ハイスクールD×D 2人の竜戦騎   作:バグパイプ

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どうもバグパイプですm(__)m遅れてすみませんですm(__)m
ドーナシーク達はどうなるのか?次回が楽しみですが、とにかく、どうぞm(__)m


第36話 意地は何もかも貫く

 俺はリアス達から得た情報を拠点に持ち帰り、補佐官に説明する。すると彼女は少し渋い表情を浮かべだした。

 

「困ったね」

 

「どういうことですか?」

 

「少なくても相手は土地勘のある味方を手に入れた。これはさしてアドバンテージを持っているわけじゃないけど、知識はかなりのアドバンテージになるよ。神器を取り出す方法を持っている、その詳細が判らない限りは切り札に近い存在感を持ってるよね」

 

 補佐官はそう言いつつ、なぜか右手にピコットハンマーを持ち出す。

 

「それにレイナーレって堕天使も気になるね……って、気を乱さないの!」

 

 補佐官はそばでウンウン唸っているカラワーナの頭をピコッと叩いた。

 

「イタッ!」

 

「見て無くても気は感じ取れるんだよ。気を乱せば爆発力が調整しきれないから暴走するぞ」

 

「補佐官、それで指導になるのかよ」

 

「んっ? 痛めつけるのが指導ならオリハルコンバットを出すけど?」

 

 俺の出した注意に対して補佐官はきょとんとした表情でとんでもないことを言い出した。

 

「ボクが『秩序を語る粉砕バット』の名を欲しいままにしてた事を、知らない時渡君じゃ、無いよね?」

 

 ニッコリと笑いながら俺を脅迫してくる補佐官。言われてみれば確かに、司令と副司令が悪ふざけをしだすと必ずバット片手に追い掛け回す補佐官の姿があった様な。

 

 ……時々、俺もその中に居ました、追われる側に巻き込まれて。

 

「何はともあれ、彼女達は見事なものよ。普通なら1週間は掛かる気の練り上げをこの短時間で半分以上こなしたんだから」

 

「それは貴方の指導が優れているから」

 

「潜在能力の質も良くないとこんなに上手くは行かないよ」

 

 カラワーナは謙遜するが、補佐官はそんな事は無いと言葉を添える。

 

「とりあえず、カラワーナさんはこのまま続けるとして、ドーナシークさんだね」

 

 補佐官はそう言ってドーナシークが眠る培養層へと向かう。培養層の中では確かにオーナシークが眠っているのだが、心なしか髪の色が少し灰色がかっているような気がする。

 

「うん、思ったとおりだね。理論上では堕天因子は身体全体に拡散している。だから体内比率を変化させるだけで因子が薄れるわけだ」

 

 スタッフ・ド・RBが独自に入手している堕天因子の情報を参考に補佐官が独自の推論でドーナシークを実験台にして堕天因子の除去を進めていた。まさかそんなことをしていたとは露知らず、ましてやその結果がこうして現れていることなど知りもし無かった俺は、ただ呆然としていることしか出来なかった。

 

「出来れば堕天因子を完全除去したいけど、それは無理な話しだし、無力化も出来ないからこうして少しずつ減らすことしか出来ないか」

 

「それでも画期的なことよ!」

 

 カラワーナは補佐官に理論に衝撃を覚え、うろたえる。

 

 だがその時、上のリビングで通信機から呼び出し音が鳴り響いた。

 

 何故かその時、補佐官の背中が飛び跳ねたのは気のせいだろうか?

 

 俺はすぐにリビングへと向かい、その足で通信機を立ち上げて通信回線を開いた。

 

『そこに補佐官が居るだろ!? 出しやがれドちくしょう!』

 

 通信に出たのは副司令で、物凄い剣幕で補佐官を出せと騒ぎ立てる。

 

「何が遭ったんですか、副司令」

 

『時渡、本当にすまない。前回にダークネスの応援が遅れるって言っただろう、それが本当になってしまった』

 

 はい? 応援の到着が遅くなるのが本当になった?

 

 俺は副司令の言葉が理解できず、間抜けな顔を晒してしまった。

 

『司令の差し金で補佐官が勝手に転移したもんだから、本当に転送装置の回路が焼きついて交換する羽目になった』

 

「えっと、要約すると副司令の指示は前回のままということですか?」

 

 俺は事態がいまいち飲み込めず、一先ずの所を口にする。

 

「そうだな、その形になるが、追加でそこの補佐官をこき使ってくれ。修理代は補佐官の給料から天引きすることを伝えてくれ』

 

「了解です」

 

『こんな事が無ければ数日で新型の基盤のテストまで持っていって強化までこぎつけたのによう。お前のせいだよ! そこのリビングの入り口に隠れている補佐官!』

 

 ビクゥッ!

 

 リビングの入り口で大きく影が跳ねるのが見えた。

 

『お前のせいでテスト期間が作れるかどうか判らなくなっただろうが! 反省しろドちくしょう!」

 

 補佐官の姿を発見してしまったがために怒りを再燃させてしまった副司令。そして画面の隅に見てしまった、何故か血まみれのハリセンとそれを頭に刺して倒れている司令の姿を。

 

 さ、殺人事件発生!?

 

「どうし……なっ! 何だ、そこのヤツは!」

 

 驚き叫ぶ声からしてドーナシークが俺の後ろに立って、画面の向こうで倒れている司令の姿を見てしまった。しかし画面の向こうの副司令はまったく動じていない。

 

「んっ? ああ、コイツならこの程度じゃ殺せない。どうやったらコイツを殺せるか時渡は知らないか?」

 

「俺が知りたいですよ」

 

 元死神職の副司令が殺せない相手の殺し方なんて俺は知らないぞ。




(小説のメモ帳)

竜巫女

 竜羅の行など竜戦騎に関わるまつりごとに必ず出てくるといわれている巫女で竜戦騎の長役でもある、竜戦騎が大戦に出陣する際には後方支援を担う。現在では竜羅の森に居るシャンスバティともう1人のみが竜巫女として存在している

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