『パワプロ成長』でダイヤのA   作:ネコガミ

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本日投稿2話目です


第63話

俺の青道高校野球部部員としての初日の練習が終わり、入学式の日がやって来た。

 

これで、俺は正式に青道高校の生徒になった。

 

クラス分けでは一也と同じクラスになったぞ。

 

一也の話では、俺達以外にも野球部の部員がいるらしい。

 

学校行事等で、班分けとかをしやすい様にといった、学校側の都合でこうなったみたいだ。

 

さて、入学式が終わり、一般入部の人達も野球部にやって来た事で、俺や一也といった

一般入部の人達よりも先に野球部に入った者達を含めて能力テストをする事になった。

 

50m走、遠投といった具合に能力テストが行われていく。

 

最初に行われた50m走では、めっちゃ足の速い奴がいた。

 

記録員をしていた貴子ちゃんに聞いてみると、ボーイズリーグ出身の倉持という選手らしい。

 

ポジションは遊撃手で、スイッチヒッターの様だ。

 

他には目につく様な選手はいなかったが、能力テストをしている皆は、レギュラーの座を

奪うべく真剣に取り組んでいる。

 

いいね!俺も負けないぜ!

 

50m走が終わり、遠投が始まった。

 

今の所、一番目立ったのは一也だな。

 

遠投では、外野フェンス直撃の100mを記録した様だ。

 

流石はシニアでベストナインに選ばれるキャッチャーだぜ!

 

俺と一也はハイタッチをした。

 

イエーイ♪

 

遠投はドンドン行われていき、いよいよ俺の番が来た。

 

俺がボールを持つと、周囲の注目がめっちゃ集まってきた。

 

記録員をしている貴子ちゃんは、軽くガッツポーズをして俺を応援してくれた。

 

見ててくれよ、貴子ちゃん!

 

俺はワンステップしてボールを投げる。

 

ボールは低い弾道で進んでいって、外野フェンスに直撃した。

 

俺の遠投の記録は一也と同じ、100mとなった。

 

能力テストを受けている同級生達のざわめきが、貴子ちゃんと同じ様に

記録員をしていた先輩の声で収まる。

 

どうやら、これからはポジション毎にわかれて能力テストをしていくみたいだ。

 

というわけで、投手である俺は、他の投手希望の同級生達とブルペンに移動するのだった。

 

 

 

 

ブルペンには、投手希望の者達のボールを受ける為に、クリスさんと宮内さんがいた。

 

それと、何故か片岡さんも投手の能力テストを見るらしい。

 

憧れの片岡さんの前で能力テストか…気合いが入るぜ!

 

投手の能力テストの記録員をするのは礼ちゃんのようだ。

 

礼ちゃんが名前を呼ぶ順番で、投手の能力テストが行われていく。

 

投手の能力テストの内容なのだが、持ち球をキャッチャーに数球投げ込んでいくだけだ。

 

それで、球速、制球、変化やキレといったモノを見ていくらしい。

 

投手の能力テストをしていく人達の表情は、あまり良いものではない。

 

見ていると、コントロールが定まらないみたいだ。

 

片岡さんが見ているから、緊張しているのかな?

 

「次、川上くん。」

「はい!」

 

礼ちゃんに名前を呼ばれた人が、肩慣らしをしていく。

 

その投げ方に俺は驚いた。

 

なんと、この人はサイドスローだったのだ。

 

この人の前までは、オーバースローとスリークウォーターの人達だけだったから、

俺は驚いたのだ。

 

えっと、礼ちゃんは…川上って言ってたっけ?

 

川上がサイドスローから投じるボールは、宮内さんが構えるミットにしっかりと納まっていく。

 

ピンポイントのコントロールでは無いが、川上が投げる前の人達と比べれば、コントロールの

良さが際立って見える。

 

川上は数球程フォーシームを投げると、今度はスライダーを投げ始めた。

 

このスライダーもコントロールが良い。

 

そして、サイドスローから投じられるからなのか、横の変化が大きいのが特徴だ。

 

川上の投球を見ている礼ちゃんが、頷いているのが見える。

 

「川上、他に変化球はあるか?」

「あります。でも、まだ練習中で…。」

「構わん。投げてみろ。」

 

これまで黙してテストを見守っていた片岡さんが話した事で、能力テストを受けている

同級生達がざわめいた。

 

「シンカーいきます!」

 

川上のシンカー宣言に、ボールを受けている宮内さんが、ミットを叩いて応える。

 

川上がサイドスローでボールを投げた。

 

ボールは利き腕方向に変化しながら沈んでいく。

 

だが、スライダー程コントロールが良くないのか、ワンバウンドしてしまう。

 

宮内さんはボールをしっかりとブロッキングして、前に落とした。

 

「すいません!」

 

川上が宮内さんに謝るが、宮内さんは荒い鼻息を1つしてから「気にするな」と言った。

 

その後も川上はシンカーを投げていくが、やはり練習中な為か、フォーシームや

スライダーの様にコントロールは定まらないままだった。

 

「はい、川上くん。そこまでよ。」

 

礼ちゃんの言葉で川上の能力テストが終わった。

 

「それじゃ、最後に…葉輪くん。」

「はい!」

 

いよいよ俺の番だ。

 

やってやるぜ!




次の投稿は11:00の予定です

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