IS*~Iris code~   作:永遠の中級者

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ここから二巻の内容に入っていきます。

そんなことより一夏がちょっと外出した日って休日で合ってるの?


IS学園(原作二巻)
第20話 整備室再び


「えっと…これをこう?あれ?こっち?」

 

謎のISの襲撃とシィナ(C7(シーセブン))の白式強奪未遂事件から数日。

学園生活は特に問題もなく、平穏な日々が過ぎていた。

(平穏って言ってもIS訓練は平穏とは程遠かったりするけど)

休日の午後、時花は前から気になっていた『虹彩色の時女神(アイリス・ノルン)』のことを少しでも知るためにシィナを連れて整備室の一角を借りてISを呼び出していた。

 

「何か分かった?」

 

シィナがスパナを持ちながら聞いてくる。

なぜスパナを持っているのかと言うとISのメンテナンスなどと並行してデータを閲覧しているからだ。

まぁメンテナンスといってもその手のことは素人なのでマニュアルや教科書を見ながらの作業である。

 

「うーん、異様に情報が多くてよく分からない。前にも見たことのある武装のデータとかなら見つかったけど他は関係なさそうなデータとかが多くてね」

 

ディスプレイを眺めながら答える。

何故か自身の武装の他に、前に対峙したISの対峙時のデータなどが項目別に記録されてあったりと、やけに情報が多い(これって他でもあるのかな?)

 

「そういえば気になってたけど…」

 

シィナにしては珍しい切り出し方。どうしたんだろう?

 

「なんであんなに動けたの?」

 

?何のことだろう?

 

「私と戦った時、あれだけダメージを受けたのにまだ動いた。この間なんてあれだけの反撃までした」

 

シィナとはこれまで二度、模擬戦と事件の時に戦った。

その両方で何故最後まで動き続けられたのかということらしい。

何故と言われても、まだ動けたからとしか言いようがない。

 

「どれだけエネルギーあるの?」

 

「?さっき動かしてる時に少し減ったけど、二千ちょっと…」

 

「!?」

 

普段の状態のシィナってあんまり表情変えないけど、今のは驚いたと分かった。

というか、なんでそんなに驚くの?

 

ISというものは性能やコンセプトなどが違っても大抵の機体は多少の違いはあれどエネルギー量は一緒である。

仮に燃費を念頭に置いて作られたISがあっても、それは効率が良いだけでエネルギーの総量自体は一般的なISとあまり変わらない。だが、この『虹彩色の時女神(アイリス・ノルン)』は他のISの二倍以上のエネルギーを持っているという。これだけでもかなり特殊であることが分かる。

そんなことにはまだ気付かない時花であった。

 

「ん?」

 

追究するのもなんだからと時花はディスプレイを操作しているとあるものに目が止まった。

それは先程見たデータとは違う別の項目で、ISと思われる名前がいくつか並んでおり、その中の一つを触ってみると、見知らぬISの性能データと設計データが表示された。時花が今見ているのは名前の割に防御的なシルエットのISだ。

 

「『ソード・オルフェウス』…こんなISと見たことないんだけど。というかなんで設計データとかあるの!?」

 

流石に他のISの設計データがあるのはおかしいでしょ!

ほんと…このIS(もしくは使われてるコア)は謎が多い。

 

それから少しして時計を見るとかなりの時間が経っており、丁度いい頃なので二人はISを待機形態に戻してから整備室を後にし、早めの夕食を取ることにした。

 

 

 


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