいいのに。つかファミリアなんてしがらみが無かったらここで撃ち殺してやるのに。見てくれも全然違うのに、あの糞野郎と糞女が重なって見えてくる。殺したい。

 

「おいアーデ、お前その液薬なんだよ」

「あん? おいアーデ、それを寄こせ」

「えっ……これは……」

「あぁ?」

「……どうぞ」

 

 完全に脅迫現場だな。手出しできないのが本気で辛くなってきた。キューイは『何してんの? 馬鹿なの?』と不思議そうに首を傾げてる。そりゃぁワイバーンには()()()()()()()()()ってのはわからんだろ。

 つか、龍力薬奪われたっぽいな。リリが何処で売り捌いたのか調べる積りだったんだが、昨日の発見位置と全く違う場所に向かった当たりで気付くべきだったか。どうするかなぁ。

 

「アーデ、これは何だ?」

「…………」

「答えろ」

「……一時的に力が上がる薬です」

 

 真面目に、嘘一つ無い返答を零した彼女に与えられたのは腹に響く一撃。砂袋でも蹴っ飛ばしたかのような音と、咽る声が響くのを聞いた。いますぐ飛び出したいがしてはいけない。ヘスティア様とベルに迷惑がかかる。其れは出来ない。

 響く馬鹿笑い、咽る彼女の声。馬鹿にした言葉がいくつも彼女に降り注ぐ。馬鹿野郎、そいつは俺の知り合いが作ったれっきとした試作品だ。テメェらみてぇな屑が触って良いもんじゃねぇんだぞ。

 

「んなもんに騙されねぇっての。んぷっ、ほら飲んでみたけど全然力なんてあがりゃしねぇ」

 

 ゲラゲラと笑う三人組の声、ムカつく。

 

「おいおい試しもせずにそんな事言うなって、其処に丁度良いのがあるだろ?」

「やっちまえよ」

「おぉいいぜ。アーデ、動くなよ」

 

 ……待て、アイツ等何する気だ?

 

 

 

 

 

 蹴られた、そう感じた瞬間に天地がひっくり返り、幾度も地面なのか壁なのかわからなくなった固い物に体をぶつけ、階段を転げ落ちて空を見上げた。薄れ、霞む視界の中、怒鳴り声に近い()()の声が聞こえる。

 多分、『本物だったのか』とか『この薬は何処の物だ』とか『教えろ』とか怒鳴っているんだと思う。

 何時も奪われるばかりだ。冒険者が嫌いだ。目の前で唾を飛ばして叫ぶ()()()の為に頑張ろうなんて思えない。

 

 口を開こうとして、喉の奥から鉄錆の味が溢れて来た。

 

 驚き、此方を手放すその男。その所為で後頭部を強かに打ちつけ、鈍痛が――しない。頭に響いたのは衝撃だけで、痛みは一切無かった。

 

 あぁそうか。自分は此処で死ぬのか。

 

 自覚した頃には、目の前に誰も居なくなっていた。きっと、自分がもう喋ることも出来ないぐらいに致命的な大怪我を負ったから見捨てたんだろう。そう言う奴等だった。

 

 

 

 

 ――――気が付いたら、其処に居た。

 お金の為、ダンジョンに潜り、呆気なく死んだ親。

 生きる為、ただ生きる為に必死に足掻いた。

 いたぶられ、毟り取られ、逃げても、隠れても、見つけ出され。

 居場所は、奪われた。

 

 全て、全て冒険者の所為だ。

 

 だったら、奪い返したって良いじゃないか。

 

 ――悪い事だって知ってた。

 

 だから、リリは悪い子なんだって。

 

 助けなんて来るわけがない。あの時だってそう思ってた。

 

 

 

 怪物祭、なんとなく、お祭りが楽しそうで、陰鬱とした毎日を少しでも払拭できないかって、ほんの少しだけ期待して、そしてその期待が儚く弾けて消えた後。

 トラブルが起きた。モンスターが逃げ出して、危ないと叫ぶ声が聞こえて、小柄な自分は突き飛ばされて倒れて、足を痛めて動けなくなって。

 気が付いたらモンスターの前に居た。甲殻虫を思わせるモンスターの前に。

 思わず、思わず呟いた。助けてって、でも答える人なんて居る訳無いって自分で思ってた。

 冒険者が助けてくれる訳がない。だって周りにいた冒険者は皆我先にと逃げ出したのだから。そんな中で突き飛ばされて足を痛めた少女が居たって、誰も手を伸ばさない。冒険者はそう言うものだから。そう思ってた。

 それでも、助けてって言った。言ってしまった。怖くて、死にたくなくて。

 

 そしたら――――そう、そうしたら。()()()()()()()()。血に塗れた彼女が現れた。後ろ姿だった。あの世へ連れて行く案内人かと思った。

 

 彼女は、モンスターに攻撃した。そこで彼女が血塗れになっているだけの冒険者だって気付いた。

 冒険者が何で? そんな疑問を覚えた瞬間に、彼女に抱えられて、それから投げられた。

 

 冒険者に投げられた事は一度や二度はある。それはモンスターの群れに襲われた時に、囮としてモンスターの群れに放り込まれる時ぐらいだったが。

 だから、彼女も同じ様にするのかと疑った。でも違った。

 彼女に投げられ、強かに石畳に打ちつけられた。痛みで視界が眩んで、気が付けば彼女がモンスターに咥えられていて、自分は助けられたんだって気が付いた。

 

 彼女を顎で咥え、噛み千切らんとするモンスター。思わず手を伸ばした。

 やめてくださいって。悪い子のリリはどうなっても良いから、その人を殺さないでって。

 自分が死ぬのはもう何とも思わない。けれども、良い人が死ぬのは嫌だ。

 

 次の瞬間にはモンスターがはじけ飛んで、彼女が投げ出されて地面に叩き付けられていた。身を起こして赤い小さなワイバーンに頬ずりされていた彼女。

 お礼を言おうと身を起こした。お礼が言いたかった。ただ彼女にお礼が。

 だが、彼女は何かに気付いたかのように走り出してしまった。足を痛めていた自分ではとても追いつけなくて、結局今日まで見つかっていない。

 ワイバーンを連れていた事から、彼女が竜を従える者(ドラゴンテイマー)と呼ばれるガネーシャ・ファミリアの冒険者だとはわかったが、ガネーシャ・ファミリアの入口を張っても全然出入りしている様子はなく、諦めざるをえなかった。

 

 

 

 そういえば、彼女にお礼が言えてなかったな。

 走馬灯の様な光景が過ぎ去り、目の前の光景が追いついてきて、空に浮かぶ月が小さな隙間から区切られた空に見える。

 お礼の一つも言えずに死ぬのは嫌だな。

 

 蹴られた後、お腹の中で暴れていたはずの熱がどこかに消え去って行く。命と言う何かが零れ落ちていって、自分は死ぬ。ここで終わり。

 

 ただ生きる為に足掻いて、冒険者に奪われて、奪い返して……そして殺される。なんてあっけない終わりだろう。

 

 嫌だな。そう思った。だから――たすけてって呟いてしまったんだ。

 

 目の前が暗くなっていくさ中、あの時助けてくれた彼女の姿を見た気がした。




 MHW楽し過ぎて昼に執筆するつもりがこんな時間になってしまった。

 救難信号だしても誰も来ず、結局ラスボス的モンスターを討伐するまでソロでオトモと二人きりで頑張る羽目になった所為だわ。古龍種相手だと二乙してギリギリって感じで辛かったゾ。

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