ハイスクールD×D 2人の竜戦騎   作:バグパイプ

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どうもバグパイプですm(__)m
ここ最近の多忙に追われ、投稿が遅れてすみませんですm(__)m
それではどうぞm(__)m


第51話 グレモリー陣営のファッションショー?

「時渡さんの給料が豪勢だと説明されましたので改めて」

 

 小猫がひと段落をつけるように呟くと、皆が相談でもしたかのごとく息を合わせてきた。

 

「「「じぃ~っ」」」

 

 そんな物を強請る目で俺を見るんじゃねえよ!

 

 俺は思わず声なき声で叫んでしまった。しかし、トリーの手元が妙に動いているのを見つけてしまった。

 

 両手は何かを摘んでいながらも左右に広げるように形を取っている。エキスパンダーなら手は握るよな?

 

 もしや、伸ばせって事か。だが伸ばすにしても変にこの場を断れば場がしらけて出撃しかねないか。

 

「……わ~たよ、出してやろうじゃねえか! そん代わり……」

 

 俺はそう言ってトリーを睨む。するとアイツはウインクで答えてきた。

 

「稲妻な本気を見るのです」

 

「ちょと待ていっ!」

 

「任せなさい! 私の総力を結集してあげるわ!」

 

 トリーが俺に向かって任せなさいと豪語する。報酬が一気に跳ね上がった反動だろうか、ヤツのやる気に火が点いたらしい。

 

 

 

 そして、再び俺が簀巻きに巻かれてしまった。スポンサー様を何だと思ってやがるんだ!

 

 

 

「えっと、というわけで、これからグレモリー陣営のファッションショーを開催します司会進行はこの僕、木場が務めます」

 

 ステージ上で木場が少しばかりしどろもどろに言葉を並べてみせる。その向かい側の齧り付きの観客席では、俺とイッセーが椅子に縛られた形で座らされていた。

 

「ガッデム!」

 

「時渡さんよりもこうしているわけには行かないってのに」

 

 俺とイッセーは涙を流しながら歯を食いしばっている。しかし救いの手は何ひとつ無い。

 

 ……仕方ない、少し冷静にさせるか。

 

「イッセー、お前は作戦も無しに乗り込む気なのか?」

 

「えっ!?」

 

 俺が話しかけるとイッセーが驚いた表情で俺を見つめてくる。

 

「ただ押しかけてアーシアを取り返す、それがどれだけ難しいか考えたか?」

 

「そ、それは……」

 

「そんなお前の無茶を見かねて一芝居打ってるんだ、理解しろよな」

 

「……そうなんすか?」

 

「だから段取りが大事だと俺とトリーが示した。特攻隊長だって、無策で突っ込みはしねえ、端的でも作戦を立てて動く」

 

 俺は自分の実体験を下に作戦の必要性をイッセーに説き伏せる。ダークネスは昔から突撃を得意としているが、それでも作戦会議だけは決して疎かにはしなかった。むしろ突っ走ろうとする俺が何度もねじ伏せられて椅子に座らされたぐらいだ。

 

 増して作戦を聞かなければ迷わず待機命令で監禁されたほどだ。そう、待機とは名ばかりの、大型犬の檻に押し込められての監禁だ。檻の名札に『ポチ』や『パトラッシュ』だの、『舐め犬』と書かれていたのを見た時は長ランとえらく太いボンタン着こんで泣いたもんだ。

 

 俺の経験談交じりの説得を聞いたイッセーの表情は何とも言えないものだったが、それでも言いたいことは伝わったのか、先ほどまであった強情さはなりを潜めた様だった。

 

「今はとにかく、心のゆとりを取り戻すのが先決だ。今を楽しめ」

 

「はい!」

 

 俺のアドバイスにイッセーが返事をする。これでとりあえず、最悪の難関を1つクリアできたな。

 

 俺はそう確信してステージへと視線を戻すと、木場が説明を始めていた。

 

「大丈夫ですか、はい。それでは参ります。エントリーナンバー1番、前面に押し立てた愛くるしさをご堪能ください、『ハムスター』をどうぞ!」

 

「あーははははっ! スゲェ!」

 

 木場の前振りを受けてステージに姿を現した小猫を見て俺達は笑いが止められなかった。

 

 反則級だろ! だってチョコンと顔の出るタイプのハムスターの着ぐるみで、しかも無表情の様で居て羞恥に震える様は愛情さえ感じてしまう!

 

 トップバッターのプレッシャーをこんな形で台無しにするトリーの妙技! 恐れ入るぜ!

 

「トリーッ! 女王様のファッションショーじゃなかったのかよ!」

 

「そんな前提、3人が入った時点で崩壊したわよ、ご不満かしら?」

 

「んなことはねえ! 「グッジョブ!」」

 

 舞台袖から顔を出すトリーに俺とイッセーは満面の笑みで賞賛する。

 

「トリー! この光景をぜひ写真に! 心に留めとくだけなんて勿体無いぜ!」

 

「カケカケは甘いわ! 映像で撮らない馬鹿は居ないのよ!」

 

 トリーは俺の要求を蹴飛ばし、リモコン片手に映像を確保していると明かしてきた。

 

「でかした! コピーをプリーズ!」

 

「メイキングもつけたげるわ!」

 

 トリーがノリノリで俺の要望に答えると豪語した時、あいつの手の中のリモコンがハムスターの手で握りつぶされた。

 

「……変態、死すべし」

 


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