目と口から血を流しながらこちらに邪悪な笑みを向けるサスケ。その周りには紫色をしたチャクラで作られた人型がサスケから立ち上るように控えている。軽くホラーだ。
「エクソシスト!エクソシストを呼んで!レベル3以上のAKUMAに違いないから!」
侍の人たちに叫ぶ俺を無視して首をコキッと曲げるサスケ。次いで、須佐能呼が動き出す。
ボケをスルーされるのは悲しいものだと須佐能呼の攻撃をボーッと見ている俺の目からは、サスケとは違い綺麗な涙が流れていたに違いない。
須佐能呼が持つ刀がホールの柱を次々と壊していき天井が揺れた。一際激しい音が天井からしたかと思うと、天井が大小様々な瓦礫となって俺たちに降り注ぐ。
「フン。」
チャクラの鎧を作り出し、更に手の形に形態変化させて上から降り注ぐ瓦礫を次々と払い除ける。
「すまないっスね、ヨロイさん。」
「このぐらい、気にしなくてもいいですよ。それより、サスケめ。やってくれるな。」
瓦礫は全て落ち切ったが、まだ砂煙が立ち上っている。この隙にサスケの姿は見えなくなっていた。
「サスケの奴…このスキに逃げたみたいじゃん。」
カンクロウが隣で呟く。少し遠くの方で雷影が騒いでいるが、それは置いといて…。
今回のサスケの襲撃、その目的はダンゾウ様の命だ。原作知識より、それはまず間違いない。そして、その結果ダンゾウ様は命を落とすこととなる。そこで、だ。今回の俺の目的はダンゾウ様の遺体を手に入れること。これに尽きる。
来週のヨロイさんは~。…ヨロイです。長年着ていた忍装束を変える事にしました。新しい衣装は爺さんとペアルックにしたいと思います。さて、次回は『サスケ、頑張る』『ダンゾウ、死んじゃう』『ヨロイ、ダンゾウを手に入れる』の3本です。来週もまた見て下さいね。じゃん・けん・ぽん!ウフフフフフフ。
最後に大蛇丸様が入ってきやがったが、概ねこんな感じで進めばいい。
今回はサスケの実力が原作以下だったらと心配して出張ったが、その心配は必要ない程にサスケの実力は上がっている。彼は問題なくダンゾウ様を殺してくれるだろう。
「ダルイ!行くぞ!」
雷影のパンチで崩れる壁。そこにできた大穴を通っていく雷影とシーをダルイや我愛羅たちと共に追って行く。
「何だ、これは!?」
普段、表情が変わらない我愛羅が驚いた表情を見せた。我愛羅に目線を向けると、その体から白い物体が発生し、さらにそれは質量を増加させ、我愛羅を覆おうとしていた。
「我愛羅!これ、アタシもか!?」
「訳がわからないじゃん!?」
「テマリ、カンクロウ。すぐに助ける。」
我愛羅の砂が白い物体に襲い掛かり、すぐに彼らと白い物体を引き離した。
「雷影様!大丈夫ですか!?」
「フン!」
「シー、ボスがこの程度でやられる訳ない。だるいけどオレらもさっさとやるぞ。」
「ああ。」
雷影は自らに雷の性質のチャクラを流すことで纏わりつく白いモノを感電させた。同じ様にシーとダルイも己のチャクラを雷の性質に変化させて、雷影と同じようにして白い物体を流すことで事なきを得る。
「で、ヨロイさん。あんたは何でオレたちみたいになってないんだ?」
「かなり怪しいじゃん。」
おおっと、全員の視線が痛い。
「ほら、あれです。俺の体質はチャクラ吸収なんで、さっきのゼツの術とは俺の方が優位に立てたとかそんなんじゃないですか?」
いや、マジで何故、俺にだけ胞子の術を掛けなかったのかわからない。あのクソ白ゼツめ。今度会った時は覚えていろよ。世にも愉快な死に方をお届けしてやる!
「それよりもこうは考えられないか?お前が奴らのスパイだったなら始めから術に掛ける必要なんかなかったって。」
「いや、その理屈はおかしい!」
不信感を十二分に表した目付きで俺を睨んでくるシーに思わず叫ぶ。
「この程度の術だったら、俺も一緒に掛けても問題はないじゃないですか!そして、それをしなかったのは、俺を“暁”のスパイだと誤認させる為に違いないですって!」
「しかし、お前は元々“暁”に組する人間。信用はできない。」
「危険な“暁”を見張っていたって話ですから!ホント、これマジだから信じてホント!」
やっべー、謂れのない疑いを掛けられている。なんとかして誤解を解かないことには話が進まない、いや、それどころか俺が拘束されたり最悪処刑されることになりかねない。それは、マズイ。
「赤胴ヨロイ…。お前を信じよう。」
頭をフル回転させて善後策を練っていた俺の後ろから声がした。
「風影様…。」
「五影会談が無事開催できたのはお前の力だ。そのお前を信じることができないということはない。お前の言う通り、オレたちの不和を“暁”は狙っていたのだろう。それに、今は先にすることがある。」
「風影の言う通りだ。」
「雷影様…。」
「今は何よりサスケを仕留めることが先決だ。行くぞ!」
「さっき、脳筋って言ったことを謝らせてください。」
ニヤリとニヒルに俺に笑いかけて走り去る雷影。感謝したが、その表情で少し減点だ。
一つ頷いて走り始めた雷影を再び追い始める。
+++
会談場は酷い有様だった。壁が崩れ机がボロボロに…雷影のせいと言うのもあるが、それ以上にたくさんの人間が暴れたのが見て取れる。
「サスケはどこだ!?」
「ワシがチリにした。」
「…何だと!?それはワシの役目だった!何を勝手な!」
時空が乱れる。
「そのチャンス…まだ残っている。そう喚くな、雷影。」
「サスケ!!」
サスケを肩に担いだ影が時空の穴からその体の全てを現す。
「オレの名はうちはマダラ。お前たちにある説明をする。それを理解して貰った上で聞きたい事がある。」
ちなみに、ヨロイに胞子の術が効かなかった理由はサスケの攻撃を受けた際に変わり身を使ったからです。変わり身の方に胞子が付いていた上に燃やし尽くされちゃったのでゼツが出てこれなかったんですね。