夏の高校野球選手権西東京地区大会の2回戦、薬師高校との試合の日がやってきた。
俺は試合前のアップをしながら能力を確認する。
基礎能力
最高球速:155km(※160km)
制球:S
スタミナ:S
変化球:カーブ7(※7)
変化球2:チェンジアップ7(※7)
変化球3:高速スライダー7(※7)
変化球4:高速縦スライダー2(※7)
投手能力は最高球速を1km、高速スライダーと高速縦スライダーを1ランクずつ成長させた。
筋力ポイントにはまだ余裕があるけど、変化球ポイントはこれですっからかんになった。
さて、次に野手能力の確認をしよう。
基礎能力2
弾道:4
ミート:A
パワー:B
走力:B
肩力:S
守備:B
捕球:A
野手能力は弾道と肩力を除いて1ランクずつ成長させている。
最後に特殊能力の確認だ。
特殊能力
『鉄人』
『鉄腕』
『身長高い』
『リリース○』
『怪物』
『バント◎』
『キレ◎』
『クイック◎』
『牽制◎』
『サブポジ:外◎』
『尻上がり』
『打球反応○』
『盗塁○』
特殊能力は『バント〇』を『バント◎』に成長させ、そして新しく『打球反応○』と『盗塁○』を取得した。
新しく取得したこの二つはコツを得ていたから取得に必要なポイントが少なくなっていたんだよね。
俺は新しく取得した能力の詳細を確認する。
『打球反応○』
・打球に対する反応速度が良くなる特殊能力である
・上位能力になると打球以外に対する反応速度も向上する
・金特殊能力として『神速のインパルス』が存在する
『打球反応○』の詳細はこんな感じだ。
ところで金特殊能力の名称ってあの女神様が考えているのかな?
だとすると中々の中…いや、想像力だな。
続けて『盗塁○』の詳細確認だ。
『盗塁○』
・盗塁のスタート勘が良くなる特殊能力である。
・上位能力になると一歩目の速さ及び加速力も向上する
・金特殊能力に『怪盗』が存在する
塁を盗むから『怪盗』なのか?
まぁ、いいか。
こんな感じの能力で夏の大会を戦っていくぜ!
◆
「お~し、お前ら、よ~く聞いておけよ。」
薬師高校の監督である轟 雷蔵が腕を組んでメンバーを見渡しながら声を掛ける。
「青道の先発はありがたくも、あの怪物くんだ。正直に言えば雷市でもまともには打てねぇだろう。だがな、だからといって当てるだけのつまんねぇバッティングはするんじゃねぇぞ。そんな事をしやがったら直ぐに交代させっからな!」
「「「はい!」」」
一同の元気な返事に頷いた雷蔵は話を続ける。
「今日の打順を見て疑問に思った奴もいんだろ?なんせ雷市が1番だからな。その理由を今から説明するぞ。ぶっちゃけ、あの怪物くんから点を取るには一発狙いしかねぇと思ってる。お前らには悪いがな。」
雷蔵は苦笑いをしながら頭を掻くが、薬師の教え子達は不満な表情をせずに真剣に話を聞いている。
「うちで一番のバッターは雷市だ。その雷市に一打席でも多く回す。その為の1番バッター起用だ。わかるな?」
「「「はい!」」」
教え子達の返事に頷いた雷蔵はニッと笑う。
「とまぁ、情けねぇ大人の言い訳はここまでだ。怪物くんとの試合を思いっきり楽しんでこい!勝ったら焼肉を奢ってやるからな!」
「「「オォ―――!!」」」
雷蔵の発破に1番バッターの雷市は肉と叫びながら打席に向かう。
(雷市、野球の怖さを知っても楽しめる様になれば、お前ならプロに行ける。…俺と違ってな。)
雷市の背中を見送る雷蔵の目は監督としてのものではなく、親としての暖かさを秘めていたのだった。
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