『パワプロ成長』でダイヤのA   作:ネコガミ

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本日投稿2話目です


第13話☆

「さぁ、いよいよ3年生達の紅白戦だぞ!お前達!準備は出来ているか!?」

 

監督の言葉に俺達3年生はありったけの大声で返事をする。

 

「よぉーし、いい返事だ!3年生の投手志望はパワプロしかいないから午前中に試合を

 しなかったレギュラーにも投手をやってもらうからな!」

 

そんな監督の言葉に3年生から不満気な声が上がる。

 

「お前達、公式戦に出れば年上と試合をする機会なんていくらでもあるんだぞ?」

 

そう言う監督の言葉に3年生達は声が詰まったように黙る。

 

「いきなり打ってみろなんて言わないさ。まずは試合を!野球を楽しめ!」

「「「はい!」」」

 

監督の言葉が終わり3年生は試合前のアップに入る。

 

さて、俺は試合が始まる前に能力でも確認しておこうかな。

 

 

基礎能力

 

最高球速:65km(※105km)

 

制球:F

 

スタミナ:F

 

 

基礎能力2

 

弾道:1

 

ミート:G

 

パワー:G

 

走力:E

 

肩力:F

 

守備:G

 

捕球:G

 

 

うへぇ…投手の方はまだいいけど打者としての能力はほとんど素人レベルだな…。

 

まぁ、練習はほとんど投げ込みしかやってなかったから仕方ないな!

 

さて、特殊能力も確認しておくか。

 

 

特殊能力

 

『鉄腕』

 

『鉄人』

 

『身長高い』

 

『リリース○』

 

『ノビ4』

 

 

特殊能力の表示にある『身長高い』は小学校に入学した辺りで取得した特殊能力だ。

 

詳細はこんな感じ。

 

 

『身長高い』

 

・成長期に身長が伸びやすくなる体質になる特殊能力である。

・この特殊能力を取得すると最低でも180cm以上の身長になる事が出来る。

・伸び幅は成長期の栄養摂取と運動や睡眠が影響する。

 

 

といった具合の特殊能力だ。

 

これは幼稚園の頃に見つけた特殊能力で見つけた瞬間にポチッたんだけど、

その時はポイントが足らなくて小学校入学までポイントを貯めることになったんだ。

 

くくく、これで俺も高身長間違い無しだぜ!

 

もっとも、体質が変わる特殊能力のせいか熱が出て3日間寝込む事になったけどな!

 

『鉄人』が無かったらどれだけ寝込む事になったかなんて考えたくもない…。

 

あの時は本当に両親や貴子ちゃんを心配させてしまい申し訳無い気持ちで一杯だったな。

 

そんな事を考えているとクリスさんがミットを手に俺の所にやってきた。

 

「葉輪、肩を暖めるのにキャッチボールをするぞ。」

 

クリスさんはこういった気遣いをよくしてくれる。

 

流石は捕手といった所だな!

 

クリスさんとキャッチボールをして肩が暖まった頃、監督が紅白戦を始めると声を上げた。

 

「それじゃ、行ってきます!」

「あぁ、楽しんでこい。」

 

クリスさんに挨拶をして俺は小走りで集合場所に行って整列する。

 

「3年生の紅白戦を始める!礼!」

「「「お願いします!」」」

 

試合開始の挨拶が終わって3年生達が元気よくグラウンドの各所に散っていく。

 

俺のチームは白組で後攻だから俺はマウンドへと向かう。

 

「フーくん、頑張れ!」

 

コーチと一緒にスコアラーをしている貴子ちゃんの応援が聞こえてきた。

 

俺は貴子ちゃんに向かって笑顔で親指を立てる。

 

「パワプロ~!早く投球練習を始めろ~!」

 

主審を務める監督が笑いながら俺に催促してきた。

 

おっと、それじゃ始めますか。

 

俺はマウンドの感触を確める様にフォーシームを投げていく。

 

俺自身コントロールが悪いのは自覚しているが、同じ3年生のキャッチャーは

ポロポロとボールを落としていた。

 

俺がキャッチャーが投げ返してくるボールを受け取る度に、同じ3年生の

キャッチャーが首を傾げている姿がある。

 

うん、すまん。コントロールが悪くて。

 

そんな感じで投球練習をしていって規定投球回数が終わって監督の声がグラウンドに響き渡る。

 

「プレイボール!」

 

監督の声で俺の後ろにいる同級生達の空気がピシッと引き締まるのがわかる。

 

俺はこれから試合が始まるんだなとテンションが上がってしまう。

 

笑顔が止まらない。

 

プレートに足をかけてノーワインドアップで動き始める。

 

足を大きく上げてゆっくりと下げていき滑るように踏み込む。

 

踏み込んだ足の膝を伸ばすようにして、股関節を使い横回転を利用して、

オーバースローで左腕をしっかりと振る。

 

フォーシームで投げられたボールはしっかりとバックスピンが掛かり進んでいく。

 

だが…。

 

あ、高めに浮いちゃった。

 

それでも釣り球の効果があったのか、相手が振ってくるバットの上を

すり抜ける様にしてボールが通過していく。

 

ついでにキャッチャーのミットも一緒に…。

 

「ぶへっ!」

 

そしてキャッチャーのミットもすり抜けたボールは、主審をする

監督の被るマスクに直撃したのだった。

 

やっちまった―――!




次の投稿は11:00の予定です

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