一流の銅ヤロー   作:クロム・ウェルハーツ

39 / 122
@38 敗北宣言

「まずは“第二の試験”、通過おめでとう!!」

 

“死の森”の中心にある塔。

その入口の扉を抜け、しばらく歩くと広い空間に出る。正面には印を結んだ手のオブジェと電光掲示板。その前にはカカシたち上忍連中と今回の中忍試験の運営をしている中忍連中。そいつらを率いるように中央にいるのが…。

 

「それでは、これから火影様より“第三の試験”の説明がある。各自心して聞くように!」

 

“三代目火影”猿飛ヒルゼンだ。

 

「では、火影様お願いします!!」

「うむ。」

 

三代目は進行役であるアンコに一つ頷くと重々しく言葉を連ねる。

 

「これより始める“第三の試験”…その説明の前にまず一つだけ………。」

 

首は動かさずレンズの奥で目だけを動かし、三代目の後ろに並ぶ上忍衆に目を向ける。後ろで一つに髪を結わえた男。変装しているが、あれは大蛇丸様だ。大蛇丸様の変装は完璧で、前にはかつての自身の(三代目)弟子(アンコ)が並んで立っているにも関わらず、まったく気づかれていない。大蛇丸様の隠密スキルは親しかった実力者でさえも欺ける。チートにも程があるよ、まったく。

話を続ける三代目に目線を戻す。

 

「これはただのテストではない…。これは己の夢と里の威信を懸けた命懸けの戦いなのじゃ。」

「…。」

 

受験者は一同に黙る。十二、三歳の子どもからすれば重い話だろう。特に木ノ葉でゆったり過ごしていたナルトの同期たちにとっては、忍の現実を改めて突きつけられた形なのかもしれない。

 

「納得いったぜ…。」

 

ナルトはそう呟くが、三代目の言葉に気負わされたのか表情が硬くなっている。しかし、その中で眉一つ、それどころかチャクラさえも動かさない者がいる。

 

「何だっていい…。それより早く、その命懸けの試験ってヤツの内容を聞かせろ。」

 

不遜に言い放つのは我愛羅。頼もし過ぎる、この子。

 

「フム…。では、これより“第三の試験”の説明をしたい所なのじゃが…。実はのォ…ゴホン。」

「?」

 

言い淀む三代目を受験者は疑問に思ったのだろう。三代目に目を向け、彼の次の言葉を待つ。

 

「…恐れながら、火影様。」

 

煙を纏い、三代目の前に瞬身の術で痩身の男が姿を現した。

 

「ここからは“審判”を仰せつかったこの…月光ハヤテから…。」

「…任せよう。」

 

こちらに振り向く男の顔色は酷く悪かった。相変わらず不健康な顔色してやがるな、ハヤテ。子どもの時から変わらねェな。

 

「皆さんはじめまして。ハヤテです。えー、皆さんには“第三の試験”前に…やってもらいたいことがあるんですね。えー…それは本戦の出場を懸けた“第三の試験”予選です。」

「予選!!?」

「予選ってどういうことだよ!!」

「先生…その予選って…意味がわからないんですけど…。今残っている受験生でなんで次の試験をやらないんですか?」

「えー今回は…第一・第二の試験が甘かったせいか…少々人数が残り過ぎてしまいましてね…。中忍試験規定にのっとり予選を行い“第三の試験”進出者を減らす必要があるのです。」

「そ…そんな…。」

「先程の火影様のお話にもあったように“第三の試験”にはたくさんのゲストがいらっしゃいますから…だらだらとした試合はできず時間も限られてくるんですね…。えーというわけで、体調の優れない方、これまでの説明でやめたくなった方、今すぐ申し出て下さい。これからすぐに予選が始まりますので。」

 

受験者たちがざわつく。その中でスッと手が挙げられた。

 

「あのー、ボクはやめときます。」

「え!?カ…カブトさん。」

 

カブトを慌てて見るナルト、サスケ、サクラ。いっしょにがんばろうと言っていたのに、カブトはすぐやめるときた。がっかりするのも無理はない。

ナルトと話すカブトの表情を盗み見る。カブトはいつもと変わらず微笑を浮かべていた。そっとカブトの耳に口を寄せる。

 

「…いいのか?」

「ええ。後はよろしくお願いします。」

「そうか。」

 

少ない言葉でカブトとの会話を終わらせる。それにしても、何か言ってくると思っていたんだけどな。黙るミスミを一瞬だけチラリと見る。

何も言わないってことは、ミスミがカブトの棄権に対して賛成しているってことだ。ミスミめ…ここで手柄を上げてカブトより上に立とうとしているな。正直無理だと思っているけど、それはミスミの問題。何も言わないことにした。ミスミの野望に付き合っている暇もないし。ミスミより早い解決が求められる問題が出てきている、今、彼に構っている時間が惜しい。

隣の問題を見る。首を押さえるサスケ。俺は関わってないのに、バタフライエフェクトとか起こっていてサスケもカブトに続いて棄権とかアンコが出場をさせないとか俺とサスケが当たらないとかそういうの無しで頼むよ、神様。…この世界の神様はハゴロモの爺さんか、なら俺の願いを聞き届けてくれるハズとか考えて心を落ち着かせていると電光掲示板の光が俺を照らした。

 

『ウチハ・サスケ VS アカドウ・ヨロイ』

 

電光掲示板に示された文字は原作と変わらなかった。

 

「では、掲示板に示された2名。前へ。第一回戦対戦者、赤胴ヨロイ、うちはサスケ両名に決定。…依存ありませんね?」

「ああ、ない。」

「ああ…。」

「随分と口数が少ないな。腹が減っているなら、まだ残ってるうるかをあげるけど?」

「いらねえってさっきいっただろうが。」

 

俺の心配を一蹴するぐらいには具合は良いらしい。

俺たちの軽い言葉のジャブをボケッと見ていたハヤテが口を開く。

 

「えー、ではこれから第一回戦を開始しますね。対戦者二名を除く皆さん方は上の方へ移動してください。」

 

受験者たちが上に上がる中、カカシが俺に耳打ちをする。

 

「サスケの呪印のこと知っているか?」

「ああ。」

「呪印のことに関してはお前がこの里で一番知っている。…サスケを頼んだぞ。」

 

言いたいことだけ言って、さっさと離れていくカカシ。サスケの担当上忍のクセになんて奴だ。しかし、餅は餅屋っていうことわざもある。アンコの呪印について調査していた風を装っていたから、俺が呪印について知っているとカカシは考えたのだろう。まぁ、大体は当たっている。重吾の体について色々調べたし、呪印についても同様に実験を繰り返したから深い所まで知っている。違っていて、且つ、超重要なのは、俺が大蛇丸様の側に付いているってことだな。

俺とサスケ、そして、ハヤテを残し他の奴らは全員上に上がった。それを確認してハヤテが頷く。

 

「それでは…始めてください!」

 

印を組む。影分身だ。出した影分身体は三代目がいる二階部分の柵の上に乗る。

 

「行こうか。」

「ああ。」

 

まずは小手調べ。本体である俺はポーチから手裏剣を三枚取り出してサスケに投げる。手裏剣はぶれることなく、まっすぐサスケに向かう。

 

「うらあああ!」

 

俺が手裏剣を取り出したと同時にサスケが取り出したクナイ。サスケはそのクナイで手裏剣を弾き、俺の方に返す。何だ、元気じゃないか。左手の人指し指を手裏剣の穴に入れ、手裏剣の勢いを殺す。目を瞑り、指でクルクルと回る手裏剣をサスケに見せて余裕たっぷりアピールをしようとしたらサスケがいなかった。Why?2秒程、俺の動きが止まる。

 

「どこだ!?」

 

慌てて視線を上下左右に向けると、下の方にサスケがいた。

 

「なるほど、寝転がり俺の視界から外れるとはなかなかやるな。」

「…。」

 

何も答えないサスケ。静まりかえった空間にナルトの馬鹿でかい声が響く。

 

「サスケェ、しっかりしろ!何こけてんだってばよ!」

「え?サスケくん、ワザと体を伏せたんじゃないの?」

「いや、あれはただ単にこけただけだな。」

「でも、カカシ先生。対戦者の人の隙を作るのには成功していたわよ。」

「あー、アイツね。サスケの対戦者の方、ヨロイっていうんだけど自分の予想通りにならないことが起こった時、すごい取り乱すんだよ。で、2秒ぐらい完全に動きが止まるクセがあるんだよ。」

 

何、俺の欠点バラしてくれてんの、カカシ。

 

「カッコつける時に目を瞑るクセも治っていないみたいね。今のヨロイはレンズをつけているから、目を瞑っていてもいなくても相手にはわからないってこと気づいてないのかしら?」

「ま!あいつのことだ。目を瞑るのも様式美だとかいいそうだし放って置くのがいいだろう。」

「そうね。」

 

『そうね』じゃねぇよ、紅!人の弱点を二人してペラペラペラペラとしゃべりやがって!

 

「そこ、部外者は黙ってなさい!つか、アドバイスは禁止じゃねぇの、ハヤテ。」

「問題ありません。カカシさんと紅さん、お二人の話はアドバイスとはまた違いますから。」

「嘘だろ。思いっ切り俺の弱点って言ってたじゃ…。」

「おい、ヨロイ。…構えろ。」

「…正々堂々な奴は嫌いじゃない。けど、忍としてそれは致命傷だぞ、サスケ。」

「フン!」

 

首だけ向け、サスケを睨む。話を途切れさせられるのは好きじゃないんだよ。

一度、俺を睨み付けたサスケはクナイを構え、まっすぐ突っ込んでくる。最後の一歩は大きくジャンプして俺に飛びかかってくる。振り下ろされるクナイは迷いなく俺の右肩に振り下ろされる。

と、サスケのクナイが丸太に刺さる。

 

「!?」

「速さも力も無い。隙だらけだ。」

 

変わり身の術でサスケの攻撃を躱し、後ろからサスケの頭を掴む。

 

「チャクラ吸引。」

 

この俺固有のチャクラ吸引術は掌を相手に宛がうことで、相手に無理やりチャクラを練らせそれを吸引する術だ。相手はチャクラ、つまり、体力(身体エネルギー)気力(精神エネルギー)を強制的に混ぜ合わせさせることで抵抗することもできなくなる。まぁ、抵抗ができる、できないは術者の力量にもよるのだが。

サスケの頭から手を離すと、サスケは崩れるように地面に倒れ込む。

 

「オレのチャクラを…。」

 

今の俺は原作のヨロイより高みにいる。大蛇丸様との修業、主に使うことができなくなった何人もの実験体のチャクラを吸い取る反復練習を忍者学校(アカデミー)卒業後から何度も行うことにより、習熟度はかなり高くなっている。チャクラの吸引スピード、一度に吸い取る事ができる量は原作とは段違いだ。

動けないサスケを見下ろす俺と、動かない俺を見上げるサスケに声が飛んだ。

 

「サスケェ!!てめーはそれでも、うちはサスケかあ!!ダッセー姿見せんじゃねェー!!!」

 

サスケの目に火が灯る。ほう、まだ動けるか。後ろに飛ぶと俺が先程までいた空間をクナイが通り過ぎる。続いて、クナイが俺に向かって投げられたので、半身横に移動してクナイの軌道上からずれる。

 

「うるせぇ、ウスラトンカチが…。」

 

クナイを投げてきたサスケは振り返ってナルトの方を見る。敵に背中を見せるとは…俺相手にいい度胸だ。お兄さん、ちょっとイラっとしちゃったぞ。デコピンしてやる!綱手様直伝のめっちゃ痛い奴をな!

 

「よそ見してる暇があるなんてすごーい強くなったんだね。」

「ヨロイ…。いくぜ。」

 

サスケの姿が一瞬で掻き消えたように見えた。ああ、そういうことね。理解した瞬間、下から上に向けて顎に衝撃が走った。体が宙に持ち上げられる。

 

「もっとも、ここからは俺のオリジナルだけどな…。終わりだ。」

「いつの間に影舞葉をー!?」

「お前の知らない間にだよ。」

 

ちょっと驚いて見せる俺にサスケは自信たっぷりに答える。やばい、こいつちょろい。下手な演技にすら気づかないなんて余裕どれだけないんだよ。…あ、そりゃ、ないよね。感知で分かった。チャクラほとんど残ってない、つーか、俺に吸収された上に呪印が暴走しかけている。逆の立場なら、俺も相手の行動にいちいち疑問を持ったりしないしね。

ん?これは…。

 

「やるじゃねぇか。」

「…今度こそいくぜ。」

 

暴走しかけた呪印を気力で抑え込んだサスケに素直に褒める。多分、本人はなぜ褒められたか分かってないと思うけど、まぁいいや。

左腕でサスケの足をガードする。強くなったな、サスケ。頭に衝撃が来たかと思うと、喉にも衝撃が来る。

 

「まだまだぁ!」

 

腹の上にサスケの足が見えた。

 

「獅子連弾!!」

 

俺を地面に蹴り落とし、サスケは俺を蹴った時の勢いをそのままに地面を転がっていく。

ムクリと体を起こしたサスケの顔は疲れで険しかったが、その中に確かに喜びの表情が見て取れた。

 

「…ヨロイさん。」

 

ハヤテの声がする。

 

「棄権でよろしいのでしたら、次の試合に行きますがどうされますか?」

「それは困るな。」

 

すばやく両手を頭の横に付き、腹筋を使って跳び上がる。スタッと地面に降り立った俺を見て、まるで幽霊を見たような表情をするサスケ。だから、ドッキリは止められない。

 

「なかなか痛かったな。やるじゃないか、サスケ。」

 

実際痛かった。チャクラの鎧を使わず、ダメージを受ける箇所を予想し、そこにチャクラを溜めることで受けたダメージを無効化する陰癒傷滅の術でダメージはないのだが、痛い物は痛かった。

上に居る三代目を見ると、俺の視線に気づいた三代目は一つ頷いた。次いで、地面に四つん這いになっているサスケに目を向ける。

 

「どうした、もう終わりか?」

「クッ。まだ…まだだ。」

 

そうは言っても、サスケの足は震えている。

 

「口ではそう言うが、体は正直だな。震えているぞ。」

「…うるせぇ。」

「………変わらない、変われないな。お前は弱いままだ。同じ下忍である俺にも勝てない。お前はこれまで何をしていた?」

「うるせぇ。」

「忍としての技術も心構えも未熟。だらだらと日々を過ごしていたのか?お遊びで忍をやっているのか?」

「黙れ。」

「そんなんじゃ、お前はアイツには一生勝てねぇよ。」

「黙れ!」

 

サスケの感情の高ぶりと共に、呪印が一気にサスケの体を取り巻く。

 

「来いよ、サスケ。」

「うおぉおおお!!」

 

拳を握りしめ、まっすぐ突っ込んでくるサスケ。

 

「だから、正直に敵に向かってくるバカは忍とは言わねェ。」

 

左足のハイキックでサスケの顔を蹴る。サスケはそのまま転がるがすぐに起き上がり、印を組んでいく。こういう時に使う術は豪火球だろうな。なら、俺は…。

 

「火遁 豪火球の術!」

「水遁 水乱波。」

 

サスケの火遁を水遁で打ち消す。

 

「同じ“うちは”でも違うものだな。呪印の力を使ってその程度とは、“うちは”の名が泣くぞ。」

 

火遁と水遁の術で発生した水蒸気の向こうから風切り音がする。印を組んでいるな。それに対抗する印を組む。

 

「火遁 鳳仙火の術!」

「水遁 破奔流。」

 

掌に渦巻く水を鳳仙火の術にぶつける。

 

「ハァハァハァ。」

 

再び発生した水蒸気が晴れると、そこには肩で息をするサスケの姿があった。

 

「おい、サスケ。そんなチャチなもので俺を騙せると思っていたのか?俺はお前が考えるより俺より強いってことがそろそろ分かりそうなものだが。」

 

肘を曲げた状態の右手を斜め前に翳す。と、右手にサスケの踵落としが当たった。腕を返し、宙に完全に浮いたサスケの足を掴み地面に叩きつける。

 

「ガハッ!」

 

前の方にいたサスケの姿が煙になって消える。分身の術で俺の注意を引きつけ、サスケ本人は上から攻める。気づけば簡単に対処できる。呪印を解放した姿の分身を用意していたら、結果は違ったのかもしれないが。

 

「ハッ、ハッ、ハッ。痛ッ。」

 

呪印は引いていくが、サスケは立ち上がり闘志の籠った眼で俺を見る。

 

「…なぜ、そこまでする?俺に負けても別に恥じゃねぇぞ。」

「………アイツを殺すために…オレはどれだけ強くなっているのか確かめるために…オレはこの中忍試験に出た。それは…他の奴と闘うためだ。」

 

サスケは喉を鳴らす。呼吸が整った所で改めて話し始める。

 

「オレは弱い。それは分かった。だからって、諦める訳にはいかない。オレは…オレは“うちはサスケ”だ。」

「そういうことか。」

 

首を少し傾け、サスケの後ろにいるナルトを見る。思うに、サスケはナルトの前では絶対に諦めることとかしたくないんだろうな。ナルトが勝負を諦めないから、オレも諦めないって感じで。ガイじゃないけど、こいつら青春してるなぁ。

 

「ハヤテ!」

「はい。」

 

右手を上に挙げる。

 

「ギブアップだ。」

 

サスケは再び驚いた顔で俺を見る。サスケには教えられないが、俺の目的は三つあった。一つ目が三代目に影分身を使って伝えた『サスケが呪印に慣れるため』の呪印を解放した戦闘。二つ目が大蛇丸様の前で『サスケの呪印解放時の性能チェック』。そして、三つ目が『サスケ自身に呪印を解放しても勝てない敵がいる』と教えることだ。

一つ目はただの方便。一回、呪印に慣らした方が封印し易くなると三代目に嘘を付き、万が一、呪印が発動したとしても試験を中止させないようにした訳だ。もちろん、二つ目と三つ目の目的を達成させるために、だ。

二つ目の目的はそのまんま、大蛇丸様から言いつけられていたこと。

で、三つ目。これの目的は呪印の力だけじゃ、強くはなれないぞと暗に示すため。原作のサスケ奪還編で左近がしたことと同じことだ。こういう気づかれない根回しって大切だよね。

 

「…どういうことだ?」

 

あまりの驚きで放心していたサスケが戻ってきた。サスケの疑問は俺のギブアップ宣言だろう。サスケが俺の三つの目的に気づくハズはないし。

 

「今までの行動はお前の力を見るための挑発だったってことだ。初めからギブアップするつもりだったんだよ、俺は。」

「初めから…?」

「お前は成長途中だ。この中忍試験でお前はもっと強くなれるって信じているからな。もうアイツを追いかけるだけのお前じゃない。あれから、修業して強くなって、たくさん任務もこなしてお前は確実に強くなっている。」

 

サスケの頭に手を置く。俺の手を払おうとするが、力はあまり入っていない。生意気だが、かわいいもんだ。

 

「“第三の試験”本戦出場おめでとう。」

 

これは俺の本心だ。本当におめでとう、サスケ。

 


▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。