Kaiserreichで幼女戦記   作:溶けない氷

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【挿絵表示】

イギリス、怒りの革命

https://www.youtube.com/watch?v=C7VAxt7Dhs8

戦えターニャ・デグレチャフ、全体主義者をやっつけろ!
全体主義者の
同志モズレー
同志ヴァロア
同志ムッソリーニ
同志ろ…じゃなくてベリヤ
同志ブハーリン
邪悪な連中が集まってますねぇ

選択次第でイギリスの内閣にイアン・フレミングやジョージ・オーウェルが入閣するというなかなかのカオスぶりである。

人物

T・E ロレンス いわゆるアラビアのロレンス 共和国軍大佐
エージェント”ダージリン” ガルパンのダージリンとは同姓同名同顔同声の別人。エージェント番号008
彼女の生涯は悲惨でそして当時ではありふれた始まり方でした、英国軍の将校であった父親は1918年の連合軍の無謀な攻勢で西部戦線において戦死しており戦争に伴う英国経済の崩壊によって裕福だった家は没落、母親は栄養失調が祟って当時猛威を奮ったスペイン風邪で病死。
25年の革命により、ストリートチルドレン(別に当時珍しくはなかったが)だった彼女は7歳にして革命軍幼年学校
グロリアーナ人民学院に入学。
憎き帝国主義者から世界の労働者人民を解放すべく、高貴な任務を果たしております


008の策謀

Union of Britain

共和国軍諜報部

 

「報告したまえ、同志ダージリン大尉」

「はっ、同志ロレンス大佐。

まずはこの建造中の艦艇をご覧ください、我が軍の諜報員が捉えたドイツの新造戦艦であります」

世界帝国を失ったとはいえ、彼ら英国人がその世界帝国の運営ノウハウまで失ったわけではない。知は力なり、諜報と外交で勝利するという彼らのやり方は例え英国が海外植民地をアイルランドすら失って西欧の片隅の島国に転落したとしても変わらない。

 

「ふむ、新造艦か。やはり連中も制海権なしには植民地を維持できないとようやく気付いたらしいな。

あのばカイザーならいつまでも後生大事に3B鉄道に拘るかとも思ったが」

ドイツの艦艇は基本的に主力艦は前大戦のままである、死力を最後まで振り絞ったからね。

 

「しかし設計から見ても、既に旧型と化したバイエルン級の改良型に過ぎないのでは?

我が共和国海軍が誇る、新鋭艦の”チェインブレイカー”の敵では無いと海軍情報局は結論づけております」

チェインブレイカー級は2隻建造されつつあるイギリス共和国海軍の新鋭艦であり

チェインブレイカー及びコモンウェルスはほぼ大和級に匹敵する。

最大の特徴は46cm砲を8門、58000トンの排水量を誇る巨大戦艦である。

10年前の1925年のイギリス革命で比較的新しい海軍艦艇が反動王室へと寝返った。

今の英国の艦艇数こそ米獨日に続く4位だが、艦艇の旧式化と対峙するドイツ海軍の拡大の前に危機感が募っていた。

そこで、考えたのが量がダメなら質で勝てばいいという当然の考え。

この2隻は建造中のビスマルク・ティルピッツをアウトレンジで一方的に撃破できる強烈なパンチ力を持っている。

「油断は禁物とはいえ、我が国の建艦技術が依然として世界をリードしているのは実に喜ばしいな」

 

「次にアジア情勢ですが、帝国主義勢力による植民地支配を現地の労働者によって打倒する革命運動は水面下で進行しております。

特に既に東インドにて地歩を固めている、バールティア・コミューンの同志チャンドラ・ボース及び同志マハトマ。ガンジーとの接触により軍の近代化に必要な軍備と引き換えに資源のバーター貿易を締結できたことはユニオンに必需の紅茶を安定して獲得できました」

 

「その件ではスノウデン首相より君に人民功労賞と一回級昇進とのことだ、おめでとう少佐」

 

「はっありがとうございます。インド情勢は混乱を増しており、デリーの軍事独裁政権には不満が高まっており、南部の寄せ集めは英国統治の消滅による藩王・地主の横暴により組合主義への歓迎論が高まっております。

インド全土における組合主義の勝利は時間の問題と思われます」

 

「希望的観測はいい、君の意見は?」

「バールティア内部ではガンジー派とボース派で主導権を争っており、更に地元勢力・ヨーロッパ留学組での派閥争いの存在が革命に悪い影響を与えると考えられております」

 

「ふむ、とはいえベトナム、インドシナの組合勢力との協力体制を気付いたことは賞賛に値する」

「それと気になる情報が、清が今回は宗教家を押しとどめたようです」

 

「ふむ、彼らが勝つとはな。日本が彼らに支援を行なっていたのではなかったか?

腐敗した清が日本軍仕込みの連中を止められるとは思えないが…」

 

「今回の義勇兵の中に無塗装の複葉機で敵軍に多大な損害を与えたパイロットがいるそうです。

“白銀”の異名だそうで、本国からわざわざ航空突撃鉄十字章が授与されたとか」

 

「ドイツがエースパイロットを送り込むとは、やはり中国利権をそこまで重視しているか。

それにしても面倒だな、日本とドイツが代理戦争で互いに消耗してくれれば話は簡単だったが」

 

「私が中華民国側に接触いたします、ビルマ経由で彼らに軍事顧問と武器を出資すれば資本主義者の搾取機関である東亜総合商社に大打撃を与えられるかと。

これを機会に、ドイツ人には中国で大勢死んでいただきましょう」

 

「前回の中国人への支援は大半が横流しされたからな、議会の承認を得るのが難しいが…

ふむ、だが君が監視してくれるなら連中も前ほどのバカはしないだろう。

わかった、モズレー議員にこの話を通しておこう。

頼んだぞ、同志“鉄血”ダージリン」

この女性こそ、コードネーム” ダージリン”で知られる革命闘士である。

端正な美貌の持ち主ながら、世界の労働者人民の革命運動を推進する運動に多大な貢献を行う英国の誇る諜報員の一人であり

後にイアン・フレミング諜報大臣が執筆した有名なスパイ小説シリーズ”008”のジェーン・ボンドのモデルでもある


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