スマホが型落ちしたせいか、コピペが巧く機能しないので遅くなってしまいました。
それではどうぞm(__)m
俺は腰にすがり付いてくる嫌な感触を振り払おうとじたばたもがく。しかしトリーのヤツは俺の両足が縛られているのを良いことに、その足で挟んでは腰を押し付けてくる。
いやあっ! ブツがグリグリと当たってるう~っ!
「不潔です」
「俺、襲われてる側!」
舞台袖からこそこそと覗き見しながらボゾリと呟く小猫に俺は被害者だと訴える。
そんな時に俺とトリーの携帯電話から唐突に受信音が鳴り響いた。
ブゥーワッ、ブゥーワッ! ブゥーワッ、ブゥーワッ!
俺は縛られているために電話に出られないが、トリーが自分のポケットから電話を取り出して応対する。
「はい、トリーです……」
『コール・アラート、コール・アラート』
電話の主は女性の声で、そう言い出してきた。その言葉にトリーの顔からおふざけの色が瞬時に消えた。
このコール・サインは緊急指令を告げるもので、優先順位は2番目に高い。
「レシーブ、状況知らせ」
『現在、町外れの地点から異様な魔力変動を感知。至急現場に向かえ。至急現場に向かえ、トス』
トリーが指令受諾して詳細を確認する。どうやら例の教会らしい。もっともそうなる話は事前に聞いていたわけだが。
この場をお開きにするにはもったいない。そう、物凄くもったいない。小猫や朱乃、リアスの衣装だって出番待ちがあるはずなんだ。
『位置はスカイナビにあり。状況を開始せよ、スパイク』
「支援の進展知らせ、レシーブ」
『荷物は到着、荷札待ち、オーバー』
「了解、オーバー」
トリーは拠点側との連絡を終え、携帯電話をポケットに戻す。そしておもむろに懐に手を入れて認識章を取り出した。なお、通信の仕方はバレーボールを参考に構築されている。その方がスムーズにやり取りできるからだ。
……イッセー、どうしてそこで鼻の下が伸びる? こっちを見る暇なんか無いだろ。
「カケカケ、拠点から出動要請が来たわよ」
トリーは俺に声を掛けてから認識章を自分の耳に当てる。すると認識章の周りを縁取る黒いゴムが変形し、耳当てとなってそこに固定された。そして更に前に向かって透明な板がせり出し、片目を覆うように広がって見せた。
「スカイナビ、起動」
トリーの声に合わせて目を覆うカバーに文字が浮かび上がり、それから文字が点滅するように切り替わっていく。その変化に伴ってトリーの指が耳を覆う認識章をコンコンと叩き、画面を変化させていく。
……あっと、見とれている場合じゃなかったな。でも縄が邪魔で動けない。仕方が無いから引きちぎるか。
俺は全身を縛る縄を解くために両腕を広げて縄を引きちぎり、自由を取り戻す。
「ウソッ!?」
リアスがそれを目撃し、目を白黒させているが、知ったことじゃない。俺は自分の認識章を取り出し、スカイナビを起動する。
「スカイナビ、起動」
俺の音声を受けて俺の認識章が起動する。おなじみである初期動作を表示した後、俺の左目に情報更新完了の文字が浮かんでは消える。
「マップはどうする?」
「衛星から直で読みましょ。拠点からのデータが使えるはずだし」
俺の確認に対してトリーは何気なく答える。スカイナビを通す情報は全て次元衛星に集約され、隊員が共有できるように工夫されているのだから愚問だったようだ。
そうこうと打ち合わせをする俺達に対して、グレモリー側は木場がイッセーの縄を解き、他の面々が着替えをしに舞台袖に戻っていた。
そんな光景を見てしまった俺は思わず男泣きを始めてしまった。
「くうぅ~っ、現役女子高生でブラずらファイヤーする夢がぁ……」
ズパァンッ!
俺が妄想を零したところに、リアスからの猛烈なハリセンの一撃が叩き込まれた。
「何バカな事言ってるの! 古いアニメじゃないんだから、女の子の胸からビームなんて出ないわよ!」
「違う! 昔のアニメはおっぱいミサイルだ!」
ズバンッ!
リアスの反論に思わず俺が訂正を入れると、リアスがキレて俺の頭をハリセンで叩いた。
後日判明する情報だが、アガスティアの話ではリアスはそう遠くない、1年以内にビームをその胸から発射するらしい予言が出たとの事だった。
リアス達が制服に着替えたのを見て俺とトリーは別の意味で安堵する。何しろ今、彼女達が着ている制服は普段彼女達が着ているものでは無く、トリーがこっそりとすり替えたトリー特製の防護制服である。大抵の神聖な力を無効化する対聖性を誇り、1度だけなら天罰さえも無効化するという強力な魔法が施されているのだ。その魔法の有効性はあの指令が自ら実証してくれた、最高神ゼウスに喧嘩を売る暴挙で。
「えっと場所は……マップ・リンク」
トリーは問題である魔力発生源を示すマップを表示させ、場所を確認する。俺も逸れに倣って確認すると、その場所に覚えがあった。
その場所は、アーシアの居る廃教会だった。
「魔力発生源があの教会か、まずいな」
俺が目を細めて顔をしかめると、その声を聞いていたのかイッセーが今日g宅に震えだした。
「なっ! まさかアーシアが!」
「急ぐとしようか、イッセー」
俺はイッセーに近づき、彼の肩を叩く。トリーはその間にスカイナビを操作しては現場への最短ルートを割り出していた。
そんな俺達の前でリアスは木場と小猫に指示を出していた。
「祐斗に小猫、イッセーがバカな真似をしないように見張って頂戴」
「「はい、部長」」
俺はその会話を聞いて間抜けな顔を晒してしまう。だがリアスはそんな俺を一言で切り捨てた。
「教会は敵の領域なのよ? そんな所に下僕を送り出すバカな主は居ないわ」
「ナルホドね」
リアスの言葉に改めて呆れてみせる。そしてイッセーに視線を向けると横に居るはずのイッセーがいつの間にか厳しい顔で部室の入り口へと駆け出していた。
「チッ! 行くぞトリー」
「オーケイ!」
俺の声でトリーもイッセーの後を追いかけ始めた。そして木場と小猫も俺達に続く。
部室に残ったリアスは朱乃に声をかけた。
「朱乃、ちょっと出かけるから付いて来なさい」
「はい部長」
2人は別行動を取るようだ。何処に行くのかはまったく分からないが。
(小説のメモ帳)
ブラずらファイヤー
おもむろにブラジャーを擦り上げ、もしくは擦り下ろしておっぱいをもろ出しにする荒業。それを見た男が鼻血を吹き出す様から名づけられたとされる。