ハイスクールD×D 2人の竜戦騎   作:バグパイプ

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 どうもバグパイプですm(__)m
 クリスマスでも多忙なもので、申し訳ないですf(^^;
それではどうぞm(__)m


第43話 イッセーとアーシア

 

 

『オマケはとにかく、通信したのは続報を渡すためだ。』

 

 司令は襟を正すと仕事モードへと切り替わる。

 

『ゾルの事に付いては7大司法庁の完全一致を以って死刑に変更となった。その際の執行官はダークネスの隊長となる。それと見届け役としてポーラが任命された』

 

「隊長がこっちに来るんですか!?」

 

 俺は聞き間違いかと、思わず聞き返してしまった。

 

『ああ、司法庁の1つ、冥府がダークネスの隊長を指名した。そして彼もそれを引き受けた』

 

「本来、そういう事は死神職の誰かに回らないんですか?」

 

『回したくても適任のヤツが機材の修理中で動けないんだよ』

 

 司令は現状を忌々しそうに吐いて顔をしかめる。ああ、そうか。

 

「副司令はまだ修理の最中ですか」

 

『基盤のテストまで2日掛かるってぼやいてやがった。それとそっちの3人組、テメェ等の中の誰でも良い、1人が竜戦騎になった所で実戦配備だ。覚悟だけはしておいてくれ』

 

 司令の言葉に3人の表情も引き締まる。

 

『そうそう、テメェ等の給料は本件に関しては手取りで一律200万だ。後は依頼が無い限りは毎月100万の手取り給金で雇用契約を結ぶぞ』

 

「マジっすか!?」

 

 見習い手当てに報酬金を上乗せした給料って所か。

 

 俺は驚く3人を尻目に簡単な給料計算をする。

 

『それと今回竜戦騎になれなかったとしても、後日竜戦騎にしてやるから諦めるな。テメェ等が組織の中で最弱過ぎるのは不本意だからな』

 

「……組織内最弱……なのか」

 

 ドーナシークは自分達の置かれた立場に愕然としているが、それでも組織は能力弱者を見捨てはしない。

 

『嘆くな。俺達はテメェ等を即戦力に仕立てるだけの用意をしてるところだ。本来なら資格を取らせてから鍛えるんだがな』

 

 司令はそう言って落ち込むドーナシークを慰める。まあ、確かに組織に入った当初は誰でも戦力外扱いだったのは認めるし、司令達だって本気で鍛え上げるわけだが。

 

『それに考えてみろ。お前等をお人好し思考でスカウトするか? 今後も見据えずにスカウトする馬鹿はウチには居ねえ』

 

「そうですね」

 

 確かにそうだよな、と思い、俺は言葉を続けてきた司令に賛同してしまった。

 

「ここまで言っても信じられないなら、後は補佐官に身の上話でも聞け。アイツがウチで一番の出世株だ」

 

 ……うそ……。

 

 俺達全員は司令の言葉が一気に信頼をなくす瞬間を目の当たりにした。でも天使で竜巫女という職種に付いているのは彼女1人だけだし、司令の言っていることに嘘はないのかもしれない。

 

「……料理はヘタなのに?」

 

「あれでも昔に比べて進化した方なんだ」

 

「……進歩じゃねえのかよ」

 

 補佐官の料理ヘタが進化の軌跡と知らされ、俺は愕然となった。

 

『さてと、つまらねえ話はここまでにして、これから装備を整えて出動せよ、場所は報告にあった兵藤一誠の気配を辿れ! 事は一刻を争う!』

 

 唐突に放たれた出動指令に俺とトリーはその場で敬礼をして受け止めた。

 

「了解です。トリーはすぐにイッセーの気配を探せ。他の三人は装備を渡す」

 

 俺の指示を受けてトリーはすぐに動き出す。また3人もリビングを出ようとする俺の後ろに付いてきた。

 

 

 

 地下で簡単な装備である防刃ジャケットと赤いベレー帽を被って俺たち5人はトリーの案内のもと、イッセーの居る場所へと向かった。そこは1軒の民家で外から見た限りでは何の変化も無いが、明らかに異常を物語る不穏な気配が肌に突き刺さってきた。

 

「うわ~っ、なんすか、この気配」

 

「どうやら悪魔祓いが居るようだな」

 

 顔を引きつらせているミッテルトに俺は悪魔祓い師の存在を示唆する。

 

「あのイッセーの気配があるけど、少し弱ってるわね」

 

「ふむ、あの時の小僧か」

 

 トリーの呟きにドーナシークが彼を懐かしむ。

 

 そして俺が警戒しながら玄関のドアを開けると、中から血の匂いが漂ってきた。

 

「あんれぇ~っ、お客さんですかぁ~っ?」

 

 人をあざ笑うようなふざけた口調が俺たちの耳を掠める。どうやらフリードが居る様だ。

 

「と、時渡さん!?」

 

 それとあのアーシアってシスターもそこに居た。見ればイッセーが太ももを銃か何かで撃たれ、血を流している。

 

「何をしている」

 

「この家の家主は悪魔召喚をしようとしてたんすよ、だから悪魔祓いのお仕事をしたわけでぇ~す」

 

 俺の問いかけにフリードは舌を出しながらふざけるように答える。

 

「そしてこれから、そこの悪魔をぶっ殺すんだよ!」

 

「やめてください! イッセーさんは……」

 

 フリードの殺害宣言に対してアーシアが止めに入る。

 

 割り込んできたアーシアの真剣な眼差しを見たフリードは、次に俺を見つめてきた。

 

「あ~っ、ったくっ、ケチがついたもんザンスねえ。次から次に」

 

 忌々しげにため息をついたフリードの声に合わせた様に、俺達の近くの地面で魔方陣が紅の光を放ちながら浮かび上がった。

 


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