なにはともあれ一色いろはは小悪魔である   作:枝1125

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初投稿です!ゆきのんといろはすが大好きです!

稚拙な文章ですがどうぞよろしくお願いします。


(1)

 

 

「せーんぱい♪」

どこかで聞いたようなもとい、最近では放課後いつも部室で聞いている声がした。これが、あざとく俺の肩をボディータッチしていなければ呼ばれていますよせんぱいさんと知らんぷりを決め込めたのだが、さすがに肩を叩かれてはのがれられない。かくして俺は諦めてこのあざと可愛い(憎たらしい)後輩に向き合うのだった。

 

 

 

 

今は昼休み。学生たちが授業から一時的に解放される時間である。皆、自分達のグループで弁当を広げたり、購買ダッシュ組はすでに第1コーナーを曲がりデットヒートを繰り広げていたりするころである。購買組だが、さしてパンの種類にこだわらない俺はのそのそと廊下の端を歩いていたわけだが、そこで一色に捕獲されたのだ。

最近では一色がこうして放課後以外に俺のことを訪てくることがある。まぁ、そこに甘いラブコメ要素なんてものは皆無で主に仕事だったり仕事だったり仕事だったりするのだが。しかし、ここは専業主夫を将来の夢とする男比企ヶ谷八幡!そんな不満は今は笑顔の下に隠して接するのよ!将来的にはこの笑顔で妻の小遣いを減らして自分のへそくりにする!(白目)

「せんぱい。こんな可愛い後輩に呼ばれてそんな顔してるなんて減点ですよ〜」

ジーザス…俺の渾身の笑顔が…

一色は腰に手を当てたいつものあざといポーズで「メッ」っと指を立てる。俺としてはその「メっ」が「滅っ」出ないことを祈るばかりなのだが…ち、違うよね?リア充に話しかけられたらとりあえず笑っとけば大丈夫って材木座が言ってたもん! やべえ、ソースが不安でしかねぇ…

 

「あいにく俺は小町のポイントにしか興味がないんでな」

まぁ、俺の笑顔が不評なのはいつものことだ。悲しいが、悲しいが!大事なことなので二回言いました。ここは我が比企ヶ谷家のプリンス小町を出すことにしてお茶を流すことにした。

 

「妹のポイントには興味あるってドン引きですよ…」

 

俺としては軽いジョークのつもりだったのだが一色はずざっと身を引いていた。いや、そこまで引かなくても…

「まぁ、せんぱいが変態なのは今更なので置いとくとして、ちょっとお願いがありまして〜」

いや、お願いする手前あんまりじゃないそれは…それに俺は変態ではなくシスコンだ!ここ重要。

「やだよ。お前のお願い大体面倒なことになるし」

どうせ、一色のお願いなんて大方生徒会の仕事だろう。ならば常に先手を打つ。お願いは内容を聞く前に切り捨てる!なんならお願いされる前にからまである。なぜなら俺にはこれからベストプレイスで天使の舞を鑑賞するという義務もとい使命がある。あぁ、あそここそ我がアルカディア…我が使命何人たりとも阻むことは許さぬ‼︎

「あ、雪ノ下先輩から借用許可は下りてるので先輩の意思は関係ありません。さぁ、行きましょー」

そう言って一色は俺の袖を掴むとグイグイ引っ張っていく。

ガッデム!どうやら奉仕部において俺は人として扱われていなかったようだ。そりゃあ俺の使命とか関係ないですねーやばいですねーいや、まじで。俺の部活と部長がブラックすぎる件について

 

 

 

 

 

 

さぁ、やってまいりました生徒会室!待ち構える資料の山!処理しても処理しても終わらないデータ!誰もいない役員!いや、だからなんで役員いないんだよ…。

 

「ちょーーと、手違いというか伝達ミスというか締め切りがやばい仕事がありましてー」一色はテヘペロと舌を出す。普段であればあざと可愛いなちくしょうぐらいの感想を抱いたかもしれないが今は純粋に憎たらしい。目の前に仕事がある時、人は変われるのである。

 

「お前…ほかの役員はどうした?」

「………」

一色はそっと目をそらした。

「帰る」

「待ってください〜〜!これおわんないとやばいんですよ!まじやばいんですよ!平塚先生の目が怖いんですよ〜」

そう言ってすがりついてくる一色。や、やめろ近い近いいい匂い…しかし、この程度に屈するほど甘い男ではない!だから一色さんその右手を抱くのはやめてくださいお願いします。ふぇぇ、ぼくのひじが桃源郷にいるよ〜

 

「いや、だから他の役員にまず頼めよ」

「チッ…いやぁ、さすがに私のミスでみんなに迷惑かけられないですしぃ」

 

今舌打ちした⁉︎したよね⁉︎小町、お兄ちゃん女の子が怖いです。

 

「その点せんぱいは気兼ねなくこき使え…行使できますから!」

 

いや、それ全然意味変わってないから。もうそこまで来たらストレートに言っていいよ。相変わらずな後輩の態度に思わず頭をボリボリとかいてしまう。

 

「はぁ、わかったよ。ちゃっちゃっと終わらせようぜ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

キーンコーンと予鈴がなる。まぁ、昼休みにできる仕事量なんてたかがしれているわけで、俺と一色二人がかりでやっていた作業は三分の一にさしかかろうかというところで昼休みが終わった。やべえ、結局仕事にかかりきりでお昼食べてないし。こっちもブラックじゃねぇか。前もブラック、後ろもブラック残るは左右の天使だけである(錯乱)

 

「むぅ、さすがに終わりませんね」

一色が唸る。

「さすがにな。こんだけ急いでまだこんなにあるとかどんだけだよ。お昼も食べてないし…」

最後のは何気なく呟いただけだったのだが、一色にとっては違ったらしい。パッと、目を伏せてしまった。

 

「すみません、先輩。そうですよね、私のせいでお昼抜きでしたもんね…」

 

「ま、まぁお前のせいだけじゃねぇよ。お前も頑張ってたし。あれだな、学生なのに仕事があるこの学校の制度が悪い。」

 

やってしまった。そう思い、けどこんな時どうすればいいのかなんて俺のスカスカな経験では答えは用意されてなく、結局いつも通りの屁理屈をこねることしかできなくて、あんまりきにするなと一色に伝えようと思い一色の顔をチラリと見ると、そこには並みの男なら一発KOされそうな満面の笑みでこちらを見る一色がいた。

 

「じゃあ、せんぱい放課後もよろしくお願いしますね♪」

 

 

改めて女の子って怖いと思いました、まる

いや、まじで。小町が恋しいです。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




次回、砂糖多めいろはす。
お楽しみに!

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