『パワプロ成長』でダイヤのA   作:ネコガミ

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本日投稿4話目です


シニアリーグ編
第30話


壮行会を兼ねた紅白戦が終わり、俺は丸亀リトルを卒業した。

 

紅白戦を終えた後、一也は何か吹っ切れた様に笑顔で走って帰っていった。

 

悩みが晴れたのはいい事だ。

 

そして、走り込みやらの基礎と貴子ちゃんとの勉強をして時が過ぎていく。

 

俺は中学1年、貴子ちゃんは中学2年生になった。

 

 

 

 

俺は中学校の制服を着て家の前に出てきた。

 

身長が伸びる事を考えて大きめなのがポイントだな。

 

「フーくん、かわいい!」

 

貴子ちゃん…男としてかわいいはどうかと…。

 

「今は制服がブカブカだけど、その内ピッタリになるわ。」

 

母さんがそう言ってくれる。

 

早く身長が伸びて欲しいものだ。

 

「フーくん、行こう!」

 

貴子ちゃんが手を差し出してくる。

 

小学校の時と同じく、俺と貴子ちゃんは中学校も同じ所に通うのだ。

 

俺は貴子ちゃんと手を繋いで歩き出す。

 

幼馴染みの美少女と登校。

 

まさに青春だ!

 

こうして俺の中学校ライフが始まるのだった。

 

母さん、行ってきます!

 

 

 

 

中学生になった俺は、今年から丸亀シニアで野球をしていく。

 

貴子ちゃんも今年から丸亀シニアでマネージャーをしていくぞ。

 

そして、恒例と言えるチームの新メンバーの自己紹介なんだが…。

 

「江戸川リトル出身の御幸 一也です!1年先輩のクリスさんから

 レギュラーを奪いに来ました!」

 

なんで一也がいるのん?

 

一也を見ていると目が合った。

 

一也は何故かサムズアップしてきた。

 

よくわからないけど俺もサムズアップを返す。

 

「よぉーし!自己紹介は終わったな!それじゃ、練習を始めるぞ!」

 

監督の言葉に見知った奴等と新規の奴等が大きな声で返事をする。

 

そして、いよいよシニアで初めての練習が始まった。

 

走り込みやベースランニング等の基礎を終えて俺はブルペンに向かう。

 

「久し振りだな、葉輪。」

 

ブルペンには新入生の挨拶の間に、既に練習を始めていたクリスさんがいた。

 

「はい!お久しぶりです!クリスさん!」

「身体は鈍ってないだろうな?」

 

クリスさんが少しからかうように言ってくる。

 

「走り込みとかの基礎は続けてました!」

「そうか…まずはキャッチボールからだ。」

 

そう言ってクリスさんがミットを構える。

 

すると…。

 

「パワプロ!キャッチボールしようぜ!」

 

なんと、一也が割り込んで来たのだった。

 

クリスさんと一也の目が合う。

 

「御幸か…。」

「どうも、クリスさん。」

 

一也はそう言いながら手を差し出す。

 

クリスさんは一也の手を取って握手を交わす。

 

「レギュラー貰いますからね。」

「奪えるのならな。」

 

2人の目の間にバチバチとした光が見える気がする。

 

おぉ!まさにライバル!

 

いいね!俺も負けられないぜ!

 

「そういう訳でキャッチボールしようぜ、パワプロ。」

「どういうわけだ、御幸。」

 

一也の言葉にクリスさんがツッコミを入れる。

 

「いやぁ~、初めての練習ですからね。まずは顔見知りとやろうかと。」

「顔見知り以外とやって親交を深めるのも悪くないだろう。」

 

「それもそうなんですけどねぇ、まぁ此処は可愛い後輩に譲ってくださいよ。」

「レギュラーの座を奪うと言う後輩が可愛いとは感じないな。」

 

「うわぁ、性格悪いっすよ、クリスさん。」

「キャッチャーにとっては誉め言葉だな。」

 

握手をして笑顔の筈なのに、2人の雰囲気は勝負そのものである。

 

2人共熱いな!

 

さすがライバルだぜ!

 

ところで…どっちが俺のボールを受けてくれるの?

 

俺、早く投げ込みをしたいんだけど!




次の投稿は午後3:34の予定です

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