秋が急にやってきて驚いてますが、一先ず元気です。
さてカケカケ達が順番に風呂で汚れを落とすという事になりましたが、その前に一波乱が起きてます。
それではその続きからどうぞ。
隊長の感想のおかげなのか俺に振ってきた拳骨の痛みを忘れちまった俺は、涼しい顔の彼に思わず問いかけてしまった。
「た、隊長? その、大丈夫なんすか?」
「構うな、些末な事よ」
「些末って、だってメロン味っすよ? そのお茶」
俺の言葉にイッセーと木場とトリーが我が目を疑うように目を見開いていた。しかしその微かな香りを否定できる者が居ない。
そして目の前に居る隊長の脅威に勝てる者も居ない。
「なら一献付き合うが良い」
「ゲッ!」
隊長の誘いと書いて強迫と読む。って現実逃避してる場合じゃねえ! 何とか逃げないとマズい!
思わずイッセー達に視線を向けて、奴らは未成年って一献と言っても酒じゃねえよ! ただのお茶って、ただのお茶じゃ無かったよ!
俺がワタワタと狼狽えているところに、オカ研の女性陣とミッテルトとポーラさんがやってきた。
「ふう、シャワーを使わせてもらったわよ? 時間が時間だからって急いで済ませたのだけれど」
「……あの大きな乾燥機は反則です」
リアスの言葉に続いて文句を並べる小猫。彼女たちの姿は一様にバスローブ姿である。替えの服とかが面倒な時の応急処置として脱衣所には大型の洗濯乾燥機と様々なサイズのバスローブを用意してある。ちなみにそれらは組織の備品扱いとなっている。
そして今、風呂上がりのリアスがテーブルの上の湯呑に目を向けた。1つは隊長が空けたものの、もう1つは手つかずのままであった。
「あら、湯上りの飲み物なんて気が利いているわね」
目ざとく飲み物を見つけたリアスに、俺達はあっと声を上げるのが精いっぱいで止める手も伸ばせられない。そして手にした彼女は湯呑に口を着けた次の瞬間、俺に毒霧攻撃を浴びせてきやがった。
「プゥッ!」
「ぐあっ!」
「なによこれ! 酷い味だわ」
「だからって俺に攻撃してんじゃねえよ!」
毒霧攻撃なんざしやがって! 反則取ってやろうか?
だが、そんな俺達を他所に隊長たちは粛々と動いてた。
「イッセー達男共は風呂に行け。ワシは時渡を引きずって行く」
「仕方ないから後にするわよ」
トリーは学生陣に先を譲り、まだ待つ事を決めたようだ。正直な話、組織側の連絡はトリーが居なくても俺と他の幹部が居れば問題は無い。最低でも支部長権限持ちの俺と補佐官と隊長の三人が居れば本件の詳細まで報告し、必要事項の全てを余す事無く決断できる訳だ。
まあ向こう側、本部で誰が出てくるかが問題になるだけだけどな。良くて司令、悪くても幹部級の誰かが出るのは間違いないけど。
そんでとりあえず男性陣は入浴となる。洗濯物はどうなんだって? ウチの拠点には将来を見据えて大きな洗濯機と乾燥機のセットを丸々5セットも用意してますが何か? 広さを無視するな? ウチは空間魔法で内部調整できる拠点ですが何か?