ようやく本部と交信する事にしたカケカケですが、新たな騒ぎが待ってました。
それでは、どうぞ。
何だかんだとひと悶着したものの、やむなく本部と通信を繋ぐことになった。オカ研連中の目の前で。
「貴方たちの上司が出るのかしらね」
「腰を抜かしても知らねえぞ」
気持ち期待感を寄せているリアスを尻目に俺は忠告を入れてから通信機の電源を入れる。そしてモニターに指令の姿が映し出された瞬間、例の高笑いが巻き起こった。
『どわはははははっ! 時渡! お前のおね……』
ブチッ
「時渡、奴にはワシからも制裁を入れておく」
隊長はこの光景に思う所があったのか、鉄拳制裁を約束してくれた。ぜひそうして下さい、あのアムトラックを正面から撃ち抜いた最強の右拳で!
俺は隊長に感謝しつつ、改めて電源を入れる。
『どわはははぁ~ん!』
今度の司令は高笑いの最中に膝から崩れ落ちて画面から消えた。そのすぐ後ろには副司令が立っている。
「すまないな時渡、緊急事態の為に無駄な時間を置くことが出来ないんだが構わないか?」
「あっ、助かります」
俺は副司令が応対してくれることに感謝し、事の次第を進める事にした。
「今現在で、こちら側ではお前達の件で問題が発生している。そこを踏まえて早急に人事異動の話があるのと、そこの三人を含めてお前達の着任式をしなければならないという話がある」
副司令が話を簡単に説明すると、隊長が変更点を口にしてきた。
「それだけではなくここの二人も頼む。ダークネスの幹部候補だ」
「……アレがソレか、分かった。その件も含めて話を進めておく。それで人事異動の件だが時渡、お前はシーカーからダークネスに原隊復帰、並びに異世界への本格的な調査のために設置される異世界支部の支部長に任命する」
少しばかり苦々しい表情を見せた副司令が、次に発した言葉は俺の人事異動だった。それも昇進という形の。
「……へ?」
「お偉方の満場一致でそれが決定した。着任式の日取りも決まっているから関係者は全員参加してもらう」
俺の戸惑いを無視していろんなモンが決められているらしく彼は淡々と語って行く。
「それでトリーの件だが、お前は隊長達と共に戻ってこい」
「へっ? トリーのヤツなら風呂……」
「ええ~っ!」
この場に居ないはずの奴が声を上げる。だが副司令はその声に耳を貸さない。
「この命令は天界のお偉方の指示だ。お前の存在自体がこの件に引っかかったんだ、一度戻してやり過ごさないとシーカーにすら居られなくなるぞ」
「ディザブルお願い、しないでプリーズ」
「それはできない相談だ」
トリーの懇願を一切切り捨てた彼に対してトリーは、何故か俺に視線を向けては不意に動き出す。そしてその手で実力行使に出やがった。
……むぎゅ……。
「やい副指令! カケカケの息子さんズを預かった、返してほしくば……」
「いらん」
俺のタマタマを棒ごと握りながら脅迫を始めたトリーに対して副司令は話を遮ってバッサリと切り捨てる。
「時渡を玉無しにするつもりか?」
「じゃあ、間を取って半玉セール」
半玉セールって何だよおい! 俺の人権! ……って、俺悪魔だったよ!