思ったより早く出来たので投稿です。
ドーナシークとカラワーナは次のお話で。
それではどうぞ。
「ムッ、ワシとしたことが失態であったな。ワシの名はセヴェス・ヘルメサイヤという。そなたの名を聞いても良いか?」
「あっ、はい。私はアーシア・アルジェントって言います。よろしくお願いします」
隊長の自己紹介にアーシアは赤面しながらも答える。怖がることは無いぞアーシア、隊長が怖いのは見た目だけだ、多分。
バッジの事はとりあえずとして、夜も遅いという事でリアスの案内の元、駒王学園を経由して拠点に戻ってきた。
無論、汚れた体のままのリアス達を隊長の封印球から出した黒のボンネットバスに乗せてきたわけだ。
……田舎の山奥でしか見なかったような黒塗りのボンネットバスなんて渋い趣味をしているなとは俺だけの感想だ。
そして部室のシャワーだけでは手狭だろうと組織側の配慮で拠点へとオカルト研究部一同をご招待した。
「なかなかのものね、住宅街にあるから手狭なものを想像していたのだけれど」
「そうかいそうかい、これでもそこそこ広くしたもんだけどな」
俺は拠点に入ってきてはジロジロと周囲を眺めるリアスに対して皮肉めいた口調で応える。組織の拠点は支部長がその魔力を使って空間構築し、必要に応じて拡張してくのが基本だ。その辺りの仕込みは魔道具を敷地内に埋め込んで空間魔法の発動を補助している。お陰で部屋は作り放題だ。
だがそんな余計な事をトリーが口にしてきた。
「その気になれば部屋なんていくらでも増やせるわよ」
そんなトリーの軽口に反応したのが若干名。
「時渡さん、ここに部室を作りたいのだけれど」
「部室は学校の敷地内に作るモンだボケが!」
「グレモリー眷属の休憩室というのはどうでしょうか?」
「眷属が一人もいないのに休憩室かよ、寝ぼけんな!」
「娯楽室を作って欲しいのですが」
「組織の建てモンだ、娯楽室を作る気はねえ!」
リアスに朱乃、小猫が要求してくるのを速射砲で撃ち落とす。まったく、イッセーとアーシアがまだ着任したわけじゃねえから作れるわけがねえってのに。
「ほれ、さっさと女性陣は風呂に行けよ。トリー、案内してやれよな」
「はいはぁ~い」
「いや、待て!」
言った俺が言うのもなんだが行こうとするトリーを思わず止めた。ヤツはふたなりだったんだよ、忘れてたよ。
気付いちまったんだよ、うら若き乙女たちにトリーのあのブツを見せていいモンか、と。女たちの風呂に浮かぶのはおっぱいの方が良いに決まってる、と。
「ミッテルト、お前が一緒に行ってやってくれ、頼む」
「う、うっす」
湯船に浮かぶおっぱいの群れが脳裏をかすめるが、それを振り切ってミッテルトに頼んだ。多分血涙が流れてたかもしれねえ。