ハイスクールD×D 2人の竜戦騎   作:バグパイプ

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どうもバグパイプですm(__)m
遅れてすみませんですm(__)m
これでこの章は終わり、次の章に移ります。
それではどうぞm(__)m


第34話 命と意地と覚悟

 

 

 ミッテルトと些細な話に花を咲かせている所に、物資を取りに行っていたトリーが荷物を抱えて戻ってきた。

 

「ただいま、荷物を持ってきたよ。持ってこれないのは下に置きっぱなしだけど」

 

 トリーはそう言ってテーブルの上に荷物を置く。下というのはこの拠点の地下、転送装置の置いてある部屋だ。俺が何気に学校の教室ぐらいの空間へと広げてしまったが、ことのほか便利になった。

 

「悪いな」

 

「良いわよ、カケカケの初めましてを貰えるなら」

 

「うせろボケ」

 

 トリーの軽口に対して俺は笑顔で即座に切り捨てる。まだ俺のケツを諦めないのか、トリー。

 

「とっ、トリーさん、そっちの世界じゃ、堕天使が天界に帰れるってホントっすか?」

 

「本当です。平和協定はそれを可能にしてくれました。でなきゃ私は魔界から天界に帰れないわよ」

 

「……マジでカケカケさんの言うとおり天使だったんすね」

 

 トリーの返答を聞いてミッテルトは愕然としている。しかしその一方で自分達にも希望がある事を認識した様だ。

 

 

 

 そして色々とあって午後、俺達は昼食を取った後、立体パズルを組んでます。……って、聞こえが悪い? 確かにドーナシークの欠損した腕を再生させるための、肝細胞を着床させるためのボーンを組んでいるところですよ。

 

「何か面白そうっすね」

 

「手を出すなよ。変な風に組み上がったらドーナシークが泣くぞ」

 

 俺は手を出したそうにしているミッテルトに手出し厳禁と注意する。

 

「これが俺の腕になるのか?」

 

「こいつはそのベースだ。こいつに肝細胞をつけて培養して腕を作る。お前の細胞で作るから拒絶反応は少ないぞ」

 

 ドーナシークが不思議そうに見つめているが俺は説明を添えて納得させる。

 

 ん? イマイチ反応が悪い。

 

「分かったよ、お前の手の甲にお尻作ってやるから」

 

「作るな」

 

「悪かったよ、この指の先の所に胸のポッチを作っておくから指を咥えて待ってろよ」

 

 スパンッ!

 

 ……ミッテルトとトリーにスリッパで叩かれました。

 

 俺は叩かれた頭を押さえながら、堕天使3人に向かって話を始めた。

 

「さて、こんな事態を前にしてそっちはどうする?」

 

「どうするか……、か」

 

 ドーナシークはため息混じりに呟き、顔を伏せて思案を始める。

 

「アンタの世界の傭兵ってんなら、あたし等にとってはバケモンすよね」

 

 ミッテルトは早くも諦め口調で呟いている。

 

 だが、カラワーナは俺達を強い眼差しで見つめていた。

 

「もし、貴方達が私たちに力を貸してくれるなら、何とか出来るんでしょ?」

 

 俺はそれを聞いて三人の顔を見据える。どうやら何か覚悟のようなものを秘めた強い目をしている。

 

 

 

 

『それで、何を言ってるか分かってるのかな? 貧乏くじ当たる君』

 

 俺は通信機越しに司令から直々に、正気を疑われている。あれから俺は三人の説得に折れ、こうして回線を開いてしまったわけだ。

 

「全部を理解した上で言ってますよ、司令。ですから」

 

『みなまで言うな。分かってるならそれで良い。面倒を見るって事で良いんだな?』

 

 俺の言い訳を遮って理解を示す司令に、俺は内心で感謝する。俺の後ろに居るあの3人も喜んでいるようだし。

 

『ふう、現地での部隊員として登用出来ないか、ときたか。そいつ等に叩き上げをやるのか?』

 

「やるしかないでしょう。俺達に近い実力を求めてるのが今回の仕事なんですし」

 

『だが今回の事件を前にすると、それだけじゃあ弱すぎるぜ。即席で竜羅の行をやるしかねえな』

 

「竜羅の行、ですか」

 

 俺は久々に聞く単語、竜羅の行に息を呑む。この言葉を聴いたのは俺が竜戦騎になる前だけだ。いわゆる単身で1匹のドラゴンを倒す試練。

 

『そうだ、そいつ等にそれぞれ一匹のドラゴンを倒せるようにしろ。それが出来なきゃこの事件に付いては待機組に回す』

 

「拒否権は無いですよね?」

 

『あるか、そんなモン』

 

 慈悲を求める俺の声を司令は容赦なく切り捨てる。こうして堕天使3人組は仲良くそれぞれドラゴンを倒す試練を受ける羽目になった。

 

『とにかく竜羅の行の見定め役として補佐官をそっちに送るからよろしくな。作戦開始は明日のマルキュウマルマル、そちらに補佐官が到着すると同時に決行する』

 

「了解です。明日のマルキュウマルマルに補佐官の到着と同時に作戦開始します」

 

 司令の命令伝達に対して俺が復唱し、敬礼を持って締結する。これでこの件が正式に作戦行動として組み込まれた。

 

 それと同時に彼等の運命がコレで見えなくなったのは言うまでも無い話だ。強く生きるんだよ、三人とも。




(小説のメモ帳)

 竜羅の行

 竜戦騎になるための最終段階におかれている危険な荒行。その内容は1人でドラゴンを倒すことだが、ドラゴンは最強生物として君臨している種族であり、無傷で達成できた者は未だ1人もいない。翔でさえ右肩と左足の骨折、出血過多の重傷を負ったほど、危険なものである

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