ハイスクールD×D 2人の竜戦騎   作:バグパイプ

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遅れてしまってスミマセンm(__)mバグパイプです。
場面はカケカケにもどりますよ(;^_^A
なお、まだやるヤツです(^^;)(;^^)
それではどうぞm(__)m


第56話 扉は開けたらしめましょう

 翔SIDE

 

「それでは共闘する、と言うことで良いですね?」

 

「はひぃ……」

 

 小猫によってズタボロにされた俺は彼女の同意を求める声に何とか返事をする。

 

「俺が女の子になったらどうすんだよ」

 

「決まってるでしょ? アタシがお尻の初めましてを貰ってあげるのよ」

 

「ブレねえなテメェは!」

 

 抗議の声を挙げた俺に対して言うに事欠いて『お尻』と抜かすトリーに俺は呆れてしまった。でも俺はめげない。

 

 そして俺は、教会の扉に手を掛け……る前に小細工として例の収納空間から肌色の丸いもの二つを付けたイヤーカフを取り出しておもむろにそれを被った。いや、ウチの赤毛の謎電波がソレを被れと命令したから……。

 

「……パフパフ♪」

 

 俺が被ったものを見てイッセーが愕然とし、他の面々がとても嫌そうに引きつった顔を見せるが知った事じゃない。そして俺はまじめな顔で扉に手を掛けて引き開けた。

 

「「……」」

 

 その扉の向こうで俺はフリードと目が合った。彼は俺の被り物に呆気に取られたのか動けずに居る。

 

 凄く気まずい空気が漂う中、俺は思わずフリードの瞼に指を掛け、なぞる様にしてその瞼を下ろしてやった。

 

「……おやすみなさい」

 

 そして静かに扉を閉めては後ろを向いて胸を撫で下ろした。

 

「ビックリしたなぁ……」

 

「俺はアンタの行動にビックリだよ!」

 

 安堵している俺に意外すぎたのかイッセーが猛抗議をしてきた。そんなに突拍子の無い行動だったのか、俺の行動は。

 

 俺が不思議がっていると教会の扉が中から開かれ、息を荒げたフリードが姿を見せた。

 

「チクショウ! 扉を開けたらパイオツなんざ、意外すぎて俺様ってば何も出来なかったじゃねえかよ!」

 

 フリードが俺の奇行に対して反応できなかったことを抗議してくる。この程度のことで動けなくなる様では、災害時には個々の判断で作戦展開を強いられる部隊の班長にすらなれない。司令官特製のストレステストで潰されるからな、絶対に。

 

 俺のストレステストの時は試験部屋を出た瞬間に、指令自ら頭にタオルを載せて全裸に桶で股間を隠しながらいそいそとどこかに出かけていく姿を見せられた。あの後、補佐官に連れられて地下へと連行されていく司令官の姿が印象的だった。

 

「そうか? 良くあることだろ?」

 

「あるわけねえだろ!」

 

 俺の慰めの言葉に対してフリードとイッセーが合唱する。まぁ、そうそうある事じゃないのは確かだ。

 

「それで、アーシアはどこにいるんだ? フリード」

 

「そいつを俺様が言うと思うのかよ」

 

 俺が不敵な笑みを浮かべると、相手も不敵に笑い出す。だがこの程度は想定済みで俺とトリーには関係ない。それどころかこの教会の地下に大勢の人間の気が溢れているのを感知している。無論魔力の波動はその気の端に集中しているのも掌握済みだ。ただ、感じ取れる魔力に神聖なものと邪悪なものがあり、微妙に区分されているのが気にかかる。

 

 しかしこれをこいつに訊いた所で判らないだろう。堕天使の魔法と言われたらそこで手詰まりとなる。

 

「時間が惜しいわ。先を急ぎましょ」

 

 俺の気持ちを察してか、トリーが先行する事を提案してきた。

 

「よし、頼む」

 

 俺はとっさの判断でトリーにフリードの相手を任せた。トリーは待ってましたとばかりに満面の笑みを浮かべると、神父に対して向き直る。

 

「なんだぁ? そっちの姉ちゃんが相手をするってかぁ?」

 

「……何をする気ですか?」

 

 場の空気が変わったの感じたのか小猫が顔を顰める。そんな彼女を俺がたしなめる。

 

「お前等の知らない秒殺が始まるんだ、黙って見てろよ」

 

「ぎぃいやあああああー!」

 

 俺が小猫の疑問に答えた瞬間、フリードの悲鳴が室内に弾けた。見ればフリードが床に倒され、トリーが彼の両足を掴んで右の素足で彼の股間を猛烈にストンピングしている。

 

 まあ、いわゆる『電気アンマ』だ。

 

 そんな熾烈な光景にイッセー達は開いた口がふさがらず、間抜けな顔を晒していた。そして僅か5秒でフリードがビクンッと身体を大きく震わせてから沈黙する。男の生理現象を熟知したその攻撃に耐えられる男は居ないだろうことは明白だからやむなしか。

 

 トリーはその手に勝利を勝ち取り、その肩にウインナードラゴンの肩書きを手に入れた。命名は俺。

 

「カケカケ、制圧完了したわよ」

 

「相変わらず良い手際だな、さすがはウインナードラゴン」

 

 俺は速攻で制圧しきったトリーの労をねぎらう。まさかこんなに早く制圧するとは思っても見なかった。5秒でダウンをもぎ取るなどドコの世紀末救世主なのか。

 

「赤毛の謎電波から極意を教わったのよ。つま先の加減を変えつつも踵は獲物を決して外さない、ってね」

 

「赤毛の謎電波、恐るべし」

 


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