ハイスクールD×D 2人の竜戦騎   作:バグパイプ

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どうもバグパイプですm(__)m
今回はあの若い神父が初登場しますm(__)m
それではどうぞm(__)m


第28話 白装束の黒い神父

 休日を明けて俺とトリーはオカルト研究部部室のドアをノックしてから開けると、イッセーが直立不動の姿勢でリアスから説教を受けていた。

 

「良い? イッセー、教会は天使の領域なのよ。もしもの事が遇ったらどうするの?」

 

「すみません、部長」

 

「今後、二度と教会に近づいてはダメよ。分かったわね」

 

「了解です、部長」

 

「……近づくなら、私のおっぱいにしなさい」

 

「はい、部長……って、えっ!?」

 

 リアスがイッセーに教会に近づかないことを約束させた後を、俺が引き継いでリアスのおっぱいに近づけるように約束させてやったら、彼は呆気に取られ、リアスが逆上しだした。

 

 ズッパンッ! ズッパンッ! ズッパンッ!

 

 俺は逆上したリアスのハリセンで滅多打ちの刑に処された。

 

「ゆっ、油断も隙も無いわね。まったく」

 

「だからってここまで滅多打ちにするか!?」

 

 肩で息をしているリアスに俺はボロボロにされたことを抗議する。

 

「あらあら」

 

「……今のは時渡さんが悪いです」

 

 朱乃と小猫は苦笑しながらも俺を非難してくれる。

 

 まったく酷いもんだ。しかもハリセンは下ろしたての新品だしよ。前回よりも大きくなってやがるし。

 

「チクショウ、女連中の俺を見る目が前より酷くなってやがる」

 

 俺はチラリとトリーを見る。

 

「トリー、俺を慰めてくれ」

 

「じゃあ、お尻の初めましてプリーズ」

 

「帰れ」

 

 俺は本気の目で俺の尻を求めるトリーに対して、容赦なく一言で切り捨てる。すると部室の隅にアイツは駆け込み、その場で壁に向かって座り込んでしまった。

 

「私は本気で良いヤツなのにぃ」

 

「俺のケツを求めなければ、本気で良いヤツだと思うよ」

 

 壁に向かって拗ねているトリーだが、ここのケジメはしっかり付けないといけない。

 

「とにかくトレーニングの時間だ。準備しないとな」

 

 俺はそう言っていそいそと上着の袖をまくり、ポケットから万年筆を取り出す。

 

 トリーが何故か俺のその動作に感づき、ピクンと反応する。だが俺はそれに構わないことにした。

 

 袖まくりで判った方は居ますか? 居たら皆さん、ご一緒に。

 

「まぁーくぅりーっ! ぱわぁあぁーっ!?」

 

 万年筆を上に高々と掲げて叫んだ所で、腰骨に下から衝撃がズドンときた。

 

「それもダメだと私は言い切る」

 

「……トリーィー。てぇんめぇ~っ」

 

 俺がギャグに走るのをトリーは容赦ない手段でねじ伏せた。片足を上げてプラプラさせている所からして玉蹴りか。

 

 トリーの仕打ちでしばらく動けない俺は皆の監督をするという名目で休まされていた。実質的な指導はトリーの独断と偏見で行われている。そして俺は手当てと称されてえらい扱いを受けていた。腰がえらく重くて仕方が無い。

 

「トリー……、この包帯、取ってくれよう」

 

「オムツみたいで面白いからヤダ」

 

 

 

 今日の練習が終わり、岐路へと付く俺達だが、目の前に白い神父姿の若造が通りかかった。金髪で妙に鼻に付く表情を浮かべるその若造は、俺を見るなり妙なことを口走ってきた。

 

「おんやぁ? こんな時間に悪魔さんですかぁ? 逢魔ヶ刻に悪魔に会うなんて、俺様ってば不幸ちゃんですかぁ?」

 

 神父の格好で並べ立てる言葉ではない台詞を口にする相手に、俺は冷めてしまう。悪いが頭の悪いヤツを相手にしたくない。

 

 だが、トリーは妙な反応を見せていた。

 

「ねえ、坊や。貴方の体から人間の血の匂いがして困るのだけど?」

 

 へっ? アイツから血の匂いが?

 

 俺はすぐに嗅覚を発動させてあたりの匂いの選別を始める。すると微かだが確かにトリーの言うとおり、血の匂いが鼻に届いた。

 

「そうですかぁ? 俺様ってばここ最近はお利口さんにしてるんすけどねえ。悪魔に取り付かれた人間も居なかったわけだしさぁ」

 

 ……なるほど、相手は自分から暴露したとおり、悪魔祓い師ということか。でも力はそう高い方には見えない。武器とかを巧みに操ることで仕事をこなしている風だ。身のこなしも明らかに施設で訓練を受けた特化型の歩き方と重心の位置だ。

 

 懐か腰ダメに銃を持ってる雰囲気だ。だが懐にあるとしたら利き腕の肩が僅かに上がるものだが、それが無い。

 

「何、ダンマリ決め込んでくれちゃってるんですか、ダアホがっ!」

 

 俺に向かって激高した顔を見せながら飛び跳ねるように突進してくる相手に、俺はしっかりと相手の目を見据えて対処を始める。

 

 リズムはロックかパンクの辺り。身体能力は間違いなく身体強化の中距離戦闘型。挙句にトリッキーでかく乱する戦術、と。

 

 俺は相手の一挙動からある程度の情報を読み取ると、懐からロープを取り出し、縛り上げる手段に打って出た。

 

「はぁん! そのロープで縄跳びですかぁ?」

 

「そうだよ、縄でトンでくれ」

 

 俺は相手が自分の懐に手をいれるのを見ながらロープの端を握り締め、もう片方の端を相手に投げつけた。

 

「シューティングッ!」

 

「なっ、何ですかぁ!?」

 

「……簀巻きっ!」

 

 ロープの半分以上が相手の身体を通り過ぎたのを見て俺はそのロープを引っ張る。するとロープは相手の身体に巻きつき始め、しっかりとあてを拘束していく。

 

「げえぇっ!」

 

 ロープが相手を締め終える頃には見事な芋虫がそこに転がっていた。

 

「副司令ほど複雑なのは出来ないけど、出来ないよりはマシか」

 

 俺は今の技の出来に納得すると、近づこうと歩き出す。しかし相手は縛られたまま飛び跳ねて塀の上へと飛び乗った。

 

「まさか俺様がこうもやられるなんてな。決めた! テメェは俺様の獲物に認定。フォーリンラブで殺してやるから待ってろよぉ~っ!」

 

 神父はそう言って俺に向かって啖呵を切ると飛び跳ねながら逃げていった。

 

 俺達は相手のおぞましい捨て台詞のおかげで追いかける事が出来なかった。

 


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