ハイスクールD×D 2人の竜戦騎   作:バグパイプ

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どうもバグパイプですm(__)m
お約束の聖女です(^^ゞ
それではどうぞm(__)m


第27話 聖女が町にやってきた

「こんな所にシスター、いや格好からして修練女か」

 

 まだ春の陽気が続く4月の中のある休日、俺とイッセーは街中で尻餅をついている少女を見つけた。背格好から修行中のシスターだと理解する。

 

「あっと、大丈夫すか?」

 

 イッセーはそう言って彼女に手を差し伸べる。そして助け起こされた彼女は彼に礼を言った。

 

「あ、ありがとうございます」

 

「イッセー、この近くに教会でもあるのか?」

 

「えっ? まあ、町の外れの所に確かあったと思うんすけど」

 

 俺の問いかけにイッセーは素直に答えた。これで彼女が彼に頼って何らかの繋がりを作れるだろう。俺の経験談だが、女の一人も作れない奴がハーレムを目指すなら、シスターの慈悲深さから経験を重ねていくのが確実に女性の対処の仕方を覚えやすいという。

 

 俺達の会話を聞いて少女は両手を合わせ、表情を明るく輝かせた。

 

「教会の場所を知ってるんですか? 実は道に迷ってしまいまして……」

 

 

 

「……はい、この町の教会に赴任したアーシア・アルジェントと申します」

 

「そうか。俺は時渡翔、この町には仕事で最近着たばかりでね」

 

「俺は兵藤一誠、イッセーと呼んでくれ」

 

 教会まで彼女を案内する道すがら、自己紹介を交えて会話と楽しむことにした。

 

「時渡さんとイッセーさんですか、よろしくお願いします」

 

「俺の方は仕事で会う機会が少ないから、イッセーを頼ると良い。頼りなさそうに見えて中々のヤツさ。有望株として押さえておきな」

 

「どういう意味すか、翔さん」

 

 俺が親切心を出してイッセーをアーシアという少女に押し売りする。そのセールス文句を聞いて彼が俺に向かって抗議の声を上げてきた。

 

「シスターは男が嫁にしたい職業の1つとして知られている。俺の知り合いに言わせると、健気で癒しの強いキャラクターは押さえておきたいステータスの1つなんだそうだ」

 

 俺はそんなイッセーに、彼女の魅力を職業で物語る。

 

 その言葉を聴いてアーシアはイッセーに質問した。

 

「ステータスって、そうなんですか?」

 

「あはははは」

 

「笑ってごまかそうとはヨロシクナイナ」

 

 ごまかしの笑いを浮かべるイッセーに対して軽い説得をした俺は、標的をアーシアに切り替えた。

 

「それでアーシアはイッセーを押さえると、特典としていざという時に頼りになるお兄さんが手に入る」

 

「そうなんですか! 凄いです!」

 

 俺の言葉にアーシアが嬉々としてはしゃぐ。だが俺の目はそのはしゃぎ方に影を見つけてしまった。その影は過去に周囲から阻害された者にしか浮かべられない切ないものだが、それを可憐な彼女が浮かべるというのは少々切ない。

 

 また、同じ影をイッセーが浮かべるようになったから、そっちも何とかしたいものだが。

 

 そんなこんなと会話をしながら歩いていくと、遠くにあった教会が目に見えて近くに見えるところまでこれた。

 

 だが、人の手で使われているという雰囲気がまったくしない。廃棄されて久しい感じがしないのも不気味では有る。

 

 ぬう、こういう所にうら若い乙女を押し込むとは教会連中も罪深いものだ。俺の拠点に入れてやる方がまだマシだ。イッセーの家でも良さそうだな。

 

「あのお礼をしたいので、中でお茶でも……」

 

「すまないな、俺達は用事があるんだ。お茶はまたの機会にさせてもらうよ」

 

 俺はイッセーの身体が妙に震えたのを見てアーシアの誘いを遠慮する。その代わりとなる言葉を言っておかないと。

 

「その代わり、何かあったら俺達に言うと良い。これが連絡先だ。ここに連絡すれば、イッセーが飛んで来て願い事を叶えてくれるぞ」

 

「本当ですか!?」

 

 俺の言葉に心の底から喜ぶアーシアの姿が微笑ましかった。

 

 

 アーシアと別れて岐路に付く俺達。ふとイッセーが俺に問いかけてきた。

 

「時渡さん、何で俺なんすか? 時渡さんならアーシアのこと……」

 

「言うなよ。俺は所詮、他所の世界の住人だ。同じ世界のお前の方がまだ前を向いていられる」

 

 イッセーは俺の返答を聞いて忘れていたことを思い出したのか、それに気づいた表情をあらわにする。

 

「それにお前を押したのもあいつのためだ。受け止めてやれよ」

 

「時渡さん……」

 

「それに、ハーレム王がこの程度に臆してどうする? あの少女にビビる様ではまだまだだな」

 

「そりゃ無いっすよ」

 

 イッセーが俺に指摘に情けない声を挙げるが、彼の心の傷はあの時のまま、癒えていないのが分かった。

司令とかに相談したら本人の問題と言い切られるのが目に見えてるし、困ったものだ。

 

 そして翌日、俺とイッセーはリアスにめちゃくちゃ怒られた。

 


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