『パワプロ成長』でダイヤのA   作:ネコガミ

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本日投稿5話目です


第31話☆

「クリスさん!フォーシーム行きます!」

 

クリスさんと一也が、どっちが俺のボールを受けるのか話し合いをしていたのだが、

通り掛かった監督がクリスさんを指名した事で決着がついた。

 

そう言う訳で、俺はブルペンでクリスさんを相手に投げ込みを始める。

 

ちなみに一也はクリスさんの捕球とかを見て勉強するらしいので見学だ。

 

俺の投げる球種を聞いたクリスさんがミットを真ん中に構える。

 

上半身を起こして的を大きく見せる様な構えだ。

 

俺は様子を見る様に軽くボールを投げる。

 

パンッ!

 

クリスさんのミットがいい音を出してボールを取る。

 

だけど、捕球した位置は狙った所より低い場所だった。

 

「あるぇ?」

 

手応えと違う結果に俺は首を傾げる。

 

そして、ブルペンの中に何か違和感を感じる。

 

なんだこれ?

 

俺がそんな事を考えているとクリスさんがボールを投げ返してくる。

 

そのボールを受け取ったその時…。

 

ピコンッ♪

 

俺の頭の中に機械音が鳴り響いた。

 

「うぇい?」

 

俺は反射的に能力を使う。

 

 

※所属カテゴリーを参照して能力のランクを修正しました。

 

※能力の成長を一部開放しました。

 

 

おおう?

 

俺は通知を確める為に能力を使って状態を確認する。

 

 

基礎能力

 

最高球速:105km(※145km)

 

制球:C

 

スタミナ:D

 

変化球:カーブ3(※5)

 

 

ファッ!?制球のランクがSからCまで下がってる!?

 

「どうした、パワプロ?」

 

俺の投げ込みを見学していた一也がそう聞いてきた。

 

一也が話し掛けてきたからなのか、クリスさんも俺の所にやってきた。

 

「何かあったのか、葉輪?」

「いや、その…なんか違和感というか…。」

 

取り合えず俺はブルペンに感じる違和感を伝えて混乱を誤魔化す。

 

「なんだ、先輩達に見られて緊張してるのか?」

 

一也がそう言って茶化してくる。

 

一也が言った通りに、ブルペンで投げ込みをしている先輩達はチラチラと俺の方を見てくる。

 

「葉輪、違和感というのはどんなものだ?」

「う~ん、何かクリスさんの場所が遠いというか…。」

 

俺がそう言うと、クリスさんと一也は顔を見合わせてため息を吐いた。

 

「葉輪、シニアとリトルではマウンドからキャッチャーボックスまでの距離が違うぞ。」

「うぇい?」

 

そうなの?

 

「パワプロ…知らなかったのか?」

「知らなかった!」

 

一也の言葉に俺がハッキリと答えると、クリスさんと一也がまたため息を吐く。

 

仕方ないじゃん!

 

知らないものは知らないんだから!

 

「違和感の原因がわかったなら投げ込みを続けるぞ、葉輪。」

「はい!」

 

俺が返事をすると、クリスさんはミットで軽く俺の胸を叩いてから戻っていく。

 

さて、投げ込みを再開する前に能力を成長させるか。

 

公式戦まで時間はあるからな。

 

 

基礎能力

 

最高球速:110km(※145km)

 

制球:B

 

スタミナ:D

 

変化球:カーブ4(※5)

 

 

あんまり一気に成長させると、熱が出て寝込む事になりかねないのでこのぐらいで抑えておく。

 

よし!久し振りの投げ込みを楽しむか!

 

クリスさんの構えるミットを見ると自然と笑顔になってしまう。

 

その後クリスさんを相手に投げ込みを続けていき、リトルの時と変わった距離感や能力に

少しずつ感覚を慣らしていくのだった。

 

 

 

 

パワプロがクリスさんを相手に投げ込みをしていく。

 

「やっぱり、パワプロはコントロールいいな。」

 

最初は距離感の違いに戸惑ったのか、少しボールが散っていた。

 

でも、投げ込みを続ける内にボールは狙った場所からボール1、2個分

ずれるぐらいで纏まってきている。

 

「リトルの時程ドンピシャじゃないけど…これなら十分カウントを計算出来るな。」

 

パワプロの投げ込みをチラチラと見ている先輩達も驚いている。

 

そして、慌てる様に自分の投げ込みに集中しだした。

 

「速い人で130km前後って所か。」

 

現在のエース候補が投げるファストボールを見て、大体の球速を割り出す。

 

そのエースは自分のボールに満足気に笑みを浮かべている。

 

「確かにそっちの方が球速は速いけど、球質とコントロールはパワプロの方が上だな。」

 

俺はそう呟いてパワプロに目を戻す。

 

すると、パワプロはカーブを投げるとクリスさんに宣言した。

 

パワプロが投じたカーブは、リトルの時よりも大きく鋭い変化を見せてワンバウンドする。

 

だが、クリスさんは素早く膝を落としてブロックの態勢を取り、ボールの後逸を防いだ。

 

「すいません、クリスさん!」

 

コントロールに失敗したからなのか、パワプロがそう声を上げる。

 

クリスさんは無言でボールを投げ返すが、マスクの中では笑みを浮かべている。

 

「…たはっ!」

 

リトルの時よりも更なる成長を見せるパワプロ、そしてそれに応えるクリスさん。

 

「こんなの見せられて燃えないわけないだろう…!」

 

身体がウズウズとする。

 

練習がしたいと心の底から感じる。

 

「すいません!誰かボールを受けさせてくれませんか!」

 

気がつけば、俺はそう声を上げていた。

 

「おぉ、こっち交代してくれ!」

 

ボールを受けていたキャッチャーの1人が手を上げた。

 

パワプロの癖が移ったのか、俺も笑顔になってしまう。

 

「はい!」

 

俺は大声で返事をして防具をつけていく。

 

そして、俺は楽しみながらボールを受けていくのだった。




これで本日の投稿は終わりです

また来週お会いしましょう

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