20話を数えた記念のギャグ回を前後編でお楽しみ下さい。
まずは前編をどうぞm(__)m
「じゃあ、俺は帰ってから依頼の方に行って来ます」
イッセーはそう言って部室を出て行こうとする。たまたま休憩にと部室に立ち寄っていた俺達はそんな彼の依頼という言葉に興味が走った。
「依頼だぁ~っ?」
俺はレロレロと舌を揺らしながらおどろどろしく彼に近づく。
「どんなおしごとぉ~っ♪」
トリーも俺の後に付いて嬉々としながらお化けヨロシク、イッセーを脅かしに掛かる。
「イッセー、確か前回の依頼主のことよね、それって」
「あっ、はい。そうっす」
イッセーはリアスの質問に何故か冷や汗をかきながら答える。
彼の肯定にリアスはなにやら黒い笑みを浮かべ、俺達にお誘いの言葉を投げかけた。
「イッセーの邪魔をしない、というのなら今回は彼に同行しても良いわよ? どうかしら」
「悪魔さん、いらっしゃいませだにょお~っ♪」
「「どえあああぁああ~っ!」」
俺とトリーは玄関ドアを開けて出てきた巨漢に驚き、思わず飛びのいてしまった。
「トロルかっ!? オーガなのかっ!?」
「ギガントマキアがこっちで起きてるのねっ!? うかつだったわ!」
俺達2人はすぐさま立ち上がり、それぞれ迎撃体制を整える。
「ちょっ、ちょっと待ってくださいよ! この人は俺の依頼人なんすから」
「「依頼人!?」」
イッセーが大慌てで俺達を制する中、俺達は思わず疑問符を打ち上げた。
「ミルたんは、ミルたんなんだにょ、よろしくなにょ」
「よっ、よろしく」
俺は自己紹介をしてくる巨漢に挨拶する。トリーはというと、ミルたんの存在が未だに受け入れられず、部屋の隅で蹲っている。それだから未だに師団長権限が貰えないんだよ。
「それで今回の依頼と言うのは何でしょうか?」
イッセーは臆する事無く依頼人であるミルたんに話を聞く。
中々どうして様になってるな、いっせー。しかし見事な筋肉だるまから依頼を受ける普通の高校生というのは絵面的にどうかと思う。
「あの後、ミルたんも考えたんだにょ。魔法少女になる方法を」
俺の耳は聞くはずの無い言葉を聴いてしまったようだ。
「魔法少女になりたい!?」
「あっ、ああ、ミルたんはそういう人なんすよ」
俺の驚愕にイッセーが口添えしてくる。何てことだ、それは世界がお前を惜しむぞ、絶対に。
世界なんて片手で取れそうなほどに発達させた筋肉を捨てるというのか、この愚かな生き物は。
「悪魔さんでも出来ないのにミルたんなんかじゃ無理だったにょ」
そら、そうだろうな。俺達だって男を魔法少女にする方法なんて持ってないし、知りもしない。魔法や科学分野でデタラメをやらかす副司令ならもしかしたらとは思うけど。
「魔法の世界に行くという選択肢は取らなかったの?」
「それはもうやってみたにょ」
「やったのかよ!」
トリーが放った魔法世界行きは試したかという質問に試したとの返事が来て、俺の度肝を抜いた。どこにその魔法世界があるんだ!?
「未知が満ち溢れているぜ、この世界は」
困った時の司令、という選択肢を取らせてもらえないかな。
「カケカケ、それって旨く言えてないから」
トリーにギャグのダメ出しをされてしまった。
「それで今回の以来は魔法少女関係ですか?」
「そうなんだにょ♪ 魔法少女に関係した文献を一緒に調べてほしいにょ」
イッセーの再確認に対して文献調査の依頼だとミルたんは公言する。
……あれ、今更に気づいたんだけど、俺達は肝心な知識に偏りを感じた。
「なあ、トリー、俺達の世界で知る魔法少女ってのはさ」
俺はそう言って上半身だけでボクシングの構えを取る。それを見たトリーも俺と同じ認識なのか黙ってうなずいていた。
「すまねえ、そっちの云々の前に知識のすり合わせを頼む」
俺は想定外の緊急事態と判断し、イッセー達に魔法少女に関する知識の照合を求めた。俺のカンが正しければ、どちらかの知識が見当はずれな状態のはずだ。いや、もしかしたら俺達の知識の方が拙いかも知れない。
「何を言ってるんすか?」
「そうだにょ、確かに間違いがあったら大変なんだにょ。ちゃんと合わせるんだにょ」
イッセーの疑問符を押しのけ、ミルたんは俺達に賛同してくれた。
そして俺達とミルたんたちとの知識の照会が始まった。その時はまだ俺の魔法少女の知識は間違いどころか極論だとは露ほどにも思ってなかった。俺の知ってる魔法少女は拳が……えっ? 違う?
次回は最初から爆笑の危険性がありますので、お気をつけ下さいm(__)m
腹筋が切れても保障出来ませんですm(__)m