その名を汚すな。   作:水口

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3話【何故】

「さっきは取り乱してしまったわ、ごめんねシャーロット」

 

申し訳なさそうに頭を下げるリリーに頭をあげて、と言うとリリーは頭をあげた。

私も少しではあるが取り乱してしまった。

リーマスはあの二人を正してくれたようだった。

 

「でも、セブにあんなことするなんて許せない!

列車の中でもセブを真っ先に否定したのよ、シャーロットもみたでしょ!?」

 

うん、と頷くとリリーは最低、と独り言のように言い放った。

 

「でも少しいいすぎたかしら?

リーマスとピーターは何も悪くないわよ……いいえ!

あの人達も止めないのが悪いわ!」

 

「リリー、落ち着いて。一度お風呂にでもはいってきたらどうかしら」

 

私がそういうと、リリーはそうするわ。といいお風呂へ向かった。

今日は疲れたのだろう。

ポッターのことも、スネイプのことも大変なのだろう。

 

「おい、穢れた血!」

 

そういったのは、純血主義者のスリザリン生。

最近ではマグル生まれの迫害が激しい。

きっとこの人も調子に乗った人だ。

 

「何か用かしら、その名は私を侮辱していると取っていいのよね?」

 

名前も知らないスリザリン生に聞くと、ふふんと鼻をならした。

 

「当たり前だろう!マグル生まれなんて、穢れている」

 

キッ、と私が睨むとそいつは怯んだようだったがすぐに取り直し、私にさらに絡んできた。

セブルスの姿を探すと、セブルスはいないようだ。

スリザリン生は、どうしてこうもグリフィンドールと対立するのだろう。

 

「おい!今の言葉取り消せよ」

 

聞きなれたうざったい声が食堂に響いた。

しかし、その顔はいつも笑っている顔とは一転真剣なものであった。

シリウス・ブラック。

私が一番憎いと思っている相手が私を、マグル生まれの私を、こうして庇っている?

なんなんだ、シリウス・ブラックは。

純血主義者ではなかったのか?

 

「なっ、なんだお前!

裏切り者め!」

 

裏切り者?シリウス・ブラックのことだろうか?

確かに彼はグリフィンドールにはいった。

いや、入ってしまった。

 

「うるせぇんだよ!!!

とっとと寮に戻って寝たらどうだ!目障りだ!」

 

ひぃっ、と声を漏らしたスリザリン生は走っていなくなった。まるで漫画みたいだ、と呆れて笑うと「大丈夫か?」と手を差し伸べてくれた。

 

「ええ、ありがとう。貴方にしては上出来だったわよ」

 

少し言い方がキツかったかもしれない、と後悔をしていると照れたように頭をかいた。

 

「なぁ、お前勘違いしてるだろう。

おれはブラック家じゃねぇ!!あ、いや、ブラックなんだけど、グリフィンドールに入っちまった落ちこぼれで、純血主義者でもないし。

だから、そう嫌わないでくれよ」

 

突然なにをいいだすのかと思えば、そんなことか。

そんなことは、知っているのだけれどシリウス・ブラックの性格や女の子をもてあそぶ仕草やルックスも気に入らない。

 

「わかっているわ、だけどね。

私はあなたが嫌いなの。セブルスをいじめるその性悪な性格をなおしてからでなおしてくれる?」

 

ムッ、と顔を顰めたシリウス・ブラック。

よしきた!このまま嫌いになればいい。

そうしたら、互いに避けれるし、いい関係を築ける。そんな気がした。

 

 

「俺はお前の事嫌いじゃない!」

 

は?と、声に出す前にポッター達の方へ言ってしまったブラック。なんなんだ、と頭を抱えてしまう。

ポッター達の方を見ると、ブラックは私と何を話したのか探られているようだった。

 

でも、シリウス・ブラックがもてるのもわかった気がする。

勿論、私からすれば全然ダメなやつで最低なクズなのだが、あの真剣な表情は確かにモテるのもわかる。

 

「なんなのよ、本当に」

 

グリフィンドール生の方へいくと、シリウス・ブラックとどういう関係なの?と質問攻めにあった。

ただの知り合いよ、と返すと嘘ー!と叫ばれてしまった。

 

「シリウスがあんな顔するなんて!いつもより更にかっこよかったわ!」

 

ねーっ!と楽しげに話す彼女たちにはシリウス・ブラックがどのように見えているのか知りたいところである。

 

「でも、シリウス・ブラックはスリザリンに入る予定だったんでしょう?

どうしてグリフィンドールに入れたのかしら」

 

疑問を口にすると、彼女たちも首をかしげた。

しばらく悩んでいた彼女たちだったが結局は組み分け帽子の判断だし、きっとシリウス・ブラックは変わり者なのよ。という結果になったようだ。

 

変わり者。それさえもモノにしてしまうブラックに多少の嫉妬をおぼえる。

ブラック家は純血主義者が多いとして有名だ。

シリウス・ブラックの熱烈なファンからきけばシリウス・ブラックには優秀な弟がいて彼は純血主義者らしい。

優秀な弟に変わり者の兄。

まるでどこかの小説のようで面白い話である。

しかし、シリウス・ブラックがどれだけ良い奴でも私は近づきたくはない。

 

優秀な純血主義者の弟に文句の一つでも言われたらそれこそ不快極まりない。




ジェームズポッターで調べるとクズと出てきて確かにそうなるのかなとも思いました。

しかし、スネイプにも悪いところはあったようにも思えるし……と悩む日々です。

実際はどうなんでしょう?

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