ハイスクールD×D 2人の竜戦騎   作:バグパイプ

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どうもバグパイプですm(__)m
新章突入という事でドーナシーク達はどうなるのか?
ギャグを入れる隙間はあるか?
それではどうぞm(__)mの


第3章 廃教会のイントルーダー
第35話 勝利呼ぶ福音


 ドーナシーク達を鍛える事が決まってから次の日、9時に開始のゴングを鳴らす者が転送装置から降り立った。

 

「ふう、初めて転送装置を使ったけど、悪くは無いね。転移みたいでさ」

 

 どこか男の子の雰囲気を残す可愛い女性が転送装置から出てくる。彼女こそ組織のNO,3にして組織の良心と噂されている補佐官だ。

 

「ようこそ補佐官、こちらの拠点へ」

 

「うん、久しぶりだね。時渡君」

 

 補佐官は俺との挨拶を交わすとそのまま話を切り出してきた。

 

「それで状況の進展は何かあった?」

 

「あちら側は特に。こちら側ではゾルはこの町の教会に潜伏していることが分かってます。それとギリギリですが再生以外の回復が完了しました」

 

 俺は補佐官の要求する情報を残さず明け渡す。すると少しだけ間を置いて彼女は言葉を漏らしてきた。

 

「うん、思っていたよりも悪くはなっていないね。ゾルが戦力を整えだしたのはマズいけど、こっちも戦力を整える機会に恵まれたし」

 

 補佐官はそう言って現状に大きな不安が無いことを示唆してきた。確かにゾルとレイナーレの合流は問題だが、こちら側はその他のドーナシーク達3人が合流してきたのだ。心配は有っても不安は無い。

 

「それで竜羅の行についてだけど、その前に指導を入れたいんだよね」

 

「……へっ?」

 

 補佐官の唐突な言葉に俺は目が点になる。

 

「どういう事ですか?」

 

「だから行をする前段階として竜騎士と竜戦士の証を揃えないとダメなんだよ。幸いここには竜戦騎2人が居るし、ボクは竜巫女だから間に合わせも出来るよ」

 

 間抜け顔を晒す俺に対して竜羅の行をする下準備の必要性と、指導者の確保を補佐官が語る。何でも竜騎士、竜戦士の指導は竜戦騎や竜巫女でなければならないと決められているとの事だ。

 

 だがその中に聞き流してはいけない単語を俺は聞いてしまった。

 

「……補佐官が竜巫女……ですか?」

 

「……その様子だと、簡単にしか言われてなかったみたいだね。司令は昔から言葉が足りないって言われてるのに直す気が無いんだから」

 

 

 

 そんなこんなで俺達はドーナシーク達を連れて地下へとやってきた。

 

「地下に培養槽を置いてあるのは幸いだったね。これで片腕の彼を鍛えられる。あとの2人はボクとトリーさんで鍛えれば大丈夫だよ」

 

 竜羅の行をする前の鍛錬に指導者として補佐官からトリーが名指しされた。その事にトリーが面食らっている。

 

「わ、私ですか?」

 

「3人が堕天使というのなら、僕達天使が指導するもんじゃないかな? それに悪魔の時渡君には悪魔である協力者との連携を取ってもらいたいし」

 

 補佐官は指導者の人員配置は適材適所と言って決め込んでいた。しかも拒否権は微塵も無いらしい。

 

「というわけで、貴方方3人にはそれぞれの方法で2つの称号を獲得してもらいます。貴方達が強くなりたいと息巻いた事は知っています。ボク達は貴方方が諦めない限り、必ず獲得させますので逃げ出すことを諦めてくださいね」

 

 ニッコリと、清々しく可愛い笑顔で逃亡は許さんと豪語する補佐官に、3人が自分達の将来を悲観したような表情を浮かべている。

 

 うわ~っ、鬼が居やがるぜ。

 

 こうして始まった称号獲得の鍛錬だが、ドーナシークは培養槽の中に沈められて身体の鍛錬と欠損した腕の培養をさせられている。その近くではカラワーナが補佐官から竜気の指導を受けている。そして幾分離れた場所ではミッテルトがトリーを相手に組み手をさせられていた。

 

「はい、へその辺りに力を入れて、そこから湧き上ってくる力を胸の所まで持ってくる」

 

「かなり難しいわね、これ」

 

「ホラホラ、防御が弱いわよ、ちゃんとカバーしないと」

 

「うわうわ、追いつかないっすよ」

 

 鍛錬風景の中で何もしてない俺、完全にのけ者してます。仕方が無いから自分の仕事をしてきますか。

 

 

 

 ということで俺は放課後のオカルト研究部部室に来ています。お土産代わりにカステラを用意して。

 

「あれから連絡が無かったのはそういうことなのね?」

 

「まあね。ゴタゴタしてた故の連絡ミスだよ」

 

 俺はリアスに事の顛末を報告し、現状の情報交換をしている。リアスの側の変化としてはどうやらあの神父と一戦交えたらしく、イッセーが酷く落ち込んでいる。

 

 イッセーが落ち込んでいるのはアーシアを連れて帰れなかったことらしいが。

 

「あの黒い神父がねえ。そうなるとアーシアの身の危険は途方も無いな。しかし、神器を抜き出すなんて事が出来るのか?」

 

 俺は新たに湧き出た疑問、神器を人間の身体から抜き出す、という事について言及した。それが出来るということは、俺達竜戦騎の身体から鎧を抜き出す事が出来るという事になるかも知れない。

 

「堕天使の方が神器についての研究が進んでいるのよ。堕天使の総督がそっちの方に詳しいらしくてね」

 

「だとなると、もしかして有能すぎて愉快な性格してないか? その総督サマは」

 

 俺はリアスの話を聞いて思わず脳裏をよぎったあの2人と似ている感じがしたので思わず訊いてみた。すると彼女はその事には首を傾げた。

 

「さあ、私は逢った事が無いから知らないわ。朱乃なら知ってそうだけれど、教えてくれないのよ」

 

「ふうん、まあ、本気で聞きたかったわけじゃねえから忘れてくれ」

 

 何というか、状況としてはじわじわと悪い方向へ向かっているのは分かるが、止める手立てが思いつかない。少なくても鍵となるだろうアーシアの身の安全の確保を考えるべきだろうが、下手に動けば時期が早まって戦力不足に陥りかねない。最悪のまま少し泳がせて状況の変化を待つべきか。

 

 俺は彼我の戦力差と互いの手札を読みつつ次の一手を推考するどうやらイッセーとアーシアが鍵となっている事だけは判るのに、妙に動けないという困った事態に陥っているようだ。

 

 

 




(登場人物紹介)

 補佐官

 スタッフ・ド・RBの幹部の1人で座天使。司令と副司令の暴走をそばで食い止める所から『組織の最後の砦』とか『組織の良心』と呼ばれている。また竜巫女と呼ばれる極僅かな者しかなれない職業にも従事している。

称号

 組織の良心 組織の最後の砦 慈愛を体現する者 秩序を語る粉砕バット

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