夜の帳が突如として黄金の光によって照らし出された。
ヴァレリア湖の上空の空間に光の裂け目が現れ、そこから巨大な繭のようなものが姿を現す。
繭が裂け目から完全に裂け目から抜け出ると、内部からの光の波が繭を解き、その中から巨大な建築物が現れる。
「これが……《輝く環》」
グランセル城からそれを見上げていたリィンはその夜闇を明るく照らすその存在に見惚れる。
そうしながらも、手は荷物の中からオーバルカメラを取り出して、現れた《輝く環》を試すように感光クォーツに記録していく。
そして建築物は揺らめく光の波を発する。
その光が地上を走り、建築物を中心に波紋を広げるように拡散する。
「っ……」
思わずリィンは身構えるが、光は何の抵抗もなくリィンをすり抜けていく。
それを追う様にして外灯などの導力が次々に停止していく。当然、それはリィンの手の中にあるオーバルカメラも同じだった。
後に《リベールの異変》と呼ばれることになる大事件はこうして始まった。
*
翌朝、グランセル支部遊撃士協会。
エルナンはコーヒーを淹れて一息吐いているリィンに差し出した。
「お疲れ様です。リィン君」
「ありがとうございますエルナンさん」
リィンはそれを受け取って眠気を覚ますように一口飲む。
「一先ずの混乱はこれで落ち着いたと見ていいでしょう」
「突然の《導力停止現象》でしたからね……俺たちはカシウスさんの予測を聞いていたから覚悟していましたけど」
「ええ、日頃どれだけオーブメントの恩恵を受けていたか思い知らされましたね」
「アルセイユに乗っていたエステルさん達も無事だといいですけど……」
そこにクルツが戻ってくる。
「ただいま戻りました」
「お帰りなさいクルツさん。街道の方はどうでしたか?」
「ああ、思っていた通り全ての導力灯が停止した影響で魔獣が街道に現れるようになっていた……
中には街に入ろうとする魔獣もいたが、そちらはすでに王国軍が対処してくれている……
だが、問題はエルベ離宮に取り残された人たちだな……
施設を開放して取り残された人たちはそこで一夜を過ごしたそうだが、いつ何が起きるか分からない以上できるだけ早く王都に避難させるべきだろう」
「確かにそうですね。王国軍はそれについてどうするつもりなんですか?」
「対処はしようとしているが、やはり他のことへの対処もあって十分な人員は確保できていないようだ……
事後承諾になって申し訳ないが、その避難誘導の手伝いをすることになった。リィン君にも協力してもらえないかな?」
「分かりました」
律儀に伺ってくるクルツにリィンは迷わずに頷く。
「すまない。自分たちの役目は街道の魔獣や機械兵器などの掃討と迎撃が主な遊撃の役割になる……
王国軍の人達は民間人達の直衛についてもらうことになっている」
「分かりました。ところで離宮にはどれくらいの人が取り残されているんですか?」
「観光客や離宮で仕事をしていた人達を含めておよそ五十人ほどだ」
「五十人ですか……」
エルベ周遊道の地図を見てリィンは唸る。
離宮から王都まで遠いとは言えないが、かといってすぐ近くとも言える距離ではない。
グランセル支部にいるのはリィンとクルツ、そして準遊撃士が一人の計三人。
アネラス達は定期船が動いている内に、それぞれの地方へと散らばり、今頃は各地のトラブル解決に奔走しているはず。
つまりは五十人の移動を王国軍の協力があるとはいえ三人で守らなければならないことになる。
「三人でカバーするのは難しいが決してできないわけではない……
むしろ魔獣たちもまだ混乱の最中にいるとすれば、時間を置けば置くほど危険は増すだろう。リィン君にはまた負担をかけてしまって本当に申し訳ない」
「俺も臨時とは言え今は遊撃士の一員なんですから。そんなこと気にしなくていいですよ」
「ありがとう。準備が出来次第、王国軍に先行してエルベ離宮へ向かおう」
「はい」
頭を下げるクルツにリィンは頷いて立ち上がった。
*
街道に現れた魔獣を掃討しながらリィン達はエルベ離宮へと辿り着く。
「とりあえず王都から来る部隊が来るまで小休止しよう」
リィンにそう言いながら、クルツは運んできた食料などを駐在員と一緒に配り始める。
リィンも手伝おうとしたが、やんわりと断られて代わりに頼まれたのは門前での警戒だった。
木々の合間からでも見える《輝く環》に自然と目が引き付けられる。
「あれが《輝く環》か……」
改めて思うが、そこに違和感がリィンにはあった。
ゴスペルを通して交信したからなのか、リィンにはあの建築物そのものが《輝く環》には思えない。
むしろ副産物なのではないかと思うが、それでもあれだけ巨大な建築物を宙に浮かべる至宝の力は凄まじいとしか言えない。
「カシウスさん達はどうするつもりなんだろうな……」
恐らくあの建築物は帝国からでも視認することは出来ているだろう。
そして、もし《導力停止現象》が帝国にまで及んでいたとしたら、彼らが予想した通りのことが起きる。
流石に空中に浮かぶ物が出てくるとは思っていなかっただけにリィンはそこから先の対処の方法が分からない。
《導力停止現象》のせいで王国軍の飛行艇は動かない。
飛行艇が動かなければ、空に浮かぶ建築物に乗り込むこともできない。
「《結社》の飛行艇を奪えればいいんだろうけど」
それは希望的観測が過ぎるだろう。が、現状で考えられる
「あの、すいません」
思考に没頭していたところに背後から声をかけられた。
「はい、どうしました?」
リィンは思考を切り替えて振り返り、応対して見覚えのある男性に内心で首を傾げた。
「すいません。女の子を見ませんでしたか?」
「女の子ですか? いえ、少なくてもここから出て行った子供はいませんし、こちらに来てもいないですね……
もしかしてはぐれたんですか? それならすぐに――」
男が誰だったか思い出そうとしながらリィンは応えるが、男は首を振った。
「そうではなくて……私と同じ髪の色の女の子を探しているんです。数ヶ月前にここで遊撃士協会で保護したと聞いたんですが」
「…………菫色の髪……数ヶ月前?」
直接その場にはいなかったが、リィンはエステルがギルドに提出した報告書を思い出し、同時に以前彼がツァイスで会った人形と同じ顔をした男性だったことに気付く。
「すいません。ちょっと手をいいですか?」
「はい?」
リィンの突然の言葉に男性は首を傾げながらも握手を交わす。
――温かい……人形じゃない……
「えっと……いったい何を?」
「すいません。どうやら気のせいだったみたいです……それで菫色の髪の女の子のことでしたよね?」
「はい。何か知っていることはありませんか?」
「自分が担当していたわけではないので詳しい説明はできませんが、数ヶ月前にその特徴の女の子をギルドが保護したのは確かです」
「本当ですかっ!?」
「ですが、そのことについては解決したことになっています……残念ですが規約上、第三者の貴方にその子の個人情報を明かすことはできません」
「…………そうですか」
肩を落とす男性にリィンはもしかしたらの可能性を考えて続ける。
「どうやら事情があるようですが、もしよかったら話してもらえないですか?
自分は臨時の遊撃士なので、先程の規約の話の線引きも確実ではないですし、今は状況が状況なのですぐにとは言えませんが、後日調査報告を知らせられるか進言してもいいですが?」
「すいません……でしたら聞いていただけますか……
正直、私も雲を掴むような話で何も分からないのにここまで来てしまって」
どうやら男性の憔悴の色が濃いのは《導力停止現象》によるものではなかったようだ。
「私はクロスベルで貿易商を営んでいるハロルド・ヘイワースと言います」
「申し遅れました。俺はエレボニア帝国のリィン・シュバルツァーと言います。今は訳あって、リベールの遊撃士として活動しています」
名乗り合って、リィンはやはりと確信した。
「実は先日、仲間の貿易商からおかしな話を聞いたんです……私と妻をリベールで見たと」
「それは……他人の空似ではないんですか?」
うん。自分も見ましたと内心で頷きながら、リィンは聞き返す。
「ええ、私もそう思ったんですが、彼はその時おかしなことを言っていたんです……菫色の髪の女の子と一緒だったと」
「俺には何がおかしいか分かりませんが、ハロルドさんには子供はいらっしゃらないんですか?」
「いえ、コリンという男の子が一人……その子は妻譲りの赤い髪をしているんです」
「それならなおさら他人の空似ではないでしょうか?」
「…………実はその子の前に私たちにはもう一人の子供、娘がいたんです。その子は私と同じ菫色の髪の女の子でした」
「いた……ですか……」
「有り得ないと分かっているんです。ですが、どうしてもその話が気になってしまって気付けば妻に秘密にしてここまで来てしまったんです」
リィンは何とも言えない顔をしていることを自覚しているが、それをハロルドが気付いた様子はない。
「どんな事情があって娘さんを手放したのか聞いてもよろしいですか?」
「それは……」
リィンの質問にハロルドは黙り込む。
今会ったばかりの人間が踏み込み過ぎたことを聞いているのは分かっているが、個人的にも聞かずにはいられなかった。
「不躾なことを聞いているのは分かっています……
ただ、俺も本当の両親に捨てられた身なので、もしよろしければ貴方の話を聞かせてもらえないでしょうか?」
「違うっ! 私たちは捨てたんじゃないっ!」
リィンの言葉に反発するようにハロルドは叫ぶ。
「それなら――」
さらに言い返すようにリィンは声を荒げるが、寸でのところで自制した。
いくら境遇が似ているからといって、当人のいないところで他人が彼を糾弾することは筋違いだ。
「いえ……すいません……
とにかく詳しいことは情勢が落ち着いたらグランセル支部のギルドを訪ねてください。今は御覧の通りの状況なのですぐの対応は難しいですが、話は通しておきますので」
「……ありがとうございます」
ハロルドはバツが悪そうにリィンから目を逸らすように頭を下げる。
「今は安全に避難することに集中してください……
娘さんの話はともかく、奥さんと息子さんを路頭に迷わせないためにも」
「…………はい。そうですね……」
リィンに促され、ハロルドは民間人の輪の中へと戻っていく。その背をリィンは呼び止めて最後の質問を投げかける。
「最後に一つ聞いてもいいですか?」
「はい……何でしょうか?」
「娘さんのお名前を聞いてもよろしいでしょうか?」
「あ……そうでしたね……娘の名前はレニ……レニ・ヘイワースと言います」
「レニ……レンじゃないんですか?」
思った名前と違うことにリィンは思わず聞き返す。
「レン……それがその女の子の名前ですか?」
「あ……」
聞き返されてリィンは失言に気付き、口を押えるがもう遅い。
だがハロルドは追及を自制し、肩を落とす。
「そうですか……レニじゃなかったんですね……」
「あ……あの……」
見るからに肩を落として落胆するハロルドにリィンは何と声を掛けて良いのか迷う。
「あ……すいません。守秘義務でしたよね……無理を言ってすいませんでした」
何とか取り繕い、ハロルドは頭を下げる。
たったそれだけで憔悴した彼にどんな言葉を掛けて良いのか分からず、避難民の環に戻っていく彼の背をリィンは黙って見送った。
*
離宮からの民間人の避難誘導はつつがなく進んだ。
途中で魔獣の襲撃はあったものの、民間人に被害が出ることはなく王都まで辿り着くことができた。
彼らはそのまま緊急避難場所となったグランアリーナに身を寄せることとなった。
そして、リィンはハロルドとのやり取りをエルナンに報告するかどうかで迷っていた。
――レニ・ヘイワースとレン・ヘイワース……無関係だとは思えないけど……
レンが操っていた人形の夫妻のことも考えれば間違いなくレンがレニなのだろう。
名前が違うのも、捨てられて拾われたのなら納得ができる。
リィンとて、シュバルツァー家に拾われる前の名前がリィンだったという保証はないのだから。
ただそれを報告するかどうかに迷う。
「どうかしましたかリィン君?」
「…………いえ……何でもありません」
首を傾げるエルナンに、リィンは作成した捜索願のリストを差し出す。
そこに《レニ・ヘイワース》の名前は書かなかった。
「ありがとうございます……それでリィン君
護衛の仕事が終わったばかりで申し訳ありませんが、この後すぐツァイスに行ってもらえますか?」
「ツァイスにですか? いったいどうして?」
「実はですね――」
エルナンがリィン達が護衛任務をやっている間に変化した情勢を説明する。
エステル達と一緒に行動しているはずだったクローゼとケビン神父が戻ってきて、ラッセル博士が発明した《零力場発生装置》をギルドに届けてくれた。
それを使えば、この《導力停止現象》の中でもオーブメントが使えるようになり、エステル達はこれを各地に届け、各地方の通信を復活させるために奔走している。
エステル達が出発したのはボースから。
二手に分かれて両隣のルーアンとロレントは良いとしても、ルーアンからツァイスへの道のりはカルデア隧道のトンネルを歩くことになる。
当然、そこの導力灯は機能を停止しているはずなので、安全と効率を考えればグランセル側からツァイスへと向かうのが妥当ということになる。
またベテランのクルツでないのは、彼がは王都に残る方がリィンが残るよりも様々な問題に対処できるからだ。
「分かりました。それじゃあ行ってきます」
リィンは街道に出ると、意識を集中して《鬼の力》を弱めに引き出す。
「…………良し」
今まで全力を振り絞るようにしか使ってこなかった《鬼の力》を半分にするように使ってみた手応えにリィンは頷いて駆け出した。
普通に走るのと比べものにならないほどの速度で街道を駆け抜けるリィンは魔獣や機械兵器をすれ違い様に斬っていくが速度は決して緩めない。
瞬く間に街道を走破したリィンはツァイス地方とグランセル地方を隔てるセントハイム門を目前にしてリィンは――《鬼の力》を全開にして元来た道を逆走した。
「え……?」
王都からリィンのことを追い駆けていた彼女はその行動に虚をつかれ、同時に自分の迂闊さに気付いた。
リィンの予想以上の走力に気を取られ、追い付くことに集中して気配を殺すことを疎かにしてしまった。
気付いた時にはもう何もかも遅かった。
速度の乗った身体は急には止まれない。そして迎撃に身構えるリィンは目の前。
咄嗟に大剣を盾に身構えるが、白髪の灼眼のリィンが抜き放った一撃は大剣を半ばから叩き折り、彼女はその衝撃に吹き飛ばされて木に背中から叩きつけられた。
「…………あれ?」
予想とは違う、執行者でない敵の姿格好にリィンは一瞬自分が誰に攻撃したのか分からなかった。
が、すぐにそういえばいたなと思い出してリィンは呆然と木に背中を預けたまま動かない彼女に太刀を突き付ける。
「早速俺を殺しに来たのか《銀》?」
「あなたは……本当にリィン・シュバルツァーなんですか?」
仮面越しに聞こえてきたのは少女の声は動揺に震えていた。
「それ以外の誰に見える、リーシャ・マオ」
あえてリィンは彼女の名を呼んで彼女の疑問を証明する。
証明されたリーシャはありえないと首を緩慢に横に振る
大剣をへし折った一撃の重さ。
そして目の前に切っ先を突き付けている少年の落ち着き様。
いったいどんな経験を経たのか、数ヶ月前に戦ったまだまだ青々しかった少年は見違える程の戦士となっていた。
「悪いが気絶させて拘束させてもらう。今あなたに構っている時間はないからな」
まるで歯牙にもかけないリィンの物言いにリーシャの心が軋む。
《銀》に扮しているせいで全力が出せなかったことなど言い訳にならない。
まだ自分の方が上だと何処かで驕っていた気持ちは粉々に砕かれ、圧倒的な敗北感を突き付けられた。
「…………殺してください」
「え……?」
弱々しく返ってきた言葉にリィンは思わず聞き返す。
「あなたの勝ちです……私はもう《銀》である資格はありません」
――ごめんなさい。お父さん……やっぱり私は不完全な《銀》でした……
凶手にあるまじき失態にリーシャはやはり自分にはその名は相応しくなかったのだと亡き父に謝る。
完全に諦めてしまった《銀》に対してリィンは毒気を抜かれてしまう。
「随分簡単に諦めるんだな?」
「情けをかけて見逃されたなど《銀》には許されないんです」
「だからって貴女の理屈を押し付けられたって困る。俺は貴女を殺すつもりはないんだから」
リィン自身もそうだが、遊撃士の理念からして人殺しは望むところではない。
「そう……ですね……だったらっ!」
銀は袖の中に仕込んでいたクナイを取り出すと、逆手に握り締め自分の喉元に向けて突き出した。
「何をやっているっ!?」
警戒心を緩めていなかったリィンはその腕を掴んで銀の凶行を強引に止める。
「死なせて下さい。私はっ! 私はっ!」
暴れる銀をリィンは押さえつけるが、その力は掴んだ腕の細さに反して力強い。
四苦八苦の末、リィンは何とか銀を地面に押し倒し、その上に圧し掛かって腕を後ろ手に拘束する。
仮面とマントを剥ぎ、暗器の類もできる限り外してようやくリーシャは大人しくなった。
「はぁ……こんな未熟者に不覚を取ったのが嫌だったのは分かるけど、それでもメンタルが弱すぎるんじゃないのか?」
ズンと肩を落として落ち込むリーシャは年相当の少女にしか見えずとても百年を生きて伝説となった凶手とは思えない。
が、リィンはそれは演技の可能性も考えて警戒心を引き締める。
「なあ、素顔を見られたから殺すって言っていたけど、別の方法はないのか?」
できることならリィンも彼女の問題は早く解決したい。
だからと言って、殺して解決するのはやはり憚られる。
何も答えようとしないリーシャにリィンは溜息を吐き、妙案を思い付く。
「命がいらないなら。その命、俺が貰おう」
「……え?」
「知っての通り、今リベールは未曾有の危機に立たされている……
オーブメントは動かなくなって人手は足りない。だから貴女には俺の手足として動いてもらう」
「何を……」
「有体に言えば《銀》を雇わせてもらう……対価はさっきの勝敗だ。異論は認めない」
リィンは一方的に言いながらリーシャの拘束を解く。
「事件が解決した時の身の振り方は後で改めて話し合わせてもらう。とにかく今は手伝え」
仮面と外套を差し出されたリーシャは呆然とリィンの顔を見る。
「どうしたそれでも伝説の凶手か!? 物事の判断は即決しろ! 場合によってはそれが明暗を分けるんだぞっ!」
かつて猟兵に教わったことを罵倒も含めて、リィンはリーシャに叩き付ける。
「は、はいっ!」
呆然としていたリーシャは慌ててリィンの手から仮面と外套を受け取ると、わずかに逡巡してからそれを纏って意識を切り替える。
「……良いだろう。これより《銀》はお前に雇われてやる」
ティオ
「君は俺が貰うですか……流石ロイドさんとんでもないですね」
ランディ
「ああ、だが流石のリィンもこれには勝てないだろうな」
リーシャ
「えっと……私、リィンさんに同じようなことを言われたことありますよ」
ワジ
「アルカンシェルのスターにそんなことを言うなんて命知らずだね……
それに二年前だとすると、今頃はどんな怪物に成長しているんだろうね?」