暗殺教室─私の進む道─   作:0波音0

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終業の時間・一学期

そして、私たちは激闘の2日間を終えた。生徒にとっては少しの休息期間、先生たちにとっては大量の採点に追われて……3日後。全ての採点を終えたテストの答案たちが、E組の教室に届けられた。この学校では答案と一緒に学年順位も届けられるから……一覧とかになった掲示を待たなくても殺せんせーの触手破壊権も、A組との賭けの勝負も、一目瞭然というわけだ。

窓にA組との勝敗を記録する紙を準備してくれた優月ちゃんも、テスト結果を待ち望んでいたみんなも祈るように先生を見つめている。

 

「では、……発表します。まずは英語から……E組の1位、そして、学年でも1位!中村莉桜!!」

 

「どや〜!」

 

莉桜ちゃんが1位……さすがすぎる。やる気にムラっ気があるとか殺せんせー言ってるけど、そのムラっ気のあるやる気に火をつけたのは先生だよ。莉桜ちゃんに答案を返したあとに他の人にもマッハで答案が返却された。私は99点……選択問題を1つ間違えて減点、でも学年2位だ。

 

「続いて国語……E組1位は神崎有希子!……がしかし、学年1位は浅野学秀!!」

 

「やっぱ点とるなァ、浅野は……」

 

「中間テストよりも難易度はかなり高かったのに……それで満点とってきたか。しかも英語なんて中村と一点差だぜ?全教科に隙が無いよな……」

 

浅野くんは満点……各教科のスペシャリスト、なんて言われている人たちでも浅野くんの点数には及ばない……つまり、五英傑と呼ばれていても、結局は浅野くんに勝たない限り意味が無いんだ。……英語、私と同じ点数だったみたいだし。

ちなみに私の国語は95点、学年4位だ。

 

「では、続けて返しますよォ……社会!E組1位は磯貝悠馬君、そして学年では……おめでとう!浅野君を抑えて学年1位!」

 

「よっし!!」

 

「これで2勝1敗だよ!」

 

普段落ち着いている姿ばかり見る磯貝くんが、立ち上がってまで大きくガッツポーズをしている。ここで学年1位を取れたことは大きい。

私は……96点。あれ、浅野くんより上の点数が取れちゃった……?

 

「次は、理科……奥田か!」

 

「っ、」

 

「……だいじょぶだよ、愛美ちゃん」

 

発表する直前に緊張で体を固くした愛美ちゃんの肩を後ろから軽く撫でる。愛美ちゃんの理科への愛情はみんながよく知ってるから……きっと、結果にも出てるはずだから。

 

「E組1位は、奥田愛美。そして……素晴らしい!学年1位も奥田愛美!!」

 

「「「よっしゃーーっ!!!」」」

 

「3勝1敗!数学の結果待たずして、E組が勝ち越し決定だ!」

 

ほっとしながら答案を取りに行く愛美ちゃん。みんなに褒められ、讃えられて……普段こういう場で注目を浴びることがないからか照れくさそうだ。席に戻ってきた彼女と目が合い……ハイタッチで讃えた。

……ちなみに私は94点で学年6位だった。ボルタ電池とダニエル電池……両方書いて正解だった……これも、愛美ちゃんに聞いておいたおかげ。

 

「最後は数学だな!」

 

「カルマと真尾か……!」

 

「さぁ、最後の主要5教科の返却ですよ……数学!E組の1位は……!」

 

 

++++++++++++++++

 

 

カルマside

……返却された瞬間、「ありえない」って思いと「なんで」って気持ちでいっぱいになって、気が付いたら教室を飛び出していて……いつの間にか校舎から離れた木の幹にもたれかかっていた。

ぐしゃりと握りしめた答案には、受け入れたくないけど現実でしかない点数が大きく記されている。

 

──赤羽業、数学85点……学年10位。

──5教科総合469点、……学年、13位。

 

……何が正しい勝ち方だ。

……何が、通常運転で、余裕で浅野に勝つ、だ。

ぶつけようのない怒りと悔しさで、歯を食いしばるしかなかった。

 

「……さすがにA組は強い」

 

……くそ、何でここにいるんだよ。せっかくA組に勝ってクラスはお祭り騒ぎにでもなってんだろ……そっちにいればいいのに。

 

「5教科総合は真尾さんを除いて7位まで独占。E組のトップは真尾さんの4位が最高でした」

 

……アミサ。

 

──真尾有美紗。数学100点……学年1位

──5教科総合484点、学年4位

 

「アミサさんは今回あらゆる知識(もの)を吸収し、入院による勉強の遅れというハンデをものともせずに自分なりの戦術でぶつかってみせた……当然の結果です。A組の皆も負けず劣らず勉強した、テストの難易度も上がっていた、怠け者がついていけるはずもない」

 

なんとなく、言いたいことは分かる気がする。でも、何を言い返せばいいのか、こんな時に限って俺の頭は働かない。

 

「…………何が言いたいの」

 

「『余裕で勝つ俺カッコいい、これならアミサも見直して他の奴より俺を頼ってくれる』……なんて考えてたでしょ。恥ずかしいですねぇ〜」

 

「……っっ!!」

 

やっとの思いで返した言葉に対する殺せんせーの指摘は、完全に図星だった……自分でも分かるほどに一気に顔がアツくなる。自分の努力不足が招いた屈辱と、考えていたことを見透かされていて……しかも全く実現出来ずに妄想で終わった恥ずかしさとで、きっと首まで真っ赤になってるんだろう。

 

「先生の触手を破壊する権利を得たのは……中村さん、磯貝君、奥田さん、そしてアミサさんの4名。暗殺においても賭けにおいても、君は今回何の戦力にもなれなかった。……君は周りを見くびったあまり、彼女に言ったのではないですか?俺の方ができるのに、とか」

 

……言った。

抱えた気持ちが抑え切れなくて……なんで、俺に頼る前に他の奴なんかに頼るんだよって思ったら、気付いたら口走ってた。

 

「分かりましたか?殺るべき時に殺るべき事を殺れない者は、暗殺教室(この教室)では存在感を無くしていく。刃を研ぐのを怠った君は暗殺者じゃない。錆びた刃を自慢げに掲げた、ただのガキです」

 

「つっ!!」

 

……言い返せるわけ、なかった。いつの間にか俺は彼女が一番嫌う、自分の立場に驕って人を見下すってことを自然にやってたんじゃん。完全に人のことを舐めた顔をした先生に痛いところを突かれまくって、いろんな感情が複雑に混ざりあって、その場に居続けることなんてもう出来なかった。

 

 

++++++++++++++++

 

 

……数学のテスト結果が発表された後。カルマは自分の答案を見た瞬間に目を見開いたかと思えば、机に乱雑に広げていた答案を全て掴んで外へと出て行ってしまった。……彼の点数とか、順位は分からない。数学のE組1位、学年1位を取って名前を呼ばれたのは私だけだったから。A組に勝って祝賀ムードのみんなは、きっと彼が教室を出ていったことに気づいてない……途中で「少し野暮用です」っていって出て行った殺せんせーは知ってるのかもしれないけど。

そして、その殺せんせーが帰ってきたのに……カルマの席は空席のままだった。殺せんせーはまだ嬉しそうに喜びあってるみんなを見て、ニコニコして頷いて……あ、何か話そうとしてる……殺せんせーはもしかして、今回カルマに触手の破壊権は無いからってことで、彼が自分で落ち着いて帰ってくるまでに破壊を終わらせて置くつもりなのかな。……それで、いいのかな。

 

「うだうだ悩んでんなよ、真尾」

 

「!」

 

寺坂くん……?彼の席に顔を向けてみると、顔は前だけど、目線だけは私の方へ向けていた。……そっか、彼もカルマの隣の席だし、外に出るには彼の後ろを通らなきゃだから……

 

「テメーが1番こいつを気にしてるんなら、動くのもテメーだろが。ほっといたら他の奴ら、マジで気付かねぇままだぞ」

 

…………そうだ、寺坂くんの言う通りだ。気にしてる人が動かなきゃ、誰も動くわけがない……大事なのは自分がどうしたいか、だね。

でも私授業とか抜け出したことないんだけど、どうやればいいのかな……1つだけ知ってる方法あるけど、でも……ああもう、なるようになれ、かな。

 

「ヌルフフフ、さて皆さん素晴らしい成績でした。5教科プラス総合点の……」

 

「……ッ、せ、先生!」

 

「にゅ?はい、アミサさんどうしました?」

 

私がいきなり声を上げて席を立つ、なんてことを1人でやったことがないからだろう……みんなが見てる。でも、これしか私には思いつかないから。

 

「私、これから……

 

 

 

 

 

 

 

 

ふ、腹痛が痛くなる予定なので行ってきますッ!」

 

「はい、いってらっしゃ……、ん?……んにゅあああっ!?あ、アミサさんんんんっ!?!?!?」

 

……言い逃げするように走って出ていった教室から、殺せんせーのものすごい叫び声が聞こえた気がしたけど、あえて聞かなかったことにした。だって、私が今したいことは、彼に会うことだから。

 

 

 

 

 

「ぶふっ、ま、真尾の奴……あの時のカルマとほとんど同じこと言って出ていったぞ……っ!!!」

 

「お、思いつかなかったんでしょ……っ、こうやって堂々と抜け出すの、あの子初めてだから……っ、あははははははっ!!!」

 

「結局は、なんだかんだと頼りにしてるのはカルマ君ってね。お互い早く気づけばいいのにー……」

 

「まったく、……普通に迎えにいくといえば普通に送り出したというのに……では、先生は様子を覗きに行ってきましょうかねぇ……」

 

「「「ずりぃ!!」」」

 

「先生のマッハのスピードは、こういう時に使うためにあるんですよ!……と言っても、納得いってなさそうですねぇ……なら、これならどうです?」

 

『……?よく分かりませんが、おまかせください!』

 

「……なーるほど」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

カルマside

 

「…………」

 

ある程度、落ち着いたら教室へ帰るつもりだった。そのつもりだったのに、今度は彼女に顔を合わせづらくなって……俺はよくサボる時に使う1つの木の上に寝転がっていた。結構な高さがあるから、ほとんど邪魔されることもないし下からも見えにくい……今みたいな気分の時には絶好の隠れ場所だと思ってた。

 

「……カルマ」

 

「……!……何」

 

……今1番顔を合わせづらい相手が、自分から来てしまった。何、俺この場所教えたことないと思うんだけど……

 

「教室、帰ろ?……降りてきてよ」

 

「……アミサだけ、帰りなよ。どーせ磯貝がそろそろ賭けで奪ったアレの使い道を先生に話してるとこじゃないの」

 

「…………降りてこないなら、私がそっちに行く」

 

「……話聞いてる?……って、は?」

 

アミサと話がどこか噛み合わなくて思わずツッこんで体を起こした時だった。軽い揺れがしたかと思えば、俺が寝転んでいた枝の上にアミサが乗っていた……今の一瞬で俺がいつもここに登る時のように木登りしたとは思えない……まさか、跳躍1つでここまで来たってこと?

 

「……私はリーシャ・マオの妹だよ。お姉ちゃんと同じくらいの身体能力はもってるつもりだし、これくらいなら朝飯前なんだから」

 

「……そういえば、そうだったね」

 

「……ねえ、カルマ……私今回ね、色んな人に助けてもらいながら頑張ったよ。頑張ってたのに……カルマは全然近くにいない。最近、いつ話しても、カルマは私のことを見てくれてない……ずっと不機嫌で、でも、なんでかなんて分かんなかった。どれだけ考えても分からないし、誰も、教えてくれなかった」

 

俺が近くにいなかったって……だってそれは、アミサが、俺や渚君以外の人のところにばかり最近行くようになったからで……いつの間にか味方を増やして、いつの間にか俺等以外に寄りかかるようになって……このままじゃ俺等を、俺を必要としなくなるんじゃないかって……気付いたら、嫌な感情ばかりが胸を占めていた。俺自身が抱えてたこの感情……あの時、抑えきれなくなってアミサにあたってしまった時。

 

〝だ、だけど、範囲は広くなってるしきっと中間テストよりは難しくなってる……A組との対決があるからってみんなが頑張ってる。努力しなくちゃ……ついてけないよ〟

 

彼女は、あんな酷いことをしたってのに俺をずっと気にしてた。校舎裏(あの場所)から離れた後、何となくすぐに帰る気になれなくて校舎を曲がった所で立ち止まっていたら……泣き声が聞こえた。俺が分からないって泣きながら漏らしていた言葉…………あれ、俺……ちゃんと、最後にちゃんと彼女の目を見て話したのって、いつだっけ……?

 

「私、知らないことが多いから、自分だけじゃ何もできない。何も言ってくれなかったら、わかんないよ……どうしたら、また近くにいられるの……?」

 

アミサはいつでも真っ直ぐだ。

……目を逸らしてたのは、アミサじゃない

勝手に嫉妬して避けてた、俺の方じゃん

 

「……ッごめん!」

 

「!!」

 

いてもたってもいられなくて、木の上で狭い中、アミサに体を向けて頭を下げる。理由も言わずに避けて、あたって、謝って済むなんて思えないくらい、傷つけたと思う……今回悪いのは、完全に俺だ。

 

「……最近アミサ、女子も男子も関係なく俺や渚君以外の奴ばっか頼るし、甘えに行くし……俺以外の男子に撫でられても嫌がるどころか撫でられて嬉しそうにしてるし……イトナにセクハラされても気付かないし、浅野君には告白されてるし、いつの間にか進藤にまで気に入られてるし……」

 

「え、と……?つまり、どういうこと……?」

 

……今まで思ってたことをこの際ぶっちゃけちゃえばいいかとつらつら口から出してみたら……俺自身、何言ってるのか分からなくなってくるくらい、後から後から出てくる。どんだけ俺、他の奴らと関わらせるのが嫌だったんだっての……つまり、

 

「……ずっと、俺のそばにいると思ってたのに、アミサが他の奴らに近付けるようになってから……なんで一番近いのは俺なのにって、嫉妬してた。でも、それをそのままアミサに言うのもかっこ悪いから……俺が、勝手に避けてた。その結果、傷つけて……本トに、ごめん……」

 

外の世界へ関われるように、広げようとしたのは俺等のハズなのに……いざ、広げさせてみたら俺が嫌になってた。アミサのことを好きだって自覚してから、それまで以上にアピールしてきたつもりだったけど気付かないし……そんな時に仲のいい男子はできるわファンはできるわ告白されてるわで、正直焦ってたんだと思う。

だけど、俺とアミサは家族に知られてるとはいっても友だちでしかなくて、他に名前のある関係があるわけじゃない。強いて言うなら保護者と被保護者だけど、それでも嫉妬した気持ちをぶつけるわけにはいかない……吐き出し口がわからないままに、気が付いたら本人を傷つけてた。

頭を下げたまま、じっと彼女の反応を待っていたら、そっと俺の頭に手を置かれた。……撫でられてる。

 

「……私、あの日から、ずっとカルマがそばにいてくれて……これ以上、寄りかかってたらカルマの自由を奪っちゃうから……迷惑になるって、思って。だから、カルマと渚くんから、少しずつ離れなくちゃいけないのかなって思ってた」

 

「そんなこと……」

 

「でも、やっぱり無理だった……どんなにたくさん頼れる人ができても、特にカルマはずっと一緒にいてくれたんだもん、離れていっちゃ、やだよ……ッ!崖から落ちた時も、全部……全部信じられなくなった時に言ってくれた……『死んでも一緒にいるから、一人にしない』って、……私はカルマが迷惑でもその言葉、信じてて、ッ!?」

 

俺の頭を撫でていた手に力がこもっていく気配がした。俺の髪を掴んでっていうより、頭の上で何か我慢するように力を込めてるような……。アミサはいつも素直で正直だから話す言葉はほとんど本音だけど、我慢してることはきっとある。……今、彼女が漏らした本音は、初めて聞いた思いだった。俺がアミサと一緒にいたことは、彼女に言ってきた言葉は全部無駄じゃなかったんだって……それがよく分かった。

今掴まなかったら、離したら、この先絶対後悔するって思ったから……離れようとした彼女の手を取って、俺の方に軽く引っ張る。不安定な場所にいることもあって驚いた顔をして、でも抵抗も無く簡単にこちらへ倒れてくるから、そのまま腕の中に閉じ込める。

 

「──ごめん、本トに。迷惑なんかじゃないから……むしろ、頼ってよ。俺はアミサに頼ってほしいし、俺だって一緒にいたいんだから」

 

「…………うん」

 

「腕も、ごめん。俺、あの時は抑えらんなくなってた。怖かった……?」

 

「…………うん、真っ黒でぐちゃぐちゃしたものしか、感じなかった、から」

 

「うわ、それは俺でも嫌だわ…………E組の皆のこと、正直侮ってたよ。俺も負けてらんないや」

 

「……、うん……ッ…」

 

最後に返事をした後にアミサは自分から俺の胸に顔を押し付けて……それから俺にしがみつきながら小さく聞こえた始めた嗚咽……それだけ、我慢させてたんだ。しばらくの間、俺自身が整理できるまで、彼女が落ち着くまで……俺達は抱き合ったまま木の上で過ごしていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

教室へ戻ってきたら私は女性陣に、カルマは男性陣に教室の別々の隅っこの方へと連れ去られた。……表現は間違ってない、連れ去られたのだ。そして同じ教室内だから、なんだかんだと両方の声は丸聞こえ。というか、これみよがしに聞こえるように話してる気がするからナイショ話ではない、と思う。

 

「なるほどねー……カルマの嫉妬が全ての原因だった、と。……あーあー、目ぇ真っ赤にしちゃって……」

 

「はい、アミサちゃん、冷やしてください……」

 

「ありがとです……カルマがずっと不機嫌だったのも、そのせいだったんだって。やっと分かったけど、……これからどうすればいいのかな……?」

 

「とりあえずは、私達女子はともかく男子に頼りに行き過ぎないことかな〜」

 

「そっか……うん、分かった」

 

「「「(女子はともかくって……今サラッと女子に予防線張ったよね、倉橋ちゃん)」」」

 

「今まで通りに、基本はカルマに頼りなさい……あの厨二になりきれない斜め上の、そのまた斜め上の、そのまた斜め上男のどこがいいのか知らないけどね」

 

「…………?綺羅々ちゃん、言葉が難しいよ……?」

 

「……そのままでいなさい、アミサ。あんたは闇に染まれないわ……」

 

 

 

 

 

「真尾との勉強会やった奴らに聞いたけどよ……お前の嫉妬怖ぇーな。どんだけ溜め込んでんだよ」

 

「女の肌にアザつけるほど掴むかフツー。そりゃ真尾も泣くわ」

 

「一応僕達も彼女を恋愛感情の有無に関係なく可愛がってるんだ。律に並ぶE組の癒し……それなりに心配してることを忘れないでほしいね」

 

「……悪かったって。俺もこんなめんどくさい感情あんの今回初めて知ったし、持つのも初めてだから、勝手が分かんないの」

 

「……できる限り、離すなよ。じゃなきゃお前より先に俺等が構いに行くぞ」

 

「……モチ。離す気は無いから安心して」

 

男女ともども、私たちの仲違いをだいぶ心配してくれていたことには変わりなくて、仲直り出来たことを自分のことみたいに喜んでくれたのが、嬉しかった。

まぁ、全部それで丸く終わる……ってことがないのがE組で。

 

「カルマ〜……あそこまでやっておいて、なんで言わねぇんだよ!?手ぇ引いて抱きしめて『一緒にいたい』とまで言っといて、なんで告白(あっち)は言えねーのか不思議で仕方ねー!!」

 

「あ、バカ!」

 

「無理だって、ああいう子だから俺もまだあれ以上手が出せ、な、……ねぇ、なんで知ってんの?」

 

「ギクッ、い、いや、なんでも……」

 

「……なんで、知ってんの?」

 

『──あ、カルマさんにアミサさん、おかえりなさい!皆さん映像はしっかり送れてましたか?』

 

「り、律!?タイミングが……!」

 

「律を使ったってわけ……へー……そー……ふーん……。

律、《誰》に頼まれて《誰》が《いつ》《どこ》から《どこ》まで《どんなの》撮って《誰》に渡したのか、詳細」

 

『……?はい!《殺せんせー》に頼まれて、《殺せんせー》が《先程》、《アミサさんが木に飛び乗るところ》から《最後にお二人が抱き合ってるところ》まで、《カルマさんが謝るところからは音声付き》で、《お二人以外のクラス全員》にお送りしました!編集は私が担当してます!』

 

「…………その動画送った全員のスマホと携帯、バグらせるウイルス開発できたりする?」

 

『?出来ますし既にありますが、今すぐ実行しますか?』

 

「あ、本ト?じゃあ……」

 

「じゃあ、じゃねーよ!!!」

 

「おい、カルマ止めろ!口塞げ!」

 

「いいじゃん、散々こっちに心配かけまくった代わりとして、覗き見たって!」

 

「え、映画のワンシーンみたいですごく感動しました!」

 

「もご、……うっさい!プライバシーの侵害だし、人のプライベートで楽しみやがって……!」

 

……あの時の様子、動画に撮られていたらしい。まだみんなに秘密にしてるお姉ちゃんのことは、律ちゃんの機転で音声をカットした動画にしてくれてるみたいだけど……あ、あのやり取りをみんな知ってるっていうの……!?私、最後なんて思いっきり泣いてたし、醜い感情とか全部さらけ出しちゃってた気がするんだけど……!

いたたまれなくなって両手で顔を覆う、顔がアツくなってきてるのを自覚できる……。そんな私を周りの女子たちが撫でてくれて……嬉しいけど、みんな見て知ってるってことには違いないですよね……?!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

あの後、動画を……というよりも、あのやり取りをみんなに見られてしまった事実はもう変えようがないから、もしも拡散した場合は問答無用でウイルス汚染、もしくは携帯をへし折るということで決着がつき、やっと全員が席についた。……これ、悪いのって喧嘩私たちでも悪ノリしたクラスメイトでもなくて、言い出しっぺの殺せんせーだよね。1人だけこの騒ぎの中この時に限って教室の外に避難するなんて……!

 

「では、気を取り直して……」

 

「(じー……)」

 

「……シクシクシク、アミサさんの視線がとても痛いですが、進めます……。5教科プラス総合点の6つ中、皆さんが取れたトップはアミサさんの同点1位も含めて4つです。早速暗殺の方を始めましょうか……トップの4人はどうぞ4本ご自由に」

 

ご自由に、と破壊予約済の触手4本を差し出す殺せんせー……私も破壊権をもってるけど、今ここで使ってしまうのはもったいないし……なにより、烏間先生に教えてもらったあの舐めた顔をしてるのを見ると、この程度では殺せんせーにとって軽いものなんだろう。だったらどうすべきか……と、思っていたら、いくつか椅子を引く音が教室に響いた。

 

「おい、待てよタコ。5教科のトップは4人じゃねーぞ」

 

それは寺坂くんを筆頭に、吉田くん、村松くん、綺羅々ちゃんの4人だった。4人ともがテストの答案を持って前に出ている。

 

「にゅ?4人ですよ、寺坂君。国・英・社・理・数、合わせて……」

 

「はァ?アホ抜かせ。5教科っつったら、数・英・社・理……あと、『家』だろ」

 

「か、家庭科ぁ〜〜〜〜ッッ!?!?ちょ、待って、家庭科のテストなんてついででしょ!?こんなのだけ、何本気で100点取ってるんです君達は!?」

 

「だーれもどの5教科、なんて言ってねーよなァ?」

 

「くっくっ、クラス全員でやりゃ良かった、この作戦」

 

……家庭科。主要5教科でない分、受験に使われない家庭科はあまり重要視されない……よって試験問題は教科担任の好みで自由に決められることだろう。本校舎の人たちは1人の同じ家庭科の先生から授業を受けているだろうけど、私たちは殺せんせー……好みも授業内容もまったく違う。そんな中で100点を狙ってとって1位になるというのは主要5教科で100点をとるよりも難しいことなんじゃないかな。まさかそんな盲点をついたことをしているなんて思わなかった……さすが、実行の寺坂くんだと思う。……そういえば病院でカルマも言ってたっけ。

 

〝寺坂組、コソコソと本校舎の方で何やら情報収集してるみたいだよ?何やりたいのかまでは興味無いから知らないけど〟

 

って。それに、殺せんせーは最初の条件の提示の時に言っていた。A組との5教科トップ争いのせいで、『主要5教科のトップは触手の破壊権を得る』ってみんなすり変わって考えちゃってるみたいだけど。

 

〝教科ごとに学年1位を取った者には……触手を1本破壊する権利を進呈します〟

 

最初に言ってるよね、教科ごとにって。どこにも5教科でなくてはいけないなんて縛りはなかった、ということは家庭科もオーケーだと思うけどな……

と、ここまで考えたところで、私には1つのアイディアが浮かんでいた。慌ててファイルにしまった私の期末テストを広げて、目的のものを探す……あった。もう1つ、殺せんせーには刃をプレゼントしてこよう。

 

「アミサ、何してんの?」

 

「えへへ、いいこと思いついたんだ。カルマ、後から援護してね……!」

 

チラ、とその答案を見せればカルマは納得したのかニヤリと笑って背中を押してくれた。私も笑い返してから、寺坂くんたちとまだ言い合いしてる殺せんせーの元に私は近づいていく。

 

「で、ですから……!」

 

「殺せんせー」

 

「にゅや、アミサさん……?」

 

「先生はこの暗殺教室の期末テストでは教科ごとに学年1位をとった人に触手1本って言ってましたよね?数・英・社・理・家の中で、」

 

「「「(な、ナチュラルに家庭科が5教科入りしている……!!)」」」

 

「数学って確か、浅野くんと同率1位……私の単独トップ、というわけではないですよね?」

 

「そ、そうですね……?」

 

「なら、これ、あげますね!」

 

──真尾有美紗。音楽100点、学年1位

 

「お、音楽〜〜ッ!?!?」

 

「あ、すっかり忘れてたけど……音楽って真尾の得意教科じゃん!」

 

「てことは……」

 

「ちょ、待って待って待って待って!アミサさんは主要5教科の数学で既に触手の破壊権もう持ってるでしょ!?」

 

「だって、先生……5教科の中で学年1位を取ること、触手の破壊権は1人1つだけ、なんて条件、なかったですよね?」

 

私の思う、1番いい笑顔を向けて言ってみたら、殺せんせーはカチリと固まった。それをいいことに、他のクラスメイトたちは一気に畳み掛ける。

 

「……()()()とか、家庭科さんに失礼じゃね?殺せんせー……5教科の中じゃ最強といわれる家庭科さんにさ。それに、音楽だって、先生が最初に提示した条件はちゃんと満たしてるよね〜?」

 

「そーだぜ、先生!約束守れよ!」

 

「1番重要な家庭科さんで4人がトップ!音楽でも単独トップだぜ!」

 

「くそ、もう少し力入れてれば、俺も保健体育で満点だったのに……!」

 

「俺も、美術があればなー」

 

「合計触手9本!!」

 

「きゅ、きゅうほんっ!?ひいぃぃぃぃっ!!?!?」

 

まだ、私たちだけが言い張ってるなら殺せんせーがあの手この手の言い訳を重ねて撤回できたかもしれないけど……E組で1番悪知恵が働くカルマを筆頭にクラス全員が盛り上がってしまえば、正当性のある理由を持ち出さない限り撤回することなんてできないだろう。そこで、殺せんせーがいない間にこっそりみんなで話し合った条件をさらに提示するため、磯貝くんが立ち上がる。

 

「それに、1人1本だって言うならそれでもいいです。それでも8本……先生の運動能力を80%削れますから。代わりに1つだけ、認めてほしいことがあります」

 

「殺せんせー、これはみんなで相談した事なんですが……この暗殺に、今回の賭けの『戦利品』も使わせてもらいます」

 

「…………What?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

期末テストが終わって程なくして……1学期の終業式。だけどまだ、私たちにはやるべきことがある。

 

「おお、やっと来たぜ……生徒会長サマがよ」

 

「……何の用かな。式の準備でE組に構ってる暇なんてないんだけど」

 

「おーう、待て待て。なんか忘れてるんじゃねーの?」

 

……A組に、浅野くんたち五英傑に対して、賭けのことをしっかり報告してごねられないようにしなくちゃいけない。

 

「浅野、賭けてたよな。5教科学年トップの数、勝った方が1つ要求できるって。要求はさっきメールで送信したけど……あれで構わないよな」

 

メールで要求はしたけど、この本校舎の体育館で結果を公開した理由は他でもない……全校生徒の前で認めさせるため。ちらほらと集まってきてる本校舎の生徒たちは、私たちの会話を聞いて噂はホントだったんだとひそひそ話し合ってる。寺坂くんたちはA組が家庭科とかの副教科を捨て教科として扱ってるのを知ってるから、わざわざそれをこの対決に含めてもいいって挑発を重ねてる……4人も満点がいるからね、E組(こっち)には。

そしてテストとは関係なく、私は彼に伝えたいことがあった。他の日でもいいのだけど、本校舎の生徒と必ず会えるのはこの日だし……カルマに相談したら、逃げられないようにこの日にやるべきだって言われた。周りの人たちが怖いので、カルマについて来てもらいながら前に出る。

 

「……浅野くん」

 

「!……真尾さん、どうかしたのかい?」

 

「あ、あの、えっと……これ……」

 

そう言って私が差し出したのは……入院の時に彼が差し入れてくれた2冊の本と、私がオススメしたい1冊の本。先に事情を話しているカルマ以外、周りはA組とE組っていうクラスの違う対立するはずの私たちが何の話をしているかわからずにビックリしてる。

 

「……お見舞い、来てくれてたんだよね……お手紙も、本も、嬉しかった。これがあったから、つまらなくなかったよ。借り物だから、本は返すね……代わりに、私のオススメも読んでくれると、嬉しい、です」

 

「……ありがとう。ならこっちだけ受け取るよ……その2冊はもともとキミにプレゼントするつもりで買ってあったんだ」

 

「え、」

 

「それに……こちらを借りておけば、また会って話す口実になるだろう?あと……『運び屋とシスターのカバー裏』、確認しておいてくれ

 

そう言って私が差し出した3冊の本の中から、おすすめの本だけを抜き取ってふわりとした笑みを浮かべる浅野くん。最後に顔を近づけられて耳元でこそりと言われた言葉……それって、『カーネリア』のこと……?

言われた言葉について少し考えて思考が飛んでいたのだけど、気がつけば隣にいたカルマが浅野くんを引き剥がして私をカルマの方へ引き寄せたところだった。

 

「……ちょっと、近いんだけど浅野君」

 

「……ふん、番犬のつもりか?赤羽。じゃあまたね、真尾さん」

 

……やっぱり、この2人って仲悪いけど、どこか仲いいよね。似てるところ、いっぱいあるし……同族嫌悪って奴なのかな。しばしカルマと浅野くんは2人で睨み合ってたけど、今度こそ式の準備のために浅野くんは去っていった。他の五英傑もあとに続く……あ、榊原くんが振り返って一礼していった。彼は結構好感が持てるんだけどな……見下してないで、ちゃんと相手の実力を認める人だし。

そして始まる終業式……ここで、いつものようにE組いじりがあったわけだけど、どうもウケが悪い。当然だよね、『エンドのE組』がトップ争いに参加しちゃったんだから。E組の最下位でも菅谷くんの95位……学年中位の成績を収めて見せた。もう、下を向かなくていい……私たちは式の最中、最後まで前を向いていることが出来た。

 

 

 

 

 

(彼女に対してだけ、声が甘くないか?浅野……)

(浅野君、やるじゃないか……耳にキスとか。意味は誘惑だっけ)

(……伝言を伝えただけだ。彼女はそんなことを知るはずもないだろう)

(やっぱり彼女の事だったんだね……あの協定書の一項……『A組トップの指定するE組の生徒はこの協定書の拘束に囚われないこととする』というのは)

(ふん……そういえば蓮、なぜ分かったんだ?僕は名前を出した覚えもなかったが)

(……ふっ、中1からずっと君の近くにいるんだ……それくらい分かるさ)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「1人1冊です」

 

「でたよ、恒例過剰しおり……」

 

「これでも足りないくらいです!夏の誘惑は枚挙に暇がありませんから」

 

終業式が終わって教室に帰ると、殺せんせー特製のしおりが配られた。……修学旅行よりもこれ、進化してる……分厚いし重い……どうやって持って帰ればいいんだろう。数ページパラパラとめくっていると、ふと印刷の字がぶれているところを見つけた……違う、これぶれてるんじゃなくて……

 

「(殺せんせー、まさか、この人数分この分厚い冊子を……手書きしてる?)」

 

文字の形がよくよく見ると一定じゃないのだ。ホントに、私たちの先生は色々人外じみてると思う(外見から既に人外の担任に、人類最強完璧超人の体育教師に、並ぶ者がいないほどのハニートラッパーに……)。

 

「さて、しおりが行き渡ったところで……これより夏休みに入るわけですが、皆さんにはメインイベントがありますねぇ」

 

「あぁ、賭けで奪ったこれの事ね」

 

「本来なら成績優秀クラス、つまりA組に与えられていた特典ですが、今回の期末テストはトップ50のほとんどをA組とE組で独占している……君達にだって貰う資格は充分にあります。────夏休み、椚ヶ丘中学校特別夏季講習、沖縄リゾート2泊3日!!!」

 

パンフレットには、大きくそれの要項についてが載っている。みんなで1つの目標に向かって努力し、勝ち取った国内旅行……すごく、楽しみだ。

ただ、楽しんでばかりはいられない。私たちE組にはこの旅行を使ってやりたい最大の目的があるのだから。

 

「君達の希望だと、触手を破壊する権利は教室(ここ)で使わず、この離島での合宿中に使いたいと」

 

「はい、触手を壊す権利はここで使います。もし認められなかった場合は、真尾の言う通り音楽の学年トップを利用しようかと思ってました」

 

「触手8本の大ハンデでも満足せず、四方を先生の苦手な水で囲まれたこの島で使い、万全に貪欲に命を狙う……正直に認めましょう。君たちは侮れない生徒達になった……アミサさんの学年トップを交渉に使う必要はありません。むしろ、アミサさんは違うことを願いたいのでは?」

 

「え、」

 

「えへへ……バレてましたか……先生の暗殺にコレの使用を認めてください。どこまで先生に効くのか、試してみたいんです」

 

そう言って私が取り出して見せたのは戦術導力器(エニグマ)……これは何も無いところから創り出して放つ高位属性、空・時・幻のアーツよりも、環境に働きかけてそれを操る低位属性、火・水・風・土のアーツの方が負担が少ない。それに、訓練にもなるしきっと暗殺の要になるだろう水を大量に使うから役に立てる気がしたのだ。

 

「もちろん構いません。持てる力の全てをぶつけて、全力で向かってきなさい!……親御さんに見せる通知表は先程渡しました。これは、標的(せんせい)から暗殺者(あなたたち)への通知表です!」

 

そう言って、殺せんせーが教室中にばらまいたのは……大量の二重丸。頑張ってきた1学期の、最高の通知表だった。

 

「一学期で培った基礎を存分に生かし、夏休みも沢山遊び、沢山学び、そして……沢山殺しましょう!」

 

その締めの言葉と共に、殺せんせーは教室の窓から外へ出ていく。みんなも荷物を持って外へ出ていく。

 

「椚ヶ丘中学校3年E組、暗殺教室。基礎の一学期。これにて終業!!」

 

 

 

 

 




「アミサ、沖縄行く前に買い物、一緒に行くかんね!特に水着!私に選ばせなさい!」
「莉桜ちゃん……うん、一緒に行きたい!」
「中村、あんまり過激すぎないやつにしてよ?」
「へーへー、番犬さんが気に入りそうなやつ選んでやりますよ」
「…………なら、いいか」
「いいんだ……」



「……カーネリアのカバー裏……」
【@○○○○○○】
「……これって、メッセージアプリのアカウント……?」


++++++++++++++++++++


終わりました……!
一学期末テスト編、終了です!
お互いに初めてのものが多いせいで、周りがハラハラしてます。テスト含めて色々自覚して色々成長した一件となりました。
撮った動画はなんだかんだで消せなかったようですが、いざとなれば律のスイッチ一つで全データ吹き飛ぶようにされてます。さりげなくカルマのスマホにもその動画は送られていたりする(オリ主には内緒)。

個人的に五英傑の中では榊原君は嫌いではないです……結構、人のことをよく見る人だと思うんですよね。なので、浅野君と対等に話せる1人として、ちょっとした理解者的立ち位置に。彼は周りに隠しまくってる浅野君の好意を早々に感じ取っていたり。でもナンパはやめない。

オリ主が音楽好きな設定覚えていた方はいるでしょうか?笑

では、次回は夏休み編!
まだリゾートへは行かないで、ぼちぼち進めていこうと思います。





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