運用面で、どうやって戦っていくか。
何があるだろうか。……そう考えていると、不意に名取が手を挙げた。
「はいっ、名取さんっ」
指名されて名取が立ち上がる。
「ええと、士気を維持することが大切だと思います。終わりの見えない戦争で精神的にきつくなるのは私たち艦娘も同じですから」
ぱたぱたと先生は名取の所へ。そして、
「そうねっ、さすが名取さんっ、大正解よっ! 偉いわねっ!」
「ふぁっ、……あ、あの、……あのっ」
手を伸ばして名取を撫で始めた。潮が羨ましそうにしている。
「そうよっ! 物資の管理も出撃も、訓練でいくらでも練度はあげられるわっ!
けど、それを継続するためには士気の維持が大切よ。元帥さんは気枯れ払いなんて言ってるわね」
そういってぱたぱたと元の場所に戻る。名取は、ぽう、とした表情で椅子に座る。
「訓練については一先ず雷たちを信頼してくれていいわ。ただ、こんなことをしてみたいとか、訓練の希望があればそれはちゃん伝えないとだめよ。
まだ、漠然とした形でもいいわ。けど、場合によっては基地全体の運用にも響いてくるからそれは応相談ね」
「まだ?」
私の問いに先生は頷いて「潮、山風が作った具申書、写せる? 秋津洲さんの艦隊のだけど」
「あ、はいっ」
潮はパソコンを操作。プロジェクターが企画書を映し出す。
「…………すご」
思わず、という感じで瑞鳳が呟いた。それは同感。
艦隊の運用方針、一度の作戦に必要な見積もりの資材量。それに対して取得を期待できる資材量。任務に就くための最低限の成果。などなど。
それも、方針も一つだけではない、少数の高速輸送から空輸を中心とした大規模輸送など、いくつかのパターンが提示され、それに伴う艦隊の編成など、必要な性能レベルまで記載されている。当事者の秋津洲さえ唖然とそれを見ている。
そして、最後には古鷹と金剛、秘書艦殿のサインが並んでいる。
「艦隊旗艦がしれーかんに艦隊の新造を具申するのなら、このくらいは必要よ。
訓練の提案書はこんなに細かくは必要ないけど、それでもこれに準じた形式のものは作ってもらうわ」
「ふえー、中将さんの基地って、やっぱりすごいんだねー」
文月が目を丸くし、「これを作れるようにか、それだけでかなりの勉強が必要そうだ」と、初月が難しい表情で呟く。
「そうよ。旗艦さんはこのくらいの事はやってのけないとだめなのよっ!
特に長門さんは旗艦さん、秋津洲さんもその候補なんだから、ちゃんと作れるようにならないとだめよっ」
「か、かもっ」「なっ?」
秋津洲があげた変な声が気にならないくらいの衝撃だ。
「ぱ、パソコン、使える自信、ない、かも」
「秋津洲、ともに、学んでいこう。パソコンの使い方から」
「あのー」
おずおずと、潮が手をあげる。
「今はまだ、鹿島さんが訓練の結果を口頭で確認してまとめているので大丈夫ですけど、実際に任務になったら、報告書とかも書きます。
ええと、ペンでは辛いと思います。これがフォーマットです」
「「……………………」」
「な、長門さんっ? 大丈夫っ、やればできるわっ」
「秋津洲さんっ、あ、あの、な、慣れれば大丈夫ですっ」
思わず沈鬱な雰囲気で沈黙する私と秋津洲、瑞鳳と萩風が慌ててフォロー。
「あの、本部に共有のパソコンもありますから、そこで使い方は勉強できます。
それに、第二艦隊の皆さんは皆詳しいです」
「情報の整理とか分析をしているからね。あとは秘書次艦のみんなとか、もちろんっ、雷にもどーんと頼っていいわよっ!」
「先生はちゃんと使えるかも?」
秋津洲の問いに先生は頷いて、
「ええ、秘書次艦のみんながやってるお仕事は全部できるわ。
あと、あの書類のフォーマットを作ったのも雷よ。深海棲艦の発生状況の統計データも作ったわね。資材管理は山風に任せてるけど、その基礎データも作ったわ」
「…………け、桁が違うかも」
「長門さん、……す、すごいところに着任したのですね」
「武藤少将の所は?」
「ええと、報告とかで書類の作成は後でやるみたいですけど。ここまで細かくはなかった、です。
必要な装備とか、艦娘の建造とか、必要なら具申書を提出するようにって言われてますけど」
「少将さんは前線を任されて、極端な事を言っちゃうと自分の基地の管理だけでいいのよ。
けど、この基地は少将を統括する中将の基地なの。必要なら連合艦隊を組んだりもするから、どうしても管理や情報の取り扱いは厳密になるわ。戦力の補てんを要請されても、それに届かない艦隊を派遣したら結局みんな共倒れになっちゃうもの。
そういう事がないように、ばっちり管理する必要があるのよ。艦隊のカラーを誰よりも一番正確に理解できるのは各艦隊の旗艦でしょ? だから、旗艦が作る書類が一番正確なのよね」
「はー、……そうでしたか、凄いなあ」
五月雨が感心したように応じる。そう、ここは少将を統括する中将の基地。現場の最高責任を担う場所の一つだ。情報の管理は徹底されるだろう。
…………書類作成は提督の仕事だと、そう思い込んでいた自分は何て浅はかなのだろうか。
「さて、お話がそれちゃったわねっ!
そう、名取さんの言う通り、一番大切なのは士気の維持よっ! 能力は訓練とかでどーんと高めていけばいいからねっ!
それで、……秋津洲さんっ」
「はいっ?」
いきなり指名されて、慌てて立ち上がる秋津洲。
「士気の維持。具体的にはどんな事をすればいいと思う?」
「え? ……ええと、えっ」
おろおろする秋津洲。対して名取が何かうずうずしているが。
「あ、あの、先生」
我慢できなかったらしい、おずおずと手をあげる名取。けど、
「だめよっ! 今は秋津洲さんの番なのっ!」
「…………はい」
「そ、そうかもっ! この基地に所属する艦娘として、しっかり答えないとだめかもっ!」
胸を張って応じる秋津洲。まあ、答えるというのなら答えてくれるのだろう。しばらく待つか。
みんな似たようなことを考えているのだろう。沈黙、なぜか名取が少し不貞腐れたような表情をしているが、ともかく、沈黙。……………………やがて、秋津洲はおずおずと口を開いた。
「お、」
「おにぎりを食べるのか?」
「銀シャリは、いいな」「わたくしは梅干しが」「あたし鮭好きー」「卵焼きがあってもいいと思うの」
「なんでそうなるかもっ! じゃなくてっ! お、……お祭り、とか?」
「そうねっ、大まかにあってるわ。
基地のみんなそれぞれ趣味を持つようにしているのもあるけど、定期的なレクリエーションは必要ね。そうじゃないと任務や訓練もそれをこなす事を目的にして思考停止しちゃうわ。それじゃあ何の意味もないもの。
節目を設けて気持ちをリセットする。日常を一時打破して気枯れを払い、また、ばっちりな状態に自分を整えて日常に戻る。非日常だからこそ、日常では見失いがちな大切な事に改めて目を向ける。とーっても大切な事よねっ」
「うんっ」
にこ、と笑みを交わす秋津洲と先生。
「それに、いつもと違う事をやってみるきっかけにもなるわっ!
普段あんまりお話をしない娘とお話してみたりねっ! 潮もそうだったわねっ」
「は、……はい」
「潮ちゃん、何かあったの?」
「えっ? あ、……ええと、その、私、新人だった時、お祭りもなかなか馴染めなくて、椅子に座って眺めるしかなかったのですけど。
その時、秘書艦さんに声をかけてもらって、手を引いてくれて、……凄く、嬉しかった、です」
幸せそうに語る潮。先生は頷いて、
「そうよっ! そうやってどんどん交流を広める事も大切なのっ! そういうのは日常よりも非日常、お祭りの時の方がやりやすいわよねっ!」
「わっ、じゃあ、ここはお祭りとかもあるかもっ?」
楽しそうに問う秋津洲に先生は頷いて、
「潮っ! ここってどんなお祭りをしているか教えてあげてっ」
「はいっ! ええと、近くだと夏祭りがあります。七月十六日、いわゆる盂蘭盆会、です。
去年は、……榛名さんが比叡さんに大々的に告白してそこそこパニックになりました」
榛名インパクトか。
「パニック、ですか?」
萩風が首を傾げる。先生は苦笑して頷き、
「あれは、凄かったわね。ステージに登って皆の前で堂々と思いを告白したのよ。
榛名はっ! 比叡お姉様をっ! 愛っ! してっ! まーすっ! ……って。比叡さんが貞操の危機を感じてたみたいだけど、榛名は大丈夫ですっ、って榛名さんが言ってたから大丈夫だと思うわ」
「…………ええと、……じょ、情熱的、ですね」
曖昧な表情で萩風。頷く。
「それ以降妙にくっつきたがる娘が増えたとか」
「そうなのよっ! 荒潮とか隙を見せたらくっつこうとするのよっ! 潮みたいな娘ならともかくっ、悪い娘なんてお断りよっ!」
「ええっ? い、いいんですかっ?」
「え?」
先生の言葉に、声を跳ね上げる潮。墓穴を掘ったような表情の先生。
「……………………ええと、名取さんたちの基地もそういうイベントはあると思うわ。
艦娘の士気を高める事はとても大切な事だって、しれーかんは部下の少将さんにもばっちり教えているものっ、だから、今度確認してみてねっ!
あ、もちろんこっちのお祭りの時は遊びに来てもいいからねっ! どーんと歓迎するわっ」
「あ、あたし遊びに来てみたーい。
名取さん、今度司令官にお願いしてみようよー」
「早目にお伺いすれば、司令官も調整してくれますよ、ねっ」
五月雨の言葉に名取は頷く。先生も頷いて、
「そうね。みこちゃんはいい娘だから考えてくれるわ。
けどっ、五月雨っ! ほんとに早めに言わないとだめよっ! 直前で申請して不許可は当然だけど、そんな我侭を言って提督を困らせるなんて、艦娘としてだめなのよっ!」
「そうですよね。司令官、優しいですけど、だからって困らせちゃだめですよね。……ううん、もっとしっかりしないと。
中将の秘書艦さんの五月雨みたいに、私もなりたいなあ」
……やはり、極まった能力を持つ同一の艦娘には憧れるか。…………確か、指輪持ちにも中将の秘書艦にも長門は、……どころか、戦艦の艦娘さえいない。どういう事だ?
「その五月雨ちゃん。戦争終了したら最初に提督である中将を殺すって言っているわよ。
提督が全能力を民の平穏のために使うなら生かしておくけど、それ以外の方向に一欠けらでも使ったら人にとって有害な魔物だから討伐した方が世のためです。とか」
「……あのお、中将の秘書艦って、…………あ、ご、ごめんなさい」
陰鬱な笑みで語る先生に五月雨は近くにいる文月の手を取って震える。文月は五月雨の背中を撫でる。
「触れてはいけない事だな」
潮もあまり仲が良くないといっていたし。……というか、恐怖統治とか、中将の秘書艦は本当に艦娘なのだろうか?
「さて、士気の維持の事はこのくらいにして、あとは何かある? はいっ、萩風っ」
「あ、はい先生っ!
ええと、他の、提督との連携が大事だと思います。長い戦いでは突発的な事もあり得ますから、フォローしてくれる提督がいてくれると心強いです」
「そうね。けど、満点じゃないわ」
「あ、……そう、でしたか?」
先生の応答に肩を落とす萩風。
「なにが違ったの?」
そんな妹の様子が気になったのか、時津風が手をあげて問いかける。何が、か。
提督同士の連携は大切だと思うが。……と、
「はいっ、初月っ」
首を傾げながらも挙手する初月。指名されて立ち上がる。
「答えというわけではないが、提督は中将だったはずだ。
現場に出ている提督の中では最も上の階級だったと思う。萩風のいう通り、連携は大切だが、僕たちの考えている提督同士の連携とは、少し意味合いがずれるかもしれない」
初月の言葉に、先生は満足そうに頷く。
「そう、そのとおりよっ!
しれーかんはフォローしてくれる提督、じゃないの。前線を少将に任せて、その少将がばっちりな状況で戦えるようにフォローするのが、この基地の役割なのよっ!
潮、階級についてお話しできる? 関連するところだけでいいわ」
「あ、はいっ!
ええと、ちょ、ちょっと待ってください、資料を「だめよ。自分で思い出しながら」はいっ」
慌ててパソコンに齧りつく潮を先生は素っ気なく制止、そのまま立たせる。
「あうう、……え、ええと、……提督は、中将です。中将は、少将を十人、部下として配備されています。
提督は主に出撃、戦闘を少将に任せて、提督、……じゃなくて、……ええと、こ、この基地は、瀬戸内海の防衛と、少将が問題なく出撃できるよう、資材の再配置や連合艦隊の提案、それと、必要なら艦娘の派遣をしています」
「そうよっ、それで萩風、少将なら連携も大事、でいいんだけど、しれーかんは中将なのよっ!
横のつながりで連携するんじゃあだめよっ! ばっちりフォローしないとねっ! 萩風たちこの基地に所属する艦娘はそういう方向で任務を作られやすいわ。まだ任務に就けないから難しいと思うけど、訓練ではそういう風に意識してみて、鹿島さんにお話を聞くのもいいわね」
「あ、そうですね。……わかりましたっ」
すとん、と腰を下ろす萩風。
「しれーってさ、偉いんだよね?
…………ええと、中将って十人くらい、だっけ?」
「あ、はい。そうです。
海軍は、……ええと、中将が十人で、中心になって運営してます。提督は大本営中枢、大本営を統括する意思決定者の一人です」
「偉いんだー、見えないなー」
確かに、あの体型では。……ん?
「潮、海軍大将は?」
「あ、……そ、それは、」
潮は口籠り先生に視線を向ける。先生は笑う。
「それは、本当に興味があるなら、あとで、執務室に、聞きに来てね?」
「…………了解した」
どうも、大本営中枢には謎が多いな。
たぶん、聞けば答えてくれるだろう。教えないとは言わないのだから。……ただ、それを知るには覚悟が必要、か。
どういうことか、金剛にでも少し聞いてみようか。
「せんせー、しつもーん」
「はいっ、文月っ!」
挙手する文月。
「じゃあさ、中将ってあたしたちの基地の指揮もしてるの?」
「してないわ、報告を受けてるだけよ。
けど、例えば資材が少なくなってきたとか、入渠とかが重なって危なさそう、って判断したら資材を再分配したり艦娘を派遣したりするわ」
そして、先生は微笑。
「上官、って言っても他の基地を管理している提督があまり干渉をしてくるのは面白くない、っていう気持ちも、あると思うわ。
けど、見栄張って大切なものを失うのは絶対にやってはいけない事なのよ。だから、そこは抑えてね」
「わかってるよ。……もう、友達が沈むなんて、やだよ。
見栄とかいらないから、危なくなったら助けて欲しい、よ」
ぽつり、呟く文月。……ああ、そうだな。
もう、そんなのはやだな。
「中将と少将はこんな感じで繋がっているわね。
基本的には少将が前線で戦って深海棲艦を撃破、この基地は瀬戸内海に深海棲艦が入らないようにするための最終防衛線、と。前線で戦う少将がほんとのほんとにちゃんと戦えるようにフォローするのが役目ね」
ほんとのほんとに、か。
それは犠牲を出すことなく、資材不足で困窮する事もなく、戦えるようにする、という事なのだろう。
改めて思う、責任重大だな、と。
「先生、質問をいいだろうか」
「いいわよっ、どーんと頼りなさいっ」
むんっ、と胸を張る。初月は立ち上がり、
「他の、中将、との繋がりはあるのか?」
言われてみればそうだな。中将である提督は部下の少将に対する縦のつながりが重要だろう。だが、中将はほかにもいる。横のつながりがまったくないとは思えない。
もっとも、それが萩風の言う通り、フォローし合う関係かは、解らないが。
「潮、この基地ではどんな風にしているかしら?」
「あ、はいっ! ……ええと、……確か、葛城中将、とはたまに交流をしています。四国を挟んで向こう側、沖の島を任された中将です。
葛城中将は物流と資材管理の名手ですから、第二艦隊の娘はとても勉強になるといっていました。代わりに、葛城中将の艦娘から、第三艦隊の所に輸送中の護衛とかについて学びたいと来ることがあります。
…………他は、ごめんなさい。私は、聞いた事ないです」
しゅん、と。肩を落として潮。先生は潮を撫でて「大丈夫、それでいいわ」
一息。
「そういうわけで、基地として、他の中将との交流はほとんどないわ。まあ、中将なんてほとんど人でなしだし、関わるだけ損するわ」
…………確かに、話を聞くに中将やその秘書艦は、相当、……相当、難がありそうな気もするが。
「あの、先生。質問、いいかも?」
「いいわよっ! なぁに?」
びしっ、とおずおずと手をあげた秋津洲を指名する先生。秋津洲は、少し言いずらそうに口籠り、
「その、中将さんは、……ええと、ブラック、な提督さん、かも? ……その、人でなし、って」
ブラックな、と。その言葉に周りが静まる。瑞鳳は俯き、彼女の手を春風が強く握っているのが見える。
他人事、では済ませられない、な。対して先生は苦笑。
「違うわよ。……そうね。先に言っておくわ。いわゆる、テンプレート的なブラックとかホワイトとか、そういう提督は中将にも、しれーかんの部下の少将にもいないわ。…………ごめんね、誤解させちゃったわね。艦娘視点での人でなしっていうと、確かにそう思われちゃっても仕方ないわね。
そうね。…………自他含めて、へい、……大本営という巨大な時計を構成する歯車。そうみなしているのよ。
雷は嫌いだけど、しれーかんにもそういう側面はあるわ。艦娘の士気向上、これは大本営全体にとっても有益よね。だから、自分のお給料を振り払ってまで艦娘に給料を出してる」
何人か、息をのむ音が聞こえた。……大本営に有益だから、自分を犠牲に出来る。
なるほど、それは民への平穏につながる。軍人としての自己犠牲的精神といえば、尊いといえるのかもしれない。
けど、
「それって、人の視点から見れば、人として正しいとは思わないわ。
個人としての在り方を放棄して、大本営という巨大なシステムを構成する、提督という歯車として生きる。……しれーかんとかはね。その在り方が、幸福を求めて自己を尊重する、そんな人の在り方から外れちゃってるのよ」
「…………それは、その「しれーかんの在り方についてはとやかくいう事じゃないわ」」
秋津洲の言葉は潰される。話は終わりだ、と。
思わず、沈黙。……の、前に先生はぱんっ、と手を叩いて、
「ま、要するに、先を見据えて希望を忘れず、節目を設けて本当に大切な事をばっちりと思い出して日々を過ごす。
これが大切っていう事よっ!」
最後、先生はそう言って締めくくり、授業は終了した。