【改稿版】ユグドラシルのNPCに転生しました。   作:政田正彦

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やっぱり、情報って大事

 ニグンを蹂躙しカルネ村を救ってから一夜明けた後、玉座の間にシモベ達が集められた。

 玉座にはモモンガ様、その傍らには御主人様とその姉であるぶくぶく茶釜様が異様なオーラを放ちながらそこに立っている。

 

「まずは勝手に私達だけで行動した事を詫びよう。何があったかは、アルベドやエレティカの方に聞くといい。それよりまず、我々から至急伝えるべき事がいくつか存在する」

 

 聞きながら、「いくつか……?」と内心首を傾げる。

 ここで、このイベントで告げられるのは、モモンガ様が名前を変え、アインズと名乗る事にした、という事のみ。

 

 ただし今回に至ってはそれは起こり得ないと考えていた。

 アインズとは今はモモンガが外の世界において使う、「世情に疎いマジックキャスター」としての、仮の名前、という事で落ち着いたはずだ。

 

 

「まず俺から伝えよう」

 

 

 そういって一歩前に出たのは、私の御主人様、ペロロンチーノ様その人だ。

 やはりこういう所も変わりつつある。

 本来、御主人様は居る筈の無い存在なのだから。

 

 

 

 

 

「今後、人間と接触した際、相手が女や子供、特に幼女あるいは貧乳、それらに該当する者だった場合、相手が明確な敵である場合を除き、危害を加えることを禁止とする」

 

 

 

 

 

 …………はい?

 ええと、つまり、なんだ……つるぺたロリに危害を加えてはならない、と?

 いや、まあ、うん……そっかぁ……。

 

 私はシリアスという4文字がこの瞬間音を立てて崩れるのを察した。今回はギャグパートだ。間違いない。

 

 

「うむ、何故? と考える者が殆どのようだな……では一応説明しておこう」

 

 

 

 コホン、とわざとらしく咳払いをして、御主人様は続ける。

 

 

「忠実な下僕である諸君にはこれから様々な活動をしてもらう事になるだろう。時にはどこの誰を殺せ、敵を殺せ、そういう事も往々にしてあるだろう、だが最も重要なのは……それらの判断を君達に任せる、という事にある」

 

 

 カツ、カツ、と玉座の前を歩き回りながら、もっともらしい事を言いながら続ける。

 

 

 「そこで、注意すべき点が先の命令にある。こう言ってはなんだが……君達は”敵であるならば一切の情け容赦なく打ち滅ぼす野蛮な者”と……”秩序と知性、そして隔絶した実力を兼ね、鮮烈かつ苛烈に、その上で目的を優雅に達成する者”……どちらがこのナザリックに仕えるに相応しいと思う?」

 

 

 御主人様がそう言い切り、カッとこちらを振り返る。

 そして、同時にハッと背景に雷が落ちたかのような表情になる下僕達。

 

 

 「俺は後者の方が相応しいと思っている。目的を達成するためならどんな手段でも、というのはそういう手段を選ばざるを得ない”弱者”の発想だ……”真なる強者とその従僕”である諸君には、常に余裕という名の優雅さを持って事に当たってほしい。

 その第一歩が先の命令という訳だ。わざわざ殺さなくても良いような、何の罪も無い女子供を殺してまで目的を達成するような者になって欲しくない」

 

 

 もっともらしい事を言っているようだが、指示した命令は「つるぺたとロリには手を出すな」である。

 

 

 しかし、ナザリックのシモベ達は、そうは思わない。思うわけがない。というか、今のように堂の入った演技で命令されたら、例え「首を切って死ね」と言われても迷うことなくその命令に従うかもしれない。

 

 ただまぁ、無意味な命令でもない。むしろ必要以上に殺したりするのを忌避し、原作で死亡するキャラクターの生存をどこか願っていた私としてはかなり好都合な命令だったので、特に異論を唱えようとは思わなかった。

 

 

 

「異論はないようだな?」

 

「次は私から、と言っても、これは念の為の保険……万が一にもあり得ないと思うけれど、一応命令として心に残しておいてほしい事を一つ」

 

 

 

 続いて前に出るぶくぶく茶釜様。

 なんでしょう? 無節操な性行為は禁止とかそんなんですか?それだとちょっとだけ助かるんですけど(主にアルベドやシャルティアの節操の関係で)

 

 

「この場に居る全てのシモベ達は、どうしてもやむを得ない場合を除いて、お互いに傷つける事を厳禁します」

 

 

 ああ、成程、その事か……と私は思ったが、周囲はどうも納得していない。

 いくら極悪のカルマ値だからと言って無暗に仲間を傷つけるような下僕は居ないと言いたげだが、本題はそこではないのだ。

 

 

「……というのも、この世界に来てから、どうやら私達の知るダメージの法則とこの世界の法則が違う事が既に明らかになっているわ。本来受ける筈の無い仲間からのダメージを受けているという明確な事実としてね」

 

 

 一例として、モモンガ様のネガティブタッチ(触れる相手にダメージを与えるオンオフ可能なパッシブスキル)なんかが挙げられる。

 

 

「よってこれからは仲間同士でも些細な事で傷つけあったりしない事。ひょんな事から命を落とす事もあるかもしれない、そして、貴方達の持つ強大な力は、十分にそれを起こし得る物だと理解して頂戴。……異論のある者は立ってその意思を示しなさい」

 

 

 正直言ってこんな真面目な事言われると思ってませんでした。

 ごめんなさいぶくぶく茶釜様。

 性行為禁止令でしょとか思って申し訳ありません。

 

 

「私達二人からは以上よ」

 

「ご命令お伺い致しました。これよりナザリックに仕える全てのシモベは、『相手が敵でない場合、女、子供、幼女、貧乳、それらに該当する者達に危害を加える事を禁止』、また、『お互いを無暗に傷つける事を厳禁する』、これらを絶対遵守する事を誓います」

 

『誓います』

 

 

「うむ、これよりお前達には今まで以上に働いてもらう事となるだろう……最後に私から一つ厳命する……ナザリックを、不変の伝説にせよ!」

 

 

『ウオオオオオオーーーーーーーッ!!!』

『モモンガ様!! 万歳!! 至高の御方!! 万歳!!』

 

 

 

 

 

 

 

 

 玉座の間を振るわせるほどの大熱狂で響き渡る万歳コールはその後もしばらく続き、御方が姿を消し、自室か、あるいはどこかへ休みに行かれたか、もしくは仕事の続きに戻った後も、しばらくはその場に熱を持った者達が残る。というより、その場の誰一人として、その場を後にしようとしなかった。

 

 デミウルゴスやアルベドが指示を出すまでは、階層守護者達も動かない。

 とはいえ、約3名程、この後どんなイベントが起こるかは知っているのだが。

 

 

「デミウルゴス。モモンガ様とお話した際の言葉を皆に」

 

「モモンガ様が夜空をご覧になった時、こう仰いました……『私が、私達がこの地に来たのは、誰も手に入れたことの無い宝石箱を、手にする為やもしれない』と」

 

 

 私としては、居合わせる事が出来なかったので知らなかったが、ちゃんとこのイベントは起きてくれていたようである。まぁ本人は相変わらず不在なのだが……。

 

 

「そしてこうも仰いました……『世界征服なんて、面白いかもしれないな』と」

 

 

 そして案の定言っちゃったんですね、モモンガ様……いやまあ知ってたけどね? ひょっとしたらって事があるかもしれないと思っていたが、修正力には勝てなかったよ……。

 

 ……ん? 待てよ、時間的に、御主人様からリアルの事情(仮)を聞いたのと、この勘違いイベントは同時刻な筈……ではアルベドはその後の指輪を貰うイベントでリアルの事情(仮)を聞いたのだろうか? ……指に光る指輪を見るにどうもそうらしい。

 

 

「各員、ナザリックの最終目的は、モモンガ様……至高の御方々に宝石箱を……この世界を捧げる事だと知れ!」

 

 

『ウオオオオオオーーーーーーーッ!!』

 

 

 こうして熱狂と勘違いの渦が巻き起こるナザリック地下大墳墓の玉座の間。

 私もこのテンションに合わせないといけないのは若干恥ずかしくて辛いがこれも必要な事なのだ……多分。

 

 ……別に何があるという訳じゃないけど、あんまりモモンガさんの胃が痛まないように善処しよう……うん……。

 

 

 

――――――――

 

 

 

 さて、こうしてカルネ村での一件は完全に片付いた……とは、言い難い。

 訳有って、私は法国に自分の存在がバレたかもしれないと危惧しているのだ。

 

 

 そう危惧した私は、対策を取ろう(どうにかしよう)……と、した。

 …………そう、「した」――つまり過去形である。

 

 どう対策を取ろうかと考えたが、そもそもどう出てくるかが不明だし、かといって法国が自分を見ていたかもしれないと……知ったところでどうしたらいい?

 

 

 誰かに言う? 論外だ。まず相手が居ない。原作知識があるのは私だけなのだから。

 

 自分でどうにかするにしても、「アイツなんか最近変な行動してね? 何か企んでるんじゃね?」とか思われたらどうする。いや、無いと思うけど、言及された場合どう言えばいいというのだろう。

 

「なんか法国っていう国に見られたような気がしたから事前に準備をば」

 

 馬鹿なのだろうか。馬鹿なのだろう。こんな事を考える位には私は追い詰められて……結果、とりあえず、成すがままに過ごす事にした。経過観察とも言う。

 

 

 強いてやることがあるとすれば……これからの展開を見て、改善できるところはトコトン改善していく……ようは、お節介を焼く事が、唯一原作知識を持つ私に出来る事だと思っている。

 

 まずひとつは死亡してしまうであろうキャラクターの生存だ。

 

 一番分かり易い例は漆黒の剣という冒険者パーティーの四人、その中でも特にニニャは「魔法の習得に必要な期間が常人の半分で済む」という、ユグドラシル時代から見れば破格のタレント持ちである。

 みすみす見殺しにしてしまうのは()()()()()()

 それ以上に良心が痛むというのもあるが。

 

 因みに、その件で関わってくるであろう、クレマンティーヌ、そしてカジットも活かしたいと思っている。生かすではなく活かす。ここ重要。

 

 クレマンティーヌさんは有無を言わさずぶっ殺しちゃったけど、一応この世界では英雄級に片足突っ込んだ戦士らしいし、もう片方のカジットは割と大きい秘密結社を持っているがナーベによってこんがり肉(おやつ)になっている。

 

 

 勿体無くない? 勿体無いよね?

 

 

 その他、原作から逸れた、あるいは描写されなかった事が起こった際には、その都度対応する事にした。

 

 

 

 そんなこんなで、私はこういった場面で役に立ちそうな情報を可能な限りかき集める事にした。

 

 もしかしたら今後役に立ちそうなアイテムの情報だったりとか、その他にも、色々と役立ちそうな情報やデータが残っているかもしれない、という事で私は、御主人様に許可を得て、『第十階層 最古図書館(アッシュールバニパル)』へと足を踏み入れた。

 

 ここには、アインズ・ウール・ゴウンのメンバーが残したユグドラシルに関する直筆の書物から、趣味で集めていた物、著作権が切れた本のコピー、魔法の本といった実用性の高い物が置かれている。

 尚、魔法の本は「こういう魔法があるよ」という情報が載っているだけであって、それを持っているからといってスクロールのような効果は発揮しない。

 

 だが、情報は有益だ。これを利用しない手はない。

 

 

 

 

――――――――

 

 

 

 

 

 そして、しばらくすると、私は執務室に呼び出され、御主人様に命令を下された。

 

 

「外部での活動……ですか」

 

 

 どうやら私は、モモンガさん&ナーベラルの冒険者組ではなく、セバスとソリュシャン、そしてシャルティアと共に行くことになった。

 

 

「そう。俺とシャルティア、そしてエレティカは、人に紛れて、盗賊とか犯罪者とか、”突然居なくなっても誰も困らなく、殺したり痛めつけたり食べたりしても問題の無い”人間の確保を目的に、そして二つ目の目的として、武技と呼ばれる、この世界特有の戦闘技術を持つ者の捕縛を目的に活動してもらう」

 

 

 一つ目は純粋に下僕達の為だ。人を食料とする種族の下僕には必要な者(と言っても殆ど嗜好品のようなものだが)も居るし、カルマが極悪に傾いているナザリックの下僕は大抵弱い人間を虐め抜く事が大好きだ。無論、例外も存在するが。

 

 

「そして、そういった事に当たる為、セバスとソリュシャンを囮役として、”格好の餌食”を演じてもらう。これが今回やる事の全容だね。ついでに、セバスとソリュシャンには、そのまま王都っていう場所で同様の任務と情報収集、資金の調達等の任についてもらうことになるかな」

 

 

 まだ王都へ行く途中に居る(と思われる)盗賊の一団の存在については触れられていない、か……ついでにそれっぽい人が居たらとっ捕まえておいた方がいいかな……。でもブレインさんとも会いたい&可能なら捕縛しておきたいんだよね……。

 

 

「承知しました。必ず納得の行く成果を上げて見せましょう」

 

「……いや、そんなに気負わなくてもいいんだよ?」

 

 

 前日までの恥ずかしさを隠すべく、自分なりに忠義を示したのだが、若干悲し気な声を出されてしまう。やっぱりあなたの中で私は娘であって、それ以上でも以下でもないのですか?

 

 ……って、そうじゃないか。確かモモンガさんが冒険者になった理由も「息抜きがしたいから」という理由だったから、同じようにご主人様も表向きは今言った目的で、そして本来の目的は息抜きがしたいっていうだけなんだろう。

 

 

「はい……わかりました」

 

 

 しかし、本当の意味で気を抜くわけには行かない……下手したら妹が洗脳されるかもしれないってのに、呑気にしてるわけには……あと、もしかするとツアーの方にも出会う可能性があるかもしれないし……いや、正史通りに進めば出会う事になりそうだけども……まぁ、それはいいか……。

 

 問題なのは、これで冒険者モモンサイドに直接関与する事が出来なくなっちゃった事なんだよね……。

 

 

「少しだけよろしいでしょうか?」

 

「ん? 何?」

 

「モモンガ様は何を……?」

 

「ああ、モモンガさんはね、リ・エスティーゼ王国のエ・ランテルで冒険者になって名声を稼ぐっていう活動をする事になっているよ。高名な冒険者になれば、それだけ強者や珍しいモンスターの情報やそれに関する依頼、もしかすると友好的な関係を持つ事にも成功するかもしれないという試みによる物だ」

 

 

 うん、概ね原作通りである。

 

 

「お一人で、ですか?」

 

「いや、ナーベラル・ガンマを連れて行くって言ってたかな。一番レベル的に手頃で、そして人間と見分けが付かず、見破られる事もないからって。あと、真面目そうだし」

 

「……お言葉ですが、ナーベラルでは危険では? 彼女は人間に対する嫌悪感がナザリック内でも人一倍強く、話題に挙がっただけで眉を顰めるような娘だったと記憶しているのですが」

 

「………………マジで?」

 

「マジです」

 

 

 これに関しては本当だ。実は少しだけ顔を合わせた事があるが、ちょっと話題に挙がると「とるに足らないノミ以下の下等生物等、いっそ全て根絶やしにしてしまったほうがよろしいのでは?」とか言い出す。

 原作で見て知ってはいたものの、ここまで酷いもんだったのかと愕然した。

 

 とはいえ、既に命令を出してしまった後、本人もやる気になってしまっている以上、今更「やっぱナーベはやめて他の者にしよう」と言う訳にも行かないだろう。

 

 

「……行く前に、少しナーベラルに会って、話をしておきます」

 

「えっと……すまん、エレティカ。頼むよ」

 

 早速、 最古図書館(アッシュールバニパル)で得た情報が役に立ちそうだ。

 

「それで、ぶくぶく茶釜様は?」

 

「引き続きという形になるが、ナザリック(偽)の建造や防衛網の構築に取り掛かってもらっている。そっちはアウラとマーレも担当するんだったかな」

 

 

 なるほど……そっちは特に問題なさそうかな?

 ……とか言ってるとフラグになりそうだ、やめよう。

 

 取り敢えず、私は後日、冒険者として外部活動をするナーベラルに会うことにした。

 

 

 

――――――――

 

 

 

 ナザリック地下大墳墓、食堂にて。

 

 そこには食事時になると一般メイド達が集い、各々の創造主が同じ者同士のグループで集まったり、あるいは別の創造主の者と話したいグループで集まったり、方や一人で静かに食事をとりたい者も居る。

 

 そんな中、特に注目を引くのは、メイドの中でも唯一戦闘能力を保有する、戦闘メイド、プレアデスの面々である。

 

 彼女らは一般メイドから、メイドとして、種として、女として、あるいは可愛らしい存在としての憧れの的であり、特にシズ・デルタはその容貌も相まって人気が高い。

 

 だが、今日はそんな彼女らよりも余程珍しい、おおよそこのような場所で会う事等無い、あろうことか階層守護者の一人である、エレティカ=ブラッドフォールンその人の姿があった。

 

 その場の全員がチラチラと彼女を盗み見る中、そんな彼女と対面する形で座っているのは、先の戦闘メイドプレアデスの一人、ナーベラル=ガンマ。

 

 

「突然このような場所で会いに来てしまって申し訳ないわね」

 

「いえ、そんな事は……むしろエレティカ様にわざわざ足を運んでもらう等……」

 

「それはいいのよ。私が貴女に用があったのだから」

 

「用、ですか?」

 

 

 こう言ってはなんだが、ナーベラルとエレティカの間に、これといって関係らしい関係は同じナザリックに仕える者である、という程度、会社で例えると別部署の上司と別部署の部下である。

 

 そんなエレティカがナーベラルに何の用があるというのか?

 

 

「貴女は近々モモンガ様と外部で冒険者として活動するという命令が下っているわね?」

 

「そうですが……」

 

「貴女はナザリックから出て本格的に活動するのは初めてだったわよね? そんな貴女に、私から”要らぬお節介”を焼かせてもらおうかと思って」

 

 

 そう言って、彼女は一つの紙の束……スクロールに使われるような羊皮紙ではなく、ただ単純に文字をメモする為だけに使う植物由来の、薄く、わざわざストレージにしまうまでもなく持ち歩けるような、メモ用紙の束を渡した。

 

 

「これは……?」

 

「とっておきなさい。きっと貴女の役に立つ」

 

 

 そう言ってエレティカは用は済んだとばかりに、さっさと食事を片付け、「頑張って」と言葉を残し、その場を後にした。

 

 彼女の姿が見えなくなってから、ナーベラルは手元に残されたメモ用紙の束に目を向ける。

 

 

「……”人間とうまくやる賢い方法”……? ……これは一体……」

 

 

 一つの纏まり、ともすれば、手作りのメモ帳の表紙に当たる部分に、そう書かれていた。手書きで。

 

 そしてナーベラルはそのタイトルの下に、小さく、しかし衝撃的な事が書かれている事に気付く。

 

 

「”これさえ出来れば至高の御方からべた褒め間違いn……”」

 

 

 そこまで読んで、ナーベラルはその場の一般メイドでは認識する事も出来ない高速の御業でそのメモ用紙を懐に仕舞った。

 

 

 

 


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